2018年06月06日

唯川恵「バックをザックに持ち替えて」「淳子のてっぺん」「天に堕ちる」

2018.5.28

CIMG1881.JPG 「バックをザックに持ち替えて」2018.4

運動嫌い、山より海好きの唯川さんが50歳半ばに、山に登り始めた・・さてそのきっかけは??・・装備のことや登山紀行など読み応え満載でした。浅間山に登ってみようと、地図のページをコピー('◇')ゞ、富士山登山紀行には「ふむふむ・・」とうなずき。。ヒマラヤトレッキングのページには垂涎・・私も登山を再開したいと強く思ったのでした


2017.11.10

「淳子のてっぺん」(2017.9)

p293「やってみなくちゃわからないことをやる前から悩んでどうするの」(マリエ)

P434  「なぜ山に登るんですか?」「なぜ生きるのかってことと同じだよ。なぜ生きるのかを知るために人は生きる、なぜ山に登るのかを知るために登るんだよ」

「エベレスト? 女なんかに登れるもんか」 そんな男の言葉に負けん気を発揮、 女性だけの隊で頂きを目指し、 8848メートルに立った淳子。 山頂から彼女が見たものは――。 直木賞作家が田部井淳子さんをモデルに書き上げた、渾身の長篇小説。 ただ、山が好きで、会社勤めをしながら暇さえあれば山に登っていた淳子。山が好きだということをのぞけば、ごく平凡な女性の淳子が、女性だけの登山隊でヒマラヤを目指すことになる。最初の目標はアンナプルナ。「女なんかに登れるはずがない」という言葉に反発して挑戦したが、初めての海外遠征は資金繰り、寝る暇もない膨大な準備、女性隊員同士の嫉妬、軋轢、分裂と大変なことだらけ。登頂は成功したが、苦い物が残った。複雑な思いでいる淳子に「ねえ、エベレストに行かない?」と声をかけたのは、ともにアンナプルナで苦労した隊長の明子だった。成功すれば、女性として世界初だ。山男である夫の正之に「行くべきだよ」と励まされ、淳子は決意を固める。アンナプルナ以上の困難を乗り越え、8848メートルの頂きに立った淳子の胸に去来したのは……。 好きなこと、やりたいことを見つけて、どんなに苦しくても一歩一歩、足を運べば、必ず夢は叶う。山を愛し、家族を愛し、人生を愛した淳子の生き方が、すべての女性の背中を優しく押してくれる。 直木賞作家・唯川恵が、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんをモデルに書き上げた、感動の長篇小説。http://www.gentosha.co.jp/book/b11077.html

昨年亡くなった、登山家の田部井淳子さんをモデルとして記された小説である。田舎の野山を、幼馴染と共に駆け回っていた少女時代から、登山に魅せられてのめり込んでいく青春期、そして女性登山家として世界で初めてエベレスト登頂に成功した瞬間の景色が克明に描かれる。
 著者は、ひとつひとつの出来事を淡々と語る。むやみにドラマを煽ったり、華美なボキャブラリーで主人公を讃えたりしない。書かれているのは、起きた出来事。そして、そのときの主人公の気持ち。その2点に極めて誠実な筆致が、「世界初」とか「女性登山家」とか「エベレスト」とか、これまで田部井さんを取り巻いてきた角ばった単語たちを、ふわりとほどいていく。
 ここに出てくる「田名部淳子」は、わりと悩んだり迷ったりしている。傍目から見れば「山屋」としての人生にまっしぐら状態にしか見えないのだけれど、本当は、親や仲間や家族の心中をおもんばかって、「いいのかな」「これでいいのかな」「ほんとにこれでいいのかな」って揺れている。進学したお嬢様大学に居場所がない、けれど父が強く勧めてきた学校だから文句が言えない。山に登りたい、けれど母が見合い結婚をゴリ押ししてくる。「山屋」として最大の理解者たる夫を得た、けれど彼にかけてしまう金銭面や家事の負担を考えると逡巡してしまう。女性だけの登山隊に吹き荒れるぎすぎすした風に、こんなはずではなかったのにとしょんぼりする。
 けれど彼女は登ることをやめない。「登ることをやめない」という決意こそが彼女を支え、後押しする。男社会に飛び込むことによる、女の無念やしがらみに足を取られながら、それでも彼女は「登る」ことをやめない。
 登山家たちはなぜ、登るのか。小さい頃、林間学校での山登りがそれはそれは苦手だった私は、不思議でならない。けれど彼ら彼女らにとって、「登る」ことは「生きる」ことである。「登る」をしようとすると否応なく「生きる」がくっついてまわる。彼ら彼女らは、「登る」ことで、濃密な「生きる」を味わっている。
 そしてそんな「登る」「生きる」の最終到達地点、それは「帰る」である。自分の家、居場所。愛する家族が待つ場所。どんなに壮絶な体験をしても、いずれそこへ帰ることこそが、主人公が目指す「てっぺん」なのだとする、この本の温かな眼差しが沁みるのだ。
(幻冬舎 1700円+税)=小川志津子https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/entertainment/book/201710/0010619350.shtml

田部井順子オフィシャルサイトhttp://www.junko-tabei.jp/

2014.01.31

O「天に堕ちる」2009年

人間が持つ、明と暗、優しさと毒、幸福と恐怖――それらは隣り合わせにある。だから、人はほんのささいなことで足を滑らせてしまう。そんな風景が歪む一瞬を切り取った、九人の女性と一人の男性を主人公とする連作集
内容(「BOOK」データベースより)
出張ホストを買う孤独な女・りつ子。自殺願望のある風俗嬢・茉莉。八人の女と同居する中年男性に安らぎを求める加世子。アイドルのおっかけに夢中の高校生・奈々美。女になりすましてメールを書く淋しい青年・光。息子を溺愛する有名女優・黎子―彼らが求めたものとは?欲しかったのは、当たり前の幸せだった。「幸福」にも「愛」にも、色んな貌がある。10篇の天国と地獄の物語。 Amazon.co.jp: 天に堕ちる: 唯川 恵: 本

唯川 恵(ゆいかわ けい、1955年2月1日 - )は、日本の小説家である。本名は宮武泰子

石川県金沢市出身。石川県立金沢錦丘高等学校、金沢女子短期大学(現金沢学院短期大学)卒業。北國銀行に就職し、コンピュータルームに配属され、同銀行で7年、義兄の会社で3年、計10年のOL生活を経験する。茶道、華道、洋裁、エアロビクス、三味線、レザークラフト、着付け、医療事務などの習い事などをするが長続きせず、唯一続けていた日記から小説を書いてみようという気になる。 小唄、スキーは趣味としての記載があり、バイクも作品を書いた関係で、後に免許を取得する。

1984年『海色の午後』で集英社第3回コバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビューする。ペンネームの唯川恵は、母が若い時映画雑誌に投稿した折のペンネーム「行川奎」(ゆいかわ けい)からとったもの。

恋愛小説といえば唯川恵と、言われるほどになり、2001年『肩ごしの恋人』で第126回直木賞を受賞した。毎年のことながら、この受賞には賛否両論が有り、選考委員の中に「軽すぎる」と評した作家もいた。この作品以前、深刻なテーマを扱ったものが続いたため、軽いものが書きたくなったと自身が語っている。

恋愛小説は、それほど深刻なテーマというものがない。読みやすいが読者離れを起こしやすい、似通った傾向を持つ。それを見事に打破したのが、ホラー的色調の濃い『めまい』(1997年)、サスペンス小説『刹那に似てせつなく』である。

45歳で、結婚と同時にセント・バーナード犬を飼い始める。壮大な浅間山と愛犬のために、2004年48歳の時、東京から軽井沢に移住する。2008年『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞した。

文庫では、解説を多くの作家に依頼しており、文庫版あとがきにおいて、解説者への謝辞を述べているのが特徴である。文庫の解説を評論家ばかりにまかせている作家とは一線を画する。

唯川恵 - Wikipedia
posted by りょうまま at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 唯川恵 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする