2017年06月02日

「星々たち」「ラブレス」「蛇行する月」「無垢の領域」「それを愛とは呼ばず」「ホテルローヤル」桜木紫乃さん「ホテル屋の娘で良かった」

2017.6.2(金)

94.氷の轍
(2016.10)

p231・・米澤小百合はひとの同情を一瞬でかき集めて、周囲にある感情を束ねてしまう。・・ありがたいと口にしながら何度も頭を下げられる鈍感さを生きる力と呼ぶのなら目の前の彼女は生命力の塊だった。なにも放り出さない代わりになにひとつ内側へと取り込まない。自ら傷つきもしないし、他人を傷つける自覚もない。・・・自分が生きることしか興味がない

◆本人にとっての善は他人にとっては迷惑なこと多々あり・・ということ"(-""-)"

https://www.shogakukan.co.jp/books/09386450

シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
二人デ居タレドマダ淋シ、
一人ニナツタラナホ淋シ、
シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
(北原白秋「他ト我」より)

 北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之独楽』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。
北海道警釧路方面本部。新たな刑事の名は、大門真由。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386450

★★★

2016.1.15(金)
星々たち


2016.1.14(木)
ラブレス
(2011)


謎の位牌を握りしめて、百合江は死の床についていた──。彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。道東の開拓村で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に奉公に出されるが、やがては旅芸人一座に飛び込んだ。一方、妹の里実は地元に残り、理容師の道を歩み始める……。流転する百合江と堅実な妹の60年に及ぶ絆を軸にして、姉妹の母や娘たちを含む女三世代の凄絶な人生を描いた圧倒的長編小説桜木紫乃『ラブレス』|新潮社


2016.1.13(水)
蛇行する月
2013.10

「東京に逃げることにしたの」道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。
二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。
故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ" と言う順子に、悩みや孤独を抱え、
北の大地でもがきながら生きる元部員たちは引き寄せられていく――。
今もっとも注目される著者による、読む者の心に希望の灯をともす傑作小説。

人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。―道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ”と言う順子に、悩みや孤独を抱え、北の大地でもがきながら生きる元部員たちは、引き寄せられていく―。彼女たちの“幸せ”はどこにあるのか? 蛇行する月 | 桜木 紫乃 | 本 | Amazon.co.jp

『蛇行する月』 (桜木紫乃 著) | 今週の必読 - 週刊文春WEB

無垢の領域
2013.7

知らないままでいられたら、気づかないままだったら、どんなに幸福だっただろう――。

革命児と称される若手図書館長、中途半端な才能に苦悩しながらも半身が不自由な母と同居する書道家と養護教諭の妻。悪意も邪気もない「子どものような」純香がこの街に来た瞬間から、大人たちが心の奥に隠していた「嫉妬」の芽が顔をのぞかせる──。いま最も注目される著者が満を持して放つ、繊細で強烈な本格長篇。
桜木紫乃『無垢の領域』|新潮社





2015.11.12(木)

それを愛とは呼ばず2015.3

妻を失い故郷を追われた男。夢を失い東京に捨てられた女。交わるはずのない二人が出会ったとき、運命の輪が大きく軋み始めるーー。

「いざわコーポレーション」の社長であり、10歳年上の妻である章子が、64歳の誕生日の夜、交通事故にあった。意識不明のまま眠り続ける妻の他、社内に人脈を持たぬ亮介は、会社から、そして新潟から追われる。新たな職を得た記念に訪れた銀座のグランドキャバレーで、席についた紗希もまた、その日、19歳で上京してから10年目、タレント事務所からクビを宣告されたのだった。寄る辺ない心を抱えながら出会った二人は、微かに互いを意識しながら別れる。ひと夏に6戸の販売目標を与えられた北海道のリゾートマンションで亮介が目にしたのは、廃墟同然の新古物件だった。絶望感にかられる亮介を追って、東京から紗希がやってくるーー。実に1年半ぶり、直木賞受賞後初の長編は、まさに桜木ワールドの真骨頂! 誰もが懸命に生きているだけ。悪い人がいるわけではないのに、それぞれが報われない。切なさと、最初から流れているどうにも逃げられない不穏な空気……。そして最後に用意された、度肝を抜かれるラスト……! 緊迫感と圧倒的なドライブ感で駆け抜ける、最高傑作! それを愛とは呼ばず | 桜木 紫乃 | 本 | mazon.co.jp
・・・「最高傑作」とは思わないなあ

2015.1.8

ようやく「ホテルローヤル」を借りれた・・

青春と読書
第118回:桜木紫乃さんその2「花村萬月作品の衝撃」 - 作家の読書道 | WEB本の雑

2013.7.18

桜木紫乃 - Wikipedia

桜木 紫乃(さくらぎ しの、1965年4月 - )は、日本の小説家。北海道釧路市生まれ。釧路東高校卒業。江別市在住。

経歴
中学生の時に原田康子の『挽歌』に出会い文学に目覚める。高校時代は文芸クラブに所属。裁判所でタイピストとして勤めたあと結婚し専業主婦になる。原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。

文学賞受賞・候補歴
2002年 - 「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。
2005年 - 「霧灯」で第12回松本清張賞候補。
2012年 - 『ラブレス』で第146回直木三十五賞候補、第14回大藪春彦賞候補、第33回吉川英治文学新人賞候補。
2012年 - 第41回釧新郷土芸術賞受賞。
2013年 - 『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞受賞。
2013年 - 『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞受賞。

作品
氷平線(2007年11月 文藝春秋 / 2012年4月 文春文庫)
収録作品:雪虫 / 霧繭 / 夏の稜線 / 海に帰る / 氷の棺 / 氷平線
風葬(2008年10月 文藝春秋)
凍原(2009年10月 小学館)
恋肌(2009年12月 角川書店)
収録作品:恋肌 / 海へ / プリズム / フィナーレ / 絹日和 / 根無草
硝子の葦(2010年9月 新潮社)
ラブレス(2011年8月 新潮社)
ワン・モア(2011年11月 角川書店)
起終点駅(ターミナル)(2012年4月 小学館)
収録作品:かたちのないもの / 海鳥の行方 / 起終点駅 / スクラップ・ロード / たたかいにやぶれて咲けよ / 潮風の家
ホテルローヤル(2013年1月 集英社)
誰もいない夜に咲く(2013年1月 角川文庫)
収録作品:波に咲く / 海へ / プリズム / フィナーレ / 風の女 / 絹日和 / 根無草
無垢の領域(2013年7月刊行予定 新潮社)
桜木紫乃 - Wikipedia

作家の読書道 第118回:桜木紫乃さん - 作家の読書道

★★★

桜木紫乃さん「ホテル屋の娘で良かった」2013.7.17 23:04 (1/5ページ)

記者会見する、直木賞を受賞した桜木紫乃さん

 直木賞を受賞した桜木紫乃さん(48)は、記者会見場に入ると一礼し、笑顔を見せた。撮影では、「笑顔でお願いします」との報道陣からの呼びかけに、「これでも思い切り笑顔なんです」「さっきからすごく笑ってるんですよ」と冗談で返した。

 桜木さんは、晴れやかな表情で、2度頭を下げると席に着いた。

 −−受賞のご感想をお願いします

 「書くことをやめなくて良かったと思います。ありがとうございます」

 −−ニコニコ動画ですが、タミヤTシャツの意図を教えてください

 「ゴールデンボンバーさんのファンなんです」

 〈桜木さんは、タミヤ(模型メーカー)のTシャツに白のブラウスを羽織って登場した。タミヤのTシャツは、ゴールデンボンバーのボーカル、鬼龍院翔さんがよく着用している〉

 −−好きなメンバーは?

 「みなさん好きなんです」

 −−ありがとうございます

 「もっとないんですか(笑)」

 −−タミヤのTシャツの質問が(ニコニコ動画では)一番多かったんです

 「待ち会の担当さんが全員着ています。最初に脱いだ人が罰金を払うことになっています」

 −−書くことをやめないでよかったということは、やめようかと思った苦しい時期があった?

 「後から考えるとやめてもおかしくない状況だったと、振り返ると思います。新人賞を頂いて、デビューの本を出していただいて、時間が6年くらいあったので。その間は、今思えば、必要な時間だったんですけれども、ちょっとしんどかったです」

 −−先日、自分は作家と名乗ったことは一度もないとおっしゃっていましたが、今日からは直木賞作家となりますね

 「そういうことになりますでしょうか。ピンと来ていないので、まだ、ちょっと名乗るところまではいっていないです」

−−この作品は、桜木さんにとって書かなければならない特別な作品だったとおっしゃっていました

 「自分の起こることには何も無駄がないと思える一冊でした。私にしか書けない作品があると信じて、書いた。来し方というか、いい蹴りの付け方をさせていただいたな、と思っています」

 −−北海道が舞台の作品ですが、北海道への思い入れは?

 「北海道に生まれてよかったなあと思います。ずっと北海道から出て暮らしたことがないので、きっと歳時記もおかしなことになっていると思うんです。特に寒い道東に生まれたので、そういうことに、気候的な部分にチェックは入るでしょうけれど、ほんとうに道東は、冬も夏もプラスマイナス20度のところで」

 −−北海道での暮らしがこの作品に詰まっていますか?

 「目をつぶっていても書ける空の色っていうか。海にしても空にしても、自分のなかにある景色で。景色だけにして、登場人物を入れていける場所です」

 −−桜木さんの作品は、貧乏とかがよく出てきますが、なぜそこを書くのか。今後も書いていきますか?

 「私、特別貧乏だと思っていないです。自分の書いている人たちが。正直に言うと。極貧っていう帯がついていたこともあるんですけれど、普通の貧乏です。年収500万円で、家を建てて、35年ローンで。それを貧乏というなら、お金持ちはどこにいるんだと思います。幸・不幸についてもよく言われるんですが、一生懸命生きている人の口からは幸せとか不幸とか言う言葉を私は聞いたことがない。そこを書いていけたらいいなあと思います。ずっとかどうかはわからないけれど、『ホテルローヤル』を書いて、自分のなかのどういうのを開いていくのか。これからの出会いと見えてくるもの。今後、見えてくるものを大切にしたいと思います。そんなに貧乏にこだわっているわけじゃないんです」

−−以前、達成感っていうのをどうやって味わったら良いのだろうかと言っていたが、直木賞受賞はこれはどんな気分ですか?

 「ぴんと来ていないので、後からゆっくり考えます。確かに達成感を感じたことないんですよね、今まで」

 −−選考委員の選考経過の説明のなかで、今回は短編だが、短編の人なのか、長編に力を入れてほしい人なのかという議論があったが、本人の考えは?

 「どっちもちゃんと勉強していきたいと思っています」

 −−自分のなかでの切り替えは?

 「切り替え? ひとつひとつ集中して書くので」

 −−短編は割と小さなテーマでも書けるし、長編は大きなスケールが必要といわれているが、どっちが好みですか?

 「どっちも苦しいです」

 −−ゴールデンボンバーがお好きということですが、今回の作品に詰まるなかで、励まされたりしたことは?

 「鬼龍院翔さんの言葉の選び方には大変刺激を受けます。『抱きしめてシュヴァルツ』という曲を聴いて、ファンになったんですけれども。『抱きしめて離さないで』でという出だしはありだと思うんですけれど、『慰めて隅々まで』っていうのは、なかなか思い浮かばない、すごく斬新な歌詞だと思っていて。こういうもの書く人が長いもの書いたらすごいだろうなって今も思っています。」

 −−ゴールデンボンバーさんと今後、対談したり、一緒に歌を歌いたいとかないですか?

 「それはすごく、冗談だと思うんですが、もし受賞したら、オールナイトニッポンに出してくれるって集英社の偉い方が。こういうところで言ったら本当に出してくれますかね。じゃあ出してください」

−−受賞はどんな場所で聞きましたか?一日の流れを教えてください

 「6時におきて、娘の弁当を作って、シャワーをあびて、身繕いをして、出てきました。居酒屋で待っていました。日比谷の居酒屋で待っていました」

 −−桜木さんはストリップの大ファンですが、ストリップは性と生を描いている。桜木さんの小説も性と生を描いているが、ストリップと小説で共通する部分は?

 「本気で、踊っている踊り子さんから受ける印象というか、20分の間に起承転結して、お客さんを満足させる。見せるための裸って、よく作られた短編小説みたいって初めて見たときに思って、それから好きになったんですけれども、私もかくありたいと思っていて」

 −−今回、素晴らしい短編小説ができたが?

 「一冊になっただけでも、満足していましたし、これでなんとか半歩でも前に進める気がした本なので、うれしいです」

 −−今回、ラブホテルが舞台だが、舞台にした理由は?

 「実家がラブホテルなんです。いつか、ここを舞台に、書きたいなとずっと思っていたので。うーん…」

 〈机に視線を落として、しばらく間を置いた後、言葉を続けた〉

 「10代から見てきた舞台裏なんですよね。色んな人と出あえる場所でもあったんです。働く人でも、本当に色んな人を見てきたと思う。親の手伝いをしている時間で、あの時間が財産だったと思うことができます。ホテル屋の娘に生まれてよかったです。ふふふ」

 −−新人賞を受けてから、ご苦労されています。なぜ、書けなかったのか。きっかけがあって書けるようになったのか?

 「それがわかったらいいなあって思うけれど。やっぱり担当さんとの出会いが大きいんだと思います。びしびしとやってもらいました。各社の担当さんには感謝しています」

−−ホテルローヤルって言葉とラブホテルが、(選考委員の)阿刀田さんのなかで、不思議な面白さを発揮していたようです。ローヤルっていうのはどうつけたのですか?

 「実家のホテルがホテルローヤルというので、そのままつけました」

 −−ローヤルのいわれは?

 「なぜか父がつけたんですね。ホテルローヤルって名前をつけたのも父です。だから、父に感謝しないと。父がつけたタイトルですね」

 −−小説を書く上でのこだわりや気分転換は?

 「まず、こだわりから。写実絵画のようなお話を書きたいと思っています。写真ではなく。ただのリアルではなく、背景も自分で決めて、作っていく」

 −−気分転換は?

 「気分転換は極道映画を見ます。ずっと好きでした。10代半ばくらいから。父の影響です」

 −−好きな作品は?

 「『アウトレイジ』です」

 −−好きなキャラクターは?

 「たけしさんです」

 −−ご自身の経験を書こうと思ったきっかけは?

 「いつか書きたいと思っていた。でも、どこから書いていいかわからなかった。でま、真っ正面から書くと私の日記みたいになっちゃうので。全然、ホテルローヤルじゃないところから入ったので、最初の1話目を書いたときには、連作とも、続けるとも決まっていなかった。廃虚でヌード撮影をする男女を書くところから始まった。実家が廃虚の歩き方に掲載されるのが夢だった。すっと入っていった」

 −最後に一言お願いします

 「デビューからずっと、一生懸命、伴走してくださっている担当さんや、宣伝、営業の方の代表としてここに座らせていただいてもらっている。みなさんに感謝を伝える最高の機会を与えてくださってありがとうございます。子供たちに、頑張って続けていけば、必ず何かになるよ、と言葉じゃないところで伝えられたのかなと思ってそれがうれしいです。ありがとうございます」

【直木賞受賞会見】桜木紫乃さん「ホテル屋の娘で良かった」+(5/5ページ) - MSN産経ニュース
posted by りょうまま at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 桜木紫乃 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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