2018年11月30日

青山七恵「繭」「快楽」「窓の灯」

2018.11.30〜

126.   2015.8


青山七恵さんインタビュー




2017.1.5(木)3冊目・・「快楽」・・なんと再々読のようだ(;^ω^)

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2015.11.17(火)

快楽(2度目)2013.5・・「・・愛情ではなく虚栄心から成り立っている結婚・・」・・!!・・なんとばかばかしく無意味なことだろう




2013.8.28(水)

青山七恵窓の灯

大学を辞め、喫茶店に住み込みで働くようになった主人公・まりえ。いつしかその日課となった、向かいのアパートの窓を覗く行為。彼女が見つけた「窓の向こう側」の世界とはいったい...?書き下ろし短編「ムラサキさんのパリ」を併録。 Google Books発行: 2005年11月
著者: 青山七恵

★★★

『窓の灯』
第42回文藝賞受賞作。時代に取り残されたような街で暮らす私の日課は、向かいのアパートに引越してきた男の部屋を覗くこと・・・清潔感のある文体で独特の小説世界を紡いだ佳作。

執筆者:梅村 千恵
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第42回文藝賞受賞作。他人の生活を覗き見する主人公の心象風景を清潔感のある文体で紡ぐ

『窓の灯』
・青山七恵(著)
・価格:1050円(税込)

この本を買いたい!



■他人の生活のシルエットを覗き見する女性を主人公にした文藝賞受賞作
 
 綿矢りさ以来、超若手の書き手を輩出する賞としてすっかりおなじみになった文藝賞。今年も、『平成マシンガンズ』で受賞した三並夏さんが十五歳という最年少記録を更新し、話題を読んだ。「恐るべき十代」の出現は出版界にとってもちろん明るいニュースだが、書き手の年齢ばかりにスポットがあたるのもどうなのかなぁ・・・ということで、今回は、『平成・・・』の影になって少々地味な存在である、もうひとつの受賞作『窓の灯り』を紹介することにした。
 
 大学を辞めてしまった「私」は、年上の女性、ミカド姉さんが経営する喫茶店で住み込みで働くことになる。「私」の部屋のそばにある姉さんの部屋には、入れ替わり立ち替わり男が訪れる。そんな彼女を「女の人」の見本として眺めて過ごす「私」に、新たな日課ができた。
 それは、向かいのアパートに引越してきた男の部屋を覗くこと。窓辺にゆれるレースのカーテン越しに見えるはっきりしない横顔、体の輪郭。ときおり訪れる恋人らしき女性とのはじめてのキスを目撃したいと思う私。やがて、私は、見知らぬ人の輪郭を求めて、夜の街を徘徊するようになる。ちょっと奇妙だが穏やかな日々を過ごす私だが、ミカド姉さんにはある変化が訪れた・・・

 「覗き見」という後ろ暗い行為に魅かれる主人公の複雑な感情を描いた同作、個人的には、佳作だと思う。ただ、主人公は、覗き見常習犯、それも女性という設定から、異常心理を描いた作品だと思って手にとられる方にはかなり物足りないだろう。そう、この主人公の心理、少なくとも私にとっては、「分かる」のである。
更新日:2005年12月27日
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■後ろ暗さ、憧れに同居する軽蔑・・・一言では言い表せない感情を清潔感のある文体で丁寧に紡ぐ
 
 彼女は、他人の生活をあくまでも「見る」だけであって、そこに介入したいという意思はない。むしろ、他人は他人のままでいてほしいのである。臆病だとも言えるし、他者との積極的な関わりを求めないという意味では、孤独で後ろ向きだとも言える。少なくとも、あまり褒められた主人公ではないかもしれない。だけど、そういう気持ちって、なんとなくわかりませんか? 世間さまにおいては、積極的に他人とつながることを求められ、そうではないと「変わり者」のレッテルを貼られがちであるけれど、それはそれで是なのかもしれないけれど、私は個人的に、孤独を抱きしめて日々を送る主人公の方に共感する。

 覗き見というのは、確かに後ろ暗い行為であるし、行為の動機も後ろ暗い。誰の心の中にも、このような欲求があるとは思わないけれど、少なくとも人の心の中には光のあたる場所もあれば、影になる場所もある。その光と影の境目は、実はとても曖昧でつねに揺れ動き、簡単には言い表せない。
 主人公がミカド姉さんに寄せる感情もしかり。憧れであると同時に軽蔑であり、愛情であるとともに執着である。こういう簡単には言い表せないところを表現するのが、小説の強みではないかと思う。そういう意味では、この作品は、ちゃんと小説だという気がする。

 好みの差はあるだろうが、平明でありながら一種独特の切れと清潔感のある文体も個人的には好み。清潔感の時代に取り残されたような街の描写など、小説の中に現実とは違う時間と空気感を表現できる書き手でもあると思う。『平成マシンガンズ』の三並さんも同様だが、2作目、ぜひぜひ、頑張っていただきたい。

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◆このジャンルが、もっとも若手が活躍しているジャンルなんですよね。情報チェックは、「恋愛・純文学を読む」で

■若手の登竜門としてすっかり定着した文藝賞。前回の受賞作『野ブタ。をプロデュース』はテレビドラマ化され大ブレイク!今回は、男性の受賞者のサイトを紹介。

まず、賞の受賞者、応募要綱をチェックするなら「河出書房 文藝」のページから。

『リレキショ』で第39回に受賞した中村航。最新作『100回泣くこと』もステキな作品でした。「中村航 公式サイト」にはブログも。

『最後の吐息』で第34回に受賞した星野智幸。公式サイト「星野智幸アーカイヴス」には著作、エッセイ、インタビュー記事などの情報も。

2/2 『窓の灯』 [書籍・雑誌] All About
posted by りょうまま at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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