2019年01月03日

「おまじない」「I」『まく子』『サラバ!』(上・下) 西加奈子著

2019.1.3 1「おまじない

「人はいなくなっても、言葉は残る。
誰かの言葉に縛られる絶望は、誰かの言葉に守られている希望に替えていけばいい。
本書の物語は、そう力強く告げている。」(文月悠光・詩人)
「「燃やす」を読んで、自分の中にいた小さい頃の自分を思い出して泣きました。」(読者)
「誰にも知られない苦しみによりそってくれる、おまもりみたいな本」(読者)

TBS「王様のブランチ」で紹介!(3/31 O.A.)
読書メーター「読みたい本ランキング」第1位(1/22-2/21)


「サラバ」「i」に続く、直木賞作家・西加奈子待望の最新刊! 大人になって、大丈夫なふりをしていても、ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。
それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。
悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編。
「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」――西加奈子
【収録作品】1 燃やす2 いちご3 孫係4 あねご5 オーロラ6 マタニティ7 ドブロブニク
8 ドラゴン・スープレックス



2017.1.19

「I」(2016.12)

2016.8.16~

75「まく子」2016.2

P72.。コズエのはなしをまとめると・・コズエは土星近くにある星から宇宙船に乗ってやってきたそうだ・・

僕は大人になるのがこわかった。なぜなら・・それは「死」に近づくことを意味するから。「死」を怖く思うというのは、自分の「死」だけではなく、自分が大事に思っている人、大好きな人の「死」も想像してしまうから。

p162・・まく子「永遠に続かないからきっと素敵なんだよ」

夏休みが終わり、まく子は「小さな永遠を終わらせないといけない」と「小さな永遠を大きな永遠に変えるのだと自分の星へ帰ることに決めた

ぼくたちはだれかと交わる勇気を持たなければいけない。あのひとはぼくだったかもしれないと想像する勇気を持たないといけない。誰かを傷つけたらそれはほとんど僕を傷つけていると同じだ・・絶対に誰かを傷つけてはいけない

宇宙って広い・・いろんな星があっていろんな生命体がいるのだ。

★★★

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。
コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。西加奈子、直木賞受賞後第一作。究極のボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
まく子」 西加奈子 | 福音館書店

評・若松英輔(批評家) 『サラバ!』(上・下) 西加奈子著 2015年02月02日 08時06分

信じる 新生の物語

 本作は直木賞を受賞した。しかし私たちが目にするものは、従来の領域を大きく超えた地平である。

 作者は物語を作っているというより、それを生きている。読者もまた、傍観者であることはできない。読むとは、ひとたび物語を生きてみることだという文学の秘儀を思い出すことになるだろう。

 主人公の名前は「圷あくつ歩あゆむ」という。異国イランに生まれたことを皮切りに男は、名前の通り地を這はうような人生を進むことになる。友人と別れ、一家は離散し、恋人にも裏切られる。自分の居場所だけでなく男は、どう生きているのかも見失ってしまう。しかし男は、転んで、立ち上がろうとするときに大切なものを、わずかにかいま見る。倒れるのは、失敗の結果ではなく、探しているものへの着実な一歩だということが、見事に描き出されている新生の物語だ。

 この小説には、いくつか鍵となる言葉が潜んでいる。「サラバ」はもちろん、「信じる」もその一つだ。さまざまな「宗教」と信仰者が登場する。イスラム教、コプト教徒、主人公に近い「矢田のおばちゃん」も宗教じみたことをやっている。登場人物はそれぞれ「信じる」ことによって探しているものを見出みいだそうとする。

 二十世紀の優れた思索者たちは、宗派としての宗教の彼方かなたに霊性的世界というべき境域があることを示そうとした。そこで人は、何を信じるかではなく、真に信じるという営みによって深くつながり得るというのである。信じるもの、そこには自己も含まれる。このことはそのまま、本作の主題の一つになっている。宗教的、哲学的主題が生きた人間のかたちをして問われているのである。

 ある詩人の作品を読んだとき、高村光太郎はこう語った。「私はおそろしい詩集を見た」。高村は讃辞さんじを表すことを忘れるほどそこに見た言葉に驚きょう愕がくしたのである。「詩集」を「小説」に変えれば、そのまま本作の読後感になる。

 ◇にし・かなこ=1977年、テヘラン生まれ。『通天閣』で織田作之助賞、『ふくわらい』で河合隼雄物語賞。

 小学館 上下各1600円


芥川賞に小野正嗣さん、直木賞は西加奈子さん2015年01月16日 09時22分

 第152回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に小野正嗣まさつぐさん(44)の「九年前の祈り」(群像9月号)、直木賞に西加奈子かなこさん(37)の「サラバ!」(小学館)が決まった。副賞各100万円。贈呈式は2月中旬に行われる。
 小野さんは、2001年にデビュー。02年、「にぎやかな湾に背負われた船」で三島由紀夫賞を受賞。4回目の候補で芥川賞を射止めた。
 芥川賞の小川洋子選考委員は、「(発達に)困難を抱えた少年を丸ごと受けとめる土地の力をうまく小説にした」と評価した。
 西さんはテヘラン生まれ。小学生の4年間をカイロで過ごした後、26歳まで大阪で暮らした。2004年、「あおい」でデビュー。13年、「ふくわらい」で河合隼雄物語賞。直木賞は2度目の候補での受賞。
 受賞作は、著者自身の生い立ちと似た幼少期を過ごした男性が、家族関係に悩みながら自意識と折り合いをつけ、成長していく姿をつづる長編小説。
 直木賞の林真理子選考委員は、「あふれでるような才能を評価した。信じるものに向かって進むメッセージを感じた。多くの若い人に読んでほしい」と語った。
2015年01月16日 09時22分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
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両親にウソつき上京…11年後に直木賞受賞2015年01月16日 09時22分
第152回直木賞に決まった西加奈子さん 37


「デビューした時は5冊書ければすごいと思ってました。直木賞なんて、ただびっくりです」

 受賞作「サラバ!」は、作家生活10周年の記念作。新人賞を得ての華々しいデビューではなかっただけに、「10年前の私に言ったら、絶対信じないと思う」。

 関西大卒業後、アルバイトをしながら書いた小説を手に、「仕事が見つかった」と両親にウソをついて大阪から上京したのは26歳の夏。「30歳までは頑張る」覚悟だったが、翌春の出版が決まり、以来、生み出した小説は19作。「なんで私は私なんやろって、ずっと書いてきた気がします」

 その根っこは、カイロで過ごした少女時代にある。駐在員の娘としての豊かな暮らしと、現地の子らの生活との格差を前に抱いた罪悪感。「私と彼らは何が違うの? 私が彼、彼が私だったかもしれないのに」

 現在は夫と、拾った猫と暮らす。その猫に教えられた。他人にはなれないが、懸命に想像することはできると。「何もしゃべらへんから、私がこの子に一番やと思うことをするしかない」。小説も同じ。「自分がいいと思うことを全力で書くだけです」(文化部 村田雅幸)


私であること 奇跡も絶望も物語に…西加奈子さん
2014年12月03日 13時34分


「なんで私は私なんやろ」

 作家デビューから10年。ずっと、そんなことを書いてきた気がする。なぜ、自分は自分として生まれたのか。彼でも彼女でも他の国の人間でもない、この私に。

 それは、幼いころから抱く疑問だった。「最初に感じたのは、父の仕事の関係で小学1年から4年までを過ごしたカイロでのことでした」

 多くの駐在員家庭がそうであるように、高級住宅地に住み、メイドを使う日々。でも一歩街に出れば幼い目にも映った。現地の子供とは肌の色も着る服も、住む家の大きさも違うことが。

 「ぼろぼろの靴の子、靴すらなくはだしでゴミを拾う子、学校にも行っていない子らと遊んだりするうち、私と彼らは何が違い、なぜ私がこんな暮らしをできているのかと思うようになったんです」

 ――自分の手柄でもないのに。

 罪悪感が生まれ、恥ずかしくもなった。メイドが、自分と同い年ぐらいの息子を連れてきた時は、彼にビー玉をあげた後、ひどく悩んだ。「母親が外国人の子供をかわいがり、その子からビー玉をもらうのはどんな気持ちだろう。彼を傷つけはしなかったか」

 葛藤は帰国し、以前の「中流」の暮らしに戻るまで続いた。「大勢の中の一人になれて、ほっとしたんです」

 とはいえ、日本にいても国内外の様々な出来事は伝わってくる。だからしばらくは「苦しそうなニュースは見んようにしてた」。知れば心が乱れる。「なぜ自分じゃないのか」と、しんどくなる。

 閉じた目を開くきっかけをくれたのは、高校1年で読んだ小説だった。ノーベル文学賞作家トニ・モリスンが、白人に憧れる黒人少女の悲劇を描いた『青い眼がほしい』。残酷な世界から目をそらさずに書かれた物語は、どこか美しさもたたえていた。

 「私たちがいけないと思っていることは本当にいけないことなのか。どうしていけないのか。いったん全部を並べて提示してくれていた」

 「これが正しい」とは書かず、判断は読者に任せる。そのスタンスは、作家となった自身が心がけるものにもなった。人は、帰属する社会の価値観に支配されるが、たとえば『きりこについて』(角川文庫)を〈きりこは、ぶすである〉と書き出し、以降「ぶす」という単語をすべて太字にしたのは、「ぶすってなんやって考えてほしかったから」。自分と似た生い立ちの青年を描く最新刊『サラバ!』(小学館)でも、人生に迷う主人公に姉が語る言葉として、こう記した。〈あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ〉

 なぜ自分は自分なのかは、まだ分からない。けれど、小説を書き続けてきたことで、「私はどうしようもなく私なんだと、だんだんはっきりしてきた」と言う。登場人物らの人生を共に生きれば、彼らは皆、自分から逃れられずにいた。「そのことに感動し、絶望もしたんです」

 長い生命の歴史の中、ただ一人の自分が存在する奇跡。絶対に他人にはなれず、その心は想像するしかない現実。だから物語は、奇跡も絶望も描くことになる。

 昨年7月、『ふくわらい』(朝日新聞出版)で河合隼雄物語賞を受けた。その際のスピーチは、自身も覚えていない。が、それ故、その言葉は作家の本心を表していたに違いない。こう話していたのだ。

 「私の物語がほんの少しでも誰かの救いになるなら、全力以上の力で、血だらけ、傷だらけになって書いていく」 それが今、「私」ができることだから。

(文・村田雅幸 写真・立石紀和)

 にし・かなこ=1977年、テヘラン生まれ、大阪育ち。2004年、『あおい』でデビュー。08年、『通天閣』で織田作之助賞。13年、『ふくわらい』で河合隼雄物語賞。

2014年12月03日 13時34分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
ラベル:サラバ
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2015年02月25日

西加奈子「サラバ」「白いしるし」「窓の魚」「さくら」「炎上する君」

2015.2.21〜

27.「サラバ」2014.11

サラバ−−−
その力の途轍もなさに
彼はまだ、少しも
気づいてはいなかった。

1977年5月、圷歩(あくつあゆむ)は、
イランで生まれた。 
父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。
後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。

「さくら」「あおい」「きいろいゾウ」のベストセラー作家が、作家生活十周年を記念して放つ記念碑的長編! 『サラバ!』(上・下) 西 加奈子|小学館

一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。
ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。
絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。
父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。Amazon.co.jp: サラバ! 下: 西 加奈子: 本


第152回直木三十五賞は西 加奈子さんに決定!
(平成26年下半期)
第152回直木三十五賞の選考委員会が平成27年1月15日(木)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から西 加奈子さんの「サラバ!」が授賞作に決まりました。
文藝春秋|各賞紹介|直木賞


西加奈子「サラバ!」 10年間の全部ぶつけた

[掲載]2015年01月07日
















西加奈子さん=大阪市北区、滝沢美穂子撮影
拡大画像を見る
西加奈子さん=大阪市北区、滝沢美穂子撮影



表紙画像
著者:西加奈子  出版社:小学館 価格:¥ 1,728


Amazon.co.jp
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紀伊國屋書店ウェブストア
TSUTAYA online


 上下巻700ページ。その長さが、長く感じられない。作家の西加奈子さんの新刊「サラバ!」(小学館)は、作家生活10年の節目に「今までやってきたことを全部ぶつけた」という力作。生きること、そして信じることとは何か、体当たりで問うような気迫がみなぎる。
 西さんと同じ1977年5月生まれの、歩(あゆむ)という名の男の子が主人公。イランの首都テヘランで生まれる設定も、西さんと同じ。そんな男の子の誕生から物語は始まり、今の西さんと同年代にあたる30代の男性に成長するまでの半生をつづっていく。
 「経歴は自分と重なるけれど、物語はまったくのフィクション」と西さん。物語は歩と貴子という姉、そして作品の途中で離婚してしまう両親を中心に紡がれていく。
 歩は小学生時代の半分以上をエジプトで過ごし、そこでヤコブという少年と出会う。書名の「サラバ!」とは言葉の通じない二人を結ぶ合言葉のようなあいさつだ。
 ヤコブが信じる少数派のコプト教(キリスト教の一派)、姉が傾倒する「サトラコヲモンサマ」という奇妙な神様、出家する父。ストーリーが進むにつれ、信仰の問題、ひいては生きることと信じることとの関係が、物語全体の重要なテーマとして浮かび上がってくる。
 ナイーブで器用で、いつも自分を客観的に見ている歩は、前作「舞台」の主人公の青年を連想させる。周囲とのあつれきを絶えず引き起こしながら我が道を行く姉の貴子には、「ふくわらい」の主人公の女性を重ねるファンも多いだろう。
 「世間で正しいとされているものを一から考え直そうっていう小説を、ずっと書いてきたつもり」。10年の節目に、今まで伝えようとしてきたことを全部出し切ろうという思いが、そんな登場人物の設定にもつながっているのかもしれない。
 物語の後半では阪神大震災や地下鉄サリン事件、アラブの春、東日本大震災など、日本と世界で現実に起こった出来事が描かれる。「まったくのフィクション」なのに、あえて自分と相似形を描く経歴の主人公を設定したのは、自身の歩みのなかで考えてきたことを存分にぶつけるために、最も自然な設定がそれだったからなのだろう。
 2005年刊行の代表作「さくら」も、やはり家族の物語だった。「さくらの西さんってずっと言われてきたけれど、これからはもしかして、サラバの西さんって言ってもらえるかもって」。まさに今、充実のまっただ中にいる。
 本体各1600円。
 (柏崎歓)
    ◇
 にし・かなこ 1977年、イラン・テヘランで生まれ、大阪で育つ。2004年「あおい」でデビュー。「通天閣」で織田作之助賞、「ふくわらい」で河合隼雄物語賞。他の著書に「きいろいゾウ」「円卓」など。
西加奈子「サラバ!」 10年間の全部ぶつけた - インタビュー | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト


2015.1.21〜

16.白いしるし 2010年

失恋ばかりの、私の体。ああ、でも、私は彼のことが、本当に、好きだった。

32歳。次は、凪の海みたいな恋愛をしたかった。なのに、彼と関係を結んでから、私は笑えなくなった。好きになるほど、苦しくなるのだ。すべての恋愛は狂気である、という。けれど本当にこの狂気を乗り越え、次の海へと漕ぎ出していけるのか――。行き場のない黒い感情と、その先に見えるほんの少しの希望を鮮烈に描いた会心作。 西加奈子『白いしるし』|新潮社


2015.1.12

9.窓の魚(2008.6)

2014.3.20

さくら」第2作目

すごく愛し合っている夫婦の間に生まれた子供たち、はじめ、薫、ミキ・・と、飼い犬「さくら」の物語・・
すばらしくかっこよく、出来のよかった「はじめ」は事故にあい、「神様の投げたボールを受け取れない」と20歳と4ヶ月でなくなってしまう・・母は肥大化し、父は家を出て・・長い3年の後、家族はそれぞれ再生を果たそうとする・・ぼろぼろ泣けた・・・

幸福な子供時代を過ごしたことは幸せなんだけれど・・なにか不幸せなことがあったときの衝撃の受け方が半端ないのかなあ・・とうっすら思った・・人生帳尻があうようにできている・・というなにかのフレーズが浮かぶ。。

★★★

内容紹介

26万部突破のロングセラー、文庫化
両親、三兄弟の家族に、見つけてきたときに尻尾に桜の花びらを
つけていたことから「サクラ」となづけられた犬が一匹。どこにでもいそうな家族に、
大きな出来事が起こる。そして一家の愛犬・サクラが倒れた--。

著者からのコメント

「さくら」は、ある家族の物語です。
彼らは少し風変わりな五人と優しい一匹。色とりどりの春と、屈託のない夏と、セ
ンチメンタルな秋と、静かな冬、彼らに巡ってくる、そして誰にでも巡ってくる季節
の、そしてその中で起こった小さな、でも、かけねの無いある「奇跡」の物語です。
だからこれはあなたの物語であり、私の物語であり、どこかで眠ってる誰かの物語
でもあります。
これを読んでくれたあなたが、恋人に会いたくなったり、お母さんに手紙を書いた
り、友達の肩を叩いたり、そう、いつもより少し優しくて、暖かい気持ちになって
くれたなら、私はとても幸せです。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
Amazon.co.jp: さくら (小学館文庫): 西 加奈子: 本

2014.2.23〜

炎上する君」(2010.4)

不思議な物語・・

最後「ある風船の落下」・・人間は愚かだ。でもだからこそ尊いんだよ」(p125)

「太陽の上」・・・あなたは太陽の上に住んでいる・・「太陽」という名の中華料理屋である・・301号室にひきこもって3年・・女将の逢引する声を聞き続けるうちに外へ出ようという意欲がわいてきた・・女将さんは大将を愛しているのだ・・

「空を待つ」・・・
「甘い果実」。。。山崎ナオコーラさんにあこがれる物語
「炎上する君」
「トロフィーワイフ」
「私のお尻」
「船の街」

★★★

私たちは足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて…。何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語。
内容(「BOOK」データベースより)
恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち

何かに深く囚われたり、他者との摩擦の中で、「自己」の存在感や手触りが希薄になってしまった人々を描いた短編集。
「何か」とは、容姿だったり、性別だったり、嫉妬だったり、劣等感だったり、生きるための信条だったり。

「足が炎上する男」とか「風船病」とか非現実な道具立てが色々出てきますが、基本構造としては
苦悩していた人がその人ごとの絶望から、初めの一歩を踏み出すという話

Amazon.co.jp: 炎上する君: 西 加奈子: 本

★★★

西加奈子 Official Website: 炎上する君 発売

角川書店より、最新短編集「炎上する君」、発売しました!!!
日々ふわりと思いついたもの、あ、これ書きたいな、
と思っても、たとえば、その設定で長編はしんどいやろう、とか、
やっぱりむりーなどと思っていた事柄を、書きたいように、
それはもう絵を描くように書かせてもらいました。
あっとういうまにできた短編集です。
赤の隣は紫、紫の隣は黄色、というぐあい、とても楽しい作業でした。

表紙も絶対に書かせてほしい!と思っていて、
それを逡巡せずそのまま編集者さんとデザイナーさんに伝えて、
「いいですよ」って言うてもらえて、やったー、
炎上や炎上やぼけ!と思いながら描きました。
それも、やっぱりあっという間でした。

そして、帯、帯のコメントは絶対、「又吉直樹さんにお願いしたい」
と、これも逡巡することなく頼みくさって、
そしたら、「いいですよ」とおっしゃってくれ、
角川の「本の旅人」に書評まで書いてくださいました。
又吉直樹さんは、以前イベントに呼んでくださったご縁で、
なんて聡明な、興味深い方なのだと思い、
雑誌に掲載されているエッセイ、
ブログの文章、読んで、「なにこのひとすごい」、
そして以前「新潮」に掲載された書評、
「お笑い芸人が古井由吉を好きな理由」を読んで、駄目押し、の、
衝撃を受けたのです。
この方に新作を読んでもらうのだ、が、かなっただけでも、
すごいことなのに、帯、あげく書評まで。
何かわからん神様、のようなもの、ありがとうございます。

というわけで、「炎上する君」。
もう書店さんに並んでいます。
「本の旅人」も、書店さんで売っているか、
ない場合は角川に注文すればええのかな、
みなさんに読んでほしいと思います、心から。

炎上するあなたへ。

西加奈子 Official Website: 炎上する君 発売
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2014年02月21日

西加奈子「漁港の肉子ちゃん」「うつくしい人」

2014.2.21(金)「うつくしい人」(2009.2)

まわりにあわせて生きているうちに自分をなくしたと感じる百合は、やっとの思いで高松のリゾートホテルまでやってきた。滞在日数は5日。


★★★

西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(2011.8)2013.6.14

石川県の港町に住む、焼き肉や(うをがし)で働く肉子ちゃん(本名・菊子。関西出身、38歳)と娘・キクりん(本名・喜久子。11歳、本好き)、2人のお話・・
肉子ちゃんは、お人よしで優しくて、オバカさんで・・「糞野郎」8人と付き合い、捨てられた挙句、35才のとき、娘の手をひいて北陸の町までやってきた・・・(キクりんの父親は誰なんだろう??最後まで読むとわかるのかしら・・)

キクりんの小学校で繰り広げられる女子同士のちょっとしたいさかい・・「あった、あった!!」と思いつつ様々なエピソードを読みすすめたあとに・・衝撃のストーリー展開が・・

結局、号泣して読みおえた。。今、振替ってもウルウルもうやだ〜(悲しい顔)

キクりんがステキな女性に成長しますように・・サッサンほか皆がいつまでも幸せで暮らせますように・・
で・・肉子ちゃんは・・そのままで心配なし!!・・という気持るんるん

エンタメ 『漁港の肉子ちゃん』 西加奈子著2011年10月31日  江藤かんな

人生は恥ずかしいことだらけ
 「肉子ちゃん」と呼ばれる母親とその娘・キクりんの物語。著者特有の剥き出しのネーミングセンスが今回も光る。

 肉子ちゃんは男に騙されてたどり着いた北陸の小さな漁港にある焼き肉屋「うをがし」に住み込みで働いている。漁港で肉?と疑問も出てきそうなものだが「漁港だからってみんな魚ばかり食べたくないだろう」という著者の着想に端を発した物語だそうで、これぞまさに西加奈子の真骨頂。

 見たまんま、太っているから肉子ちゃんと呼ばれるが、本人はどこ吹く風。トンチンカンな発言も多いが、底抜けに明るくパワーに溢れていて、人を包み込むおおらかを持ち、不思議と人を惹きつける魅力がある。娘のキクりんはそんな肉子ちゃんとは正反対の美少女で、11歳ながらどこか冷めた大人びた目線で肉子ちゃんの行動を見守っている。

 小学生ならではの友人関係の悩みや、家庭環境の悩みを抱える少女キクりんが、ひたむきに世界と対峙していこうとする姿が清々しく美しい。西さんは子供の描き方がとても上手だ。そして、そんなキクりんを必死に守ろうとする肉子ちゃんの愛情が本から飛び出さんばかりに詰まっていて、心がほっこりと温まる。

 焼き肉屋の店主・サッサンが入院中のキクりんに向けて語る言葉がいつまでも頭に残る。人生とは何ぞやと、迷った心に染みる名言。ぜひ、本書にて。
 (幻冬舎 1400円+税)=江藤かんな(共同通信)
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 えとう・かんな 1980年生まれ。書籍編集を経て、雑誌編集の道へ。女性の興味・関心ごとを探る日々。好きなものは、こけしとおかし、お寺と仏像、お笑い全般。得意ジャンルは、雑学、ブーム、ゴシップ系。くだらないこと(もの)、大歓迎!
(共同通信)

『漁港の肉子ちゃん』 西加奈子著 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

◆西加奈子(にし かなこ、1977年5月 - )は、日本の小説家。イラン、テヘラン生まれ。エジプト・大阪府堺市南区の泉北ニュータウン育ち。大阪府立泉陽高等学校、関西大学法学部卒業。

ぴあのライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。 2005年『さくら』が20万部を超えるベストセラーとなる。2012年5月、『きいろいゾウ』が、宮崎あおいと向井理出演で映画化され、2013年に公開されることが明らかになった[1]。西加奈子 - Wikipedia
posted by りょうまま at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする