2018年12月28日

「愛なき世界」「女4人が暮らす家」「小暮荘物語」「天国旅行」「風が強く吹いている」「君はポラリス」「三浦しをん

2011.9.1「人生激場」

2011.8「格闘するものに◎」

2011.8「夢のような幸福」三浦しおん

2011.8三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」

2011.6/30三浦しをん「仏果を得ず」





2018.12.28〜

134・「愛なき世界」(2018.9)  CIMG2204.JPG



2017.1.13(金)

13.「神去なあなあ夜話」2012.11

2016.6.8(水)

55・女4人が暮らす家2015.7月

昨日、おもたーい角田さんの小説のあとなので一層読みやすくて嬉しい



三浦しをん

1976(昭和51)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒業。2000(平成12)年、書下ろし長篇小説『格闘する者に○』でデビュー。以後、『月魚』『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』などの小説を発表。『乙女なげやり』『ビロウな話で恐縮です日記』『あやつられ文楽鑑賞』『ふむふむ―おしえて、お仕事!―』など、エッセイ集も注目を集める。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を、2012年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。他に小説『むかしのはなし』『風が強く吹いている』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』『まほろ駅前番外地』『天国旅行』『木暮荘物語』などがある。

★★★

2014.1.20(月)「君はポラリス」(2007年)

再読だった・・😵・・けど面白いのでよしとしよう・・っと🎵

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。 Amazon.co.jp: きみはポラリス (新潮文庫): 三浦 しをん: 本

★★★

2011.9.6〜 「小暮荘物語」(2010.11)

久しぶりのしをんさん・・やっぱり面白かった

小田急線世田谷代田駅から徒歩5分ほどの距離にある古い木造アパート「木暮荘」の住人とその周囲の人々にまつわる連作短編集

4室に人が住んでいる。 1階に住む大屋の木暮さんは70歳過ぎのおじいさん。
「シンプリーヘブン」 坂田繭は、玄関を開けて驚いた。3 年前に出ていったきり音沙汰もなかった元カレの瀬戸並木がいた

2013.7.6(土)
◆「天国旅行」(2010.3.)

君が望んでも、まだ「終わり」にはさせない。生と死を見つめ直す、「心中」をめぐる七つの短篇。

もう一度、立ち止まり、君と問いたい。そこは楽園なのかと――富士の樹海に現れた男の導き、命を賭けて結ばれた妻への遺言、前世の縁を信じ込む女の黒い夢、死後の彼女と暮らす若者の迷い、一家心中で生き残った男の決意……この世とあの世の境目で浮かび上がる、愛と生の実像。光と望みが射し込む、文句なしの傑作短篇集。

三浦しをん/著
ミウラ・シヲン

三浦しをん『天国旅行』|新潮社

2011.9.2
9/1〜「風が強く吹いている三浦しをん2006年9月

「速く」ではなく「強く」・・目指せ箱根駅伝

才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走(かける)。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった10人で。それぞれの「頂点」をめざして・・

「長距離選手に対する一番の褒め言葉がなにかわかるか」
「速い、ですか?」
「いいや。強いだよ」

「じゃあおまえら、いずれ死ぬからって生きるのやめんのかよ」

「すきなら走れ、以上」

彼らは走る。走ることによってしかたどりつけない速くて美しいまだ見ぬ高みへと近づくために。

★★★2011年

台風12号、なぜノロノロ?

中島みゆき、木村拓哉と初タッグ 〜『南極大陸』で5年ぶりドラマ主題歌 戸田恵梨香、客席からの「エリカ様」コールに困惑



★★★

まだ名前を持たない関係 ・・三浦しをん『きみはポラリス』・・伏見憲明

 三浦しをんの『きみはポラリス』を読み進めるうちに、子供の頃の情景が思い出された。まだ性が言葉を持たなかった時代の自分を――。
 小学校も中学年になると子供もませてきて、「○○ちゃんが好き」とか「××君から告白された」とかいった話題が教室の隅でささやかれるようになる。女の子たちにとっては、バレンタインデーに意中の男子へチョコレートを手渡すことが一大イベントだったし、とりあえず「両思い」ということになれば、ふたりだけで下校したり、二つ合わせるとハート型になるペンダントの片割れを持ち合ったりしたものだ。
 ぼくが、それまでいっしょに遊んでいた女子が、どうやら自分とは異なる生き物であることがわかったのは、体育の前の着替えの時間。乳房がふくらみはじめた彼女たちが、はにかみながら男子に見られないように体育着に早変わりするほんの一瞬、はらりと胸元に大人の女のそれがかいま見えた。ブルンッとした質感が、つい昨日まで自分と同様に真っ平らだった胸元と、天と地ほどの差があるようでとまどった。そのとまどいの中に、どこかねっとりとした「そこに触れたい」という気持ちが混入していた。「性欲」という言葉さえ知らなかった生の欲求。
 六年生になる頃には幼なじみの女子に告白されて、ぼくもいっぱしに「付き合う」ことにもなった。もちろん「付き合う」といっても、交換日記をしたり日曜日にいっしょに出かけたりする程度のことなのだが、それでもそこに交わされる感情は、いっしょに近所を駆け回っていた子供同士のそれではなく、甘く密やかな香りに包まれていた。
 本格的に思春期を迎えて性が成熟すると、今度は自分の欲求がどうやら同性に向っていることを疑いはじめる。そういう、ぼくの「同性愛」への気づきの過程は、本書に収録されている『永遠に完成しない二通の手紙』『永遠につづく手紙の最初の一文』の登場人物に重なる。岡田勘太郎は、幼なじみで親友の寺島良介への思いが友だち以上の何かを含んでいることを薄々感じていたが、それはある時点まで「恋愛」には結びつかなかった。自分の秘めたる情感が一つの言葉に行き着くまでの道筋が、三浦が描き出した岡田という主人公の繊細さにリアルに映し出されている。ぼく自身、はじめ(時代性もあって)自分が同性愛者などとは思いもよらなかったので、それを受け入れていくのは、その欲望に言葉を当てはめていく作業そのものだった。
 小説が言葉にならないものを言葉に仮託する表現ならば、ここに収められた短編は、まだ名前を持たない関係を、名前を与えないままに表した物語だ。同性の親友への切なさを「好き」という言葉に掬い上げた先の二作。偶発的に起こしてしまった殺人によって別れた男女が、それを「沈黙と忘却をもって苗床の栄養に変え」、その共犯関係をかけがえのないものにする『私たちがしたこと』。はからずも自分を「誘拐」することになった男との交流を心に温める少女を描いた『冬の一等星』……この一冊に収録されたどれもが名前のない関係に、豊饒なる魔を醸し出している。
 言葉にするとそこにあったはずの魔は、どうしたわけか雲散霧消してしまう。どす黒い沃土を含んでいた関係が、名前を得た途端に渇いた大地と化してしまう。三浦が掘り起こしているのは、「恋人」「恋愛」「結婚」「同性愛」「異性愛」「不倫」といった言葉につかまえられた関係よりも、もっと生々しい欲望を手探りしている人たちの経験だ。三浦の巧妙な筆致と、狂気にも似た情によって、ぼくらはそれを自分の心に活き活きと甦らせることができる。この短編集は、だからこそ小説として成功しているのだろう。言葉によって削がれてしまう魔が、言葉によって十全に再生されている。
「同性愛者」というアイデンティティからすれば、ぼくの小学生のときの女子との交歓は、「恋に憧れる気持ち」や「まだ未分化な性」と言い得る。が、言葉で整理のつかないあの官能は、概念化された解釈が無意味に思えるほど、何か豊かな情緒を未開拓の心に敷いてくれた。そこには言葉という洗練を経る以前の魔が、確実に胚胎していたのだから。


(ふしみ・のりあき 作家・評論家)

三浦しをん『きみはポラリス』Bestseller's Interview 第13回 三浦しをんさん

―本書『天国旅行』を読ませていただきましたが、短編集ということで、各作品の質はもちろん、作品の並び順がすごくいいなと思いました。この流れは、小説新潮で連載する前から決めていたのでしょうか。
そうですね。全体の流れというか、どこにどんな話を持ってくるかということは、最初から決めていました。
―CDアルバムみたいですよね。各作品を別個に捉えるのではなく、7作品を通して読むことでより魅力的に感じられるという。
ありがとうございます。そう言ってもらえるとすごくかっこいいもののように思えますね(笑)短編を書く時は、それが一冊にまとまった時にどんな本にしたいかということを考えてから書く方が書きやすいんです。今回は編集の方に、全体のテーマを“心中”にしたらどうかと言っていただいたので、最初の作品(『森の奥』)は“心中”がテーマになっていると気付かれないくらい遠いところから入っていって、話を追うにつれて核心部分というか、心中という行為に接近していき、最後(『SINK』)はずばり心中に直接的に関係する人の話にしようと思いました。
―本書の巻頭にTHE YELLOW MONKEYの『天国旅行』の歌詞が引用されていますが、他にも好きなミュージシャンがいらっしゃれば教えてください。
BUCK-TICKです…って何で声が小さくなっちゃうんだろう(照)。
―本の内容と実によくマッチする曲ですが、曲から着想を得たというところもあったのでしょうか。
いえ、そうではないです。この本のタイトルを決める時に、収録された短編の一つから取ってしまうと、その作品だけがクローズアップされてしまうと思ったので、それぞれの作品名とは関係のない総タイトルをつけようと思ったんです。でも、なかなかピンと来るものがなくて……。そんな時に、そういえばTHE YELLOW MONKEYに心中っぽい曲があったな、と思い出して、好きなバンドだし、もしかしたら内容とピッタリかもしれない、と思ってタイトルにさせていただきました。
―今回の“心中”のように、編集さんからお題が出ることはよくあるんですか?
私は短編だとあまり率先してネタが湧いてくる方じゃないんですよ。ご依頼を受けてはじめて、じゃあどういうのを書こうかな、と考えるタイプなんです。だから今回は担当の編集さんが気を効かせてくれたんだと思います。
ただ、心中っていうのは死に直結している題材だし、死に直結しているということは生にも関係します。好き合った男女が一緒に死ぬというイメージが強いですから、愛情とは何だろうという方向にも広がっていけるので、結果的にはいいテーマだったなとは思いますね。
この本の中で書いていることはおそらく普段から書きたいと思っていたことなんですけど、“心中”というテーマを外からもらったことによって、具体的にシチュエーションを想像するきっかけになったという気はしています。
―では、三浦さんとしてはお題をもらった方が書きやすい、と。
短編に関しては、お題が外から設定されることってよくあるんですよ。雑誌に掲載されるとしたらその号の特集のテーマとか。そういう方がやりやすいことはやりやすいですし、短い枚数の場合は、外からの設定がなくても自分の中でテーマを決めて、それに沿って書く方が書きやすいです。
―なるほど。反対に、テーマを決めずに書き始めてそのまま書き切る、ということもあるのでしょうか。
あると思いますね。私は、特に長編の場合はテーマがない方が多いです。“テーマをひとことで説明できないからこれだけの分量を書いたんだよ”みたいな(笑)
―本作では『初盆の客』のように、一つの死の周りに生まれた人間関係を描いていたり、死から派生するものについても触れていますけども、全体のテーマとして、“死”“心中”があります。こういったテーマについて書くことで、精神的なストレスを感じたりはしましたか?
ストレスというのはないですね。ただ現実に心中事件は起きているわけで、その死を称賛することはしたくないとは思っていましたし、逆に、心中や心中をした人たちをやみくもに批難することもしたくないと思っていました。そういったところで気をつかうことはありましたね。
―この短編集を書く前後で、三浦さんの死生観に変化はありましたか?
それはないです。この短編集は心中や死をテーマにしてはいますけど、できるだけ生の方向を目指す話にしたいなと思っていました。書き終えてからもその気持ちに変化はないですね。
「小説家」という職業
―本作の執筆中に行き詰ったりすることはありましたか?
うーん…それはわりといつも…(笑)。
―そういう状態はどう抜け出すのでしょうか。
寝る!
―あと、ストレス解消法なども教えていただきたいです。
寝る!あとは漫画読むとか…。すぐ逃避行動に走るので原稿が締め切りに間に合わず、なんてこともあったり…。
―短編集を出す時というのは「この作品は特によかった」などと思うことはあるんですか?
ないことはないですよ。確かにあります。“これは我ながらうまくいったぜ!”って。でもそういうのは大概勘違いなんですけど(笑)この作品では『君は夜』が気に入っています。いっちゃってる女の人をうまく書けたぞって。
―あれはおどろおどろしいお話ですね
そうですね、うわぁ、ヤな話って(笑)そういうのが書けるとちょっとうれしいですね。
―かれこれ10年間小説家として作品を発表している三浦さんですが、デビュー当時と今とで小説に変化はありましたか?
あるといいんですけどねぇ…。全く変わっていないとは思わないですけど…。うーん…わからない(笑)。
―作家というお仕事はオンとオフの切り替えを自分だけでやらないといけません。三浦さんはどのように仕事と休みの切り替えをしていますか?
私は全然切り替えがうまくいかなくって、書く時間とかも特に決めていないんです。そういう意味ではすごくだらだらしてますね。気が向いたら書いて、締切りが近づいたら書いて…(笑)。
―世の中めまぐるしく変わっていますが、そんな時代における作家の役割はどんなことだと思っていますか。
すごく売れれば別でしょうけれど、基本的に小説って経済を上向きにするわけでもないですし、実利面ではあまり役に立たないものだと思っています。ただ、みんなそれぞれ持っている日常の憂さから、小説を読んでいる間はちょっと離れることができて、自分以外の人生を体験できる、というところでしょうか。そういうお話を作っていくのが役割と言えば役割だと思います。
また、読んだ人自身の現実や世界の捉え方にも、希望や問題意識が芽生えたらいいなと思いますね。これはなかなか難しいことですけど。
「親近感を持って読んでもらえるのではないかと思います」
―三浦さんが読書に目覚めたのはいつごろですか?
幼稚園か小学校の低学年だったと思います。ケストナーとかリンドグレーンなど、児童文学といわれるものを読んだ時はむちゃくちゃ入り込んでいましたね。“こういう面白い友達と遊んだりできたらいいな”とか。常に夢見がちだったので(笑)そういう風に得た読書の喜びは今でも続いているような気がします。
―三浦さんといえば、漫画に造詣が深いことでも知られていますけども、最近お気に入りの漫画はありますか?
昨年末に出たので最近とは言えないかもしれませんが市川春子さんの『虫と歌』というのが面白かったです。昨日読んだ鳥野しのさんの『オハナホロホロ』もよかったですね。
―現在しきりに取り沙汰されている「非実在青少年」に関する論議について、ご意見があれば聞かせていただけませんか。
生身の少年少女、生身のちびっ子が登場するような作品には規制が必要だと思っていますが、アニメや漫画に関しては、条例などで規制するべきではないと思っています。自由な発想や表現を規制するような可能性のある法律・条例には断固として反対です。
―人生において影響を受けた本がありましたら3冊ほど教えていただきたいです。
丸山健二さんの『水の家族』、中井英夫さんの『虚無への供物』、大西巨人さんの『神聖喜劇』。3冊とも小説ですね。いずれも衝撃を受けて、居ても立ってもいられなくなる感じでした。
―そういう衝撃は“私も書きたい”という方向に向かうんですか?
いえ、むしろ“書くとか無理!”って思いますよ(笑)でも“こんなすごいものを読めるなんて生きててよかった!”と興奮しました。
―三浦さんが自分でも書いてみようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
私は元々編集者になりたくて、就職活動で出版社を回っていたんですけど、採用試験の時に書いた作文を、面白いと言っていただきまして。その出版社の採用担当係だった編集者の方が、後に著作権エージェントを立ち上げる時、何か書いてみたらと言ってくださいまして書いたのが最初です。当時定職がなかったので“時間ならたくさんあるしな……”って思って書きましたね(笑)。
―その作文はどんなテーマのものだったんですか?
『10年後の自分』というテーマでした。その出版社に入って売れっ子の作家から原稿を取りまくる名編集者の自分、みたいなことを書いたはずです。
―最後に本作『天国旅行』の読みどころを教えてください。
“心中”という共通のテーマはあるんですけど、それをどこまで意識するかはもちろん読者の方々の自由です。結構バリエーションに富んでいると思うので、そのあたりを“次はこんな話がきたか!”という風に楽しんでいただきたいですね。
登場人物たちの中には情けない感じの人もいれば、一途な人もいるので、親近感を持って読んでいただけるのではないかと思います。

“心中”や“死”をテーマにしているということで、暗いお話ばかりの本だと思うかもしれないが、全くそんなことはない。全体を読んでのイメージは生命力の方が強かった。三浦さんが語ってくれたように、実に多彩な登場人物が描かれているので、想像力を湧きあがらせながら読んでみてほしい。
ちなみに、新刊JP編集部のメンバーは三浦さんの作品の中では、映画化もされた『風が強く吹いている』を強く推していたが、個人的には今作の方が好きだ。
(取材・記事/山田洋介)
posted by りょうまま at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 三浦しをん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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