2019年08月08日

「あちらにいる鬼」「リストランテアモール」「その話はきょうはやめておきましょう」「赤へ」「あなたにだけわかること」「あなたの獣」「綴られる愛人」井上荒野

井上荒野さん × 須賀典夫さん】結婚を保証だと考えると、人生がつまらなくなりそう。【前編】一方の須賀さんは、作家である妻をどう見ているのだろうか?
「私の仕事を手伝ってくれているときも、できることならまた小説を書いてほしいと思っていました。彼女はね、完ぺきですよ。人として間違ったことをしないわけです。対人関係においても、こうしたらこういう結果になるだろうと先のことまで考えられるから、誰かを不快にさせたりすることがない。想像力があるっていうのは、人間としても作家としても大事なことですよね

2019.8.8 〜 8/9

100「あちらにいる鬼」2019.2 CIMG2599.JPG

あちらにいる鬼 井上 荒野 定価:1728円(税込)発売日:2019年2月7日 四六判上製 312ページ

瀬戸内寂聴さん推薦 モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作!!

作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。――瀬戸内寂聴

人気作家の長内みはるは、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎と男女の関係になる。
一方、白木の妻である笙子は、夫の手あたり次第とも言える女性との淫行を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。
だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、<書くこと>による繋がりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。
二人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。
白木=鬼を通じて響き合う二人は、どこにたどりつくのか――。

父・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴の<特別な関係>に、はじめて光をあてた正真正銘の問題作にして、満を持して放つ著者の最高傑作!


2019.7.29

94.リストランテアモール

2019.6.11 火

75.「その話はきょうはやめておきましょう」(2018.5)ロードバイクでランチに行くことが趣味の69歳と72歳の夫婦・・オットの骨折をきっかけにすっかり世界が変わってしまったと感じる69歳ゆり子・・さて(・・? ロードバイク店で顔見知りになった26歳の一樹も絡んできて・・さて(;^ω^)  CIMG2504.JPG



2017.1.11(水)

11.綴られる愛人(2016.10)


オットの真哉・・殴るのは得意殴り合いは苦手

クモオ

航大

評・松山巖(評論家・作家)『綴られる愛人』 井上荒野著
2016年11月14日 05時27分
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20161107-OYT8T50066.html#csidx0aa96834729a8e399519ee362c89e5b
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人生変える偽りの文通

 本長篇へんは実に奇妙な物語の設定で始まる。
 まずクモオという金沢に住む会社員らしき男が、凛子という女に綴つづった手紙が紹介される。ところが、その手紙を読んでいるのは柚ゆうという女である。そして次に紹介されるのはクモオ宛ての凛子の返事だ。ただ、この手紙を読むのは航大こうたという魚津うおづに住む大学三回生のようだ。
 つまり航大はクモオという名で、柚は凛子という名で、互いに偽って文通しているのだ。しかも柚は自分が夫から暴力を受け続け、空手の指導者である航大に夫を倒して、いや殺して欲しいと頼み、航大の方は手紙で柚の依頼を承知したという緊迫した状況だと分かる。しかも航大は計画決行のために東京へ向かうことも。
 ここまでがプロローグで時期は二月。そこから物語は一旦いったん、半年以上前の八月に戻る。
 航大はすべてがつまらなく人生に飽き、「何かの腹の足しになる」気で、「綴り人の会」に入る。入会するとまず会報に自己紹介文を書く。この自己紹介文を読み、気に入った相手に手書きの手紙を封筒に入れ、送料と手数料を合わせた切手と共に会に郵送する。この仕組みで本名も住所も不明のまま航大と柚は文通を始める。
 しかも航大は三十五歳の商社マンで空手の指導者だと偽り、柚は著名な三十五歳の児童文学作家なのに、二十八歳の専業主婦で夫からDVを受けていると嘘うそを綴って。ただ柚は、編集者である夫に、発表する物語もエッセーもすべて決められ、自分の思う通りに執筆が出来ない。
 つまり二人共、自分の人生を変えたくて互いに嘘を吐つき合う。特に航大は人生の意味を求めるために柚の夫を殺そうと決心するのだ。
 実に上手うまい心理サスペンスだ。読み始めは奇妙でも読者は、次第に手紙で二人の心理がどう変化するか気になって仕方なくなるだろう。
 二人が自分と周りを見つめ直し、薄い光が射さす結末で、読者は彼らの行く末を考えるだろう。作者が新しい試みを込めた意欲作だ。
 ◇いのうえ・あれの=1961年、東京都生まれ。『切羽へ』で直木賞受賞。他に『そこへ行くな』『つやのよる』など。
 集英社 1500円

http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20161107-OYT8T50066.html#csidx32a418e1c416f9bb84fbc934ef11bc3
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2016.7.27(水)

