2020年12月31日

2019年、2017年、2018年

芥川賞のすべて・のようなもの



book shorts


2019年

4.緑の毒(桐野夏生)


3. 群ようこ「挑む女」

3「空白を満たしなさい」(平野啓一郎

2「愛なき世界」三浦しをん

1.おまじない 1/3 西加奈子

2018年


2018.12.18 130 僕たちはみんな大人になれなかった

2018.12.19 131 ある男 平野啓一朗



16.東山彰良「僕が殺した人と僕を殺した人」
http://ryoumama0116.seesaa.net/article/456877280.html

1.充たされざる者http://ryoumama0116.seesaa.net/article/454000389.html・・1/1〜

38・山口恵以子「毒母ですがなにか」

41・錦矢りさ「意識のリボン」
42・千早茜「男ともだち」


新潮社

101「夜と霧」・・「人間とはガス室を発明した存在だ。しかし同時にガス室に入っても毅然として祈りの言葉を口にする存在でもあるのだ

105中村文則「何もかも憂鬱な夜に」p160・・・「自分以外の人間が考えたことを味わって自分でも考えろ」「考えることで人間はどのようにでもなることができる。世界になんの意味がなかったとしても人間はその意味を自分で作り出すことができる」
120.松浦理英子「最愛の子ども」
121.村田沙耶香「消滅世界」

芥川賞(芥川龍之介賞)・歴代受賞者の一覧

webでも考える人

文藝春秋WEB

2017年の目標は300冊(;^ω^)・・!(^^)!

2016.12月・・小川糸「ツバキ文具店」

1.「3000円投資生活」1.1
2・「この冬の私はあの蜜柑だ」(片岡義男)1.3〜
3.快楽(青山七恵)1.5
4.「哲学者というならず者がいる」(中島義道)1.5〜
◆5.「スターバックスで普通のコーヒーを飲むひとを尊敬する件」(山本ゆりhttp://ddnavi.com/news/342562/a/
◆6.「ラジオラジオラジオ」加藤千恵
7.中島義道「人生しょせん気晴らし」
8.村田沙耶香「殺人出産」
9.山本文緒「なぎさ」・・・再読(;^ω^)
10.中島義道「私の嫌いな10の人々」
11.井上荒野「綴られる愛人」(2016.10)
12.「神去なあなあ夜話」2012.11
13「満潮」朝倉かすみ
14「火花」又吉直樹
15.「空に牡丹」大島真寿美
16.小池真理子「沈黙の人」
17.橋本治「負けない力」
18.山崎ナオコーラ「ボーイミーツガール」
19.武田百合子「随筆集」
20.西加奈子「I」
21.ニーチェ「道をひらく言葉」野田恭子2010
22.平安寿子「人生の使い方」
23.橋本治「橋本治という立ち止まり方」
24..橋本治「結婚」
25.古市憲寿「僕たちの前途」
26.橋本治「いま私たちが考えるべきこと」
27.小池真理子「無花果の森」
28.ニーチェ「ツアラトゥスラはこう言った」
29.鏑木蓮「しらない町」
30.宮台真司「私たちはどこからきてどこへ行くのか」
31.
桜庭一樹「RED」
32.橋本治「戦争のある世界」
33.古市憲寿「社会の抜け道」
34.「生き延びろ」雨宮処凜
35.桐野夏生「猿の見る夢」
36。きっと素晴らしい心理カウンセラーになれる
37.メンタルトレーナをめざす人が初めによむ本
38.桜庭一樹「ほんとう花をみせにきた」
39.恩田陸「朝日のようにさわやかに」
40.中島義道「ふつうから遠く離れて」http://ryoumama0116.seesaa.net/article/445560087.html
41.米田功「見えない壁を壊す」
42.恩田陸「土曜日は灰色の馬」
43.浮世満理子「成功と目標達成のための実践的思考法」
44.橋本治「三島由紀夫とは何者だったのか」
50.騎士団長殺し上巻 
51騎士団長殺し下巻k
52.向田理髪店
53.明るい夜に出かけて
54.ロズウェルなんてしらない
55.夜の国のクーパー
56.詩を書くということ
57.小川洋子短編集
58.IQ84 1巻再読
59.IQ84 2巻再読
60.IQ84 3巻再読
61.海辺のカフカ1巻再読
62.海辺のカフカ2巻再読
63.2016年版消費生活アドバイザー試験合格対策
64。野蛮な読書 平松洋子
65.買えない味 平松洋子
66.殺人犯はそこにいる 清水潔
67.素数たちの孤独
68.中学生からの愛の授業 宮台真司
69.静かな雨 宮下奈津
73.職業としての小説家
74.僕はそして僕たちはどう生きるのか
75.デカルコマニア
76.リストカットのむこうへ
77.黒冷水
78.みなそこ
79.PK
80.海辺のカフカ
81「明日の食卓
82.あしたの君へ
83.走る
84.クラウドガール

85.歓喜の仔
86.「約束された場所で
87.Aでない君と
88.いそぶえ
89.占星術殺人事件
90.海辺のカフカ
91.リア家の人々
92.ミステリーガール
93.心臓を貫かれて
94.氷の轍
95.我慢ならない女

97.ねじまき鳥クロニクル(再読)

101.「夜と霧」「生きがい喪失の悩み」ヴィクトール・E・フランクル

105.中村文則「何もかも憂鬱な夜に」
106「国境の南、太陽の西」(再読)



悶絶と共感がとまらない大人気料理ブロガー・山本ゆりさんの『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』がやっぱり面白い件


1分間瞑想法


★★★

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2020年10月16日

宇佐見りん「かか」

2020.10.16 金

CIMG3585.JPG 93・かか

p55「うーちゃんはにくいのです。ととみたいな男も、そいを受け入れてしまう女も、あかんぼうもにくいんです。そいして自分がにくいんでした。自分が女であり、孕まされて産むことを決めつけられるこの得体のしれん性別であることが、いっとうがまんならんかった。男のことで一喜一憂したり泣き叫んだりするような女にはなりたくない、誰かのお嫁にも、かかにもなりたない。女に生まれついたこのくやしさが、かなしっみが、おまいにはわからんのよ」

★★★

ひらがな多用の物語はとっても読みづらいしくたびれる。けれど、主人公うーちゃん19才の過酷な生活とつらい苦しい感情を表すには平仮名多用がぴったりだったのかなと思う。うーちゃんはかか(母)になることが夢だった。かかが大好きだった。成長につれかかを憎むようになるが・・
。かかへのぐちゃぐちゃな気持ちと決別するために、うーちゃんはかかの手術の前日に旅に出る。・・母と娘の物語は数多くあって、辛さ苦しみ生きづらさを延々と述べた後、どうやってそこから抜けていくかという展開になる。うーちゃんの物語は・・すさまじかった。という感想。SNSコミュニティでなんとか生きながらえているという様子もよくわかった。10か月の妊娠期間中、母と子はべったりくっいている。お互いになくてはならない存在、分身のような存在になってしまうのも理解できなくはないなあとこういう話を読むたびに考える。
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2020年10月12日

10/12「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

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10/13読了・・

2016年4月、父親を亡くし、若林さんは、8月キューバ〜モンゴル、アイスランドを一人旅をした・・キューバには全く興味がないので、事細かに旅の様子を書かれても全く絵が浮かばない。けれど若林さんのニコニコ顔、考えこむ顔ぼーっとする顔怒り顔困り顔は浮かぶのだ、邪魔なほど。ファンではないのだけれど。それほど感情や考えたことを細かに書いているということなんだろう・・他いろいろ感想や突っ込みところはあるのだけれど。・・巻末のDJ松永さんの解説文を読んで泣いて泣いて涙が止まらなくて、もういいやって気分になって読了。一人で海外旅行に行くときの注意点とかの参考にしてもいいし、げらげら笑えることか、ほんとかよ?作ってるよねとか疑ってもいいし、自分はこう思うな・・と深く自分自身を見つめる本にしてもいい・・。とてもGOODな本でした

笑えたところ・・アイスランド編、ラスト。。オーロラをみるところ!! 絶対笑わせるために話を盛ったよねと言いたくなる( ^^) _U~~くらい笑えた。今思い出してもにやけてくる

★★★

2016年4月父親を亡くし、キューバ〜モンゴル、アイスランドと一人旅をした。キューバには全く興味がないので、事細かに旅の様子を書かれても絵が浮かばない。けれど若林さんのニコニコ顔、考えこむ顔ぼーっとする顔怒り顔困り顔は浮かぶ。ファンではないのに。感情や考えを事細かに書いているということなんだろう。他感想や突っ込みところは多々あるけど巻末のDJ松永氏の解説文を読み、泣いて泣いて涙が止まらなくて、もういいやって気持ちで読了。一人海外旅行の注意点等の参考にしてもいいし、げらげら笑うもあり、深く考えるもよしの本

★★★
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2020年10月03日

芥川龍之介「羅生門」

2020.10.3

10月の朗読教室の課題は「羅生門」・・朗読ではよくつかわれる素材だそうだ。大変有名な作品だけれど私は興味がなく今回初めて読んだ。
教室で朗読してみて。。なんと恐ろしい話であることかと思い、ここまでして生きていきたいものなのか、人間の醜さを突き付けられ絶望感を感じる。さて、自宅で老婆のセリフをどう読んだらよいものかと思案したり練習しているうち・・この老婆ってすさまじくたくましい奴なんだと気が付く。たぶん十分生きてきたんだからもう死んでも仕方ないと思いで弱弱しい声で読むよね?と練習してみたけれど・・いやいやこの老婆は見た目はもうぼろぼろなのだろうけど生きる気持ち満々なんだと気づく。さらに、老婆の話を聞いた男(下人)は勇気がでたという・・とすると老婆の悪行は男には勇気を与えた善きことになるのか?と思案中。
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2020年09月30日

文学界 2020.2月号

文学界 2020.2月号

2020.9.30

精神病苑エッキス 吉村萬壱

高岡ミユ 事務職独身・・幼稚園の頃から「世界の速度は速すぎる」と感じていたが、37才になり、とうとう世界の速度についていけなくなった・・朝、起きれないから会社はクビ。先輩の中津川から「お金になるから」と精神病院へ行くことをすすめられる。精神病苑エッキス、精神病患者を演じあう倶楽部。中津川はいう「ミユみたいに頭が本当におかしくなる前に耐性をつけて慣れておくのだ。自ら進んで狂気に飛び込んで狂気を克服する」らしい


人糞ハンバーグ 西村賢太

北町貫太 昭和58年3月、中学を卒業し母、姉から縁切り料だと10万円をまきあげ、鴬谷の家賃月8000円の「蜂谷荘」で自活を始めた。まずは仕事をみつけてソープへ行こう。。が仕事は見つからず、母に金の工面をする始末。いよいよやばいと短期のアルバイトを見つけてきた。午後3時から9時の旅館のバイト(メイン客は修学旅行生)・・1日目賄いハンバーグを6個食べ飯5杯、汁3杯を平らげ、前金を要求、2日目は30分遅刻して・・クビになった・・美味かったハンバーグは人糞ハンバーグとなるのだった


時事殺し 第48回「私は変へたい」ならば 武田砂鉄

あなた紀 最果タヒ
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2020年09月29日

村上春樹「品川猿の告白」「風の歌を聴け」「アフターダーク」「騎士団長殺し」「IQ84(再読)」「海辺のカフカ」「約束された地で」「ねじまき鳥クロニクル」「国堺の南、太陽の西」

2020.10.17 土 文学界2019.12より

謝肉祭」「1人称単数」に収められているらしい。僕が出合って一時期親しく音楽の話をして音信不通になった容姿の美しくない女性とのお話。。僕は今は中年なのだけれど、音楽の話をした美しくない(醜い女性)が詐欺犯罪者だったというニュースを見て、大学時代に一度だけダブルデートした容姿の美しくない女子を思い出したという・・「だから何??」とも言えるんだけど、似たようなエピソードなかったかなあとつらつら思う、「容姿は整ってないから一歩引いてしまうけど、話をしてみると魅力的な人っていたなあ、うんいたいた」とか「村上春樹さんは何を言いたいのか、言いたくないのか??」とか、ついつい読み返してしまうとか・・飽きないんだなあ。「謝肉祭」とは僕と美しくない彼女が大好きな曲に挙げたというシューマンの楽曲。「作家生活40周年」という特集記事を読むのも楽しみ

2020.9.29 火 文学界2020.2より

品川猿の告白」「1人称単数」に収められているらしい。大学教授の家で育ち、言葉を話せる猿の話。。どっかで読んだことあるような気もするけど。。まあいいや・・とにかく「あぁ、これこれ!!いいなあほっとする」に尽きる。朝井リョウ「どうしても生きてる」を読んで気分が落ちたあとだったのでほんとーにホッと救われた気分・・お猿さんは「愛が欠かせ燃料」という、そうねその通りだと思うけど、愛が見つからない人見つけられない人はどうしたらいいのと聞きたい



2020.9.4金

81「風の歌を聴け」1979年7月CIMG3489.JPG1970年夏、あの日の風はものうくほろ苦く通り過ぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない・・群像新人賞を受賞したデビュー作(帯より)

wired、ニムロッドと現代感満載の本を読んでぐったりしたので、ぼーっとしたいなと本棚を眺めて昔の本を再読。「風の歌を聴け」1979年村上春樹デビュー作・・上田岳博弘さんが影響を受けたらしい本で、ぼーっとしたいけどニムロッドから離れてない( ;∀;) 21歳の主人公たち、夏休みの終わりの物語、帯には1970年、ものうくほろにがい夏の出来事・・とある。今の季節に読むのにぴったり!!1970年ってすごく大昔なのに、2020年の今もどこかで、こんな会話がかわされるかもしれないなあ、そうだといいなあ・・と思えるお話・・「人生に絶望する」「人生は空っぽ」等感覚を味わうのはキツイ・・若ければ若いほど苦しいことになるだろうな。私が20代のころは退屈はしたし悩みもしたけどそれを忘れるように大騒ぎしていたなと振り返り、それはそれでそのつけは大きかったりする( `ー´)「人生は空っぽ」いまは「そうね」って思う

p119で大きな古墳を眺めながら、すべてがのみこまれて一体化する感覚を鼠が味わったとはなす下りがあるけれど、これってニムロッドの情報化社会のなれのはて個が溶けて全体に飲み込まれると同じじゃんと発見。「あ、見つけた!!共通点」と面白く感じていた

p125「我々は時の間をさまよう・・風さ」

p135「なぜ人は死ぬの?」「進化してるからさ。個体は進化のエネルギーに耐えることができないから世代交代する。もちろんこれはひとつの説にすぎないけれどね」「今でも進化してるの」「少しづつね」「なぜ進化するの」「・・宇宙全体が進化してるってことなんだ・・結局のところ僕たちはその一部にすぎないんだ・・」「そのエネルギーがどこからきているかは誰にもわからない」・・こんな記述があったんだという驚き

デレク・ハートフィールド出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(Derek Heartfield 1909年-1938年)は、村上春樹の小説『風の歌を聴け』の中に登場する架空の人物。主人公の「僕」が最も影響を受けた作家として登場する。

言葉に「文章をかくという作業は、とりもなおさず自分と自分をとりまく事物との距離を確認することである。必要なものは感性ではなく、ものさしだ。」「私はこの部屋にある最も神聖な書物、すなわちアルファベット順電話帳に誓って真実のみを述べる。人生は空っぽである、と。」「誰もが知っていることを小説に書いて、いったい何の意味がある?」「宇宙の複雑さに比べればこの世界などミミズの脳味噌のようなものだ。」「私の天気予報が外れると、次の日、隣家の鶏は1オクターブ低く鳴く。」などがある。

p159 「ハイヒールの踵くらいの小さな墓」



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E6%AD%8C%E3%82%92%E8%81%B4%E3%81%91より
1979年4月発表の第22回群像新人文学賞受賞を受けて、同年5月発売の『群像』6月号に掲載された。同年7月23日、講談社より単行本化された。表紙の絵は佐々木マキ。本文挿絵は村上自身が描いた。1982年7月12日、講談社文庫として文庫化された[3]。2004年9月9日、文庫の新装版が出版された。

タイトルは、トルーマン・カポーティの短編小説 "Shut a Final Door" (「最後のドアを閉じろ」)の最後の一行「Think of nothing things, think of wind」から取られた。なお、群像新人文学賞応募時のタイトルは「Happy Birthday and White Christmas」あった。この言葉は表紙の上部に小さく書かれている。

当時の村上春樹と同じく1978年に29歳になった「僕」が、1970年8月8日から8月26日までの18日間の物語を記す、という形をとり、40の断章と、虚構を含むあとがきから成る。「鼠三部作」の1作目[注 3]。

2005年時点で、単行本・文庫本を合わせて180万部以上が発行されている。


p13〜「虫唾が走る」「金持ちなんて・皆・糞くらえさ」。。自宅がかなり金持ちの鼠は言う。(鼠)「僕のせいじゃないさ」(僕)「いやお前のせいさ」鼠の言い分にも一理あるのだから「お前のせいさ」と言った僕は嫌な気分になる。
僕と鼠が出会ったのは3年前、大学に入ったころ



★★

2019.2.4〜 18・「アフターダーク」(2004)CIMG2263.JPG

アフターダーク出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


2004年9月7日、講談社より刊行された[1]。装丁は和田誠。写真は稲越功一。表紙と扉には「afterdark」という英題が記されている。2006年9月15日、講談社文庫として文庫化された。
村上は執筆のきっかけのひとつとして、ロベール・アンリコ監督のフランス映画『若草の萌えるころ』(1968年)を挙げている[注 1]。
作中には村上が表現する、深夜の都会という「一種の異界」が描かれている[注 2]。全18章において、具体的に23時56分から6時52分まで、一夜の不可逆的な時間軸の出来事として(各章、および物語の中にアナログ時計が描かれ、それぞれの物語の開始の時間を示している)、三人称形式と共に、「私たち」という一人称複数の視点から複数の場面(マリ、エリ、高橋、白川、カオルなどの様子)を捉えつつ物語は進む。しばしばその「私たち」は自意識を持つ語り手となるのが特徴である。
『ニューヨーク・タイムズ』のブック・レビューにおける「2007年注目の本」の小説部門ベスト100に、本書の英訳版が選出された[4

時刻は真夜中近く。彼女はずいぶん熱心に本を読んでいる。様々な種類の人間が深夜の「デニーズ」で食事をとり、コーヒーを飲んでいるが、女性の一人客は彼女だけだ。
入り口の自動ドアが開き、大きな黒い楽器ケースを肩にかけた若い男が中に入ってくる。「君は浅井エリの妹じゃない?」 彼女は無言だ。男は続ける。「君の名前はたしかユリちゃん」 彼女は簡潔に訂正する。「マリ」
部屋の中は暗い。しかし私たちの目は少しずつ暗さに慣れていく。美しい女がベッドに眠っている。マリの姉のエリだ。部屋のほぼ中央に椅子がひとつだけ置かれている。椅子に腰かけているのはおそらく男だ。
マリに話しかけた男が立ち去ると、金髪の大柄な女が店内に入ってくる。女はマリの向かいのシートに腰を下ろす。「タカハシに聞いたんだけど、あんた中国語がべらべらにしゃべれるんだって?」
女の名はカオルといい、ラブホテル「アルファヴィル」[注 3]のマネージャーをやっている。カオルはマリに通訳を頼みたいという。「アルファヴィル」の部屋では、客に殴られ身ぐるみはがれた中国人の娼婦が声を出さずに泣いている。娼婦の名は郭冬莉(グオ・ドンリ)。マリと同じ19歳だ。
カオルは従業員のコオロギとコムギとともに防犯カメラのDVDを調べ、殴った男の映像を見つけ出す。
「アルファヴィル」の防犯カメラに映っていた男は、同僚たちがみんな帰ってしまったあとのオフィスでコンピュータの画面に向かって仕事をしている。
午前3時。「すかいらーく」でマリが一人で本を読んでいると、高橋が店に現れる。
エリはまだ眠り続けている。




2017.12.25(火)「女のいない男たち」再読

2017.10.10
村上春樹氏のノーベル文学賞遠のいた? 文芸評論家・川村湊氏「少なくとも7、8年後」
スポーツ報知
日系の英国人作家カズオ・イシグロ氏(62)が今年のノーベル文学賞受賞者に決定してから一夜明けた6日、受賞には至らなかった日本の作家・村上春樹氏(68)について、文芸評論家の川村湊氏は「村上さんの受賞は遠のいたと思います。少なくとも7、8年後でしょう」と分析した。
 昨年の著書「村上春樹はノーベル賞をとれるのか?」でイシグロ氏受賞の可能性を明記していた川村氏は「驚きはないですね」と感想を述べながら「村上さんも受賞を争ったと思いますけど、スウェーデン・アカデミーは昨年、ボブ・ディランを選んで一部で批判されたので、今回は文学の王道たるイシグロさんを選ぼうと思ったのではないでしょうか。世界的には村上さんはエンターテインメント作家と見られています」と選考経過を読む。
 ノーベル文学賞は、国籍や言語によって「持ち回り」の周期があるとされる。川村氏は「続くことは過去に一度もありません。今回、23年ぶりの日本出身作家ですから、日本人作家は当分ないでしょう」とみている。アジア人としても、直近の受賞は2012年の中国・莫言氏。その前は00年の高行健氏(中国)。昨年のディランは米国人として23年ぶりの受賞だった。
 イシグロ氏は、ロンドンの出版社で2度目の会見に臨んだ。親友でもある村上氏の名前を挙げて「他の偉大な作家が受賞していないのは少し罪悪感を覚える」と複雑な胸中を吐露しながら「ディラン、私となったので、次は春樹さんに取ってほしい」と期待を口にした。
 三浦春馬(俳優。イシグロ氏原作のドラマ「わたしを離さないで」に出演)「独自の世界観の中で命の煌(きら)めき、希望を持つことのかけがえのなさを学ばせていただいたことを懐かしく、そしてあらためて光栄に感じます。これからも作品たちが、世界中の人々に愛され続けることを願っています」

★★★★


2017.7.3 112.「ノルウェーの森」(1987年)再読・・
p85・・「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」
p385・・・「・・・放っておいても物事は流れるべき方向に流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。人生とはそういうものです・・

2017.6.21 106「国境の西、太陽の南」(再読)

2017.6.6〜2017.6.20.。「ねじまき鳥クロニクル」(再読)

2017.5.5 86.「約束された地で」

2017.5.1〜5/4 85.「海辺のカフカ」再読・・・『海辺のカフカ』(うみべのカフカ)は、村上春樹の10作目の長編小説。 ギリシア悲劇と日本の古典文学を下敷きにした長編小説であり、フランツ・カフカの思想的影響のもと[注 1]ギリシア悲劇のエディプス王の物語と、『源氏物語』や『雨月物語』などの日本の古典小説が物語の各所で用いられている。20代後半から30代前半の主人公が多い村上小説にしては珍しく、15歳の少年「僕」が主人公で、不思議な世界を自ら行き来しながら、心の成長を遂げていく物語である。また本作は『ねじまき鳥クロニクル』からの暴力、戦争といったテーマが引き継がれており、生々しい残虐なシーンも同様に登場する。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E8%BE%BA%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB

2017.3.23(木)

昨日から61「海辺のカフカ」を読んでいる(^^)/・・CIMG1498.JPG

2017.3.20(月)
IQ84を再読書中・・最終章(10月〜12月)へ来た・・

「牛河」氏は嫌悪する以外の感想を持てない。吐き気がするほど嫌いだ( ;∀;)

2017.3.13(月)〜

IQ84を再読書中

◆新潮文庫 BOOk1-前編
p205・・「常識を働かせ、しっかり目をあけていれば、どこが最後かはおのずと明らかになる」

p294・・・「深田」について・・能弁すぎて自分の言葉に酔ってしまう傾向があり、深いレベルでの内省と実      証に欠けるところも見受けられた。

p299・・・「・・じきに世界が終わるというのは、睾丸を思い切りけられた時のようなものなのかしら」
      「・・・そこにはただ深い無力感しかないんだ。暗くて切なくて救いがない・・」

p307・・・「歳の問題ではありません。これは生き方そのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が
      大事なのです。攻撃を受けることだけに甘んじていてはどこにもいけません。慢性的な無力感は人      を蝕み損ないます。」

◆新潮文庫 BOOk1-後編(4月〜6月)

P93・・・「一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある。たとえその人と一      緒になることができなくても」
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★★★

2017.3.1〜3/9・・・1週間もかかってしまった・・1000ページ2冊!!!長っつ。村上春樹さまだから許される出版ではないだろーか!!!絶対売れるぜって前提の企画だ

騎士団長殺し
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2020年09月25日

朝井リョウ「どうしても生きてる」「死にがいを求めて生きてるの」「星やどりの声」「武道館」「世界地図の下書き」

2020.9.21〜9/28読了

87・CIMG3523.JPGどうしても生きてる 2019.10

@【穏やかな論理】

私(佑季子)一流企業OL、結婚〜「僕は自分も変えられないし君もそうだと思う」と離婚〜9歳下の恋人恭平(80キロ182センチ)あり・・恭平は「ドラマを見ながら携帯に文章を打ち込みつつ体幹トレーニングらしい動きもする」ような男性。実家は自動車産業で潤ってる地方都市、弟がおり母が孫育てに夢中。・・何事にも深くかかわらないので「私の精神水面はずっと凪いている」状態。

2020.9.26 土

p34 友人と食事を楽しんでいる様子をSNSにアップしている女性が、「喫煙休憩している会社員」へのクレームを送ってくる・・ことに対して・・「自分にも見えないものがずっと積もってるんだよ、最後の一滴がなんなのかは誰にもわからない」

佑季子いつも少し死にたいとおもっている「なんかもっ、いいか」という気持ち・(誰でも一度はあるんじゃないか、わたしだってある)・・ぼーっとしてるとき恭平からのメールを見て「いなくなってほしくない」と強烈に思う、「なんだかわからないけどとても会いたい・・過去にもそう伝えればよかった」・・と唐突に終わってびっくりした・・短編集だったと気づく。@【穏やかな論理】は死にたいという気持ちを長々つづっていてどんな展開になるかとひやひやしたけど結局、作者からみた「離婚で傷ついた女性の様子」だった。。次はA【流転】たぶんリストラか?を宣告された44歳男性豊川の話・・まもなく読み終わりそうだ、なんとなく着地点予想してみる、あたるかな・・

A【流転】

俺豊川44才・・リストラを言い渡された日、・・22年前大学生のころ通っていたライブハウスにやってきた「嘘がない自分」を目指していた日々が懐かしく恥ずかしい・・時代はめぐり社会は変わる・・と実感しながらライブを聞く。かつて人気があったバンドの演奏を聴きながら思うp72「なにもかもが巡り変わりゆく中で唯一だれにも曲げられず何にも奪われないもの、それはその人自身が築きあげた歴史とそこから手に入れた技術だ。その人が手に入れた技術はどこまでも伸び、どこにでも届く。文化も国境も時代も社会も誰も何も操ることのできない弾道で」このバンドは大ヒット曲を1曲だしただけだけど、ライブという場で自分たちが手に入れたゆるぎない能力を証明することができる・・

過去にもどり・・豊川と瀬古は大学4年生のときに新人賞を受賞しデビュー、連載がはじまった・・その連載がきつかったけれどひいきバンドのライブに支えられ、豊川には「あなたたちのまっすぐな姿が羨ましい」と告白する奈央子という彼女できた。瀬古は絵の技術を磨き続けている間、豊川の話はボツにされ続ける。p83「豊川は、物語を考える自分を超えて自分に嘘をつかずに生きるって腹をくくっている風な自分を好きになっちゃったんじゃないの」最後に瀬古と決別する、奈央子の妊娠を機に、漫画と決別し保険会社に就職し、本音を明かさない楽さの中で生きていく。


「自分に嘘はゆくな」と歌うヒップホップに勇気づけられ漫画家を目指した大学時代の豊川と瀬古。。25才豊川は付き合っていた奈央子の妊娠をきっかけに保険会社へ就職し営業マンとなり、瀬古は絵を描き続けてイラストレータとなる。。42才、豊川は会社の幹部と面談をする・・その足で向かった先は、大学生の頃、瀬古と通ったライブハウスだった・・時は流れ社会は変わる。。その流れの中で個人はどう生きていくか生きてきたか・・瀬古やバンドマンや明石がまぶしくうらやましい・・私は豊川に共感することしかできない。どよーんとする物語なんだけど読後感は悪くない・・「それしかないよね・・」とつぶやくのみ。ヒップホップへの愛情がかんじられるページは読んでいて楽しかった
豊川は最後「後ろめたさが残る道を歩き続ける以外ない」と決める、かっこいいじゃないか!!

B【7分24秒目へ】非正規社員として働く女性たちの苦しさ。ある日突然解雇を言い渡される、または契約更新されないこと。「あんたはいらない」と言われること・・傷つく以外のなにものでもない。私だって同じ立場になることはありうる。読んでいて一緒に海の底に落ちていく気分になる「いいなあこれを真夜中に食べきって美味しいって言える・・・この世界はどんなに楽しいだろう」契約を更新されずに派遣先終了した夜に主人公が、早食い競争をしているユーチューブ動画を見てつぶやく言葉。ユーチューブの世界は人を救う側面もあるのだと気が付き、ユーチューブへの見方がすごく変わると思う。

C【風がふいたとして】この物語での風とは何だろう・・不安、不穏・・夫が会社で不正に加担しているようだ・・妻は気が付きながらも知らないふりをして半径5メートル以内の雑事に全力をつくす・・家事育児パート仕事、義父母とのつきあい・・きっと私もおなじようにしてしまう。そんなことをしたって不正に加担している事実は消えないし夫はますます苦しみけ、心身を壊していくのに。。わかっているのに直視できない弱さが情けない。。

D【そんなの痛いに決まってる】主人公良太は34才男性、既婚、仕事も人生も悩み多いが、近々の課題は同じ年の妻からは子供を作ることへの協力を要請されていること・・良太は勃起不全となった。良太と妻美嘉の性行為の好みは相違していて良太は、性行為を楽しむ相手が別にいる。その女性というときはのびのびとするのだ。仕事も人間関係もなにもかも「痛くても痛いってて言えない」毎日が続く。疲労困憊だ。だったら、自分で「痛いときは痛いって言える」場所だったり何かを見つけるしかない。。ああつらいなあ

E籤・・「くじ」と読む・・知らんこんな漢字と腹立たしくさえなる・・出産前検査で異常かもしれない結果を聞き「外れ籤をひいた」という夫は最低!!だけど自分もそう思うかもと恐ろしい気分になる。短編集のラストにふさわしく、気分は底まで落ちるだけ落ちて・・最終ページに近づくにつれじわじわっと少しづつ希望の光が見えてくる、ほんの少し。底が暗くて深いからわずかな灯すら、温かくて希望に満ちたものに感じる・・読み終わってやれやれと思う、くたびれた
★★★

2020.2.6〜

10.死にがいを求めて生きてるの (2019.3)CIMG3025.JPG白井友里子22歳、看護師、舞台は北海道、東京で意識不明になる事故にあいで入院中の大学生清水を毎日見舞う幼馴染の堀北に、
友里子は「大切なお友達なんですね」声をかける。堀北は「事故の瞬間、何もできなくて後悔しているのだ・・」みたいな話をする。
友里子には年の離れた弟がいる。弟は小4(だったかか?)で体が小さ目で、不登校気味。友里子の母は43歳・・さらに看護師だったけど自殺してしまった従妹もいる。。(今のところの登場人物)


2018.8.1

81.「星やどりの声」2011.10

2018.3.30

36.武道館
武道館』(ぶどうかん)は、朝井リョウ原作の、女性アイドルをテーマにした小説、並びに2016年に、フジテレビジョンの「土ドラ」で放送されたテレビドラマである。女性アイドルユニット「NEXT YOU」は、結成当時から日本武道館での単独ライブを目指して活動を続けている。他のアイドルとは違った独自の視点で展開する握手会であったり、インストアライブなどのキャンペーン活動など、様々な取り組みをして、トップアイドルを目指そうとするが、その中で、彼女たちの心の問題、例えば恋愛禁止令や、インターネットでの炎上騒動、CD購入特典などの商法などの悩みを抱えたりもする。近年のローカルアイドル・グループアイドル時代を象徴するテーマに、同世代の小説家である朝井が鋭く切り込んだ小説である。https://ja.wikipedia.org/wiki/武道館_(小説)

【正しい選択】なんて、この世にない。

結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、
さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。

「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」

恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……
発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。
それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。

「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

本当に、私たちが幸せになることを望んでる?恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業…発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取りまく言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは―。「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編。 https://www.amazon.co.jp/武道館-朝井-リョウ/dp/4163902473



2015.6.26(金)

65.「世界地図の下書き」(2013.7)

p6・・この人たちは何かを話すとき、わざわざしゃがんでまで目を合わせてくる。それが少し怖い・・
(スタートしてまもなくの一文で・・そうだったのか・・そういうこともあるかも・・確かにそうだ・・といろいろ考えさせられた箇所)

「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。 夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは……?著者渾身の最新長編小説。 直木賞受賞後第一作!

物語は児童養護施設に暮らすある一つの班のメンバー5人の子どもを巡る3年間の物語。

しかしながら、子どもなりの孤独感 学校でのいじめ、親族による虐待など普通の子どもたちにもふりかかる事々。それに一生懸命に立ち向かっていく子どもたち。子どもはその感性で大人のウソを見抜いていく。主人公の少年は、虐待する伯父から守ってくれなかった伯母へ言う
P160「叔父さんがいなくなった。だから伯母さんはその代わりを探した」そして改めてぼくを引き取りたいと言いだしたんだ。

学校で兄妹ともにいじめられている兄はいう P319「もうあの学校から逃げようと思った。いつまでもがまんして、いつまでも同じとこにおる必要なんてないってあのときやっと気づいた」

児童養護施設の職員の方のお話を伺うことがありましたが 24時間365日、本当に大変なお仕事です。なかなか心を通わせてもらえない子どももいて脱走などもあり、本当に心をすり減らすことばかりのようです。著者がどうしてこの物語の舞台を児童養護施設にしたのかはわかりませんが、そのおかげで大人の関与を極力排した「子どもの心によりそった物語」となったと思います。投稿者 habichan 投稿日 2013/7/30
アマゾンブックレビューよりhttp://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%81%AE%E4%B8%8B%E6%9B%B8%E3%81%8D-%E6%9C%9D%E4%BA%95-%E3%83%AA%E3%83%A7%E3%82%A6/dp/4087715205


朝井リョウ(あさい リョウ、男性、1989年5月31日 -)は、日本の小説家。本名は佐々井遼

岐阜県不破郡出身。岐阜県立大垣北高等学校、早稲田大学文化構想学部卒業。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビューし、2012年には同作が映画化。2012年、『もういちど生まれる』で第147回直木三十五賞候補。2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少となる[1]。直木賞受賞後第一作『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞

高校時代はバレーボール部に所属し、体育祭の応援団長も務めた[2]。大学時代は堀江敏幸のゼミに所属していた。大学在学中に作家デビューしたが、卒業後は就職活動を行って会社員となり、2015年まで兼業作家であった。6作目の『何者』は初めて営業の新入社員として仕事をしながら、通勤前と帰宅後に執筆した[1]。

スタジオジブリ作品のファンで、直木賞受賞後初の作品『世界地図の下書き』では、スタジオジブリを通してアニメーターの近藤勝也が表紙絵を担当している。
小説[編集]
『桐島、部活やめるってよ』(2010年 集英社 / 2012年 集英社文庫)
『チア男子!!』(2010年 集英社 / 2013年 集英社文庫)
『星やどりの声』(2011年 角川書店)のち文庫 - 初出:『小説野性時代』2011年1月号 - 8月号連載
『もういちど生まれる』(2011年 幻冬舎)のち文庫 
『少女は卒業しない』(2012年 集英社)のち文庫  エンドロールが始まる(『小説すばる』2010年4月号)
屋上の青(同上2010年6月号)
在校生代表(同上2010年8月号)
寺田の足の甲はキャベツ(同上2010年10月号)
四拍子をもう一度(同上2010年12月号、「雨上がりの四拍子」を改題)
ふたりの背景(同上2011年2月号)
夜明けの中心(同上2011年9月号)

『何者』(2012年 新潮社)
『世界地図の下書き』(2013年 集英社) - 初出:『小説すばる』2012年11月号 - 2013年6月号
『スペードの3』(2014年 講談社) - 初出:『小説現代』2013年4月号 - 2014年1月号
『武道館』(2015年 文藝春秋) - 初出:『別册文藝春秋』2014年9月号 - 2015年3月号

エッセイ[編集]
学生時代にやらなくてもいい20のこと(2012年6月 文藝春秋)

朝井リョウ - Wikipedia
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又吉直樹「火花」

https://prizesworld.com/akutagawa/jugun/jugun153MN.htm 芥川賞選評



2020.9.25 金

3回目は129ページでダウン・・ますますつらい話に展開していくから。・・芸人の話とあって理解できない箇所や疑問も多々あるのだけれど、売れない芸人・神谷徳永大林山下と神谷さんを好きだった真樹さんの・・苦しみくやしさ悲しみがみっちりつまった話。p120の「俺達がやってきた100本近い漫才を富谷は生まれた瞬間に超えた」なってセリフには叫びだしたい気持ちとなる(徳永も叫びたいと書いてある)今のページで神谷は32歳徳永28歳、出会ってから8年がたち伝記ノートは10冊以上になった。。時は流れ環境も変わる、いつまでも20歳のままではいられないのだ。。130ページ以降斜め読みになってしまいそうだけど、きっとまた再読すると思う。

2020.9.24 木

3回目くらいかな89.「火花」2015年 153回芥川賞受賞作

神谷さんは徳永に「お前は静かに観察する目を持っている」といい「俺の伝記を書け」という。

漫才とはなにか。。二人で究極の面白い話をして、お客さんを笑わすこと(笑われることではない)。強烈な個性が立つことでもなく話芸がすぐれていることでもない・・と書いてある
「究極の面白い話」をするためにどうしたらいいかを考え試行錯誤ているのが神谷さんや徳永のような芸人さんたちということか。
徳永は他者とうまくつきあうことが苦手だ(そもそもうまくつきあうってどういうことなんだろ)ぶっきらぼうで斜に構えてる付き合いづらい奴とか退屈で面倒な奴とみられがち。神谷さんはそんな徳永を面白い奴と思ってくれた。そこに徳永は、依存してしまった、神谷は自分と同じタイプの人間だと思っていた・・しかし徳永は気が付く、神谷さんは人とうまくつきあえる人だけど、うまく付き合えない人というキャラを選択しているのだと。・・絶望する。私だったらここで付き合いをやめてしまう・・しかし徳永は神谷さんとつきあうことをやめない。。ここで二人のつきあいが終われば神谷さんのその後はちがっていたんじゃないかと思った・・どうかな。続きを読もう・・

相方の山下は中学の同級生。「漫才をやるために上京してきた俺たちに、漫才より優先すべきことなどない」という徳永との間に温度差がある。p71山下は3つあやまることがあるといったが2つしか出てこなかった。3つ目は「やめたい」だったのではないか。

なぜ神谷さんはお金もないのに徳永に飯をおごるんだろう。
なぜ徳永はいちいち自分の行動や考えを間違ってるんじゃないかとか軽い人間だとか否定形で表すのだろう

p96「気づいているかいないかだけで、人間はみんな漫才師である」 神谷理論

徳永、神谷さんにあいたくなるのは概ね自分を見失いかけた夜だった

神谷さんは32歳、徳永は28歳、伝記ノートは10冊以上になった
p123「神谷さんは徳永をキャンパスにして自分の理論を塗り続けているのかもしれない」
神谷さんは、師匠としたってくれる徳永のおかげで、理想は高いままで生き難くなるほど幻想が巨大化している
負けを負けと認められなくなっている

真樹さんとのエピソードのシーンはジーンとする。。真樹さんと最後にあって10年後、真樹さんは幸せそうに微笑んでいたというシーン。

★★★


『火花』(ひばな)は、お笑いタレントの又吉直樹が書いた初の中編小説。

初出は『文學界』2015年2月号(文藝春秋)。掲載時より現役人気お笑いタレントの手がけた純文学小説として話題を呼び、文芸誌である同誌が増刷されるヒットとなったほか、第28回三島由紀夫賞候補作[1]、第153回芥川龍之介賞受賞作。

2016年にNetflixと吉本興業によってネット配信ドラマとして映像化され[2]、翌2017年にはNHK総合にて、前年にNetflixにてネット配信されたものの再編集版が放送開始(後述)。

2017年2月14日、板尾創路監督により映画化されることが発表された。同年11月に公開[3](後述)。

2018年、観月ありさの主演で舞台化[4]。

出版の経緯
文藝春秋発行の『別册文藝春秋』編集者であった浅井茉莉子が2011年に、プライベートで文学フリマを訪れていた又吉と出会ったことで小説を依頼するようになり、短編小説を2作発表。浅井が2013年に『文學界』編集部へ異動したのに伴い新作の執筆を依頼し[5]、2015年2月号に掲載された[6]。発売前から「タレントが純文学作品で主要文芸誌デビュー」と話題になっていたが[7]、発売初日の1月7日にインターネット各書店では軒並み品切れ状態となり、8日に7000部、9日にはさらに2万3000部の再増刷が決定し[8]、累計は4万部に達した[9]。『文學界』の増刷は1933年の創刊以来、資料に残る範囲で初めてである[10]。又吉自身は文芸誌での連載作品がここまでの注目を集めるとは思っておらず、作品の反響に戸惑ったという[11]。

2015年3月11日に同社から単行本として発刊された[12]。装画は西川美穂で、彼女の2011年の絵画作品『イマスカ』が又吉自身の即決により採用された[13]。装丁は大久保明子。

2015年8月時点で、単行本の累計発行部数は239万部を突破した[14]。村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を抜き、芥川賞受賞作品として歴代第1位[15]、文藝春秋刊行物として歴代第2位の単行本部数となった[16]。また、電子書籍版は10万ダウンロードを突破し、文藝春秋刊行物として歴代第1位となった[17]。2017年2月時点では、累計発行部数は単行本が253万部、文庫本が30万部[18]。

芥川賞受賞作2作品を全文掲載し、受賞者インタビューや選考委員の選評も掲載される『文藝春秋』9月特別号(8月7日発売)は110万3000部と「異例」の発行部数となった[19][20]。同誌の歴代第2位の記録となる(第1位は、綿矢りさ『蹴りたい背中』、金原ひとみ『蛇にピアス』の掲載された2004年3月号の118万5000部)[21]。

2015年8月21日に芥川賞贈呈式が開催され、又吉はあいさつで、執筆活動と芸人の両立について「どっちが上ではなく両方必要」と述べた[22]。

又吉は、出身校の関大北陽高校(大阪市)のサッカー部に、芥川賞の賞金100万円で製作したユニホームを寄贈した[23]。

2016年6月3日、台湾の出版社の三采文化(さんさいぶんか)社より、台湾での翻訳版の発売を開始[24]。

2017年5月、中国の人民文学出版社より中国での翻訳版を発行。翻訳者は神戸国際大学の毛丹青教授。同年6月に上海で行われた記念イベントに又吉本人が出席。[25]

あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権を侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2018年12月)(使い方)
売れない芸人・徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人・神谷と電撃的な出会いを果たす。徳永は神谷の弟子になることを志願すると、「俺の伝記を書く」という条件で受け入れられた。奇想の天才でありながら、人間味に溢れる神谷に徳永は惹かれていき、神谷もまた徳永に心を開き、神谷は徳永に笑いの哲学を伝授しようとする。

登場人物
徳永(とくなが)
本作の主人公。お笑いコンビ・スパークスのメンバー。
熱海の花火大会で、神谷と出会い、弟子入りを志願する。
神谷(かみや)
お笑いコンビ・あほんだらのメンバー。
天才肌で奇抜な発想を持ちながら、人間味に溢れているが、人付き合いが悪いため、他の芸人の間では悪名高い。
山下(やました)
徳永の相方。徳永とは、中学時代からの友人。
大林(おおばやし)
神谷の相方。
喧嘩っ早く、かつては地元で不良と恐れられ、徳永が住む隣町でも有名な存在で、神谷共々芸人の間で悪名高いが、情に篤い。
真樹(まき)
神谷と同棲している女性。
徳永からは、恋人だと思われていたが神谷は否定している。
夢路いとし・喜味こいしの漫才との類似
本作には主人公の徳永と神谷が鍋をめぐって会話するシーンがあるが[26]、その内容が夢路いとし・喜味こいしの漫才「ジンギスカン料理」に酷似していると指摘されている。

友人からこの話を聞いた編集者の元木昌彦は、こいしらが編纂した書籍[27]に収録された「ジンギスカン料理」を確認しネタ元であると判断し、この件を記事としてインターネット上で公表したため[28]、広く知られるようになった。なお、元木は『火花』の中で大師匠の訃報が報じられるシーンがあることに着目し、これは2011年に亡くなった喜味こいしのことを指しており、オマージュであった可能性もあると指摘している[29]。しかし、仮にオマージュであったとしても、巻末などでいとし・こいしの漫才を元ネタにしたと明かすべきだと元木は主張し、出典を明記すべきと指摘している[29]。

雑誌『サイゾー』は、『火花』の発行元である文藝春秋に対して質問状を送付し、又吉がいとし・こいしのネタを知っていたのか、知っていたなら当該ネタを使用した意図は何か、本件について文藝春秋としてどう考えているかを質している[29]。これに対し、文藝春秋の法務・広報部は「この記述は、この場面の直前に『大師匠の訃報』とありますように、先輩芸人であるいとしこいし師匠に敬意を表して書かれたものです」[29]と回答しており、いとし・こいしを念頭においた記述だったことを認めている。

なお、ドラマ版では大師匠が夢路いとし本人の訃報に変更されており、劇中内のニュースでは実際の漫才映像が使用されたほか、出演者クレジットにも「いとし・こいし」両名の表記が見られる。

評価
第28回三島由紀夫賞候補(2015年)[1]
受賞
第153回芥川龍之介賞(2015年)
第28回小学館・DIMEトレンド大賞「レジャー・エンターテインメント部門」(2015年)[30]
Yahoo!検索大賞 2015・小説部門賞(2015年)[31]
posted by りょうまま at 06:45| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月22日

武田百合子「ことばの食卓」「日日雑記」「精選女流随筆集」

2020.9.21 月 

88.ことばの食卓 意味不明や読めない漢字がたくさん!!! 昭和の初めの頃の女の子から女性の日常の姿が想像できる素晴らしい短編集だし貴重な記録にちがいない。途中、私は見てないのだが「この世界の片隅で」という映画やテレビドラマのことが浮かんだ。この二つには似ているところがあるかもしれない。

【枇杷】昼下がり 台所の食卓テーブルでビワを食べながら亡くなった夫を思い出す。ビワが好物ではなかったので余計思い出に残る。歯のない口をもごもご動かして2個食べたという。同じ時間内で作者は8個食べたそうだ。歯のない状態で物をたべることの大変さが伝わる
食べたあとは「タンと舌を鳴らし」「枇杷の入った鳩尾(みぞおち・・読めません書けません)に手を置いて」「横臥(おうが・・読めません意味は調べました)」したのだそうだ。さらに「蝮指(まむしゆび・・どんな指かぴんと来ない)」だったなあとつぶやいておわる。。エモいなあ・・と現在の言葉を使ってみました(笑)読めない漢字意味の分からない言葉が多いけれど、調べつつ読み進めていくのも楽しいものです。

【牛乳】イメージでは作者小学生前半のころのお話、あたためた牛乳を飲まなければならない苦痛の話〜牛乳配りの話へ。牛乳配りって牛乳を配達する人、今は日常の風景ではない、さらにこの牛乳配りは、現在だったら「幼児へのわいせつ行為の罪」等で逮捕されちゃいそうな男だ!!恐ろしや・・最後、母が亡くなっていない作者たち子どもを面倒見てくれているおばあちゃんによるちょっかいをだしまくり「たいがいにおし」と叱られておわる・・短いお話なのに、温かい牛乳をのむ場面では気持ち悪くなり、牛乳配りの話の最中には不気味さや恐怖心がわいてきて。。でも最後はちょっと笑えて終わる・・感情の動きが激しくさせるってすごいな

【続牛乳】まだ牛乳話続くんかい!!と突っ込むが、読み終えて、物悲しい話だと暗い気持ちになる。時は終戦の前1944年、作者が学校事務員として働いている、弟二人は中学生で、肺病で死期間近の父がいる。。同僚の山本さんから牛乳をいただく話。最後「牛乳をだまし取ったうえにいじめたのだ」とある。2度読んで、「だまし取った」というのは理解できたが「いじめた」というのがどういうことかまだわからない

【キャラメル】昭和10年前後、作者小学生、夏休みのお話。夏休みは湘南の家に滞在していたそうだ。なんと贅沢でうらやましいことだ。湘南の家での過ごし方をつづっている。こののち、戦争が勃発するのだが、当時まだその気配はないけれど、兵隊さんの姿などから不穏な空気も感じていたのではないかとも想像する文章。「紫色の唇をわなわなさせながら握り飯をほおばる」とあるが、たしかに、子供の頃、夏休み終わりに近いころ、最後の行事にと海水浴に行くと、寒くてぶるぶる震えたことを思い出した(で、それを悟られないように隠すのだ・・来年も寒くたって海水浴に期待から)

【お弁当】小学生の頃のお弁当にまつわるお話。。お弁当箱の素材はアルミニューム(梅干しを入れると穴があいちゃうというものか?)包むものは新聞紙。驚くことに、天皇陛下や皇后陛下の写真がでているシンブンガミではつつんではいけないという指導があったらしい。本当にびっくりする・・小学生の女の子は疑問ももたずおばあちゃんに包まないようにと訴える、おばあちゃんは「はいはい」と答える。。おばあちゃんはそういう決まり事をどう思っていたんだろう。お女郎さんのエピソードも出てくる。

【ひな祭りの頃】百合子さん小学生のころのお話。お雛様が3組あった、母、姉、百合子さん。2月20日過ぎころに出して飾り、3月3日が過ぎると片付けるのはおばあさんの仕事。さぞかし大変だったろう。おばあさんが親類宅に引き取られお雛様は飾られなくなり、戦争がはじまるとお雛様は売ってしまった・・物悲しいんだけどオチで笑わせる。可笑しいんだけど、物悲しさは増すんだなあ。



2017.1.18

19.精選女流随筆集(2012)

2015.8.17(月)〜8/22読了

86・日日雑記(1992)

通信販売、水族館、美空ひばり公演、愛猫の死…世事万端に興味をもつ天性の無垢な芸術者が、身辺の出来事と折々の想いを、時には繊細な感性で、時には大胆な発想で、丹念につづった最後のエッセイ集。
Amazon.co.jp: 日日雑記 (中公文庫): 武田 百合子: 本

P183・・東京の雨は天からまっすぐにサーサーと降りますが、ここの雨はいったん木の枝葉に振って、そこからぽたりぽたりとしずくが落ちる、これが底なし陰気の原因ですなあ
posted by りょうまま at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月21日

安部公房「砂の女」

2020.9.9〜2020.9.21 ((+_+))・・12日間もかかってる!!

ようやく読み終わった。。長かった・・ページ数は230ページなのだけれど500ページくらいの長編を読んだ気分・・

新種の昆虫を見つけたいと砂漠にやってきた仁木順平31才、宿泊場所と案内されたのは、女が一人住む「砂の穴」だった・・7年後、順平は踪者のまま死亡宣告を受けた・・仁木順平という名がでてくるのは最初と最後のみ。「男」「女」という言葉で物語が進む。男は「砂の穴」からの脱出方法を考え、実行し、失敗を繰り返す・・あきらめない男を気の毒に思い、滑稽に思い、ラストは尊敬というの気持ちになる。男の様子がわかるのは、「穴」にはいってから1年後くらいまでと思うが。。その後どうなったのだろうと想像していきたい。「女」もなかなかの人物なのだ・・脱出をあきらめずなにかはじめる男の様子をみて「いずれ男というものは何か慰みものなしにはすまされないのだと納得しそれで気が済むなら結構なことだ」と言い放つ。素晴らしいと独り言。さらに・・砂が劣悪なセメントとして売られていることにたいしても「かまやしないじゃないですか、そんな他人のことなんかどうだって」p211急に女のイメージが白黒姿からカラー姿になったところだった・

解説(ドナルドキーン)及び裏表紙を読む。裏表紙には「人間存在の象徴的姿を追求した」とある。人間の象徴的姿とは・・第3者からみると絶望的状況にも関わらず脱出や生きることをあきらめない男、不便だと思われる砂穴の生活を愛する(ドナルドキーンさんより)女、二人の性生活を眺める部落の人々・・ふむふむ・・感想は尽きない 解説より「20世紀の人間が誇るべき小説のひとつである」・・そうだ・・きりがないので次の本へいこう

孤独とは幻を求めて充たされない渇き


2020.9.12


CIMG3500.JPG 85「砂の女」昭和37年!!
昆虫採集を趣味とする男が行方不明になった。7年がすぎ男は死亡したということになる。昆虫採集を仕事とする男が登場 新種を発見したいと砂丘にやってきた、夜になり男老人の案内で砂丘内の「穴」に泊まるとこにする。その「穴」には30代接待女がいた・・わけわからないなあと考えてたら・・居眠りしていた( `ー´)ノ

2020.9.15 不条理の物語だと教わった

不条理(ふじょうり)の意味 - goo国語辞書https://dictionary.goo.ne.jp/word/不条理
2020/08/19 ・ 不条理(ふじょうり)とは。意味や解説、類語。[名・形動]1 筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。「不条理な話」2 実存主義の用語。人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況。カミュの不条理の哲学によって知られる。

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2020年09月10日

谷村俊太郎 ひとり暮らし

CIMG3498.JPG 谷村俊太郎 ひとり暮らし
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銀の匙

銀の匙 CIMG3499.JPG
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86.「ミレニアム」 スティーグラーソン

CIMG3502.JPG86.「ミレニアム」 スティーグラーソン
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2020年09月09日

9/9

2020.9.9

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2020年09月07日

古井由吉「杳子・妻隠」

2020.9.7 月 再読

CIMG3492.JPG84.杳子・妻隠 古井由吉 1979

杳子」東京育ち東京在住の杳子と谷くんは21歳くらい大学生。非日常であるところの山の中で10月終わりころ二人は出会う。途方に暮れたように座り込んでいた杳子を3日間単独山歩きをしていた谷くんが助けた。谷君は杳子の少女〜女のはざまにいる不安定な状態に惹かれている、おまけに杳子は「不安症」(そういう病気があるかどうかは不明だけど)谷君も短期間ながらひきこもり経験あり。二人は雨の中桑畑を走ったり、喫茶店や公園や旅館で過ごしていく・・いう1年余りの物語・・途中居眠りしつつも最後まで読了、本棚からひっぱりだしてきて再読なんだけれど全然覚えてなくて終盤、杳子の姉が登場してくるところで、あぁ読んだことあると思い出す。そもそも杳子=ようこって読めなかったし、桑畑ってなに??といろいろ突っ込みどころ満載。最初は30代くらいの男女の話かとも思ったし・・21歳学生と判明したのは物語半ばくらいで、びっくりもした。谷君は結局、とてもやさしい。不安定な杳子に1年間寄り添っていたのだから・・21歳をとおおおおく離れた私は想像する。二人は一緒に生きていくということにはならない。杳子は不安定ながらも生きながらえるし、谷君もまた然り。

最初、延々と谷底の描写がつづくのだけれど。。山歩きにはまっていたころ、最初は、開放感で楽しいね、気持ちいいねと歩いているんだけど長時間歩いているとだんだんぼーっとしてくる。さらに曇り空で霧がかかっている谷底をあるいているとほんとうに恐怖を感じていたこともあったと思い出した・花も咲き乱れていてきれいなんだけど、怖くって、走っちゃったもの!!・・なにか人間でないものがでてきそうな、うようよしてそうな気配があった!!間違いなく。

妻隠(つまごみ) p171〜256 2020.9.9読了

なんとも奇妙な物語というのが読み終わってすぐの感想・・と倦怠感。妻隠=つまごみ 辞書を調べたけれど辞書にのる言葉ではいようだ・・?
結婚5年になる寿夫と礼子、子供はいない。大学時代に同棲をして結婚、ゆえに住居は新しくしたものの新婚気分とは無縁だったまま5年経過・・子供がいないということは、子供のいる夫婦より別れるのはたやすい・・そんな不安定さ危うさある。近所の不気味な世話好きの老婆や若い男たちの様子を交えながら、夏の終わり、体調を崩した寿夫と礼子の1週間をつづっている・・退屈、孤独、倦み・・等々夏の終わりのけだるさと重なる。
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「砕け散るところを見せてあげる」竹宮ゆゆこ

CIMG3488.JPG81「砕け散るところを見せてあげる」竹宮ゆゆこ 2016年

p13 「僕はひーろになる」って引く( ;∀;)

季節は12月頃、主人公は県内難関国立大学志望でセンター試験をまじかに控えた高校3年生濱田清澄(はまだきよすみ)と藤本波留。(濱田清澄・・清澄って・・戦国時代の子みたい( ;∀;)・・)、清澄の父は清澄が生まれる数日前にヒーローになって死亡

清澄は朝礼で紙屑を投げつけられているハルを見て、投げようとしている男子生徒に「やめろよ」という。
清澄が波留に声をかけると波留は「ああああ」と奇声をあげた

波留は埃っぽい質感の長髪、顔いろは青白く、背中が丸まった立ち姿、毛玉いっぱいの分厚いタイツといった容姿、目は異様にでかい
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2020年09月06日

平松洋子「小鳥来る日」「彼女の家出」「野蛮な読書」「買えない味」「忙しい日でもおなかはすく」

2020.9.6 日

CIMG3470.JPG小鳥来る日



2020.7.7
2020.8.25  また借りてきちゃった 75冊目 CIMG3469.JPG

60.「彼女の家出」2016 CIMG3352.JPG

76.小鳥来る日  CIMG3470.JPG



 
★★★

2017.4

64.「野蛮な読書」

65.「買えない味」

70.「忙しい日でもおなかはすく」
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2020年09月04日

【第163回 芥川賞受賞作】破局 (日本語) 単行本 – 2020/7/4 遠野遥 (著)

【第163回 芥川賞受賞作】破局 (日本語) 単行本 – 2020/7/4 遠野遥 (著)

私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。

【第163回芥川賞受賞作】
選考委員絶賛!
スポーツによって他者を滅ぼし、同時にセックスによって他者から滅ぼされてゆく展開は見事。新しい才能に目を瞠らされた。ーー平野啓一郎
ほとんどゾンビ化している人間たちによる群像劇。この作者は、きっと、手練(てだれ)に見えない手練になる。ーー山田詠美
「私」は嫌味な男だ。にもかかわらず、見捨てることができない。社会に対して彼が味わっている違和感に、いつの間にか共感している。もしかしたら、恐ろしいほどに普遍的な小説なのかもしれないーー小川洋子

遠野 遥(とおの はるか、1991年[1]8月22日 - )は、日本の小説家。男性。神奈川県藤沢市出身、東京都在住

同市立駒寄小学校[2]、同市立大庭中学校を卒業[3]。慶應義塾大学法学部卒業[4][5]。

小説は大学進学後に書き始めた。国内外の名作を片っ端から読み、「一番しっくりきた」と感じた夏目漱石の文体を手本としてジャンルを問わずに執筆を重ね、新人賞に応募し続けたという[2][6]。作風としては平易な文章を意識しており、修飾語の使用を極力抑えている。これは遠野自身が簡潔な文体を好むことや、読み手が想像力を働かせる余地を限定したくないためだと述べている[6]。

2019年に「改良」で第56回文藝賞を受賞しデビュー[1]。2020年に「破局」で第163回芥川龍之介賞受賞[5]。平成生まれとしては初の受賞者となった[1]

2020-07-15 19:14 遠野遥氏、平成生まれ初の芥川賞 2作目での受賞に「驚きました」
本文学振興会は15日、『第163回芥川龍之介賞・直木三十五賞』の選考会を東京・築地「新喜楽」で開き、芥川賞は3回目の候補入りとなった高山羽根子氏(45)『首里の馬』(新潮三月号)、初ノミネートの遠野遥氏(28)『破局』(文藝夏季号)の2作が受賞した。遠野氏は1991年生まれであることから、平成生まれの芥川賞受賞者は今回が初となる。直木賞史上初の平成生まれ受賞者は、2013年に『何者』で受賞した朝井リョウ(31)。

 遠野氏は慶應義塾大学法学部卒。2019年『改良』(単行本は同年河出書房新社刊)で第56回文藝賞を受賞しデビューしたばかりで、2作目で芥川賞を受賞となったが、受賞会見冒頭で「つい先ほどお電話いただいたばかりで、非常に驚いたままで状況に頭が追いついていません。ちょっと変なお答えしてしまうかもしれないですけど、ご容赦いただけたら」とあいさつした。

 今作で芥川賞を取ったことについては「受賞決まった時の方が驚きました。人によっては気持ち悪いとか、好きじゃないとかいると思いますし、私もそうだろうなと思いながら書いていた部分もあったので、歴史のある賞をいただいたのは意外でした」と率直な思いを吐露。「ノミネートされると結果が出るまでけっこうソワソワしてしまうので、それをもう経験しなくてもいいということでは(笑)、受賞できた方がいいと思います」と笑わせた。

 写真撮影時には「もうちょっと笑顔で…」とカメラマンから要求されていたが「私としては笑顔のつもりだったのですけど、そうは見えなかったのは残念ですね。笑っている方が感じがいいですよね…」とコメント。会見時はマスクだったため、報道陣から「マスクの下の笑顔を見せていただけますか?」とリクエストをウケるも「ちょっとウイルスが…」とやんわり制した。

 特徴的な文体も指摘されているが「いろんな人から言われるので耳に入っているんですけど、変わったことをやってやろうと思ってなくて、割と素直に自然に書いたらそうなっていたという感じです。引き続き、自然にやっていけたら」と淡々。「歴史がある賞だと認識していて。すごく有名な作家がたくさん名を連ねている賞。末席に加わるのは栄誉あることだと思っています。早く3作目を出したい」と意気込んでいた。

 両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。贈呈式は8月下旬に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が与えられる。

 直木賞は馳星周氏(55)の『少年と犬』(文藝春秋)に決定。1997年、デビュー作『不夜城』での初候補入り以来23年、7回目ノミネートでついに受賞を果たした。

遠野さん『破局』芥川賞に 大庭出身 平成生まれの新鋭

 第163回芥川龍之介賞の結果が15日に発表され、大庭出身の遠野遥(はるか)さん(28)の『破局』が選ばれた。芥川賞は年に2回、純文学を書いた新人に贈られる賞で新人作家の登竜門としても知られる。平成生まれの作家の受賞は遠野さんが初となる。

 受賞を受け「自信作でしたが、初ノミネートで受賞する事例は少なく、頂けて僥倖(ぎょうこう)」と冷静だが、家族からは自身が報告する前に祝福の連絡があったといい、「父からは、会見の姿が凛々しかったと言われました」と穏やかに喜びをにじませる。

 処女作『改良』で第56回文藝賞を受賞。華々しくデビューを飾ってからわずか1年の快挙だ。河出書房新社の担当編集者は「純文学とエンタメ性を併せ持つ、これまでにない文体は『新時代の虚無』と呼ぶにふさわしい。独自の感性で可能性を切り開いていってほしい」と期待を寄せる。

原風景に藤沢

 自作について「小説を書く時、テーマは決めていない」と静かに語る。普段の生活で見かけたものなどを元に、「描きたいシーン」を積み重ねていく創作スタイル。

 今作では”男から自転車で坂道を逃げるシーン”を最初に手掛けた。小学生の頃、坂の多い大庭を自転車で鬼ごっこしたこともあり、「具体的に地名を出してはいませんが、自身の記憶する坂のイメージは藤沢のもの」と説明する。

 幼少期の読書体験は決して多くない。地元駒寄小のサッカーチームに所属するなど体を動かすことを好んでいた。横浜の高校では友人とバンドを組み、3人組音楽グループ「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の曲などを好んで演奏した。小説を書き始めたのは慶應大学法学部進学後。世界や国内の名作を片っ端から読破し「一番しっくりきた」と感じた夏目漱石の文体を手本に、ファンタジー、童話など小説のジャンルを問わず意欲的に執筆。新人賞へ応募を重ねた。

故郷で海見たい

 約20年間暮らし、慣れ親しんだ藤沢を離れ、現在は都内で暮らす。コロナ禍でなかなか叶わないが「藤沢に戻ったら海が見たい」と郷愁の思いが募る。

 現在3作目を執筆中。受賞作とは作風を変え「超能力なども登場するファンタジーに挑戦している」と明かした。「文学ファンに限らず広く読んでもらえる作品を目指したい」と語った。

****

『破局』あらすじ:大学4年生の〈私〉は出身高校でラグビーを指導する傍ら公務員試験の準備に打ち込む。規律正しさを求めるストイックさの一方、危うさも併せ持ち、それは同学年の彼女と別れ、後輩の女性へ乗り換えたことを機に、少しずつ崩壊の兆しを見せ始める。

「美術館に行くたび疎外感があった」平成生まれの芥川賞作家・遠野遥さんが“小説を書くこと”を選んだ理由『破局』芥川賞受賞インタビュー 山内 宏泰

長身痩躯、細身のスーツを着こなして、長めにした前髪の奥から眼光を覗かせる――。

 実力派若手俳優のひとり? 人にそう思わせるような存在感を放つのが、『破局』で第163回芥川賞を受賞した遠野遥さん。

 受賞の報せが舞い込んだ直後におこなわれた記者会見では、 「(受賞という事実に)頭が追いついていない状況です」

 としつつも、

「(新人賞を同時受賞してともにデビューした)宇佐見りんさんにはLINEで伝えました。受賞の連絡を入れた相手はまだ他にはいません。喜びは、誰かに伝えるものじゃないと認識しているので」

 と、記者たちに向けて、浮わついたところのないクールな対応を貫いた。

 まだ30歳にも達しない若さで、このものごとに動じぬ堂々たる態度。これはもともとの性向なのか……。作品のことを思って、喜びは控えめに
 翌日にお話を伺うと、「会見のときは、本当に思考が追いついていなかった」ので、傍から見ると落ち着き払っていると思えたのかも、とのこと。

 でも、それだけじゃない。作品世界を守るため、受賞ごときで舞い上がらないようにしている面もあるという。

「『受賞しましたー!』なんてはしゃぐのは、作風に合わないといいますか。作品を読んでいただいた方は、作者が受賞で騒いだりしていたら、違和感を覚えるんじゃないか。作者が作品の邪魔をするわけにはいきませんから」

 作品と読者のことを第一に考えての、控え目な反応だったわけだ。

 ただ、もともと地に足を着けたタイプであるのはたしか。祝いの連絡が途切れず周囲はざわつきを見せるも、本人の心境や行動にさほどの変化はない。「具体的な変化は……。自分のTwitterアカウントのフォロワー数が、一晩で倍になったことくらいですかね」

 しばらく取材対応などに追われることはあれど、執筆ペースを変えるつもりはない。

「平日の夜、それと週末に集中的に書いています。以前から飲みに行ったり人と会ったりすることはそれほど多くないので、小説のための時間はなんとか確保できていました。これからも生活サイクルは大きく変わらないはず。受賞した『破局』はまだ2作目。もっとたくさん書きたいので、まずは次作を着実に書き進めていきたい」「いつも、自分が読みたい文章を書いている」
「どうしてもっと自信を持って戦わないのか。私に勝ちたいと思わないのか。憤りを覚え、確実に潰すと決めた。」(『破局』より)

 受賞作『破局』は、大学4年生の陽介が主人公。かつてはラグビーに打ち込んだ彼も、いまや公務員試験に向けて勉強中の身。ただし筋トレは欠かさない。自分なりに正しいことを為そうといつも考えているが、逸脱することもしばしば。恋人との関係に溺れたり、結果的に社会規範から外れた行動をとってしまったりも……。

 陽介の「自分語り」という体裁をとっているため、一見いかにも純文学と受け取られるやもしれないが、全編に可笑しみもたっぷり盛り込まれ、「読むことの愉しさ」が横溢している。

 ふだん小説とは縁遠い人にも、一読すれば大いに響くだろう作品に仕上がっている。


「そうですね、ガチガチの『文学ファン』以外にも広く読んでもらえたらうれしい。そういう気持ちは、小説を書き始めたころからずっとありますね。

 そのために文体はできるだけ平易なものとなるよう工夫していますし、文章を飾り付ける修飾語も極力抑えています。ふだん小説を読まない人はそういうところで躓いて、離れていってしまうと思うので」 言われればたしかに、遠野作品では、凝りに凝った比喩表現などあまり出てこない。書き手が自分の文章に酔ってしまっているような雰囲気は皆無だ。

「自分自身、小説を読むときは簡潔な文体・文章を持ったものを好むので。ごてごて飾りつけてあると、読み手が想像力を働かせる余地がなくなってしまい、読み方が限定される気がします。

 簡潔に書いてあるほうが、読み手は好きなように想像を膨らますことができる。そういうものを読みたいし、書きたい。つまり僕はいつも、自分が読みたい文章を書いているということですね」

 その思いは作品を読むとよく伝わってくるのだけれど、ここでひとつ疑問が。

 平易で簡潔な文章を書くというのは、難解で晦渋な文章を書くことよりもきっと難しい。ものごとはシンプルに磨き上げるほうが得てして困難ではないか。

文章のお手本は、夏目漱石だった
 どうやっていまの書き方を会得したのか。

「いちど書き上げた作品を徹底的に見直し、書き直したりはします。ただ、簡潔に書こうというのは最初から思っていたことで、それ以外の文章を書いたことがない。自然に書くとああなるのであって、逆にきらびやかな表現を書けと言われたらものすごく苦労すると思います」


 ではあのキビキビとした文体は、血の滲むような文章修行の賜物、といったことではない?

「強いて挙げれば、小説を書き始めたころ、意識的に取り組んだことはありました。

 大学生の時分です。最初からオリジナルの文体をゼロから編み出そうというのも無理がある。何かお手本を決めたほうがいいと思い、夏目漱石全集を傍らに置いて書いていた。書き方に迷ったら、夏目漱石はどう書いてるんだろうといちいち参照したんです。

最初は真似から入ったわけです。武道なんかでもまず型を学び、そこから離れていくのが結局は近道だなどと言いますよね。真似をしたあとに、ちょっとずつ自分の個性を出していけたらと考えました」

 お手本を夏目漱石に定めたのはなぜだったか?

「いちばん癖がなくて読みやすいと感じました。それで真似しやすいかなという気もして、ここを基礎にさせてもらおうと決めました」

「受け手の側ばかりにいるというのはどうなんだろう?」
「ある程度仕上がったところで、天井のライトをつけ、ランプの明かりを消した。少し距離をとって鏡を見る。鏡に映る私は、美しいかどうかと言えば微妙だが、メイク自体はうまくいっていた。」(『改良』より)

 大学時代に小説を書き始めた遠野さん。なぜそのとき小説執筆へと気持ちが向かったのだろう?

「単純なことで、小説はお金がかからなかったから。パソコンは持っていたので、設備投資は何ら必要ない。あとは読み書きができれば、何かしらできるだろうと安易に考えました。この上なくハードルが低いと思えたんですね。

 もちろん実際に書き始めると、たいへん難しいというのはすぐわかったんですけど」

 他に「やりたいこと」の候補はなかった?

「一応バンド活動はしていたんですよね。矢井田瞳さんや土屋アンナさんのコピーをするバンドでギターを弾いていました。ライブもしていたんですが、そのときに気づいてしまった。人前でパフォーマンスしたりするの、自分はあまり好きじゃないなと。

それにライブって、失敗したらもうおしまいという緊張感がすごい。あれがちょっとつらかった。小説は失敗しても書き直せばいいし、人前に出なくていい。誰にも邪魔されないところがすごく気に入りました」

 もうひとつ疑問に思うことが。何か表現をすること、それはやりたいというのが大前提だったのはなぜだろう。

「大学時代に、受け手の側ばかりにいるというのはどうなんだろう? という気持ちが芽生えてきまして。

 美術館に行くのが好きなんですが、展示を観るたびに疎外感というか焦燥感というか、何か落ち着かない気持ちになっていたんですよ。世の中にはいろんな人がいて、いろんな創作をしている。それなのに自分は何もつくっていないな……と。つくるほうの世界に入っていかなくていいのかな? という思いが頭をもたげるんですね。

 それでバンドをやったり小説を書いたりするようになっていった。これでプロになるんだ! というような強い気持ちや計画があったというのではないし、何か伝えたいこと・発信したいことが明確にあるというのでもない。それこそTwitterを始めるようなのと近い感覚で、創作をやってみたわけです」しっかり肉付けができた2作目の受賞作『破局』
やがて男が、折れていたページを子供の前で開いてみせた。ほら、元通り、と男は言った。絵本と子供の顔が、やけに近かった。(『破局』より)

 そうして小説を書き始めた遠野さん、数年間の試行錯誤の末、2019年に『改良』で文藝賞を獲りデビューと相成った。芥川賞を受賞した今作『破局』は、それに続く2作目となる。

『改良』と『破局』で、変化もしくは進化はあったものだろうか。

「自分の印象としては、1作目の『改良』は骨格だけでできた小説と感じていて。2作目の『破局』では、骨組みにかなり肉付けができたかなという感触はあります。


 具体的に何が違うかといえば、ひとつの事象に対する書き込みをかなり増やしたということ。たとえば序盤で泣いてる女の子が出てくるシーン(上に掲出の箇所)。たぶん『改良』だったら、もっと情報量を必要最小限に絞っていた。『破局』だと、人の顔と絵本がやけに近かったとか、必要かどうかわからないような情報まで書いています」

 読む側からすれば、書き込みが増えたことによって、読みながら思い浮かべられる情景がより広がった感はある。小説にいっそうの膨らみが出たというか。

 書き込みが増えたこととつながるかどうか、『破局』では「視覚」を強調した文章が印象的だ。眼前のものを徹底してよく見て、じっくり描写されているのだ。

「そうですね。自分自身もふだんかなり視覚が優位なので、書くものも自然とそうなるのかもしれません。外出するときはイヤホンを付けて外部の音はシャットアウトしていることも多いので。今作は視覚が前に出たのはたしかですが、他にもたとえば、嗅覚に訴えかける小説なんかはおもしろいかもしれない。匂いを感じとれる小説というのがあったら、お洒落な感じもするし、いつか書いてみたいですね」「この作品で伝えたいことを挙げろと言われたら……」
 小説を書く際に、あらかじめ書きたいことや伝えたいことがあるわけではないとは先に聞いた。一方で『破局』の主人公・陽介は「マイルール」や「生きるマナー」を、ことごとく表明する。それらは作者の主張というわけではない?

「そうですね。あくまでも陽介という人物の造形上の記述であって、彼が標榜するルールやマナーを僕が強く訴えたいということではありません。

 あ、ただひとつだけ、陽介の気にする点と僕の思いが一致するところがありますね。

 陽介が店で肉を食べているとき、隣に座った男が、足を開いてチュッチュッとすごい音を立てながら肉を食うシーンがあります。ああいう音を立てるのは僕自身も本当に嫌だなと思っていて。そういうのはやめようというマナーが少しでも広まればいいと思いながら書きました。

『破局』全編に伝えたいメッセージというのは特に込めていませんが、ひとつでもこの作品で伝えたいことを挙げろと言われたら、『音を立てて食べるのはやめよう』ということになりますね」

 文学シーンの最前線に颯爽と現れた新鋭らしからぬ主張……。ともあれ、文学の世界に吹き込んだ新風の香り、ぜひ一読して味わってみては。

写真=松本輝一/文藝春秋
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2020年08月31日

上田岳弘「ニムロッド」2019年第160回芥川賞


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2020.8.31〜9/3木読了・・

坂本哲史。。ビットコイン創設者名ナカモトサトシと同じ名前、システムメンテナンスの仕事の傍ら社長の命令でコインビットの採掘作業もしている・・時々、左目からのみ水のような涙をながす

ニムロット(荷室仁)・・坂本哲史の同僚で1歳上の先輩。小説家を志していたが3回新人賞に落選したあとうつ病になって休職〜復帰、中本哲史にだけ書いた小説を見せるようになる

田久保紀子・・出自生育環境良好学歴完璧一流外資系証券会社勤務、結婚〜離婚、一見華やかな人生を過ごしている


仮想通貨コインビットを主素材として情報化社会の住み心地の悪さ、不快感、息苦しさを表現〜「寿命の廃止」でも幸福を感じられない「最後の人間」の在り方

「僕はニムロット、人間の王」という記述が出始めて、「うわぁ、狂ってる!!」と思ったり「私は不老不死なんてまっぴらだわ」とおもったり・・。読了後はふうーーとふかーい溜息。芥川賞受賞作はどれも難しいけど、読み切ってみるとすべて「面白かった」と思う。(2016年受賞作「コンビニ人間」は大好きだ。

ニムロットと田久保紀子は、哲史との交流を断つけれど、人生に絶望しているけれど、どこかでたくましく生きていると思う。「トーホーヨージョー」氏のように。坂本哲史はどうだろう・・二人とは違うたくましさで、一見何気に生き続けて行く・・ってなてほしい

演劇になったところを見てみたい、面白いんじゃないか??映画はイヤだな。と思う


2019.3.15


2019年第160回芥川賞

上田岳弘「ニムロッド」

第160回芥川賞受賞作。それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。 あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。 やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 … …


第160回芥川賞受賞作。

それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。
あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。
新時代の仮想通貨小説。

仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……


著:上田 岳弘(ウエダ タカヒロ)
1979年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞受賞。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞受賞。2016年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。2018年、『塔と重力』で平成29年度芸術選奨新人賞を受賞。著書に『太陽・惑星』『私の恋人』『異郷の友人』『塔と重力』(以上、新潮社)がある。


上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。
兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て[1]、早稲田大学法学部卒業[2]。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる[3]。
2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー[4]。
第28回三島由紀夫賞の選考において、又吉直樹著『火花』(第153回芥川龍之介賞受賞作)との決選投票の末に、「私の恋人」への授賞が決定[5]。
朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした[6]。
2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される[7][8]。
2017年、小説「キュー」を、雑誌「新潮」とYahoo! JAPANスマートフォン向けサイトで同時連載開始[9][10]。
2018年、第68回芸術選奨新人賞受賞作『塔と重力』を原作として、オフィス3〇〇40周年記念公演『肉の海』(脚本・演出:渡辺えり)が本多劇場で上演される[11]。
2019年、「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞。
人物[編集]
人生で影響を受けた本として、村上春樹『風の歌を聴け』、ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』、カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』を挙げている[12]。
同じように経営者と作家の二足のわらじを履く加藤秀行、小佐野彈とは交友がある。


上田岳弘さんインタビュー
『私の恋人』上田岳弘(新潮社 2015年6月30日)
旧石器時代の洞窟で、ナチスの収容所で、東京のアパートで、私は想う。この旅の果てに待つ私の恋人のことを――。アフリカで誕生した人類はやがて世界を埋め尽くし「偉大なる旅(グレートジャーニー)」一周目を終える。大航海時代を経て侵略戦争に明け暮れた二周目の旅。Windows95の登場とともに始まった三周目の旅の途上で、私は彼女に出会った。

新刊『私の恋人』拝読させていただきました。まずは物語の語り手について質問させてください。この作品は、クロマニョン人、第二次世界大戦下のユダヤ人、現代の日本人という三人の“私たち”の視点で語られる物語です。前作の「太陽」、「惑星」もまた、「かつてトマス・フランクリンであった私」、「最終結論である私」という特徴的な語り手でした。別のインタビューではそれを、「一人称・神視点」と表現しておられましたが、このような視点はどうやって生まれたのでしょうか。
 もともと僕がデビューに向けて書いていた2011〜12年頃、純文学のなかでいわゆる人称の問題、「一人称の限界をどう越えていくのか。」ということがホットなトピックでした。それで、どうしてみんなそういうことに挑戦するのかと考えた時に、これは僕の持論ですけど、純文学が取り組む課題というのは、なにがしか社会の今持っている課題、あるいは人類全体の課題とリンクしているのではないかと思ったんです。だから、じゃあ一人称の限界を超えるんだったら、そういった課題に食らいつくためにそうしよう、と突き詰めていきました。その結果として、「太陽」や「惑星」のように全てを知る者が語ったり、『私の恋人』のように過去を全て記憶していて時間軸を飛び越えるという視点を試してみたというのが率直なところですね。
─高橋陽平による「行き止まりの人類の旅」の分類がとても興味深かったです。人類が地球上に伝播し、現生人類に絞り込まれていくまでの過程が一周目、二周目はイデオロギー間の闘争が第二次世界大戦の原爆投下によって決着するまで、そして、IT技術の進歩によって生まれる人工知能に思考や感情に至るまで侵食され、全方向において優位に立たれるまでが三周目。“私たち”であるクロマニョン人、ハインリヒ・ケプラー、井上由祐はそれぞれの周期を生きていますが、人類の歴史をこの三つで区切った理由をお伺いできますでしょうか。
 明確にプロットを立てて書いたものではありませんが、技術的、物理的な転換点を意識していたかもしれません。例えば一周目の、人類が地表全部に行き渡ったというのは物理的な話ですよね。まあ海を渡ったとすれば、技術的な到達があったと言うべきかもしれませんが。それで、二周目の終わりに原爆が落ちた。つまり、技術的には地球そのものを破壊できる程のものが実現したということです。そして、三周目の“彼ら”という存在も明確に技術的な転換点です。そういうテクニカルなトピックを拾っているんだと思います。
─その分け方は最初から決めていたのでしょうか。
 書きながらですね。もともと序文に続いて、原爆が落とされたという事実から書き始めていまして、世界において同じくらいインパクトのあるメルクマールは何だろう、と考えを紡いでいきました。すでに技術的には、その気になれば個人の意思によって地球を滅ぼすことができるという状態にある。小学生のときに広島・長崎について学ぶ僕らは、以降頭のどこかに、原爆投下の衝撃がずっと残っているというのが普通なのかもしれません。「太陽」でも、最後の大錬金の起爆装置のスイッチは原爆から始まります。「惑星」では、オリンピックの花火と水爆の実験を重ね合わせて書いたりもしています。
─エピグラフで引用されている『宇宙戦争』のGoogle翻訳は不完全な日本語でしたが、それは現在が三周目の途中であることの象徴のように感じました。
 その通りです。今はまだこの程度で、そこまで恐るるに足らないのかもしれないよ、と。でも逆に言うと、現状ここまでは来てしまっている。そういう物差しを最初に提示しておいたら面白いかなと思ったんです。“彼ら”は、今はまだこういうレベルだけど、今後、人間よりも精密な翻訳ができるようになってくるかもしれません。
─上田さんは別のインタビューで、「予知や予言が文学の果たすべき役割。純文学は、新しい物を提示する使命もあると思う。できなければ消化試合。いや、負けた気がする。」と語っておられました。上田さんが未来を描く上で、拠り所となるものを教えてください。
 やはり現在がベースになっていると思います。今あるものがどうであるのかを見つめて、これまでどう動いてきたのかという加速度や方向性を観察したり、今後どうなっていくのかを考えたりします。逆に言うと、今どうなのかということを把握し表現するために過去や未来を書いているんですよね。それでもし、読者にリアリティを感じてもらえない荒唐無稽な作品になってしまったとしたら、それは作家の視点があまり良くない、認識の仕方が間違っているということだと思います。
─捕鯨反対運動に参加するキャロライン・ホプキンスが語った「ロブスターより鶏かわいそう、鶏より豚かわいそう、豚より鯨かわいそう、鯨よりイノウエかわいそう。ゆっくり広げていって、かわいそう広げていくの」という言葉が印象的でした。「太陽」では ドンゴ・ディオムが「自分たち」の範囲について、「人間というカテゴリで絞るなら、(中略)余裕があれば俺を含めた黒人も「自分たち」という範疇に入れてもらえるというものだ。しかし、余裕がなくなれば「自分たち」の範囲はどんどん狭まっていき、自分の人種、自分の国、自分の家族、自分、という具合に限定されるのではないか?」と同じ意味のことを語っています。この考え方について詳しくお聞かせください。
 僕は、「自分が自分である」ということが偶然のような気がしているんです。たまたま先進国に生まれ、たまたま男性で、たまたま五体満足で、という全てが「まぐれ」だと感じます。そうすると、カテゴライズというのは居心地が悪く、すごく苦手なものに感じられます。そういう僕の違和感は身勝手なものかもしれませんが、皆さんにも味わってほしくて、そのような表現をしたのではないかと思いますね。
─自分は偶然、今の自分であるということですね。
 区別や差別というものは、自分が他者より少しでも優位に立つため、本来の生存欲求に由来するのではないかとは思うんですけど、自分がそのどちら側で生まれてくるのかというのは、たまたまですよね。もしかしたら迫害される側に生まれたかもしれないし、もっと言うと人間でない動物に生まれた可能性だってあります。そう考えたときに、何かで区別して、より優位な方はこちら側だと主張しようとしても、全体で見ると自分にとっても都合が悪くなってしまうんですよね。
─なるほど。
 それで僕の精神衛生上のことですが、安楽な境遇に生まれたのであれば、その有利な立場を使って何か義務を果たすというか、難しいことに挑戦することが救いになるように思うんです。そのために僕は純文学というなんでも扱える、ノンカテゴリ、無差別級な感じがする表現を好んでいます。そして僕の作品は、SF的であると言われることもありつつ、純文学として受け止められている。やっぱりカテゴライズってわかんないなと(笑)。ともかく、自分が好き放題に書いたものを読んでいただけ、好き勝手に受け取っていただけるのは、非常に幸せなことだと思っています。
─上田さんの作品の、「グジャラート指数」、「基礎パラメータ」など数値や分類を使った明快な論理は、まるで、論文を読んでいるかのように感じる時があります。そのあたりは何か意識されていることはありますでしょうか。
 一般に、文学は論文に比べて、割り切れないものをそのまま描いてよいとされていると思うんですけど、それなら逆に、どこまで割り切れるのかを試していきたいと思って。心情的な違和感を強引に割っていく内に、学術的に証明されていることや、数値への置き換えが関連していきます。それでも割り切れないで残るものは何なんだろうと。僕にとっては、その割り切れない固いものが現時点の文学なのかなと思うんです。
─「太陽」に出てくる“高レベルの幸福や不幸に対しての許容度を表す数値”というグジャラート指数は、本当に存在するものだと信じてしまいました。
 そう思っていただけたのは、おそらく腑に落ちたからだと思います。なんかありそうだなと。そういうリアリティが達成できたのは嬉しいですね。グジャラート指数のような指標は、もちろん学術的には証明されていないでしょうけど、そういうものを勝手に作っていいのが小説ですから。「惑星」でも、“法整備レベルと技術レベルがAのカテゴライズの国に関しては、中央集権タイプの国家で人口上限が1億2千万人、連邦制タイプで3億6千万人”という嘘をついています(笑)。学術的な証明はできないだろうけど、真実っぽいものを作るのが好きなんです。そこにリアリティを感じられる時は書いていて本当楽しいですね。それに対して、読んでくださった方が色々な考えや知識を返してくださるのは、作家としてありがたいです。
─話題が変わりますが、私たちブックショートは、「おとぎ話や昔話、民話、小説などをもとに創作したショートストーリー(1,000〜10,000文字)」を公募する企画です。
上田さんの著書『惑星』は、別のインタビューでお答えになっていたように、「惑星ソラリス自体の内面描写」と言える作品ですし、『私の恋人』にも『宇宙戦争』のGoogle翻訳されたテキストが登場します。先行する作品をもとに新しい作品を作り出すことについてのお考えを教えてください。

 僕にとって、先行テキストを使わせてもらうということは結構緊張することなんですよね。その内側にあるものしか書けていないとしたら、引用させてもらう意味がありませんから。例えばH・Gウェルズやスタニスワフ・レムの作品を使わせてもらうのであれば、どの方向でもいいから1ミリでもはみ出すということを目指すべきだと思っています。『宇宙戦争』では火星人が突然地球に攻めてきましたが、今書くなら内側から人間を超えにくるAI、人類はその台頭を志向しているかもしれないということだったり、『ソラリス』であれば、それが遠い異星に最初からあるのではなく、この地球で出来ていく過程を書く、ということだったり。それはアレンジなのかもしれないですけど、そういう風に少しでもどの方向でもいいから動かすということをやりたいし、やるべきなのではないかなと思います。
─単なる置き換えではなく、そこから新しいものを生み出すことが必要なんですね。
 あくまでも引用としての話なので、ブックショートの趣旨には合わないかもしれないんですけど、順序としては自分の表現に必要だからどこかから引っ張ってくるという方が正しいと思うんですよね。僕は『宇宙戦争』をそれまで読んだことがありませんでしたが、必要だから引っ張ってきました。そういうやり方がならば、単なる置き換えにはならないのかなと思います。
─今のお話と真逆になるかもしれませんが、特定の先行作品ありきで書きたいという気持ちはありますか?
 具体的に書こうと思っている作品があります。それが何なのか今はまだ言えないですね。かなり先の話になると思いますが、そういう作品の構想はあります。
─それは楽しみです。では最後に、ブックショートに応募しようと思っている方、小説家を目指している方にアドバイスをいただけますでしょうか。
 先行する作品をよく読み、その仕組みを理解した上で、自分の気持ちや思いを込めるべきだと思います。気持ちだけで作品を書くのは難しいので、まず技術的な部分や演出法をよく学ぶこと。それで、最後に自分の気持ちを入れるというステップでやるとうまくいくのではないでしょうか。
─ありがとうございました。

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2020年08月29日

中山七里「護られなかった」「嗤う淑女」「ヒポクラテスの誓い」

2020.7.6

CIMG3343.JPG  映画かされると知り、読んでみた・・読まないで映画をみればよかった( ;∀;)


2020.3.27 金

31.「嗤う淑女」(2015)・・・「胸の裡にくすぶっている感情が言葉や仕草で表明したとたんに顕在化することがある・・」

谷原店長のオススメ】嗤いながら不幸の種をまくヒロインに魅了される、中山七里『ふたたび嗤う淑女』

2020.8.29(土)

CIMG3472.JPG78.ヒポクラテスの誓い 

「あなた死体は好き?」という問いかけから始まる、法医学研修生真琴と准教授、教授ほか短編を集めた物語・・・なんかテレビドラマで似たようなのがあるよね??と思いつつ。「「護られなかった」(映画化されるらしい絶対観に行く)がとても読み応えあったので、借りてみたけどずいぶん印象が違う。軽くて読みやすい・・けど、実は内容は重たくてつらいことばかり・・「母と娘」が印象的


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「あなた死体は好き?」初対面の挨拶はこれ・・研修医真琴は返事に窮した。担当准教授シャシーベントルトンは意思の強そうな繭とエラの張った頬の持ち主で、指先だけは美しいという人だった、さらに上の 法医学教授は「光崎藤次郎」で、実は世界的権威で法医学の天才と言われている人物だった。光崎は言うp15「・・医者が病気を選ぶのではない、病気が医者を選ぶのだ」短躯

他登場人物

◎埼玉県警 古手川
◎国木田検視官(警部補)
◎渡瀬班長(警部)検挙率トップ


p19 私たちが相手にする死体はまさに腐敗が進行中のもの

p19 真琴はあまり戦災ではなさそうです、生きたしたいにもいち早く順応できそうな気がします

真琴は教授に死体は好きかと質問する。教授は「死体は文句も言わんし嘘もつかん」

@生者と死者  さいたま市の河川敷 事故死(酔っぱらって河川敷で眠り込み寒空の下で凍死した)にしか見えない死体 外見50代中背、白髪、やや肥満 被害者は峰岸透54歳・・・

※飽きた・・

C母と娘 柏木裕子 真琴の高校のクラスメート。。裕子は肺炎を患っていた。裕子は母寿美礼と二人暮らし。裕子の父は5歳のときに死亡。母寿美礼はパートをふたつかけもちして生活費を稼いでいる。裕子は肺炎をこじらせて死亡。

ヒポクラテスの誓い・・・ヒポクラテスは韓じゃの身分や出自で分け隔てすることをよしとしなかった。患者が聖者であろうと咎人であろうと区別することがあってはならない。

教授とキャシーは裕子の解剖をよしとしない真琴を法医学者失格だと決める

真琴は母親に娘は死んだとき解剖をよしとするかと聞いてみた‥母親は「自分の感情は切り離して裕子さんがどう思うかを考えればいい」とアドバイスをくれた

母寿美礼は代理ミュンヒハウゼン症候群の疑いがでてきた。そうすると裕子の死因は病死ではなく殺人になる

母は殺人を認めた・・娘の看病をしている間は充実した気分でいられたからこれがつづけばいいと思ったと。

posted by りょうまま at 15:11| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする