2019年05月04日

原田ひ香「彼女の家計簿」「ミチルさん、今日も上機嫌」「母親ウェスタン」★★★

2019.5.4〜

57.彼女の家計簿・・

2014.9.23(火)

ミチルさん今日も上機嫌
(2014.5)

容紹介

美魔女と呼ばれるミチルはバツイチの45歳。諦めきれない厄介な世代。
人生初、恋人に裏切られ、仕事まで失った自己中女が、地味なバイト仕事を通じて様々な人達と接し、今後の人生の活路を見出していく。

40代の遅れてきた成長物語ともいえるだろう。「そんな時代もあったのね」と世代を越えて微笑むことのできる良質な物語だ。――藤田香織

内容(「BOOK」データベースより)

恋を謳歌し、気ままなシングルライフを満喫する山崎ミチル・45歳。ところが生まれて初めて男に裏切られ、おまけに仕事まで失った。残されたものは元夫が譲ってくれたマンションと僅かな貯金だけ。やむなく始めた地味なアルバイト。そこで出会ったのは、個性豊かな愛すべき老若男女たち。彼らとの交流で、どん底バブリー女が手に入れた希望の切符とは―。

Amazon.co.jp: ミチルさん、今日も上機嫌: 原田 ひ香: 本

就活なんてたいしてしなくても内定が取れ、一流会社に入れば〈食事は毎日、男のおごりや仕事の接待でまかなわれ〉、毎夜のように合コンをして、〈どんな場所にも、だいたい男が連れて行ってくれていた〉し、タクシーチケットがふんだんに使えたから移動にお金を使ったこともなく、〈クリスマス・イブには特別なことをする、プレゼントを交換して高級ホテルに泊まる〉のが当たり前−−ほんの二十年前、若くてきれいな女子にとっては無敵の世界が存在したのである。

 原田ひ香の『ミチルさん、今日も上機嫌』は、そんなバブルという日本全体が上機嫌だった時代を、今の視点でふりかえる総括小説になっている。主人公は四十五歳バツイチのミチル。中二の頃から振られたことは離婚を含めて一度もなかったのに、三ヶ月前、三年もつきあっていた男から「他の女性と結婚する」と別れを告げられてしまった。おまけに無職。スーパーのレジ係に応募しても採用されず、元夫が譲ってくれたマンションはあるものの、貯金はわずかで心許ない。〈若くて美しかったら決して負けない時代、何も怖いものがなかった時代〉を颯爽と闊歩し、派手な暮らしを送っていた栄華の日々よ、今いずこ。そんな尾羽うち枯らしたミチルが、やっと見つけたのがチラシ配布のアルバイトだったのである。が、この地味な仕事が、アラフィフのバブリー女を思わぬ人たちへと結びつけ、人生を好転させていくのだ。

 かつてつきあった男たちに再会したり、〈これから大きくなっていく、っていうか、今、一番元気な場所でどういうことが行われているのか、全部知りたいんですよね。全部見てから人生を決めたい〉とたくさんの企業でアルバイトをしている意欲的な女子大生と対話したり、元夫からかつての自分を本当はどう思っていたかを聞かされたり、そうした中、バブルという時代や、そこにどっぷり浸かって生きていた自分を振り返っていくミチル。収入としてはたいしたことないけれど、適性が発揮でき、達成感を味わえる仕事も得ることのできた彼女は、四十五歳にして人間として格段の成長を遂げていくのだ。

 読者は、そんなミチルの内省によって、とかくバカにされがちな狂騒的な時代の汚点だけではなく美点を思い出し、と同時に今という苦しい時代から生まれ出でる希望に気づくことになる。そして、へこたれないミチルのバイタリティ溢れる言動によって元気を分けてもらえるのだ。バブル時代を知っている人はもちろん、おとぎ話のような別世界のことと思っている若い世代にも一読をおすすめしたい。

| バブル女が拓く未来 原田ひ香『ミチルさん、今日も上機嫌』 豊ア由美 | 書評 | すばる - 集英社 |





2014.3.12読了・・とってもいい本だった・・登場人物の多さに辟易していたら・・だんだんなぜ広美が誠心誠意、心をこめて全力で子供たちの世話をしてきたのかが明らかになり・・最後もとってもよかった・・涙・・涙・・幸せになってね・・あ・・(でも・・・安田保のことは・・いいんだろうか・・

「自分の身勝手な願望を引き受けて時には愛してくれた子供たち。彼らのおかげでこれまで生きてこられた。ずっと偽物の献身でだましながら。。今、自分は彼らの人生のために、彼らの幸せのためにできることをやらなければいけない。あのこたちが幸せになってはいけない理由なんてどこにもない・・。P270」

内容(「BOOK」データベースより)

母のない子持ちやもめの家庭を転々と渡り歩く広美。短いときは数か月、長くとも数年、トラック運転手や遠洋漁業、家を長く空ける父子家庭の母親役をして、家庭が軌道にのると人知れず去っていく。それは、母性が有り余っているのか、母性がぶっ壊れているのか、子供にとっては女神でもあり、突然姿を消す残酷な悪魔でもある。すばる文学賞受賞作家が挑む、初の長編エンターテインメント。ひたすらに“母”をさすらう女の物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原田/ひ香
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」でNHK創作ラジオドラマ大賞受賞。2007年「はじまらないティータイム」ですばる文学賞受賞。ワケあり物件に住む女性を描いた『東京ロンダリング』で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです

Amazon.co.jp: 母親ウエスタン: 原田 ひ香: 本2014.3.9〜

母親ウェスタン」2012.9

@「おそれいりますでございます」が口癖の広美・・一軒目に母親役を担当した家庭はトラック運転手の健介宅。愛する妻多恵子をがんで亡くし、良介、桃子、直介4歳。。とともに義母の助けを借りてなんとか暮らしていた。。そこへ助っ人にきてくれたのは「いろは食堂」で働いてきた広美・・直介が小学校にはいったころ広美は消えてしまった・・健介はさらに2年後、再婚・・

A29歳になった広美がむかったのは帯広・・そこでは・・

B47歳の広美は東京でスナックを経営していた。そこに通いつめるのは祐里。恋人のあおいには「母親かもしれない」と打ち明けた・・


母性のままにさすらう女『母親ウエスタン』 (原田ひ香 著)

2012.11.04 07:01

母のいない父子家庭を転々と渡り歩く広美。一方で幼い頃世話になった広美を本当の母親と思い込む祐理やその恋人・あおいは、広美と一緒に生活することを画策する。広美は祐理らの申し出を“母親”として受け入れられるのか。母と子の感情のすれ違いを描く一風変わった家族小説にもなっている。 光文社 1785円(税込)

 脚本家として活躍後、2007年にすばる文学賞を受賞し小説家デビューを果たした原田ひ香さん。その名を一躍有名にしたのは昨年発売の長編小説『東京ロンダリング』だ。住人が死んでしまった事故物件に住むことを生業とする30代女性の再生を描いた物語は、その特異な設定も相まって注目を浴びた。満を持して上梓された長編第2弾は『母親ウエスタン』。主人公として描かれるのは、男やもめやシングルファザーなど、母親を失った家庭を転々としながら日本中をさすらう女性・広美だ。

「定職につかずに生きている人に憧れや興味があるのかもしれません(笑)。例えば、現在の東京に高卒で職も決まっていない女の子が上京してきたとしたら、その子が生きていくのは以前より大変なんじゃないか。昔に比べ社会に“遊び”がなくなってきている中でも、社会の隙間で生き延びている人はいて、そういう生活に目を向けていきたいと思っています。今回も最初に女性が放浪する話を考え、その女性性をつき詰めて、『母親になりたい』という願望だけを原動力に放浪する人物像が出来ました」

 広美は入り込んだ先々の家で理想的な母親を務め、家庭が軌道に乗ったと判断すると、またそっといなくなってしまう。一方で残された子供は、消えてしまった広美を追い求める。本書のもう1人の主人公・大学生の祐理もそう。東京で偶然に広美と再会するが、彼女が過去の子供たちのことを何も覚えていないことにショックを受ける。

はらだひか/1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」でNHK創作ラジオドラマ大賞受賞。脚本家として活躍し、07年「はじまらないティータイム」ですばる文学賞受賞。著書に『東京ロンダリング』『人生オークション』などがある。

「広美を善人とも悪人とも書きたくなかった。ただ自分の欲望に正直なだけなんです。私自身、子供はいませんが、幼い甥や姪とはよく遊びます。他人の子でも直接触れ合っていると可愛くて大切にしたいと思う。しかし離れてしまえばそんなことは忘れてしまうんです。残酷かもしれませんが、これも母性の1つの側面だと思います」

 広美の旅する地方都市の情景の描き方も見事。まるでロードムービーを観るかのような味わいがある。

「広美を家庭に根付かせるため、地に足がついた印象のある地方を舞台にしました。対照的に祐理らが住む東京は、軽やかな場所に描いたつもりです。脚本家だったこともあって、常に頭の中に見えるシーンを文章にしている。そのせいか映像が思い浮かびやすいとよく言われますね。最近はやっと主人公の視点を取り入れた“小説”を書けるようになったと思います(笑)」

『母親ウエスタン』 (原田ひ香 著) | 著者は語る - 週刊文春WEB

原田ひ香

(はらだ ひか、1970年 - )は、日本の小説家、脚本家。神奈川県生まれ、東京都杉並区在住。大妻女子大学文学部日本文学科卒業

2006年に第34回NHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募(現・創作ラジオドラマ大賞)に「リトルプリンセス2号」で最優秀作受賞。

シナリオライターとして活動した後、2007年に「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。

2010年、「30年目のブルーテープ」でBKラジオドラマ脚本賞に入選。

単著
はじまらないティータイム(2008年1月 集英社) 【初出】「すばる」2007年11月号

東京ロンダリング(2011年7月 集英社 / 2013年12月 集英社文庫) 【初出】「すばる」2010年2月号

人生オークション(2011年10月 講談社 / 2014年2月 講談社文庫) 【初出】「群像」2011年3月号

母親ウエスタン(2012年9月 光文社)※単行本書き下ろし
アイビー・ハウス(2013年3月 講談社)※文庫書き下ろし 【初出】「群像」2012年5月号

彼女の家計簿(2014年1月 光文社)※単行本書き下ろし

単行本未収録作品
ナチュラルママ!(「すばる」2008年4月号)
AS AS AS(「すばる」2008年12月)
失踪クラブ(「すばる」2009年5月)
台詞(「群像」2009年5月)
権力の娘(「すばる」2010年12月)
あめよび(「群像」2011年7月)
来星(「すばる」2012年6月)
こなこな(「文學界」2012年12月)
シュガーベイブ、シュガーダディ(「すばる」2013年5月)

アンソロジー収録作品
立春(「君と過ごす季節」2012年12月、ポプラ社文庫)
クラシックカー(「12星座小説集」2013年5月、講談社文庫)

シナリオ
FMシアター サバイバーズ・ギルド 私のいない街で(NHK-FM放送、2011年10月)

外部リンク

第31回すばる文学賞受賞者インタビュー

原田ひ香 - Wikipedia
posted by りょうまま at 13:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 原田ひ香 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする