2019年03月06日

深沢潮「海を抱いて月に眠る」

かけらのかたち発売日:2018/11/22
SNSに彩られて、恋人、夫婦、親子関係に新たな変化が兆している……見栄や虚栄心がこぼれて広がる不信と無理解。年の差恋愛の実態、夫婦間の葛藤、妊活の悩ましい現実。恋愛がうまくいっても、結婚できても、いつも新たに迷い、何かが問われている――現在進行形の不確かないまの、その先の生き方に気づいていく人びとの物語。https://www.shinchosha.co.jp/book/333543/


三浦しをん氏絶賛! 在日の縁談を仕切る辣腕お見合いおばさんと、家族を巡る連作短編集。受賞第11回 R-18文学賞 大賞
縁を結うひと発売日:2016/02/01
30年で200組。福は在日の縁談を仕切る日本一の“お見合いおばさん”だ。斡旋料で稼ぐのに、なぜか生活は質素。日々必死に縁を繋ぐ理由とは(「金江のおばさん」)。在日韓国人の彼に恋をした。結婚への障害は妊娠で突破したはずが、大量のごま油と厳しい義母が待っていて……(「日本人」)。婚活から介護まで、切なく可笑しく温かく家族を描く連作集。『ハンサラン 愛する人びと』改題。https://www.shinchosha.co.jp/book/120371/


私は男に何を求めているのだろう……安定した生活? それとも人肌恋しいだけなの?伴侶の偏差値
発売日:2014/03/20 35歳、独身の真紀は、実家で母と暮らしている。大学時代の女友達佳乃は子育てに忙しく、未央は奔放にパートナーを選び自由に暮らしているように見える。二人を意識しつつ、居心地のよい部屋を求めてモデルルームを探し歩き、不実な男とのつきあいを断てない……生き迷う30代女性の切実な想いに寄り添って、本音を掬い上げる長編小説。https://www.shinchosha.co.jp/book/333542/

小説『ランチに行きましょう』作者・深沢潮さんインタビュー
嫉妬、告げ口、無視……! 作家・深沢潮さんに聞く、今から覚悟しておきたい“ママ友”の怖い世界



2019.3.6

30.「海を抱いて月に眠る」2018.3

内容紹介
親戚にも家族にも疎まれながら死んでいった在日一世の父。だが、通夜では、人目もはばからず棺にすがりつく老人、目を泣きはらした美しい女性など、子どもたちの知らない人びとが父の死を悼んでいた……。
父の遺品の中から出てきた古びたノート。そこには家族も知らなかった父の半生が記されていた。ノートから浮かび上がる父の真実の姿とは。そして子どもたちに伝えたかったこととは?

深沢潮さんは、2013年『ハンサラン 愛する人びと』で単行本デビュー。在日朝鮮人をテーマにした作品を次々に発表し話題を呼んでいます。
本作は、日本海を泳いで渡ってきた(!)深沢さんの父親のエピソードを元に書き上げられました。深沢さんは、幼心になぜ戸籍にある父親の誕生日と、実際の父親の年齢が違うのか、たまに家族と食事を共にする身なりのいい韓国人は誰なのか不思議に思っていたと言います。その疑問に父親は答えることはありませんでしたが、ここ数年ポツリポツリと自分の過去について娘に語るようになりました。
その一つ一つのエピソードは驚きに満ちていて、父は娘の想像を遥かに超える人生を送っていたことが明らかになりました。父親の知られざる過去の話を聞くことで、初めて父を理解できた気がする、と深沢さんは語っています。

祖国を逃げ出し、日本では偽名で暮らすことを余儀なくされ、しかも常にKCIAの監視を受けていたそう。そのような境遇にありながら、一代で財を成した男の半生に、胸を打たれずにはいられません。家族とは何か? 在日とは何か? デビュー以来追い続けてきたテーマが結実した一世一代の勝負作です!

メディア掲載レビューほか

在日コリアン一世の父はなぜ偽名で暮らしたのか
父親という存在は、家庭内でえてして除け者にされがちだが、死してなお家族や親戚に疎まれ続ける例は珍しい。でも、もし自分の父親に家族も知らない別の顔があったとしたら――。

そんな父親の姿を描いた『海を抱いて月に眠る』は、作者・深沢潮さんの実体験が基になっているという。

「在日一世である私の父はとにかく謎の多い人。戸籍上の年齢と実年齢が違ったり、長らく偽名で暮らしていたり。ずっと変だ変だと思いつつもやり過ごしていたのですが、数年前、両親の引越しを手伝っていると、父の荷物から金泳三元大統領と一緒に写った写真が出てきて疑問が再燃。しかも金元大統領とはクリスマスカードを贈り合う仲だと聞いて、ますます“父は一体何者だったのか"と謎が深まりました。そして、これは娘の私が書き記さなくてはならないと思ったんです」

小説では、主人公の李相周(イサンジュ)が16歳で故郷を追われ、日本に密航し他人に成りすまして生きる姿が描かれる。一方、娘の梨愛(りえ)は父・相周のノートを読み進めるうち、父がなぜあれほど横暴だったのか、なぜ子供たちに厳しく当たったのか、真の理由を知るに至る――。

現実を色濃く反映しているという本作。作者の深沢さん自身もまた、父との間にできた溝を埋めるために長い時間を要した。その意味で本作は父娘の“和解の書"であるかもしれない。

「正直言って父のことは全く好きではありませんでした。とにかく厳格で、飲み会に出て遅く帰ったらゴルフクラブ片手に追いかけられたこともある(笑)。今なら娘かわいさに愛情が暴走したと解釈することもできますが、無茶苦茶ですよね」

父と娘の間に生じた葛藤は、在日韓国人という出自と深く結びついていた。

「大学生くらいまで私は自分が在日韓国人であることをひた隠しにしていました。だから父はことさら私に厳しかったのかもしれない。父の話を聞き、この小説を書くことは、かつて否定していた自分のルーツに向き合う時間でもありました」

自分の話に耳を傾ける深沢さんに対し、お父さんは何度も「私の人生なんて大したことがない」とくり返していたというが、

「書き終えた今は、『お父さんはすごい人生をおくってきたと思うよ』と伝えたい。父と向き合ったことで、1人の人間の裏側には豊かな物語が眠っていることがわかりましたから。父の物語を通して、無名の人生の中にある輝きを読者の方が感じてくれたら嬉しいです」
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2018年04月05日号掲載)https://www.amazon.co.jp/海を抱いて月に眠る-深沢-潮/dp/4163908129


深沢潮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(ふかざわ うしお、1966年[1] - )は、日本の小説家。
東京都生まれ[2]。両親は在日韓国人で、自身は結婚・妊娠を機に日本国籍を取得した[3]。上智大学文学部卒業後、会社勤務や日本語講師などを経験。
2012年、『金江のおばさん』で、第11回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞[4]。
著書[編集]
『ハンサラン 愛する人びと』(2013年2月 新潮社)
【改題】『縁を結うひと』(2016年2月 新潮文庫)
『伴侶の偏差値』(2014年3月 新潮社/2017年9月 小学館文庫)
『ランチに行きましょう』(2014年8月 徳間書店/2018年6月 徳間文庫)
『ひとかどの父へ』(2015年4月 朝日新聞出版 / 2018年5月 朝日文庫)
『緑と赤』(2015年11月 実業之日本社)
『ママたちの下剋上』(2016年11月 小学館)
『あいまい生活』(2017年11月 徳間書店)
『海を抱いて月に眠る』(2018年3月 文藝春秋)
posted by りょうまま at 05:59| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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