72.「赤へ」(2016.6.20)

@虫の息・・p6バラ園を抜けて入っていたら、歩道にバラの実が落ちていて、諭(さとし)は未果里の尻を思い出した。高さのある小さな尻。硬い肉がみっちり詰まっているような尻・・バイト先の市民体育館は公園の中心にある。

大学1年生の美しい美果里はとても退屈している、「虫の息」の80歳超えの老嬢2人もたぶん退屈している。美果里は自分もいずれ老いることにはこれっぽっちも気が付いていない・・若くても老いても人生は退屈なのだ・・というお話

A

2014.12.21〜・・エッセイ集

あなたにだけわかること」2013.5

2013.11.11・・一気読み・・・2014.11.12再読

5歳のときに知り合った俊と夏。きっかけは俊の母親と夏の父親の不倫。
俊の母は外科医の夫をもち、夏の父親は妻を亡くしている。
俊と夏の人生を描きながら節目節目でかかわりを持つ二人の姿

俊・・がり勉少年の小中学生。医学部を目指していた高校生のときガールフレンドとのセックスに夢中になり医学部受験に失敗、サラリーマンとなる。サラリーマン生活2年目のとき父親がやってきて母と離婚することにしたと話す。俊はその翌年、同僚の奈保子と結婚、男の子の父親にもなる。浮気もする。母親も病気で泣くなり、定年を5年後に控えたころガンを発症、妻奈保子からは離婚を望まれる。

夏・・小中学生時代は不良。高校卒業後は保育士となり自立。一番好きな男性だった千秋と結婚し、女の子の母親になる。千秋の浮気で離婚、一人で子供を育てる、娘は妊娠中絶を経験、夏の父親は痴呆症になりさらに行方不明にもなる・・

★★★

直木賞受賞作『切羽へ』をはじめ、大人の恋愛と一筋縄ではいかない関係を描いて独自の魅惑的な小説世界を展開する著者が、男と女の「愛ではないけれど、愛よりもかけがえのない関係」を描く長篇小説。

桐生駿と野田夏が初めて出会ったのは共に5歳のとき。夏の父に恋をした駿の母が、密会のため息子を連れて夏の家に通ったからだ。親同士の情事のあいだ、それとは知らず階下で待っていた幼いふたりは、やがて親たちの関係を知る。以来、別々の人生を歩み始めたふたりは、互いに「できれば思い出したくない相手」と感じながらも、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いの恋愛の証言者のように……。
それぞれおろかな恋愛を重ねながら、人生における愛のどうしようもなさを受け入れていく男女の関係を描く長篇小説。

あなたにだけわかること 井上荒野 講談社

2013.11.10〜

あなたの獣井上荒野2009年1月

◆「祭」・・・哲太には21才になる息子・渡がいる。渡とは4歳のときに別れて以来会っていない。渡の母親で元妻の奈保子がガンでなくなった。哲太はお焼香をあげるため、渡のすむ街へやってくる。渡への土産は雨合羽だった・・

◆「海」・・・哲太はいま、昌と貴太の1DKの住まいに1年近く居候している。哲太は10年前に昌と別れて奈保子と結婚したのだった。哲太、昌、貴太は海水浴にやってくる。となりの家族連れには愛人の娘もまざっているようだった。昌は「なぜ10年前に私を捨てたのか」と哲太に聞く・・

★★★

あなたがいないのは、あなたのせいじゃないの。妻は、僕の答えを待ってさえいなかった。たゆたうように女の間をぬって生きた櫻田哲生の生涯を、10の物語で。


哲生の子を宿し、幸福感に満ち足りているはずの妻奈央子。しかし僕には、妻は、病気の猫にしか見えなかった。
新古書店で、万引きを見逃してしまうような頼りのない店長をする僕は、若い店員にも軽んじられ、妻には「仕事を辞めないでね」といわれてしまう。 僕がこうなったのには、幾つかの理由がある。幾人かの女の存在がある。
清家先生は小学生の僕をかわいがり、一度は家に呼んでくれたのに、ふたたび訪ねていったら火がついたように怒った。
昌、小劇団で共に過ごし、他の男と結婚した女。璃子。大学時代に追い回していた女。璃子はあの時、千谷という友人を本当に殺してしまったのだろうか。つかみ所がなく、女を苛立たせながらも、女の切れることのない男・櫻田哲生の、不穏にして幸福な生涯。章ごとに、時代を変えて男の一生を描いた、長編小説。

あなたの獣 | 井上荒野続きを読む
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2016年04月20日

「だれかの木琴」「ママがやった」「リストランテアモーレ」「結婚」井上荒野

2016.4.20(水)

だれかの木琴

どうしてわかってくれないのだろう。私はあなたが大好きなだけなのに。
主婦の小さな失望が、日常を静かに歪めていく。直木賞作家の待望の最新長編小説!

「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」平凡な主婦・小夜子が、ふと立ち寄った美容室で担当してもらったスタイリスト・海斗から受け取った一本の営業メール。ビジネスライクなメールのやりとりは、やがて小夜子に自分でも理解できない感情を生んだ。どうしたら、彼のメールを取り返せるのだろう。だんだんと海斗への執着をエスカレートさせる小夜子。だが、自分が欲しいのは本当に海斗なのだろうか……。明らかに常軌を逸していく妻を、夫である光太郎は正視できない。小夜子のグロテスクな行動は、やがて、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆくが――。
内容
あなたの奥さんが何してるか知ってるんですか?ストーカーですよ。「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。そのメールを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく―。

映画『だれかの木琴』2016年9月、全国公開!


2016.4.14(木)

ママがやった」(2016.1.15)読了・・

2015.10.12(月)3連休最終日、ぴかぴかの快晴・・紅葉狩りでも行きたいなあああ

97.リストランテアモーレ 2015.4

季節とともに移ろいゆく人生と料理。
美しく彩られた食材と香りたつ恋愛。

姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。色艶に満ちた皿の数々と、
それぞれの事情を抱えたアモーレども(罪深い味わいに満ちた男と女)を描く幸福な物語。
リストランテ アモーレ | 井上荒野 | 本-通販 | Amazon.co.jp


★★★

2015.1.3・・またまた再読・・

2013.11.27・・・また借りてきてしまっていた・・おばか
😵

結婚」(2012.5)

★★★

父・光晴の小説から生まれた、待望の長篇
『結婚』 (井上荒野 著)


井上荒野さんの最新長篇『結婚』は、父・井上光晴が1982年に発表した同名小説と同じく、結婚詐欺を題材にした小説だ。

「父の作品へのオマージュというか、影響をあらかじめ明らかにしたくて、同じタイトルをつけました。折につけ父の小説を手にとるのですが、数年前に『結婚』を読み返したとき、とても面白かった。私だったらどんな話にするかと考えていくうちに、実際に書いてみたくなったんです」

 光晴版『結婚』が、素人探偵による詐欺師の追跡という趣向だったのに対し、本作は群像劇の形式を採る。自称宝石商の古海(うるみ)健児、その結婚詐欺師としての横顔が、次々と騙される女たちの視点から明らかになる。

「父が『結婚』を発表した30年前は、結婚詐欺という犯罪がセンセーショナルで、騙された女性たちは完全に被害者だという認識でした。現代を舞台にするにあたって、どんな欲望につけ込まれて古海に騙されたのか、彼女たちのエゴイズムまでを描かなくてはと思いました。恋愛をしている最中の女性は、たとえ嘘だとわかっていても自分が信じたいものを信じるものです。単に騙された可哀想な女というステレオタイプにはしたくなかった」

 騙されていたことに気づいた女たちが、それでも嘘を信じようと決意する瞬間、作家の描く彼女たちの姿は生命のきらめきに溢れ、魅力的だ。ある意味では、彼女の人生にとって、その瞬間、嘘は真実になったのだ。嘘を信じて生きるのは、何も騙された側ばかりではない。古海の愛人かつ共犯者としてゆるぎない自信に満ちているかに見える月島るり子、一見すると無垢で貞淑な妻・初音にもまた、手放せない「嘘」があることが、徐々に仄めかされる。

「『嘘』は私にとって重要なモチーフです。“嘘つきみっちゃん”と呼ばれた父を夫として生活を営んでいた母の存在が間近だったこともあり、嘘への距離感が近い。もちろん実際には嘘を吐かれて怒ることもありますが、なぜ嘘を吐いたのか理解したいという方向に興味がいくんです。たったひとつの嘘が、その人の現在、過去、未来すべてを背負っていることすらある。嘘についての興味はつきません」

 読後、「結婚」という題の複雑な含意を、人は思うだろう。父にしてすぐれた先達の作品との「対話」から生まれた、必読の意欲作だ。


いのうえあれの/1961年東京都生まれ。成蹊大学卒業後の89年に「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞を受賞して小説家デビュー。2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で直木賞、11年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞を受賞。戦後を代表する作家の実父・故井上光晴について、『ひどい感じ 父・井上光晴』の著作がある。他の著作に『夜をぶっとばせ』(5月18日発売)、『だれかの木琴』など。


『結婚』 (井上荒野 著) | 著者は語る - 週刊文春WEB
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2014年06月24日

井上荒野「それを愛と間違えるから」「ほろびぬ姫」

2014.6.24

それを愛と間違えるから」(2013.1)

微笑みが苛立ちに、楽しみが義務になりかわったのはいつ? テーマはずばり「セックスレス」。夫婦の普遍の(!)難題に直木賞作家が挑む――切実ゆえに笑いを誘う大人の辛口コメディ。

それを愛とまちがえるから|単行本|中央公論新社

◆そっか!!コメディなのねわーい(嬉しい顔)・・とも思えないけど・・
コメディといわれるとなんか不愉快。。なのはなぜだろう

◆「布川、涙の“条件”提示「再婚しないで」 つちやは晴れやか笑顔で会見」・・離婚もまた良し・・

H2014.01.21〜

井上荒野
ほろびぬ姫

あなたはあなたが連れてきた──サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。

嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」──幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。

井上荒野『ほろびぬ姫』|新潮社
評・松山 巖(評論家・作家)「愛」めぐる巧妙な仕掛け

 「あなたはあなたが連れてきた。嵐の日だった。(略)稲妻が光って雷鳴がとどろき、一瞬後に、マンションの私たちの部屋のドアをあなたが開けた。勿論(もちろん)、あなたの鍵で。あなたたちは早々に罠(わな)を仕掛けていた」

 「あなた」が繰り返されるのは妙だが、これが本篇(ほんぺん)の冒頭。少し読み進めれば、主人公みさきの夫が一卵性双生児の弟を家に突然連れ帰ったとわかる。でも義弟を「あなた」と呼ぶのは不自然だし、仕掛けた罠とは単に妻を驚かすだけか。とまれ物語は嵐の夜にそっくりな男二人の登場という謎めいた場面から始まる。

 やがて夫は不治の病だと判明するが、義弟はみさきに「グヤグヤナンジヲ」と呪文めいた言葉を呟(つぶや)く。実はこの言葉は、四面楚歌(しめんそか)に陥った項羽が虞(ぐ)美人に詠(うた)った漢詩の「虞や虞やなんじをいかんせん」。夫は自分の死を悟り、若い妻の行く末を案ずるという含意だ。夫はそっくりな弟に妻を託し、そこで弟はみさきに近づくのだが、訳のわからぬ彼女は混乱する。

 作者は巧みだ。みさきに夫と弟を一貫して「あなた」と呼ばせ、「あなた」が夫を指すのか、弟を指すのか、読者に判断を常に強いる。この手法は彼女の困惑を直(じか)に伝えるばかりか、読者に細かい心理描写まで注視させる。そこでみさきが愛する夫のため二人の計画に入り込むと、次第に心理サスペンスの様相を帯びる。

 そして最後、みさきの行動と結果に、読者は二重の驚きを覚えるだろう。いや、それ以前に、なぜ彼女はそんな行動を選んだのか、夫の罠は果たして愛なのか、義弟の姉への思いはと、つまり愛とは何かと考えさせる。これこそ作者の読者に仕掛けた大きなテーマなのだ。

 また題名「ほろびぬ姫」は愛そのものを指すのかとか、愛に囚(とら)われた美女の話だから下敷きの古典はあるのかとか、あれこれ思案してしまうのも本篇の面白さ故だろう。ともかくも作者の挑発的で果敢な手練手管の妙を堪能した。

 ◇いのうえ・あれの=1961年、東京生まれ。『切羽へ』で直木賞、『そこへ行くな』で中央公論文芸賞。

 新潮社 1400円(2013年12月16日 読売新聞



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2013年11月27日

「ほろびぬ姫」井上荒野(予約)

ほろびぬ姫」井上荒野(2013.10.31)

内容紹介
あなたはあなたが連れてきた――サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」―― 幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。
内容(「BOOK」データベースより)
あなたはあなたが連れてきた―サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。

Amazon.co.jp: ほろびぬ姫: 井上 荒野: 本
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2013年09月23日

「不恰好な朝の馬」「さようなら猫」井上荒野

2013.9.20

◆「さようなら、猫」2012.9・14発売

乾いている人、求めている人、 愛している人、
憎んでいる人、何も考えたくない人。
彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。

さびしくなかったら、きっと仔猫を助けるなんてことはしなかっただろう。
だから、ハッピーを手放すのは、
たんに元いた場所に戻るということなのだ。
元いた場所って?(「自分の猫」)  

猫が横切るままならない人間世界。
短編の名手が紡ぐ9つの物語

さようなら、猫 井上荒野 | フィクション、文芸 | 光文社

★★★2011。9.7

9/6〜「不恰好な朝の馬井上荒野

あるいは、これは最後のキスになるのか

夫の恋はもう許さないことに決めた妻
その夫と恋人の奇妙な旅
教え子との関係に溺れる教師
その教師の妻の新しい習慣
決してかえってこない男を待つ女
その女が忘れられないもう一人の男
交わり、裏切りあういくつもの恋と運命を描く連作小説集

井上荒野(いのうえ あれの、1961年2月4日-)は、日本の小説家。東京都出身。

小説家井上光晴の長女に生まれる。調布市立第三中学校、玉川学園高等部を経て、成蹊大学文学部英米文学科卒。1989年、「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞受賞するが、その後小説を書けなくなる。絵本の翻訳などをしていたが、2001年に『もう切るわ』で再起。2004年、『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、2008年、『切羽へ』で第139回直木賞受賞。2011年、『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞受賞。現在、トーハン発行の新刊ニュース(月刊)で短編小説を連載中。

グラジオラスの耳(1991年5月、福武書店/2003年1月、光文社文庫)
もう切るわ(2001年10月、光文社/2004年10月、光文社文庫)
ひどい感じ 父・井上光晴(2002年8月、講談社/2005年10月、講談社文庫)
ヌルイコイ(2002年10月、光文社/2005年10月、光文社文庫)
潤一(2003年11月、マガジンハウス/2006年11月、新潮文庫)
森のなかのママ(2004年3月、集英社/2007年5月、集英社文庫)
だりや荘(2004年7月、文藝春秋)のち文庫 
しかたのない水(2005年1月、新潮社/2008年2月、新潮文庫)
誰よりも美しい妻(2005年12月、マガジンハウス/2009年2月、新潮文庫)
不恰好な朝の馬(2006年10月、講談社)のち文庫 
学園のパーシモン(2007年1月、文藝春秋)のち文庫 
ズームーデイズ(2007年7月、小学館)のち文庫 
ベーコン(2007年10月、集英社/2009年6月、集英社文庫)
夜を着る(2008年2月、文藝春秋)のち文庫 
切羽へ(2008年5月、新潮社)のち文庫 
あなたの獣 角川書店、2008 
雉猫心中 マガジンハウス、2009 
ひみつのカレーライス アリス館、2009 
静子の日常(2009年7月、中央公論新社)
つやのよる 新潮社、2010 
もう二度と食べたくないあまいもの 祥伝社、2010 
ベッドの下のNADA 文藝春秋 2010.12
ハニーズと八つの秘めごと 小学館 2011.3
そこへ行くな 集英社、2011 

井上荒野 - Wikipedia

直木賞受賞の井上荒野さん「書くのをやめないでよかった」 | ライフ | マイコミジャーナル

★★★

ウズベキスタンと引き分け、勝ち点4に 岡崎が同点ゴール=サッカー日本代表
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2011年08月09日

井上荒野「森の中のママ」

8/5〜8/6井上荒野森の中のママ」2004年3月

人生はものすごい。なぜなら人生はどんない悲しくてもどんなに腹がたってもどんなに呆れ果てても、あるいは悲しむべきなのか怒るべきなのか、それとももしかしたら笑うべきなのか迷うようなむちゃくちゃなときでさえ、否応なく続いていくからです(あとがき)

ほんとうにそうだ。人生は確かに「くさやパエリヤを食べる理由が待ち受けているのだし、「攻撃は最大の防御」などといって澄ましている「ママ」の住む森にわたしたちはいつのまにか迷い込んでいる。それは可笑しくも切実な日々の迷路である(江國香織)

井上荒野:1961年東京生まれ。1989年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞を受賞。児童書の翻訳家として活躍する一方で精力的に小説を発表し、実力派作家として注目を集めている。
「もう切るわ」「ひどい感じ、父・井上光晴」「ヌルイコイ」「潤一」
posted by りょうまま at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 井上荒野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする