2020年12月09日

歌集「滑走路」

2020.11.22

CIMG3657.JPG114・歌集「滑走路

映画の原作になったという短歌集。映画。。というワードに興味を惹かれて、ポチっと購入。2017年刊行の短歌集ということ、作者萩原氏は2歳という若さで亡くなってしまったこと、中学生のころのいじめの後遺症で苦しんでいた ということを知って読み始めた・・
全体を通して感じるのは、「優しさ」・・けど「つらい」「力強い」・・けど「つらい」・・。鼻をぐずぐずいわせ、目じりをティッシュでぬぐいつつ読んだ


2020.11.27 金

最初のページに書かれているのは p13 @「いろいろ書いてあるのだ 看護師のあなたの腕はメモ帳なのだ」。。季節はいつだろう、6月ころだろうか。白い半そでの制服を着ている、そうだなあ・・看護師2年目くらいだろうか・・中肉中背かな。おひさまの加減で顔はよく見えない・・できぱきと点滴の残量を確認したり体温を測っている様子、寝ているベッドからその動き回る姿を目で追っているときにふと目にとまった腕の文字・・「いろいろ書いてあるのだ・・」と詠んでいる。荻原氏は、この短歌集の編纂をするにあたって、「さあ、私の短歌の世界へようこそ、じっくりごらんくださいね」といった気持ちで、最初のページにこの句を持ってきてくれたのかな。

p14A「抑圧されたままでいるなよ 僕らは31文字で鳥になるのだ」・・力強く美しい。。青い空を飛んでいく渡り鳥の群れが浮かぶ。「抑圧」に怒りを感じるが、荻原さんはこの句を詠んだとき、「怒り」感情は過去のものだったように思う。けれど「怒り」があった今もあるんだということを自分に言い聞かせるために使っているようにも思う。「怒り」「悔しさ」を昇華する方法の一つとして、31文字で様々なことを表現してひろい大空を駈け廻ろうよ、仲間よ!!と語りかけているのだろうか・・

B「路上音楽家の叫び・・」 作者は路上音楽家の真正面に立っているような気がする。時間は。。21時ころ人口100万人都市の駅前・・金曜日


p15C「挫折などしたくはないが・・・」東京という都会は・・表向きは華やかでキラキラしている、若い子はおおむね東京に憧れを抱く。その実像はいかがなものか。。東京へのあこがれを抱くのは大いに結構、だけどこういう詩から、東京で生きていくことの厳しさを想像することも必要かもしれない・・想像が難しいならば頭の片隅に置いていてもらいたい・・とまもなく高校を卒業する彼を思い浮かべる


2020.12.2

p15D「破滅するその前にさえ美はあるぞ・・ 」太陽が沈む=破滅としてとらえることに驚きを感じるとともに悲しい気持ちになる。私は、夕方の真っ赤な太陽に何度も心を揺さぶられているから。圧倒的な迫力と美しさを感じる。・・破滅ととらえる作者の気持ち・・どんなにか嫌な屈辱的に感じるような出来事があった1日だったのかもしれない。

p15E「ぼくにとってのあなたのごとく黄金に光る太陽夕空にあり」こちらはD句とは違い、沈む太陽を、明るく輝く笑顔のようにとらえている。とてもほっとするし私も笑顔になる。好きな誰かを思って詠んだのだとしたらとても素敵だ。

2020.12.9

p16F「自由な空よ・・」 「あなた」=「自由」 「自由な空」==空を眺めていると時間を忘れる。いつまでも飽きずに眺めていられる。空の様子は刻々と変化する。雲が出ていればなおさらだ(形状は一瞬も同じではない)運転中に空を見上げるのは厳禁だ。せいぜい雨が降りだしたとか確認するくらい。。ぼーっと空を見上げてたらあっという間に追突事故だ。・・私たちはいつもなんやかんや忙しい。だから空を見上げる時間は貴重だ。空をみるとほっとする・・しばしほっとした気分を味わったあとは、「広いなあ」とか「綺麗だなあ」とか「なーんかどっかに行きたくなってきた・・」と想像妄想は果てしなく広がる、夢も広がるかもしれない・・のびのびした自分になっていく。そして自分がいかに窮屈に生きているかを再確認するのだ。「自由な空」「あなた」というのは、私には、様々な夢を持ち、生き生きと笑顔満開で生きていきたいのだという自分の姿だ。

p16G「更新を続けろ、更新を ぼくはまだあきらめきれぬ夢があるのだ」・・萩原さんはたくさんの夢があったのだろう。この短歌集を出すことも夢の一つだったと思う。不自由な日常生活が続くと、疲弊ばかりを感じ、夢なんて忘れてしまう。「駄目だよ、頑張ろうぜ」と萩原さん自身に、またそれを見た読者に「更新を続けろ・・」という短歌にしてエールを送っている。声に出してよむと、力が湧いてくる












posted by りょうまま at 05:45| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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