2016年01月26日

辻井喬「遠い花火」「終わりからの旅」

2016.1.26

遠い花火」(2009.2)

2014.3.14〜3/17・・・長かった・・がんばった

辻井喬「終わりからの旅」(2005.4)

第二次世界大戦で戦い捕虜となり。。帰国後は商社に勤め退社しサンドイッチチェーンを成功させた忠一郎と戦後生まれで新聞社の記者となった良介。異母兄弟2人の人生の物語

★★★

終わりからの旅 辻井喬著 [評者]杉山正樹[掲載]2005年07月24日出版社:朝日新聞出版 価格:¥ 2,625

 日々遠のいてゆく太平洋戦争が、いかに日本人の内面に刻印されているか。これは異母兄弟の体験を軸として、その痕跡の深さを追求した長編小説である。
 兄の忠一郎は、ファストフード・チェーンを全国に展開する起業家だが、七十代半ばをすぎた現在も、敗走したビルマの密林での悪夢から逃れられない。
 頭部を損傷して記憶の一部が消えたため、人肉を食って生きのびたのでは、などと妄想がひろがるのだ。
 新聞記者として長野支局へ赴任した弟の良也は、元陸軍大佐の父を看病する茜(あかね)を愛したが、初恋びとは父の死後、不意に消息を絶ってしまう。
 三十年後、バリ島で再会した茜は、重病で透きとおるように痩(や)せていた。そのノートから元将校の父の原罪意識を知り、茜の失踪(しっそう)も自立への困難な旅も、彼はようやく理解できた。
 多彩な人物を駆使して、戦争と戦後を描くこの力作は、敗戦後六十年の夏、読む一冊にふさわしい。
 [評者]杉山正樹(文芸評論家)
 (朝日新聞社・2625円)

内容紹介(朝日新聞出版より)

朝日新聞朝刊連載小説の単行本化。ファストフード創業者である兄と、新聞記者の異母弟が、ともに断ちがたい初恋に導かれ、人生という謎の森に迷い込んだすえに見たものは? 戦後史の光と影を情感ゆたかに問い直す、著者畢生の大作。


辻井喬ツジイ・タカシ

1927(昭和2)年、東京生れ。本名・堤清二。東大経済学部卒。西武王国の総帥だった父・堤康次郎の跡を継ぎ、理論派経営者の手腕を発揮する一方、詩人・作家として活躍。1961年、詩集『異邦人』で室生犀星賞、1984年『いつもと同じ春』で平林たい子文学賞、1993(平成5)年、詩集『群青、わが黙示』で高見順賞、1994年『虹の岬』で谷崎潤一郎賞、2004年『父の肖像』で野間文芸賞を受賞。他の作品に『彷徨の季節の中で』『風の生涯』『鷲がいて』など。辻井喬|新潮社

堤清二
堤 清二 / 辻井 喬
(つつみ せいじ/つじい たかし)
ペンネーム
辻井 喬(つじい たかし)
横瀬 郁夫(よこせ いくお)
誕生
堤 清二(つつみ せいじ)
1927年3月30日
死没
2013年11月25日(満86歳没)
職業
実業家・小説家・詩人
代表作
『虹の岬』(1994年)
『父の肖像』(2004年)
『鷲がいて』(2006年、詩集)

主な受賞歴
室生犀星詩人賞(1961年)
平林たい子賞(1984年)
高見順賞(1993年)
谷崎潤一郎賞(1994年)
芸術選奨(2000年)
藤村記念歴程賞(2000年)
野間文芸賞(2004年)
日本芸術院賞・恩賜賞(2006年)
現代詩花椿賞(2006年)
読売文学賞(2007年)
現代詩人賞(2009年)

親族
堤康次郎(父)
堤義明(弟)
森田重郎(義弟)

堤 清二(つつみ せいじ、1927年3月30日 - 2013年11月25日)は、日本の実業家、小説家、詩人。学位は博士(経済学)(中央大学・1996年)。筆名は辻井 喬(つじい たかし)、横瀬 郁夫(よこせ いくお)。日本芸術院会員、財団法人セゾン文化財団理事長、社団法人日本文藝家協会副理事長、社団法人日本ペンクラブ理事、『歴程』同人、憲法再生フォーラム共同代表、日本中国文化交流協会会長。

西武流通グループ代表、セゾングループ代表などを歴任した。弟は元西武鉄道会長の堤義明。

本稿では編集の都合上、「実業家:堤清二」と「小説家・詩人:辻井喬」の両者としての経歴を包括している。

詩集[編集]
不確かな朝(ユリイカ、1955年)
異邦人(ユリイカ、1961年 第二回室生犀星詩人賞受賞)
宛名のない手紙(紀伊国屋書店、1964年)
辻井喬詩集 思潮社、1967 
動乱の時代
誘導体(1972年)
箱または信号への固執(思潮社、1978年)
ようなき人の(思潮社、1989年) [ISBN 4783703019]
沈める城 定本 牧羊社 1991
群青、わが黙示(思潮社、1992年)第二十三回高見順賞受賞
南冥・旅の終り(1993年)思潮社、1997 
わたつみ・しあわせな日日(1993年 思潮社、1999 以上三部作で第三十八回藤村記念歴程賞受賞)
過ぎてゆく光景 思潮社 1994
時の駕車(角川書店、1995年) [ISBN 4048714821]
続辻井喬詩集 思潮社、1995
呼び声の彼方(思潮社、2001年) [ISBN 4783712778] ※友人でもあった作曲家・武満徹に捧げられた追悼詩集。
鷲がいて(思潮社、2006年 現代詩花椿賞・読売文学賞詩歌俳句賞受賞)
自伝詩のためのエスキース(思潮社、2008年、第27回現代詩人賞受賞)
死について(思潮社、2012年) 

小説[編集]
彷徨の季節の中で 新潮社(1969年)のち文庫、中公文庫 ※自伝的小説
いつもと同じ春 河出書房新社(1983年)-のち新潮文庫、中公文庫(第十二回平林たい子文学賞受賞)
静かな午後 河出書房新社(1984年) [ISBN 4309003737]
不安の周辺 新潮社(1985年)のち文庫 [ISBN 410102524X]
暗夜遍歴 新潮社(1987年)のち文庫、講談社文芸文庫 ※自伝的小説
けもの道は暗い 角川文庫(1989年)「変身譚」ハルキ文庫
国境の終り―世の終りのための四章 福武書店(1990年) [ISBN 4828823646]
ゆく人なしに 河出書房新社(1992年) [ISBN 4309007597]
虹の岬 中央公論社(1994年 第三十回谷崎潤一郎賞受賞)のち文庫 [ISBN 4122030560] -※歌人にして住友財閥重役の川田順の恋愛事件を描いた。後に映画化された。
終わりなき祝祭 新潮社(1996年)のち文庫 [ISBN 4101025266]
故なくかなし 新潮社(1996年) [ISBN 4103407077]
過ぎてゆく光景 文藝春秋(1994年) [ISBN 416316040X]
沈める城 文藝春秋(1998年) [ISBN 4163180109]
風の生涯(上・下)新潮社(2000年 のち文庫 芸術選奨文部科学大臣賞受賞)
西行桜 岩波書店(2000年) [ISBN 4000009087]
命あまさず―小説石田波郷 角川春樹事務所(2000年)のち文庫
辻井喬コレクション 全8巻 河出書房新社
桃幻記 集英社(2003年) [ISBN 4087746402]
父の肖像 新潮社(2004年 のち文庫 野間文芸賞受賞) [ISBN 4103407123] -※父・堤康次郎の人生を追った。
萱刈 新潮社(2007年)
幻花 三月書房(2007年)※小品集
書庫の母 講談社(2007年)
遠い花火 岩波書店(2009年)半自伝的小説
茜色の空 文藝春秋(2010年)のち文庫-※大平正芳を描く

評論・随筆[編集]
深夜の読書 新潮社(1987年)のち文庫  [ISBN 4101025215]
深夜の遡航 新潮社(1989年) [ISBN 4103407050]
深夜の散歩 新潮社(1994年) [ISBN 4103407069]
詩が生まれるとき―私の現代詩入門 講談社現代新書(1994年) [ISBN 4061491962]
消費社会批判(1996年) [ISBN 4000029568]
深夜の唄声 新潮社(1997年) [ISBN 4103407085]
本のある自伝 講談社(1998年) [ISBN 4062090929]
ユートピアの消滅 集英社新書(2000年) [ISBN 4087200663]
伝統の創造力 岩波新書(2001年) [ISBN 4004307627]
深夜の孤宴 新潮社(2002年) [ISBN 4103407115]
新祖国論 集英社(2007年) [ISBN 9784087813791]
憲法に生かす思想の言葉 新日本出版社(2008年) [ISBN 440605166X]
叙情と闘争 辻井喬/堤清二回顧録 中央公論新社(2009年) [ISBN 412004033X]
私の松本清張論―タブーに挑んだ国民作家 新日本出版社(2010年) [ISBN 4406053999] 
生光 藤原書店(2011年)
司馬遼太郎覚書―『坂の上の雲』のことなど かもがわ出版(2011年)

共編著[編集]
錆(1985年 脇田愛二郎と共著) [ISBN 4309260748]
ケルトの風に吹かれて―西欧の基層とやまととの出会い(1994年 鶴岡真弓との共著、北沢図書出版)
なぜ変える?教育基本法(2006年10月、大江健三郎他との共編、岩波書店、ISBN 978-4-00-024158-8)
ポスト消費社会のゆくえ(上野千鶴子対談)(文春新書、2008年)
無印ニッポン:20世紀消費社会の終焉(三浦展対談)(中公新書、2009年)

著作集[編集]
辻井喬コレクション(全8巻・河出書房新社、2002年 - 2004年)

関連書誌[編集]
暗夜遍歴(2007年、講談社文芸文庫)に、初の網羅的な書誌である、詩人/小説家の側面を重視した「年譜」と堤清二・辻井喬それぞれの「著書目録」(編・柿谷浩一)が収録されている。
辻井喬―創造と鈍化―(小川和佑著・2008年、アーツランドクラフツ
堤清二 - Wikipedia
posted by りょうまま at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 辻井喬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする