2019年05月21日

スタインベック「ハツカネズミと人間」

2018.5.20 日

56.ハツカネズミと人間(1937年) 
CIMG1852.JPG

南カリフォルニアの農場をわたり歩く二人の労働者を主人公に、夢を追いながらも過酷な現実に裏切られる下層の人々を描いた出世作。
内容(「BOOK」データベースより)
一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす―からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。渡り鳥のような二人の労働者の、ささやかな夢。カリフォルニアの農場を転々として働く男たちの友情、たくましい生命力、そして苛酷な現実と悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描いたスタインベックの永遠の名作。 amazon


https://ja.wikipedia.org/wiki/二十日鼠と人間
(はつかねずみとにんげん、Of Mice and Men)は、1937年に出版されたジョン・スタインベックの小説。世界大恐慌時のカリフォルニア州が舞台で、2人の出稼ぎ労働者ジョージとレニーの物語

1930年代、 大恐慌時代のカリフォルニア州。いつか自分たちの農場を持つという夢をもつ出稼ぎ労働者、ジョージとレニーはいつもともに行動している。しかし、頭の回転が悪い大男のレニーがいつも問題を起こすためひとつの場に居つくことができず、数々の農場を渡り歩くはめになる。そんな2人がたどり着いた新たな働き口で、働き者で賢いスリム、ボスの息子のカーリー、若さと美貌を兼ね備えるカーリーの妻、下品で無神経なカールソン、多額の貯金を持つ片手が無く孤独な老人キャンディ、黒人であるがために賢くとも馬小屋に住まわされているクルックス等に出会い、生活をともにしてゆく。
ジョージはいつもレニーに彼の夢を語っていた。そしてある日、キャンディの、右手を失った際の資産によって、ジョージとレニーの夢が現実味を増す。しかし夢の実現を前に、2人に悲劇が訪れる…。この時代の貧しい労働者たちの境遇とレニーの無邪気さが物語の中心に据えられている。https://ja.wikipedia.org/wiki/二十日鼠と人間

感想・・ゆっくり読んでいくと、映像が頭の中にひろがり「あ、これが読書の楽しさか・・も」と思い出したような感覚になった。

P150〜クララおばさんの「おまえはジョージのことをちっとも考えてないよ・・おまえがいなけりゃあの人は楽しくすごせるんだよ・・」レニーが「山の中に穴を掘ってくらすよ」の言葉には「お前は口でそういうだけさ、いつもそういうけど実際はやる気がないことは百も承知じゃないか・・・」・・くららおばさんの言葉は、ジョージへのねぎらいと感謝の言葉ではないかと思うとほっとしたのだが、ジョージもクララさんも私も健常者の立場からの思い、言葉だと気づく・・レニーはどう思っているのだろうか・・どうしても想像できないのが悲しい。
ジョージはレニーに最後、あの仕打ちをしてはいけなかった・・と思う。

★★★
二十日鼠へ To a Mouse :バーンズ 2007年12月 9日 20:03
ロバート・バーンズ Robert Burns の詩「二十日鼠へ」To a Mouse を読む。(壺齋散人訳)


二十日鼠へ
  ちっぽけで すばしこく 臆病な生き物よ
  さぞ驚いたことだろう
  だがどんなに急いでも
  すばやく逃げようとも無駄だ
  私はすぐお前に追いつき
  鋤の一撃をお見舞いできる
  こんなことをいって お前たちを驚かす
  人間の高慢を許してくれ
  人間は自分の都合で
  お前たちを仰天させ
  哀れなお前の仲間たちを
  ひどい目にあわせるのだ
  時に盗みを働くが せいぜい高が知れたもの
  お前たちも生きねばならぬ
  ところがその仕返しに
  お前たちは耳を裂かれる
  私は歓喜の声をあげ
  後悔することもないのだ
  お前のねぐらもめちゃくちゃだ
  風に吹かれて壁がきしむ
  新たにねぐらを作ろうにも
  草一つ残されてない
  冬の寒気が迫ってくる
  辛くて厳しい冬の風が
  草原を枯らしつくし
  冷たい冬の風がやってくる
  お前は風を避ける場所を求め
  そこで冬を過ごそうとしていた
  だが無慈悲な鋤の一撃が
  お前のねぐらをめちゃくちゃにしたのだ
  わずかの草と切り株が
  一冬の糧となるはずだった
  それなのに何たることか
  今や家なしの裸ねずみ
  冷たい霙や 降る霜を
  ひとり凌いでいかねばならぬ
  だがねずみよ 不確かな未来は
  お前にとってだけではない
  人間とねずみの立場が
  いつ逆転しないとも限らない
  人間もまた喜びを砕かれ
  悲嘆と苦痛にさいなまれよう
  お前が私より幸せなのは
  現在だけを生きればよいから
  私ときては過去に縛られ
  後悔に心痛めながら
  まだ来ぬ未来に向かっては
  不安と恐れを抱かねばならぬ

「二十日鼠へ」と題するこの詩は、フォークソングではないが、バーンズは伝統的なスコットランド方言で書いている。そのため、イングランドはもとより、スコットランド人でさえ、辞書の助けを借りないでは読めない人が多いという。
(筆者もまた、訳出にあたっては、注釈書の世話になった)
バーンズが、同時代人のブレイクに比較して、今日とかくマイナーに見られるのは、この言葉の壁のためであるが、そこがまた、バーンズらしいところともいえる。
この詩は、人間によって巣をひっくり返された小さな生き物の驚きと嘆きを歌ったものだ。人間は、ねずみに比べれば大きな存在かもしれないが、もっと大きなものの目にとっては、ねずみと異なるところはない。バーンズはこういうことで、あらゆる生き物の命の尊さを訴えているのかもしれない。
アメリカの作家、ジョン・スタインベック John Steinbeck は、自分の小説の題名「二十日鼠と人間」 Mice and Men をこの詩の中の言葉からとった。小説の中では、知恵遅れの主人公が小さな動物を可愛がるのであるが、あまりに力強く抱く余りに動物たちを殺してしまう。そのさまが、この詩のイメージに似ているからだった。

posted by りょうまま at 06:46| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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