2020年01月03日

江國香織「旅ドロップ」「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」「なかなか暮れない夏の夕暮れ」「犬とハモニカ」「ちょうちんそで」「真昼なのに昏い部屋」「金平糖の降るところ」「赤い長靴」

2020.1.11 土 CIMG2976.JPG  江國香織「旅ドロップ」p52「私たち、東京ガールなのよ?東京のあの複雑な地下鉄を日々乗りこなしていrんだから、パリのこんな地下鉄くらいへっちゃらよ。お茶の子さいさいだわ、恐るるに足りない」

2018.7.25

73.「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」(2014.10)・・再読




2017.10.29〜11/3  2020.1.2〜

163.「なかなか暮れない夏の夕暮れ」(2017.2)

CIMG1749.JPG

50歳、消極的なのに女の出入りが激しいなんて
江國香織の新作長篇『なかなか暮れない夏の夕暮れ』を読む
source : 週刊文春 2017年3月2日号
genre : エンタメ, 読書, ライフスタイルhttp://bunshun.jp/articles/-/1516
孤独で不思議な魅力を持つ男性と、彼をとりまく女性たち。江國ワールドと称される世界観で読者をとりこにする江國香織さんが新作長篇『なかなか暮れない夏の夕暮れ』を上梓した。書店員からライターへ転進した石井千湖さんはどう読んだ?
◆◆◆
 日が暮れるころのことを夕暮れというのだから〈なかなか暮れない〉というのは不思議なタイトルだ。けれども、主人公の稔について知れば知るほどぴったりに思えてくる。彼は親の遺産で暮らし、子供のような服を着て、本ばかり読んでいる。行動範囲は狭く、女性に対して消極的なのに、なぜか女の出入りが激しい。五十という年齢を考えれば人生の黄昏時にさしかかっているはずだが、なかなか暮れない男なのだ。
 稔の日常とともに、ドイツと日本を往復する姉、一緒に住んではいないが読書好きという共通点がある娘、稔と親族の顧問税理士を務める友人、道楽で開いたソフトクリーム屋の従業員など、周囲の人々の日常が描かれる。同じ夏の夕暮れに、それぞれ異なる不安を抱え、異なる景色を見ている人たちの時間が重なり合うところがいい

 例えば稔とデートする同級生は、夕風の渡るビアガーデンで初めてホテルに行った日のことを甘やかな気持ちで思い出す。ところが、自分と寝ても彼の態度が以前と全く変わらないことに気づく。また、籍を入れないまま稔の子を産んだ元恋人は、別の男と結婚し、望んでいた普通の家族を手に入れたにもかかわらず、ガラス越しに夕空を眺めながら逃げだしたい衝動にかられてしまう。

 稔は近づいた人に物寂しさを感じさせる。夕暮れみたいに。彼はみんなに優しく親切だが、友情と恋愛の区別をつけない。意図しているわけではなく、区別をつける発想がない。この世でいちばん好きなのは姉だが、彼女が遠くへ行っても引き止めることはない。誰も縛らず、誰にも縛られない彼は、自由な代わりに独りだ。ただ、不幸ではない。きっとそばにいつも本があるからだろう。

 作中には稔が読んでいる小説の文章がそのまま挿入されている。一冊は北欧ミステリーで、もう一冊はカリブ海に浮かぶ島が舞台の恋愛小説だ。どちらも血なまぐさい物語だが、彼は世界に入り込み、登場人物のことを親しい友人のように話す。読書は現実から逃避するためのものではなく、何かの代償行為でもない。本のなかで過ごす時間は、彼にとって人生と不可分の一部だからだ。

 本で出会った人たちの言葉は、稔に静かに寄り添う。大好きな姉と同じ場所で違う本を読むシーンは美しく、小説に出てきた珍しい料理を作ってみるくだりは愉しい。孤独と幸福は両立するということを教えてくれる本だ。できるだけ長くこの夏の夕暮れのなかにいたくて、なかなかページを繰れない。

えくにかおり/1964年東京生まれ。87年「草之丞の話」で小さな童話大賞を受賞し、デビュー。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。

いしいちこ/1973年佐賀県生まれ。早稲田大学卒業後、書店員を経てライターに。読売新聞ほか新聞、雑誌で多数書評を手がける。

2017.6.8(木)

犬とハモニカ

2016.9.25〜再読「赤い長靴

夫の背中に向かってひとり微笑む日和子。危ういけれどかけがえのない、夫婦というもの。江國ワールドが新展開する注目の連作短篇 --
内容(「BOOK」データベースより)
「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景―幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。 赤い長靴 (文春文庫) 江國 香織 本 Amazon.co.jp


2015.1.12・・再読
2014.2.5〜

ちょうちんそで」2013.1月

取り戻そうと思えば、いつでも取り返せる――闇の扉を開く新しい長編。いい匂い。あの街の夕方の匂い――人生の黄昏時を迎え、一人で暮らす雛子の元を訪れる様々な人々。息子たちと幸福な家族、怪しげな隣室の男と友人たち、そして誰よりも言葉を交わすある大切な人。人々の秘密が解かれる時、雛子の謎も解かれてゆく。人と人との関わりの不思議さ、切なさと歓びを芳しく描き上げる長編。記憶と愛を巡る物語。
Amazon.co.jp: ちょうちんそで: 江國 香織: 本

余生を送るにはまだ早いであろう54歳の雛子は、高齢者向けマンションに暮らす。一人暮らしの雛子だが、長い間疎遠で、目の前に存在しないはずの妹・飴子と幻のおしゃべりを楽しんで過ごすことが多い。古い思い出話や、マンションに住む人々のうわさ話など、二人の対話は尽きることがない。
 章が切り替わるごとに、若夫婦や大学生カップル、同じマンションに住む老夫婦たち、カナダの日本人学校に通う少女と先生といった異なる人々が現れ、各々の生活が描かれる。断片的な描写が、緩やかに全体像を見せたかと思えば、逆に謎が深まることもある。
 
表面的には穏やかでも、人は多かれ少なかれ、過去の記憶や秘密、様々な思いを抱えて生きる。雛子もまた同じだ。日常にさざ波が立ち、誰かの波のあおりを受けることもある。音、匂い、味といった五感を絡めて丹念に描かれた文章を追うことは、他者の内面を覗き見しているかのようでもある。その中に、人とのつながりの妙や、人生の先を見通すことの困難さなども見えてくる。静かで趣深い物語。

ちょうちんそで [著]江國香織 - 吉川明子 - 話題の新刊(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

★★★

2013.9.16(月)

真昼なのに昏い部屋」(2010.3)

社長業の夫、浩さんに守られて日々の生活を送っている美弥小さん
夏のある日、アメリカ人のジョーンズさんと知り合い。。

美弥子さんは掃除好き、料理好き、じっとしていてはいけないとおしゃべりの合間にも手仕事を欠かさない
ジョーンズさんは来日して18年、15年別居中の奥さんと娘と息子がアメリカにいる
小鳥のような美弥子さんと来いに落ち。。美弥子さんは、「世界の外」(対岸)にでてしまったと気づき、驚愕。。ラストは弘さんと別居、ジョーンズさんは美弥子さんを「小鳥には見えなくなった」と思う

一気読み・・大人のための童話・・という宣伝文句があったような・・そのとおりだと思
様々な恋愛小説を読んでいると・・
今回ふと・・「なぜ人は恋愛するんだろう・・」と思ってしまった😵
恋愛は必ず冷めるのだなあ。。

ジョーンズさんといると、世の中にはいろいろな人がいること、色が溢れ音が溢れ匂いが溢れていること、すべて変化すること、すべての瞬間が唯一無二であること、でもだからこそ惜しまなくてもいいことなどが、こわいくらい鮮烈に感じられます・・

自分のまわりに確固たる世界があると思いこむのは錯覚にすぎません・・


内容紹介
--------------------------------------------------------------------------------
私は転落したのかしら。でも、どこから?
恋愛とは。結婚とは。不倫とは。
かつてない文体で本質を描き出す中央公論文芸賞受賞作。

軍艦のような広い家に夫・浩さんと暮らす美弥子さんは、「きちんとしていると思えることが好き」な主婦。アメリカ人のジョーンズさんは、純粋な彼女に惹かれ、近所の散歩に誘う。気づくと美弥子さんはジョーンズさんのことばかり考えていた――。恋愛のあらゆる局面を描いた中央公論文芸賞受賞作。
解説・奥泉光
真昼なのに昏い部屋 江國香織 講談社

2013.7.14〜

江國香織金平糖の降るところ」2011.9

プエノスアイレス近郊の日系人の町で育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃からボーイフレンドを共有することをルールにしてきた。
留学のため来日した二人は誰からも慕われる笑顔の男・達哉に好意を抱く。達哉は佐和子との交際を望み、佐和子は姉妹のルールを破り達哉と結婚。ミカエラは新しい命を宿してアルゼンチンに帰国する。
20年後、佐和子は突然、達哉に離婚届を残して不倫の恋人とともにブエノスアイレスに戻る。
ミカエラは多感な娘に成長したアジェレンと暮らしていたが達哉が佐和子を追いかけアルゼンチンにやってくると・・・

『金平糖の降るところ』江國香織 | 小学館

抱擁、あるいはライスに塩を(2010.11)
posted by りょうまま at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック