2020年12月31日

2019年、2017年、2018年

芥川賞のすべて・のようなもの



book shorts


2019年

4.緑の毒(桐野夏生)


3. 群ようこ「挑む女」

3「空白を満たしなさい」(平野啓一郎

2「愛なき世界」三浦しをん

1.おまじない 1/3 西加奈子

2018年


2018.12.18 130 僕たちはみんな大人になれなかった

2018.12.19 131 ある男 平野啓一朗



16.東山彰良「僕が殺した人と僕を殺した人」
http://ryoumama0116.seesaa.net/article/456877280.html

1.充たされざる者http://ryoumama0116.seesaa.net/article/454000389.html・・1/1〜

38・山口恵以子「毒母ですがなにか」

41・錦矢りさ「意識のリボン」
42・千早茜「男ともだち」


新潮社

101「夜と霧」・・「人間とはガス室を発明した存在だ。しかし同時にガス室に入っても毅然として祈りの言葉を口にする存在でもあるのだ

105中村文則「何もかも憂鬱な夜に」p160・・・「自分以外の人間が考えたことを味わって自分でも考えろ」「考えることで人間はどのようにでもなることができる。世界になんの意味がなかったとしても人間はその意味を自分で作り出すことができる」
120.松浦理英子「最愛の子ども」
121.村田沙耶香「消滅世界」

芥川賞(芥川龍之介賞)・歴代受賞者の一覧

webでも考える人

文藝春秋WEB

2017年の目標は300冊(;^ω^)・・!(^^)!

2016.12月・・小川糸「ツバキ文具店」

1.「3000円投資生活」1.1
2・「この冬の私はあの蜜柑だ」(片岡義男)1.3〜
3.快楽(青山七恵)1.5
4.「哲学者というならず者がいる」(中島義道)1.5〜
◆5.「スターバックスで普通のコーヒーを飲むひとを尊敬する件」(山本ゆりhttp://ddnavi.com/news/342562/a/
◆6.「ラジオラジオラジオ」加藤千恵
7.中島義道「人生しょせん気晴らし」
8.村田沙耶香「殺人出産」
9.山本文緒「なぎさ」・・・再読(;^ω^)
10.中島義道「私の嫌いな10の人々」
11.井上荒野「綴られる愛人」(2016.10)
12.「神去なあなあ夜話」2012.11
13「満潮」朝倉かすみ
14「火花」又吉直樹
15.「空に牡丹」大島真寿美
16.小池真理子「沈黙の人」
17.橋本治「負けない力」
18.山崎ナオコーラ「ボーイミーツガール」
19.武田百合子「随筆集」
20.西加奈子「I」
21.ニーチェ「道をひらく言葉」野田恭子2010
22.平安寿子「人生の使い方」
23.橋本治「橋本治という立ち止まり方」
24..橋本治「結婚」
25.古市憲寿「僕たちの前途」
26.橋本治「いま私たちが考えるべきこと」
27.小池真理子「無花果の森」
28.ニーチェ「ツアラトゥスラはこう言った」
29.鏑木蓮「しらない町」
30.宮台真司「私たちはどこからきてどこへ行くのか」
31.
桜庭一樹「RED」
32.橋本治「戦争のある世界」
33.古市憲寿「社会の抜け道」
34.「生き延びろ」雨宮処凜
35.桐野夏生「猿の見る夢」
36。きっと素晴らしい心理カウンセラーになれる
37.メンタルトレーナをめざす人が初めによむ本
38.桜庭一樹「ほんとう花をみせにきた」
39.恩田陸「朝日のようにさわやかに」
40.中島義道「ふつうから遠く離れて」http://ryoumama0116.seesaa.net/article/445560087.html
41.米田功「見えない壁を壊す」
42.恩田陸「土曜日は灰色の馬」
43.浮世満理子「成功と目標達成のための実践的思考法」
44.橋本治「三島由紀夫とは何者だったのか」
50.騎士団長殺し上巻 
51騎士団長殺し下巻k
52.向田理髪店
53.明るい夜に出かけて
54.ロズウェルなんてしらない
55.夜の国のクーパー
56.詩を書くということ
57.小川洋子短編集
58.IQ84 1巻再読
59.IQ84 2巻再読
60.IQ84 3巻再読
61.海辺のカフカ1巻再読
62.海辺のカフカ2巻再読
63.2016年版消費生活アドバイザー試験合格対策
64。野蛮な読書 平松洋子
65.買えない味 平松洋子
66.殺人犯はそこにいる 清水潔
67.素数たちの孤独
68.中学生からの愛の授業 宮台真司
69.静かな雨 宮下奈津
73.職業としての小説家
74.僕はそして僕たちはどう生きるのか
75.デカルコマニア
76.リストカットのむこうへ
77.黒冷水
78.みなそこ
79.PK
80.海辺のカフカ
81「明日の食卓
82.あしたの君へ
83.走る
84.クラウドガール

85.歓喜の仔
86.「約束された場所で
87.Aでない君と
88.いそぶえ
89.占星術殺人事件
90.海辺のカフカ
91.リア家の人々
92.ミステリーガール
93.心臓を貫かれて
94.氷の轍
95.我慢ならない女

97.ねじまき鳥クロニクル(再読)

101.「夜と霧」「生きがい喪失の悩み」ヴィクトール・E・フランクル

105.中村文則「何もかも憂鬱な夜に」
106「国境の南、太陽の西」(再読)



悶絶と共感がとまらない大人気料理ブロガー・山本ゆりさんの『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』がやっぱり面白い件


1分間瞑想法


★★★

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川上弘美「某」他

文春オンライン 1分書評 尾崎世界観

又吉直樹の正体 『人間』の中にいる、ということ

第56回文藝賞受賞記念対談 村田沙耶香×宇佐見りん 中上健次を愛読し熊野へーー母と娘という普遍的なテーマに新たな視線を注ぐ20歳の才器
2019.11.15

芥川賞受賞・高橋弘希インタビュー「小説と将棋は似ているかもしれない」鮮やかな描写を支える「見える」力 2018.11

芥川賞のすべてのようなもの


CIMG3368.JPG2020.7.15 63「光ってみえるものあれは」2003年 帯より・・「ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい・・普通で不自由な16歳の夏・・」

CIMG3364.JPG2020.7.14 62「ゆっくりさよならをとなえる」(2004年)62.「ゆっくりさよならをとなえる」(2004年)帯より「道草したい日もあるさ」おおどか(性質がこせこせしないでおっとりしているさま、おうよう、おうらか)につづる深呼吸のようなエッセイ集


2020.7.13 月 61・物語が始まる 1999年 4短編集

1.物語が始まる・・「雛型を手に入れた。なんの雛型かというと、いろいろ言い方はあるが簡単に言ってしまえば、男の雛型である。生きている」

裏表紙より・・いつもの暮らしそこそこにひっそりと開いた異世界への扉ーー公園の砂場で拾った「雛型」との不思議なラブストーリー・・奇妙でユーモラスでどこか悲しい、四つの幻想譯(げんそうやく・・幻想をあらわしたもの?)芥川賞作家のはじめての短編集

2020.7.6 〜 7/13 「大きな鳥にさらわれないようにCIMG3351.JPG 2016年。泉鏡花賞

解説より P410〜 湯浴みから立ち上がった物語は・・数千年のスパンで人類の過去と未来を描き、人間とはなにか、生命とはなにかを問い直す壮大なガチSF。
「・・人間はほんとうに変なものだよ」・・なぜ人間は、愛し憎み争うことをやめられないのか、なぜ、自分とは異なる存在を受け入れることができなのか・・(あげく自分で自分を滅ぼしてしまう)・・だからこそ、かわいくいとおしくもある・・


2020.6 「センセイの鞄

2020.7.1 「」・・素晴らしい

★★★


2015.11.8

はづきさんのこと」(再読・・)




2015.11.4

なんとなくな日々

きゅうううう。春の夜更け、冷蔵庫は鳴く。さもかなしそうに。じんわり広がるおかしみと、豊かな味わい。気持ちほとびる傑作エッセイ集。

春の宵には、誰もいない台所で冷蔵庫の小さな鳴き声に耳を澄まし、あたたかな冬の日には、暮れに買い置いた蜜柑の「ゆるみ」に気づく。読書、おしゃべり、たまの遠出。日々流れゆく出来事の断片に、思わぬふくよかさを探りあてるやわらかいことばの連なりに、読む歓びが満ちあふれます。ゆるやかにめぐる四季のなか、じんわりしみるおかしみとゆたかに広がる思いを綴る傑作エッセイ集。川上弘美『なんとなくな日々』|新潮社


2015.8.18(火)

87.「風花」(2008.4)

風花(かざはな、かざばな)は、晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降ること。あるいは山などに降り積もった雪が風によって飛ばされ、小雪がちらつく現象のこと。からっ風で有名な静岡県や群馬県でよく見られる。風花 - Wikipedia

日下のゆりは33歳。システムエンジニアの夫の卓哉と結婚して7年。平穏な日々が、夫に恋人がいるという一本の電話で破られる・・・。何気ない日常の中で、色あせてゆく愛を描く長編恋愛小説。Amazon.co.jp: 風花: 川上 弘美: 本

『風花』川上弘美

定価:1,400円(本体)+税 4月4日発売


「風花」は、結婚している一組の夫婦だけに焦点を当てて書かれた
川上弘美さんの初めての「結婚小説」です。

今の五十代半ば以上の世代は、「結婚とはこういうもの、もしくはこうあるべき」というのが共通の認識としてあったのに、 今は結婚観が多様になってきていて、カップルによっていろいろなスタイルが選択できる時代です。 自由な反面、「結婚」をどうかたち造っていくのかがとても難しくなってきています。
平穏な時間がずっと続くなら問題はないかもしれませんが、ひとたび「こと」が起こると、解決の仕方が解らなくて、壊れやすい。この小説の主人公、のゆりと卓哉の夫婦もそうです。
結婚して七年、夫の浮気によって結婚を一から考えざるを得なくなります。
何げない日常の中に積み重なる小さな気持ちのすれ違い。
一緒に暮らしながらも相手のことを知らない人と気づく瞬間。
愛とはなにか。結婚とはなにか。愛はいかにして色あせていくのか。
川上ワールドにひろがる、恋愛小説の刹那を堪能してほしいと思っています。
カバーの作品は有元利夫さんの陶芸で、タイトルは「未完」。
この結婚小説を象徴させたくて使用しました。見返しは表がピンクで裏が淡いグリーン。
「ゆるやかに推移する愛」のイメージです。
(編集M)『風花』川上弘美|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー



2015.6.20(土)

59.「天頂より少し下って」(2011.5)

奇妙な味とやわらかな幸福感の恋愛小説集・・・どれもこれも少しづつ泣けてくる味わい

<収録作品>
☆「一実ちゃんのこと」一実ちゃんは、「私、クローンだから」と言う。父がクローン研究に携わっていて、19年前亡くなった母を「母株」にして一実ちゃんは誕生したらしい。
☆「ユモレスク」17歳のハナのイイダアユムに対するコイゴコロは見事に破れた。「私、玉砕?」。
☆「エイコちゃんのしっぽ」「しっぽがあるんだ」とエイコちゃんは言った。エイコちゃんは女だけのガソリンスタンド、あたしは市場調査の会社で働いている。
☆「壁を登る」母はときどき「妙なもの」を連れてくる。最初はおばさんとその息子。次におじいさん。三番目に五朗が来た。「何者?」と聞いたら「わたしの弟」と母は言う。
☆「金と銀」治樹さんは泣き虫でのんびりしていた。彼とばったり出くわしたのは大学生のときだ。治樹さんは絵描きになっていた。
☆「夜のドライブ」40歳のわたしは、ある日、母を誘って車で温泉に出かけた。旅館に泊り、真夜中、母がわたしを呼んだ。「ねえ、夜のドライブに行きたいの」。
☆「天頂より少し下って」45歳の今まで、真琴は何人かの男と恋をした。今つきあっている10歳年下の涼は柔らかげな子だ。涼は真琴のことを「猛々しい」と言う。
Amazon.co.jp: 天頂より少し下って: 川上 弘美: 本


2015.1.18(日)~

13.なめらかで熱くて甘苦しくて(2013.2.15)

なつかしいのは、男たちの弱さだ――。(ignis)/「それ」は、人生のさまざまな瞬間にあらわれては「子供」を誘い、きらきらと光った――。(mundus)……年齢も男女の別も超越し、生と死の交差する場所からあらわれては消えてゆく何ものか。いやおうなく人を動かす性の力をさまざまなスタイルで描きあげた魅惑的な作品集。全五篇。

川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』刊行記念インタビュー】
生きること、死ぬこと、セックスのこと  川上弘美


最初から、こんなふうなものだと知っていたような気がする――。ひとを突きうごかす性の力を描くうち、生と死の深淵までおりてゆく、瑞々しく荒々しい作品集。五年にわたって書きつがれた、全五篇。

――『なめらかで熱くて甘苦しくて』には、世界を構成する四大元素、aqua(水)、terra(土)、aer(空気)、ignis(火)、そしてmundus(世界)と名づけられた五つの短篇がおさめられています。小学生の女の子からおばあさんまで、人生のさまざまな時期を生きる女の人たちが出てきますが、この連作をつなぐものはなんでしょう。
川上 最初は「性欲」について書こうと思っていたんです。でも書きはじめてすぐ、それだけ取りだすことはできないとわかった。生きること、死ぬこと、セックスのこと、それらは一人の人間のなかでいつもまじりあっている。どんなふうにまじりあっているのか、それを考えながら書きました。
――巻頭におかれた「aqua」には、水面と汀という小学三年生の女の子が出てきます。
川上 五篇のうち最初の話なので、まだ性欲という言葉を頭の中心において書こうとしたものですね。子どもにも、当然女の子にも性欲はある。あまりに淡くて言及されにくいけれど、その芽生えを書きたかった。
――汀と水面は、近づいたり遠ざかったりしながら成長し、高校生になると同じ男の子とつきあったりする。ちょっと特別な、つかず離れずの関係がつづいてゆきます。
川上 同い年の女の子たちって、みんな似ているようで、じつはずいぶん違いましたよね。シャンプーの匂いひとつとっても、ぜんぜん違っていた。生々しいものでした。ほかの子との差異を感じることで、女という性があることを知ったような気がします。水面にとっての汀もそういう存在かな。
 むつかしい時期ですよね。よくあそこをみんな通りぬけたなと思います。世界からいろんなノイズが届くけれど、それを全部受けとめる容量はなくて、でも聞こえてきてしまう。そこをどう凌いでいくか。すごく大変だけれど、おもしろい時期でもある。

  セックスの地位のアップダウン

――「aqua」には、セックスってどんなものだろうと想像する水面が、「想像力の限界だな」と嘆息するところがありました。つぎの「terra」はその先の話ですね。
川上 セックスをしてみたい年頃の人たちが、してみたらどうなったか。実際はそれほどのものではないわけなんですけれど、でもかなり打ち込める一分野ではあるわけです(笑)。
 自分のからだが存在していることを実感するのは、病気になったとき、子どもを産むとき、いろいろあると思うけれど、セックスをとおして自分の身体を意識する機会を得て、そしてそれがまだ新鮮な体験である時期のことを書きたかったんだと思います。
――事故で死んでしまった大学生の「わたし」が「あなた」に語りかける、濃密な性の匂いを感じさせる部分と、沢田と加賀美という同級生の男女のあっけらかんとした日常会話の部分と、トーンがまったく違う文章が交互にあらわれるのが面白いですね。セックスというのは、ひとりの人間のなかにある非日常でもあるんだなと感じます。
川上 若いときはとくにそうですね。科学的にいっても動物としての必要性から大量に性ホルモンが分泌されているわけで。意志だけでは扱いかねる時期の話です。
――つぎの「aer」では出産が描かれます。「しろもの」とよばれるものを妊娠し、出産し、育ててゆく。
川上 わたしとしては初めての、そして唯一の出産小説です。実感をこめて書きました。あと、わたしが出産したころは「母性神話」みたいなものがまだ幅をきかせていて、それがすごくいやだった。この小説を書いてすっきりしました(笑)。
――面白いフレーズがありますね。「こうなったらセックスだ。困った時のセックスだのみ。逃避したい時のセックスだのみ」。セックスの地位、下がりましたね。
川上 下がりましたね、ほんとうに。
――「セックスはごく平常なよろこびになってしまっている。からすみを食べる、とか。車庫入れがとても上手にできる、とか。可憐な犬をなでる、とか」
川上 けっこういいことだけど、まあそのぐらいっていう。大人になると楽ですね。
――子どもをもったばかりの男の人が疑心暗鬼になってくよくよ考えるところがありますね。さまざまな不安と疑いがパーセントであらわされているのがほんとうらしい。
川上 で、足すと一〇〇パーセントを超えてしまう。ふふふ。男の人ってそういうところがあるのではないでしょうか。

  昔、男がいた

――つぎの「ignis」は一組の男女の三十年におよぶ時間を描いたものです。「なつかしいのは、男たちの弱さだ」という印象深い一節がありますね。
川上 男とは、とかいうのは嫌いなんですけど、でも男の人って根本的に弱いところがあるような気がします。たまたま自分の知ってる人だけがそうなのか? という心配はあるけれど(笑)。でもその弱いところがまたいいところでもある。
――その「弱さ」というのは、若いときにもわかりましたか。
川上 全然わからなかった。なにか夢を抱いてました(笑)。
――(笑)「ignis」は、「伊勢物語」を下敷きになさっているんですね。
川上 「伊勢物語」には男女の原型があると思います。「源氏物語」がそばでじっと眺めて描写しているとしたら、「伊勢物語」は俯瞰している感じでしょうか。特殊にみえても普遍的で、現代の男女そのものです。本当におもしろい。
――「昔、男がいた」のまえに、「なつかしい」という言葉がリフレインされています。「なつかしく思うことがある」とか。自分が生きてきた時間のなかでの懐かしさと同時に、自分ではない、これまで無数の男女が過ごしてきた時間への懐かしさもまじっているようです。たくさんの人がここを歩いていったみたい、と。
川上 自分はその道は歩かなかったけれど、ちょっと見たことがあるかもしれない、ということですね。なんだか年寄りくさいですね(笑)。達観しているわけでもないんですが。

  混沌を混沌のままに

――最後が「mundus」です。この話には、「子供」とだけよばれる一人の人間の一生、その長い時間が入っています。生涯をつうじて、「それ」というなにかとらえがたいものが、あらわれては消える。
川上 性欲だけを取りだして書くことなどできないということはすぐにわかったんだけれど、最終的に、「それ」はいったいなんなんだろうと。わたしにもまだわからないんですけれど、混沌とした感じを保ったままでどうにか描いてみたかった。
――ときどき段落の頭に「/」がついていますね。この小さい記号にはふしぎな効果があります。
川上 ひとつずつ、川端の「掌の小説」のように独立しても読め、一篇の話としてつながっても読めるものにしたかったんですね。それでなんとなく「/」を使ってみました。
――水が印象的ですね。くりかえし洪水が起こります。
川上 たしかに水がいっぱい出てきますね。ほかの小説でもどうやらそうなんですが、じつは実家の裏を神田川が流れていて、子どものころは大雨が降るとしょっちゅうあふれて、橋が流されたりしてたんです。しょうがないから向こうの橋まで遠回りしたり、架けられた板きれをこわごわ渡ったり。
――そうですか。抽象的なものではなかったんですね。
川上 いまの東京からは考えられないような風景ですが、昭和三十年代の杉並でのわたしの原体験なんです。水がつねにそばにあって、どこかで意識しつづけていました。
――思いっきり抽象的であると同時に、体感できるように書かれた小説ですね。たとえば、湖にいる怪魚に「子供」の兄が引きずりこまれたり、翌日になるとその兄がぽっかり浮かんできたり、草原を走る列車に女がぎゅうづめになっていて、その中に「子供」の母がまぎれこんでいたり。
川上 はい。この小説には、自分のなかにあるごったなイメージを投げ込んでみました。
――タイトルの「なめらかで熱くて甘苦しくて」という一節はこの「mundus」からとられています。
川上 そういうものに突き動かされてきた人生であるなあ、ということですね。
――これからどうなるのでしょう。
川上 そこはまだ書けませんでした。男女が出会ってから三十年後までしか書けなかった。その先を書くには、もっともっと長く生きなくちゃですね。(かわかみ・ひろみ 作家)
川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』|書評/対談|新潮社

2015.1.1〜2

1.パスタマシーンの幽霊(2010.4)

あたし、この恋の出口を見失いました。恋の深みに足をとられた女たちをあたたかに慈しむ22情景。雑誌「クウネル」の人気連載小説。

恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。川上弘美『パスタマシーンの幽霊』|新潮社

2.これでよろしくて(2009年)

主婦の菜月は女たちの奇妙な会合に誘われて......夫婦、嫁姑、同僚。人との関わりに戸惑いを覚える貴女に好適。コミカルで奥深いガールズトーク小説。これでよろしくて?|文庫|中央公論新社


川上弘美 カワカミ・ヒロミ

1958(昭和33)年、東京都生れ。1994(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞、1999年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、2007年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。その他の作品に『椰子・椰子』『おめでとう』『龍宮』『光ってみえるもの、あれは』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『古道具 中野商店』『夜の公園』『ざらざら』『ハヅキさんのこと』『どこから行っても遠い町』『パスタマシーンの幽霊』『機嫌のいい犬』『なめらかで熱くて甘苦しくて』などがある。
川上弘美|新潮社


川上弘美(かわかみ ひろみ、旧姓・山田、1958年4月1日 - )は、日本の小説家。東京都生まれ。大学在学中よりSF雑誌に短編を寄稿、編集にもたずさわる。高校の生物科教員などを経て、1994年、短編「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞受賞。

幻想的な世界と日常が織り交ざった描写を得意とする。作品のおりなす世界観は「空気感」と呼ばれ、内田百閧フ影響を受けた独特のものである。その他の主な作品に『溺レる』、『センセイの鞄』、『真鶴』など。

俳人でもあり、小澤實主宰の『澤』に投句しているほか、長嶋有らとともに句誌『恒信風』で句作活動をしている

東京都に生れる。5歳から7歳までをアメリカ合衆国で過ごす。小学3年生のときに1学期間を休む病気にかかり、このときに家で児童文学を読み始めたことから読書家になる。雙葉中学校・高等学校を卒業後、お茶の水女子大学理学部生物学科に入学し、SF研究会に所属、のちの漫画家湯田伸子がメンバーにいた。

1980年、大学在学中に山野浩一発行・山田和子編集のニュー・ウェーブSF雑誌『季刊NW-SF』第15号にて、「小川項」名義の短編「累累」を掲載。次号第16号で旧姓「山田弘美」名義の短編「双翅目」を発表、また「女は自ら女を語る」という座談会にも参加し編集者として加わっていた。

1980年に大学を卒業し、NW-SF社で働くが1982年『季刊NW-SF』が第18号で休刊。そのため、同1982年に田園調布雙葉中学校・高等学校で生物の教員となる。1986年までの4年間を勤め、退職。結婚・出産ののち主婦を経て、1994年に「神様」でパソコン通信を利用したASAHIネット主催の第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。この回の選考委員は、井上ひさし、小林恭二、筒井康隆。

次いで1995年に「婆」が第113回芥川龍之介賞候補作品となり、翌1996年に「蛇を踏む」で第115回芥川龍之介賞を受賞。1999年、『神様』で第9回紫式部文学賞、第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(審査員久世光彦)。2000年、『溺レる』で第11回伊藤整文学賞、第39回女流文学賞を受賞。

2001年に第37回谷崎潤一郎賞を受賞した『センセイの鞄』では、中年女性と初老の男性との淡い恋愛を描きベストセラーとなった。同作品はWOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクト「ドラマW」により、久世光彦監督の演出、小泉今日子・柄本明の共演でテレビドラマ化されている[1]。2007年、『真鶴(まなづる)』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

2013年発表の2012年マン・アジア文学賞(Man Asian Literary Prize)において『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)が、ノーベル文学賞受賞者のオルハン・パムクのSilent Houseなど4作品と共に最終候補に残ったが、受賞は逃した。[1][2]

2007年の第137回芥川賞選考会から、選考委員として参加。2011年現在は谷崎潤一郎賞と三島由紀夫賞の選考委員も務めている。川上弘美 - Wikipedia
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2020年12月27日

高山羽根子「首里の馬」


2020.12.26 土  読みふけった

未名子はコミュニケーションが得意ではない。「問読者(といよみ)」の仕事をしながら、順さんの資料館の手伝いをして日々過ごしている。
台風一過のある朝、父なきあと一人でくらす家の庭に、「馬」がうずくまっていた。順さんの資料館のこと、「問読者」の仕事のこと関わる人々、庭にやってきた馬のこと、未名子自身のことを丁寧に書き綴った物語・・半日読みふけった。全体を通して感じるのは「孤独」。孤独は暗くて寂しくて悲しい・・けれど、物語が進むにつれて、少しづつ雲の切れ目から光が差してくるような気持ちになる。「孤独」はかわらないけれど。順さんの資料館についてもとても大事な小説のテーマ。日常生活は一人ひとり違っていてどれも尊い、記録し続けていくことで、貴重歴史となり更新されることでより良い世界を構築する一助になることもある・・ということかな。記録が消失したことで、「馬」の価値がわからなかったのだ。



CIMG3732.JPG高山羽根子「首里の馬」2020.7 163回芥川賞

沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。 https://www.shinchosha.co.jp/book/353381/

高山羽根子タカヤマ・ハネコ    1975年富山県生まれ。2009年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作、2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞を受賞。2020年「首里の馬」で第163回芥川龍之介賞を受賞。著書に『オブジェクタム』『居た場所』『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』『如何様』などがある。

記憶が重ねられることの価値 津村記久子

 他のものはともかくとして、記録媒体については形のある所有をすることの価値はこの十年で完全に下落したと思う。コンテンツを所有することはなしにウェブを通してサーバから好きな時に好きなものを引き出していると、データをダウンロードして端末に所持するということさえ古くさく思えてくる。
 じゃあ人々が所有の後、何に価値を置いているのかというと、おそらくそれは経験の共有で、今はかつてないほど個人がある経験を持つことがステイタスになっている。単純にこのことを要素に分解すると「経験」の「共有」となるのだが、じゃあ世間ではどちらに比重が置かれているのかというと、たぶん圧倒的に「経験」よりも「共有」に寄っていると思う。もはや経験そのものは共有の下位に存在するもので、共有されやすい経験にこそもっとも価値があるということになる。あとはもう共有の先着順と解像度と拡散の広さを競っているだけだ。
 それでも共有されない記憶となった経験は無数にある。量的にはむしろそういうものの方が人間全体のほとんどを占める。共有されることのない、評価されることのない記憶には価値がないのだろうか? もちろんそんなことはありえない、ということを、本書を読了すると思う。人間そのものとその歴史は、共有されるかどうかは問われず積み重ねられた無償の記憶でできているということを、未名子という孤独な女性の小さな生活は強く思い出させる。
 未名子は二十代半ば、沖縄の港川というところに住んでいる。順さんという年老いた研究者が作った私設資料館の資料の整理の仕事を無報酬でつとめる傍ら、オンライン通話でクイズを出すことを仕事にしている。顧客は世界中の日本語を使える人々で、彼らはだいたいたった一人で生活している。彼らが何者なのかはすぐには語られることはないし、順さんという人物についても、未名子自身についてすら、十代の頃に不登校であったということぐらいしかしばらくの間はわからず、くどくどしく説明されたりはしない。記述が進められるのは、資料の整理をし、それらをスマートフォンのカメラで撮影し、クイズを出す仕事をし、そして台風の次の朝に自宅の庭にうずくまっていた馬の世話を始めるという未名子の細々とした行動の詳細だ。
 他の誰にも共有されることも解釈されることもない未名子の生活は、だから価値がないというわけではもちろんなく、資料館での資料の管理の様子や、クイズを出すスタジオの細部についてなどはとても豊かに描かれていて、読んでいて楽しくさえある。未名子は多くを語らないでいながら、生活の変化の中で少しずつ行動を重ねるうちに、クイズの解答者たち、順さん、馬、そして沖縄という土地の記憶を自分の内部に通し、モニターのように小説の中に映し出し始める。その無口な忠実さ、自分の経験と他者の経験を秤に掛けて選別することのない謙虚さに、読み手はおそらく感動のようなものを覚える。
 未名子がいつまで経っても「まったくかわいさを感じない」という馬に関してある時に持つ、「この茶色の大きな生き物は、そのときいる場所がどんなふうでも、一匹だけで受け止めているような、ずうっとそういう態度だった」という所感が印象的だ。この様子は未名子自身にも通じるものがあるし、彼女がクイズを出す、世界の各地にいる孤独な人々のことも想起させる。孤独な人々もまた記憶を持っていて、未名子の存在を通して彼らの記憶にふれる体験は、個人的には本書でもっとも興味深く読んだ部分だった。中でもいちばん日本語がつたないという、ギバノというシェルターのセールスマンの男性が、未名子が馬を見つけたこと、馬と関わってゆくことを打ち明けたのをきっかけに、自分の幼少期の草原での体験を溢れるように語り始める様子からは、記憶を持つということの嘆きとないまぜの喜びが強く感じられる。共有されることがなくても、または誰かと誰かという最小単位でしか共有されなかったものだとしても、記憶は個人の存在を支えるものなのだ。
 順さんが資料館に溜め込んだ沖縄の資料が殊更に選別されていないものであることも、記憶の重要さに順位はないということを象徴しているように思える。馬に乗った未名子は、自分の見た沖縄、馬の見た沖縄を記録し、この世界の手に委ねることを決める。今日を生きることは記憶を重ねてゆくことだ。その蓄積の有様にこそ意味があり、それは本当に尊いものなのだと、本書は強く確信させる。
(つむら・きくこ 作家)波 2020年8月号より 単行本刊行時掲載

2020.08.20 10:00
芥川賞受賞作、高山羽根子『首里の馬』が問いかける永遠とは? 継承される意思・使命  文=細谷正充

うどんの人。高山羽根子の名前を見るたびに、そう思ってしまう。第一回創元SF短編賞を受賞したデビュー作「うどん キツネつきの」の、タイトルと内容にインパクトを感じたからである。その作者が『首里の馬』で、第163回芥川賞を受賞した。今度は、どんなインパクトを与えてくれるのだろう。

 主人公の未名子は、沖縄でひとり暮らしをしている女性だ。人づきあいの得意ではない彼女は、中学生の頃から沖縄の歴史を集めた個人の資料館に入り浸り、ボランティアで整理を続けている。持ち主である、在野の郷土史家だった順さんとの関係は良好だ。心配なのは順さんが年老いていることくらいである。

 その一方で未名子は、きちんと働いている。ただし奇妙な仕事だ。カンベ主任という男性の面接をクリアした彼女は、スタジオと呼ばれるビルの一室で、ひとりでオペレーターをしている。その内容は、遠く隔たった場所にいる人たちに、オンライン通話でクイズを出題することだ。どのような意味があるのか分からないが、この仕事に未名子は満足している。

 ヴァンダ、ポーラ、ギバノなど、オンラインで話をする相手との、さらっとした関係も好ましい。しかし台風の翌日、家の庭に、今の沖縄では幻となった宮古馬が蹲っていたことから、未名子の生活は変わっていくのだった。

 本書を読んでいて、「孤独」と「情報」が、物語を読み解くキーワードになると感じた。しかし未名子とカンベ主任の会話を見て、そんな簡単な話ではないと確信できた。ちょっと引用させていただこう。

「あなたはこの仕事にとっても向いていると思っています」
「孤独だからですか」
 カンベさんは数秒の間をおいて、軽く笑ったようだった。
「いえ、いえ。孤独だからなんていう要素が理由になる仕事は、厳密には世の中にありません」

 なるほど、たしかにそうだ。仕事だけでなく日常生活だって、他者とのかかわりがなければ成り立たない。未名子は極端に接する人が少ないだけ。無人島で自給自足の暮らしでもしないかぎり、真の意味での孤独など存在しないのだ。物語の後半で、ヴァンダ、ポーラ、ギバノの居場所が明らかになると、そのことがより明確になる。だから未名子の「孤独」に関しては、その内実を精査する必要があるのだ。 そして「孤独」と同様、「情報」も取り扱いに注意すべきである。地元の人からうさん臭く思われながら、順さんが資料館に集めた沖縄の記録。そこにどのような意味があるのか。作者は情報の力が発揮されるような派手なエピソードを創ることはしない。ただ未名子の行動と思いを通じて、情報と化した歴史や記録の価値を、静かに指し示すのだ。ここで描かれている「孤独」と「情報」は、一筋縄ではいかない深さを持ち、物語の魅力に繋がっていくのである。

 また、その背後に、沖縄の受難の歴史が横たわっていることも、見逃してはならないだろう。資料館の運命や、宮古馬が幻になった理由など、幾つかのエピソードによって、沖縄と、そこで生きてきた人々の状況が浮かび上がってくる。彼らの悲劇は大きいが、それゆえに加害者の立場になる場合もあるということは、資料館の扱いを見れば明らかだ。

 さらにラストの未名子の姿から、世界とコミットする方法が、消極的なものから積極的なものになったように見える。しかしそれを、「成長」というのは間違いだろう。彼女の本質は変わっていない。

 本書の中に、「この島の、できる限りの全部の情報が、いつか全世界の真実と接続するように。自分の手元にあるものは全世界の知のほんの一部かもしれないけれど、消すことなく残すというのが自分の使命だと、未名子はたぶん、信念のように考えている」という一文がある。彼女の生き方はこれからも変わるかもしれないが、信念は変わることがないだろう。それはとても嬉しいことである。なぜなら私たちもいつか死に、情報になるからだ。順さんから未名子、そして未名子から誰かに受け継がれるはずの使命が、私たちの存在を永遠のものにしてくれるのである。

 ところで本稿の冒頭で、高山羽根子のことを、うどんの人と書いた。だが、本書を読んでしまったので、これからは“馬の人”と思うことになりそうだ。芥川賞がどうだとか関係なく、それほど強いインパクトを与えてくれる作品なのである。

■細谷正充
1963年、埼玉県生まれ。文芸評論家。歴史時代小説、ミステリーなどのエンターテインメント作品を中心に、書評、解説を数多く執筆している。アンソロジーの編者としての著書も多い。主な編著書に『歴史・時代小説の快楽 読まなきゃ死ねない全100作ガイド』『井伊の赤備え 徳川四天王筆頭史譚』『名刀伝』『名刀伝(二)』『名城伝』などがある。

■書籍情報『首里の馬』著者:高山羽根子 出版社:新潮社
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2020年12月20日

羽田圭介「滅私」「5時過ぎランチ」「成功者K」「走る」「黒冷水」

2020.12.19 土

121 滅私 2020.8

説明文「物を持たず、記憶はHDDに格納、ミニマリズムに没頭する男を、1枚の写真が究極の捨てへと導く。現代の虚無を照射した快作」

「コロナ」の言葉が全く出てこないのが新鮮、で、ミニマリストって言葉が古く感じた。主人公冴津はミニマリストとしてWEBを運営しグッズの製作販売をし投資もする都会の30代男性。が、高校時代はチンピラもどきの奴だった。。。ミニマリストとしての日常や様々な思考や恋人時子との付き合いと別れ、高校時代の悪行に対する制裁??に脅かされる等話は続く。ミニマリストたちの生活は白黒の世界、彩色の時子が冴津を振るのは当然のように思う、「物」はすてれても過去の悪行は消せないものなのだね。今朝、羽田氏の結婚報道を見て「あら!」と驚いた。

p22・「道具を捨てるということは、その道具を活用し上達した末の、なりたい自分像を捨てることである

p47 「物を捨てる思考の人間が世に発する文章や話し言葉は同じになりがちだった。皆、なにかに<気づき><悟り><経験が大事>と言い新しいコミュニティに出入りしたり習い事を始めたりする。それも準備や鍛錬、継続があまり必要でない、人生をかけて打ち込むほどではない程度の新しい経験に手を出してみるのだ。道具や時間をあまり費やしたりしたくない。あらゆることから身軽でいたいという精神は、なにかを真剣に行うことと相性が悪い」

★★★





2019.4.26 金  28日

51.5時すぎランチ(2018.5)・・結構怖い話っぽい・・28日朝・・CIMG2424.JPG

51「5時過ぎランチ」怖いけど・・面白いお話しが3つ。GSアルバイト萌衣の行動は「なめんなよ」という声が聞こえてきそうだった、次は〜

52.「生きるとか死ぬとか父親とか」「この男になにかしてあげたいと思わせる能力が異常に発達している父」のお話し( ^^) _U~~私はこういう父は絶対ごめんこうむりたい

CIMG2427.JPG


2017.8.27

CIMG1688.JPG  成功者K(2017.3)

私小説の伝統に逆らう“増長”芸(文芸評論家:斎藤美奈子

 17歳でデビューした羽田圭介が13年目にして芥川賞を受賞し、名前を売って『成功者K』なんて本まで書く。めざましい成長と活躍? いやいや、ここは「調子こいてんじゃないわよ」と一喝してやるべきだろう。だってそういう小説なんだから、これは。
 主人公のKは芥川賞をとって「多大なる成功」を手にした(と思い込んでる)30歳の小説家。本とは無関係な地上波のバラエティー番組に出演したのを機に一躍有名になってしまった。以来、町を歩けば「芥川賞とった人ですよね」と声をかけられ、テレビ局からはオファーの山。地方都市のサイン会に赴けばプレゼント攻勢。成功者である以上むろん外出時には帽子とマスクが欠かせない。
 「すごく、女性からモテるんじゃないんですか」という質問には「そんなことないですよ」と答え、「どういった目的でこんなにもテレビに出ていらっしゃるんですか?」と聞かれれば「本の宣伝です」とかわしてはいたものの、自らギャラはつり上げる、あっちから女の子は寄ってくる。気がつけば、成功者Kは狙った美女は逃さない性交者Kになっていた……。
 そんなバカな、と思いながらも、ついついノセられる展開。私小説の定石は自虐芸、という伝統に逆らって、この小説はどこまでも図に乗って増長していく作家の姿を露悪的、偽悪的に描いてみせるのだ。
 〈昔は臆病で女とつきあうときも自分から告白などしてこなかったのに、どうしてこんなにも強気で自信のある人間になったのか、わからなかった〉とうそぶくK。〈芥川賞は、そんなにすごいのだろうか〉
 んなわけないじゃん。という現実にはたしてKは気づくのか。それとも!?
 もともと羽田圭介は特異な状況に放り込まれた人物の極端な行動を描くのが得意な作家だ。芥川賞受賞作は介護、前作はゾンビ、今度はテレビ。くれぐれも眉に唾(つば)して読まれたし。
    ◇
 はだ・けいすけ 85年生まれ。「黒冷水」で文芸賞を受けデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞。

作家の読書道

2017.5.01

83.「走ル」(2008.)物置で発掘した緑のビアンキ。その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へと走るが……。「21世紀日本版『オン・ザ・ロード』」(読売新聞)と評された、文藝賞作家の青春小説!

2017.4.27(木)

羽田圭介「黒冷水」
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、執拗に監視・報復する兄。出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」。兄弟間の果てしない確執に終わりはあるのか? 当時史上最年少十七歳・第四十回文藝賞受賞作!

羽田 圭介 (ハダ ケイスケ)
1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞。2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞受賞。著書に『走ル』『不思議の国の男子』『隠し事』『「ワタクシハ」』『メタモルフォシス』他がある。

★★★
河出書房出版
http://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?writer_id=07721
成功者K
ある朝目覚めると、Kは有名人になっていた。TVに出まくり、寄ってくるファンや知人女性と性交を重ねるK。これは実話か、フィクションか!? 又吉直樹氏推薦、芥川賞作家の超話題作!

隠し事
すべての女は男の携帯を見ている。男は……女の携帯を覗いてはいけない! 盗み見から生まれた小さな疑いが、さらなる疑いを呼んで行く。話題の芥川賞作家による、家庭内ストーキング小説。

不思議の国の男子
年上の彼女を追いかけて、おれは恋の穴に落っこちた……高一の遠藤と高三の彼女のゆがんだSS関係の行方は? 恋もギターもSEXも、ぜーんぶ“エアー”な男子の純愛を描く、各紙誌絶賛の青春小説!

走ル
物置で発掘した緑のビアンキ。その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へと走るが……。「21世紀日本版『オン・ザ・ロード』」(読売新聞)と評された、文藝賞作家の青春小説!

不思議の国のペニス
男子校1年の遠藤は自称エロセレブ。2つ歳上の女とSMならぬSSの関係を続けるが実は童貞。エロから始まり、ラブに落ちた、ぼくとナオミの“逆走する純愛”を描く、文藝賞受賞第一作!

羽田 圭介(はだ けいすけ、1985年10月19日 - )は、日本の小説家。東京都生まれ、埼玉県北葛飾郡松伏町育ち[要出典]。明治大学商学部卒業[1]。

幼少時、車に轢かれるが奇跡的に助かるという経験を持つ。高校時代は毎日放課後に40km、自転車で走りトレーニングをしていた。将来の夢として実業団選手を目指しており、自転車で北海道まで走破したこともある[2]。
明治大学付属明治高等学校在学中の2003年、高校生と中学生の兄弟が憎み合い、「家庭内ストーキング」を繰り返すさまを独特の表現で描いた「黒冷水」で第40回文藝賞を受賞[1]。17歳での文藝賞受賞は堀田あけみ、綿矢りさと並んで当時3人目で、当時最年少だった(のち2005年に三並夏に更新される)。応募は締切日ぎりぎりの投函だった。
明治大学に進学し、2006年受賞第一作「不思議の国のペニス」を『文藝』に発表。2008年同誌に「走ル」を発表、芥川賞候補作となる。大学卒業後は一般企業に就職するが、1年半で退職し専業作家となる[3]。2010年、第四作「ミート・ザ・ビート」で第142回芥川賞候補。2012年、「ワタクシハ」で第33回野間文芸新人賞候補。2013年、「盗まれた顔」で第16回大藪春彦賞候補。2014年、「メタモルフォシス」で第151回芥川賞候補、第36回野間文芸新人賞候補。2015年、「スクラップ・アンド・ビルド」で第153回芥川賞候補。同年7月16日、同作で芥川賞を受賞[4]。お笑い芸人の又吉直樹『火花』との同時受賞や本人のキャラクターが話題となり、その後はテレビ番組などマスコミへの出演が激増[5]。2017年にはNHK新春スペシャルドラマ『富士ファミリー2017』に出演し、俳優デビューも果たした[6]。

作家の読書道
羽田圭介ツイッター
ラベル:羽田圭介 黒冷水
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2020年12月19日

「百年と一日」「公園に行かないか。火曜日に」柴崎友香さん「本当は混乱しています」・・・「春の庭」で第151回芥川賞を受賞、

2020.12.13〜12/19
CIMG3707.JPG120・百年と一日

短い物語の数々33編。ある人に「なにか話を聞かせてください」とメモをとってまとめた・・写真集を眺めていて目にとまったおじいさんの写真から想像して作ったお話とか。。の集まりなのだろうか。意地悪な人が全く出てこないし、どれもこれも尊い人生のお話のように思えたし、面白かった。「人は生きているだけで価値がある」みたいな言葉を見聞きするけれど、私はどーにも理解できなくてもやもやしている。この小説を読んでいて「生きているだけで価値があるってこういうことかなあ」とうっすら思う。読み進めていくうちに自分の幼少期の出来事や風景など思い起こされてきて、よい読書時間をすごせた。p162「好きなことやらないかんよ、自分が思うことをやり続けるのがいちばん納得がいくから」・・この言葉を自分自身や家族や自分がかかわる人たちに言い続けていこう




2018.9.3〜

91.「公園に行かないか、火曜日に」2018.7





芥川賞に柴崎友香さん、直木賞に黒川博行さん
2014.7.17 19:44 [文学]

 第151回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は柴崎友香さん(40)の「春の庭」(文学界6月号)に、直木賞は黒川博行さん(65)の「破門」(KADOKAWA)にそれぞれ決まった。

 芥川賞の柴崎さんは昭和48年、大阪市生まれ。大阪府立大学卒業後、機械メーカーに勤務していた平成11年に作家デビュー。4度目の候補で受賞を決めた。

 受賞作は東京・世田谷にある取り壊し目前の古アパートが舞台。離婚経験のある元美容師の男と隣人の女らの交流を描き、人が出会い、親密になったかと思えば離れていく都会の日常を緩やかな時間の流れとともに浮かび上がらせる。

 直木賞に輝いた黒川さんは愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒。高校の美術教師を経て昭和58年、「二度のお別れ」で作家デビュー。6度目のノミネートで賞を射止めた。

 受賞作は、人気のハードボイルド「疫病神」シリーズの5作目。建設コンサルタントとヤクザの相性最悪コンビが、映画ビジネスの巨額資金をめぐって大阪、マカオのカジノへと東奔西走する。

 贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。


柴崎友香さん「本当は混乱しています」2014.7.17 23:19 MSN産経ニュース
「春の庭」で第151回芥川賞を受賞、記者会見で喜びを語る柴崎友香さん=17日午後、

 芥川賞受賞が決まった柴崎友香さん(40)は黒いパンツスーツ姿で笑みを浮かべて登場し、一見すると落ち着いた感じを漂わせて会見に臨んだ。

 −−まず受賞のご感想を

 「今回は本当にこんなに大きな賞をいただきありがとうございます。まだ信じられない心地ですが、この賞をしっかりと受け止めて、これから小説を書いていきます。ありがとうございます」

 −−ニコニコ動画ですが、ニコ動をごらんになったことは

 「ないです」

 −−主人公の名前を太郎にした理由は

 「東京の街を描いた小説、特に夏目漱石が好きで、上京してきたころには、内幸町とか矢来町とか『漱石の小説に書かれていた街だ』と感動することが多くて、東京といえば漱石の街という思いがあります。特に漱石の『草枕』と『彼岸過迄』が好きですが、『彼岸過迄』の最初の短編の主人公が敬太郎で、そこから一文字足りないですが借りてきて太郎にしました」

 −−受賞の知らせはどちらで

 「浅草の喫茶店、それからバーで担当さんと。電話が来たときに、最初はあわてて(電話を)切ってしまって。それでもう一度かかってきたときにマークをみたら『拒否』になっていて焦りましたが。電話を受けてしばらく、今回で4回目(の候補)ですが受賞が信じられなかったのですが、ニコニコ動画を見ていた人が多かったのか直後からどんどんメールが来て…。他の賞も合わせると9回目の待ちで、これまでに自宅で待つとかいろんなパターンを試してみました。今回どうやって待とうか、直前まで悩みましたが、古い店の雰囲気が好きで浅草という街も好きなので、浅草で待っていました」

−−今回の作品には柴崎さんの好きなものが全部、入っているような気がするが

 「本当に今回の小説はこれまでに書いてきた要素が詰め込まれた小説になりました。最初からそれを意図したわけではなく、書いていくことで結果としてそうなりました。自分ではない他人の気配をふとしたときにリアルに感じる瞬間、それが写真をみているときだったり街を歩いているときに感じるので、そういう瞬間に自分は心引かれているのだと思います」

 −−以前「これまでに夢をかなえたことはない」とおっしゃっていたかと思うが、今はどうか

 「次へのスタートにまた立てた、という気持ちは変わりません。こんな大きな賞をいただき、改めて書いていかねばと励まされ、背中を押されたような気がしています」

 −−候補になったことは多いが、今回の候補はうれしかったと聞く。受賞した今の思いは

 「まだ実感を受け止められていません。前回の芥川賞候補から4年間、あいていますが、その間にこの賞が現実的なものになってきたというか、作家の友人も受賞しましたし、実感のあるものに変わってきたように思います。今回、候補になって、本当にいろんな方から『受賞を願っています』と言っていただき、こんなに応援してくださる方がいるのかと、それが何よりうれしかったです。作品を読んでくださっている方が大勢いることが実感できました」
−−先ほどの講評で、終盤の「人称のゆらぎに文学的な効果がある」との評があったが、狙ったものか

 「そうですね。小説はどういう構図で世界を認識するかだと思いますが、少し違う角度から読者が世界をみられるようにすることが小説の役割というか、面白さの一つだと思います。今の世界をとらえるときに、客観的なゆるぎないとらえ方というのはできないと思います。いろんな人が見た世界を積み重ねていくことで世界を認識していくしかないんじゃないかと、それを小説の形で表したいと、後半の人称が変わるところはどうしようかと迷いながら書いて、やはり読み手自体が巻き込まれて、読み手がゆらぐようなことが何かできないかな、と考えました」

 −−会話が最後、大阪弁になる

 「私自身、大阪から東京に出てきて9年になりますが、大阪から出てくる直前までは一生、大阪に住むものだと思っていたので、東京に来てみて東京はいろんな場所から人が集まっている街だと実感できました。それぞれの人の中に複数の場所があることを小説の中で書いてみたかった。いろんな場所に思いをはせながら生きていくのが人間かなと」

 −−前回候補になったときと今回との間に『わたしがいなかった街で』という実験的な長編を書いているが、それは今回作に生きているか
「一作ごとの経験が次の小説に生きていると思います。『わたしがいなかった街で』については、私は今40歳で、間の世代というか、戦争と今とのちょうど真ん中に生まれた世代で、自分の世代で書けることが何かあるのではないかとここ何年か考えてきました。今回の作品ではそれはあまり前面に出ていないかと思いますが、そういうことを背景にこれからも書いていきたいと思っています」

 −−漱石から影響を受けたことは

 「夏目漱石の小説は物語と会話、そして社会について考えていることなどが分かれていなくて、同じ平面上に書かれているように思えますが、そこに一番、影響を受けたように思います」

 −−きわめて落ち着いているように見えるが

 「よく友達にも『落ち着いていて穏やかで』といわれるのですが、本当は混乱しているのを表に出さないタイプなので…」

 −−今の内面を小説家として表現するとどんな感じか

 「今、白い空間が広がっている感じで、(報道陣との)間に何か空間があるような、そこをあわてて自分が走り回っているような感じです」

 −−最後にひとこと

 「本当に今回はありがとうございました。小説の仕事を始めて15年になりますが、書き続けてこられたのは読んでくださった方々、執筆を依頼してくださる方々がいらっしゃってのこと。これからも書き続けていかねばならないということだと思いますので、これからも面白い小説を書いていきたいと思います」
ラベル:柴崎友香 芥川賞
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2020年12月13日

吉田修一「悪人」「犯罪小説集」「犯罪」「恋愛」吉田修一コレクション

湖の女たち(新潮社)書評

2020.12.12 土

悪人

◆「悪人」

犯罪コレクションで再読。読みながら「悪人」はだれだろうと考えていた。〇祐一を待ちぼうけさせた佳乃?〇日々を面白おかしく人を馬鹿にしながら楽しく生きる圭吾?〇祐一の運転をあてにする老人達?〇祐一を捨てた母親?〇自首を止めてしまった光代・・他いろいろ。。最後は、光代の「祐一は悪人ですよね」というセリフで終わる。「馬鹿にされて悔しかった」「俺の言うことを信じてくれる人はおらん」の積み重ねが、殺人につながったとしたら「人を馬鹿にする」ことの罪をよく考えたいと思う。佳乃の両親の悲しみのページ他読み応え満載だった



2020.12.8   

「犯罪」コレクションより

◆ランドマーク (2004) 12/9

35階建てOmiyaスパイラルの建設に携わる作業員清水隼人と設計士犬飼洋一の物語。二人が絡みあう場面はない。隼人も洋一の九州出身で父親の行方は知れないという共通点はある。隼人は男性用貞操帯をつけている。なぜそんなものをつけるのかということは終盤で明らかになる。洋一はコンクリート打ちっぱなしのマンションに妻紀子と住んでいるが、事務所のバイト菜穂子とも付き合っている・・特に事件は起きないけれど、不気味なにおいがプンプンして灰色とか夜のネオンの色ばかりを感じる。けれど、隼人が話を始める最後部分は少し暖かい色味が感じらる・・もちろんこのままでは終わらず、色味はまた暗くなって終わる。隼人が貞操帯をつけるきっかけを話す場面では「人は人に癒される」というどこかで聞いたか読んだかの言葉を思い出した。

◆深夜2時の男 (2006.5月)

2020.11.29 日〜12/2

CIMG3674.JPG114.犯罪小説集

p5〜 青田Y字路 ある集落に住み着いて30年になる母と息子。少女失踪事件が起こったときまずうたがわれたのはこの息子だった。なぜ彼がうたがわれるのか・・その経緯や集落に住む各個人の生活や感情をたどっていく。結末は・・残酷だ

p95〜 曼珠姫午睡 ある殺人事件の犯人は中学生時代の同級生だった・・驚きとともに過去を振り返っていく専業主婦

p165〜 百家楽餓鬼 大金持ちの御曹司の男が、ギャンブルにはまったその結末

p233〜 万屋善次郎 誠実に生きてきた男が限界集落となったふるさとに父親を看取るために帰ってきた。故郷に帰ってきただけなのに、なぜこんな理不尽な目に合わねばならないのか。息苦しい気分になる。

p299〜 白球白蛇伝 裕福ではない家庭環境の中、大事に育てられプロ野球選手のなった男の末路。

★★★

p5〜青田Y字路 ある集落に住み着いて30年になる母と息子。少女失踪事件が起こったときまずうたがわれたのはこの息子だった。なぜ彼がうたがわれるのか・・その経緯や集落に住む各個人の生活や感情をたどっていく。結末は・・残酷だ 他4編、全く飽きずに最後まで読み進める。一番印象深いのは「万屋善次郎」かな。誠実に生きてきた男が限界集落となったふるさとに父親を看取るために帰ってきた。故郷に帰ってきただけなのに、なぜこんな理不尽な目に合わねばならないのか。息苦しい気分になる。ラスト犬の描写が悲しい


CIMG3561.JPG  吉田修一コレクション「恋愛


2020.10.20〜

1・最後の息子 p7〜47 1997年

p11愛されるのは簡単、愛され続けるのが至難の業なのだ

僕は閻魔ちゃん(美容師)を愛していない

閻魔ちゃんは毎日酔っている、そして宣言する「私たちは私たちの国をつくるのよ、戦いのない国」

p23僕が付き合った彼女佐和子の話「僕がエンストした車だとしたら佐和子はブレーキが壊れた車」、、次へ次へ上へ上へと目を向けている

僕は長崎出身、右近にだけ言っていたけど詩を書いていた

p25憧れだった右近「神秘的で鍵穴から覗く部屋の印象」退廃的雰囲気、執着心のなさ。朋子はつかみどころのない右近を愛していた・・・退廃はセックスに溺れていた結果だし、執着心の無さももう一つの世界では愛されようとしていたわけで神秘性などひとつもなかった

p28父はただ強く母はただ美しいだけ。結局ぼくは、そんな古臭い家庭に育った息子なのだ (泣きたくなった・・)

p30閻魔ちゃんは試そうとしているのはなく裏切られてみたいのだ。ドラマチックな出来事に飢えている。そう思い当たると自分が情けないジゴロのように思えた。「あなたは役割を果たしていないのよ」と言われている気がした。愛人の裏切りを克服することで愛の確証を得ている。・・寂しがりやの閻魔ちゃん

p32閻魔ちゃんに嫌われたいのなら「ぼくは詩をかいています」といえばいい、嫌われたくないからこそ「邪魔だどけ」と叫ばなければならない。閻魔ちゃんのような人が縋り付くのは探偵小説を読む僕であって(社会とのつながり)詩集を読む僕ではない

p33自分たちを馬鹿にしているのが自分たちなのだ

※※

2.グリーンピース p48〜85 1998年

僕・・・失業中 寝たきり入院中の祖父がいる。
千里・・プロジェクトの責任者を任されるようなバリバリ

鷹野さん
椿さん

千里が用意してくれたグリーンピースを壁になげつけ喧嘩がはじまり、千里は出ていく・・鷹野さんはじめ僕の友人たちと寝ようとしている
僕は椿さんを誘うが椿さんは応じない。僕千里鷹野さん椿さんの4人で食事をしようと計画する。千里の家で料理を作る僕。出来上がりが遅いので帰宅する椿さん鷹野さん。僕と千里は大量の酢豚を食らう・・

意味不明、わけわからない・・のが恋愛なんだな。相手のことを思っているようでして、実は自分中心の思考と行動・・恋愛なのだ


2020.10.21

3.日々の春 P88〜P94 2001年 
新入社員の立野くんは酔うと昔の彼女の話をする。。。

4.24Pieces P96〜p98

5.春、バーニーズで p100 〜 p108
筒井は息子文樹の入園式用に切る服を購入するため妻に連れられて新宿に来た。そこで10年近く前に一緒に暮らしていた人を見かける。・・p106「うんざりするほど誰かに愛されたことのある人間は。うんざりするほど誰かを愛するすべを身に着けるのかもしれない」

5-1.パパが電車を降りる頃 9109〜P110
筒井と息子文樹(は妻瞳の連れ子)

5-2.夫婦の悪戯 p120〜p130
筒井と妻瞳の物語
筒井は瞳に昔オカマバーのママと暮らして食わせてもらっていた時期があるといい、瞳はオジサンに体を売ったことがあるという

5-3.パーキングエリア p131〜140
高校生2年生の筒井。修学旅行先の日光で高校入学祝いに買ってもらった腕時計を置き忘れてきた。
ある日、筒井は会社に行くことをやめて東北自動車道にのった。

最後、日光のホテルから妻に電話して戻ることを伝える・・妻は黙ったホテルの部屋をとり、初老のボーイに筒井を部屋へ案内する・・

※つまらん!!妻できすぎ、嫌み、へどがでる・・とまず思う。・・筒井も幼稚、会社さぼるな・・そういう気持ちはわかるけど。

5-4楽園 p141〜P145
p145 彼女が僕と違う時間を生きるようになって2年。僕の時間が打ち寄せる波だとすれば、彼女の時間は遠く水平線へ消えてゆく白いヨットだ

6.愛のある場所 p148〜p156

私、就職して5年目、サトルに振られた時期、閻魔ちゃんと出会った。そして閻魔ちゃんの店でケンジと出会った。3か月後同棲、ケンジは実家のガソリンスタンドを閉めてほしくないと送金を続けている。・・サトシからやり直したいと連絡があった。身勝手な男、愛を忘れられない私。閻魔ちゃんが言っていた「悔しさと恋愛しているときの気持ちは似ている。キーっとなっているところ」私は全然違うと思いたかった。愛あるところは穏やかな場所であると。

7.愛を誓う P158〜p166

閻魔ちゃんと知り合って20年の時が流れていた。閻魔ちゃんの店で筒井は同じ年の真希と会い一夜を過ごした。
ハイヒールを履く瞳に筒井は手を差し出した。
p160「文樹が2歳のとき瞳と結婚した。文樹を自分の息子だと思って育ててきた。しかしそれが口先だけのことだったのだと、この入院で気づかされた。なぜならこの時筒井は、文樹の代わりになら自分は死ねるといとも簡単に思えたのだ

2015年、真奈美と優菜の結婚式の話・・P166「する、しない」の立場にいる人は「できる、できない」の立場にいる人の哀しみなど想像しないのだ。

7.六丁目の角で p168〜P174 雅司「なんだよ、つまんねえ話ばっか」 かつてイケメンだった雅司は3年前に広告代理店営業職を辞めてからツイてない42才。閻魔ちゃんはいう p170「あんた更年期よ、女とおかまは、昔私モテたのよ。ノンケの男は 昔悪だったんだよって話を始めるのよ」。。ついてないなあと考えていると閻魔ちゃんの話を思い出す
p173「嘘ってさ、人を遠ざけるのよ。あんたがこっちの世界で嘘つかなかったら大丈夫よ。こっちでも嘘つき始めたら・・誰もいなくなる、寂しいどん底へ逆戻り」

8.「愛住町の女」p176〜P185

律子
夫博司・・小野構造株式会社社長

一人娘千鶴が社員の相楽に恋をしている。千鶴は大学卒業後、広告代理店に就職、1年で辞めて2年ロンドン留学ののち、父親の会社を手伝っている。相楽には妻子がいる。
律子は仕事帰りに一杯飲みに行く。。。閻魔ちゃんとの出会いがある・・

9.「女たちは二度遊ぶ」p188〜

どしゃぶりの女」ユカは炊事洗濯掃除なにもしない女だった・
殺したい女」「自己破産の女」「泣かない女」「平日公休の女」他etc

10.「ひなた」p282〜p411


※※※

閻魔ちゃんが経営している新宿2丁目のバーでのいろいろな愛のお話と愛についての考察。
posted by りょうまま at 17:56| Comment(0) | 吉田修一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

長嶋有「今も未来も変わらない」「問いのない答え」「夕子ちゃんの近道」「パラレル」

2020.12.13 日 12/14〜12/17

CIMG3708.JPG119.「今も未来も変わらない

40代星子さん小説家離婚歴あり高3年娘あり親友あり年下彼氏?あり。。仕事に恋に子育てに何かと忙しいけど。。充実していて楽しそうだよ、星子さん!!50代になるときっと体調不良にいっときは陥るよ、健康には気を付けてね・・・星子さんたちみたいなさばさばしててたくましい性格だったなら、人生いろいろあっても楽しいだろうなあ。・・・と思って読んでいたらだんだん寂しくなってきた、朝までカラオケをして自宅に電車で帰る場面とか、遊園地に行って「私も古ぼけた」と思う場面とか・・。長嶋有さんてほんとに男性??と確認したほど、中年女性の機微をわかっているーー。最後は少し楽しくなったけど、寂しさはぬぐわれないまま終了です・・コロナ禍前の貴重な日常の小説だーーーと呼んでいたら、最後、でたよ「コロナ」!!・・やれやれ


第1話「志保」は長年付き合った恋人に振られ、「星子」とスーパー銭湯にやってきた。志保と星子は30代から10年以上の付き合いになる。志保が5歳年上で50代。星子の娘は「拠(より)」「スーパー銭湯は高速道路のサービスエリアのようなものだ(p12)」


2014.9.17

問いのない答え」(2013.12)

なにをしていましたか?
先週の日曜日に、学生時代に、震災の日に――様々な問いと答えを「遊び」にして、あらゆる場所で緩やかに交流する人々の切実な生を描く、著者四年振りの長篇群像劇。

震災発生の三日後、小説家のネムオはtwitter上で、「それはなんでしょう」という言葉遊びを始めた。一部だけ明らかにされた質問文に、出題の全容がわからぬまま無理やり回答する遊びだ。設定した時刻になり出題者が問題の全文を明らかにしたとき、参加者は寄せられた回答をさかのぼり、解釈や鑑賞を書き連ね、画面上に“にぎやかななにか”が立ち上がるのだ。最近ヘアスタイリストと離婚したばかりの「カオル子」、ボールベアリング工場勤務の「少佐」、震災を機に派遣社員をやめた「七海」、東京郊外の高校に転校してきたばかりの美少女「蕗山フキ子」……気晴らしの必要な人だけ参加してくださいという呼びかけに集まったのは、数十人の常連だった。グラビアアイドルに取材する者、雑貨チェーン店の店長として釧路に赴任する者、秋葉原無差別殺傷事件の犯人に思いをやる者、亡き父の蔵書から押し花を発見する者、言葉遊びに興じながら、彼らはさまざまな一年を過ごす。そして二〇一二年四月、twitter上の言葉遊びで知り合ったある男女の結婚を祝うため、たくさんの常連たちが一堂に会することになり――。

「言葉遊び」の悲喜劇『問いのない答え』 (長嶋有 著)安藤 礼二Reiji Ando|文芸評論家

2013.12.18 07:30

この十数年の間で、インターネットは驚くべきスピードで人々の間に拡散し、浸透した。それとともに個人の情報発信も容易になった。人々はハンドルネームという「仮面」を被りながら、日々の生活の細部や「内面」を、自らが撮影し、あるいは自らが描いたイメージとともに吐露し、他の人々もその「つぶやき」に匿名で、瞬時に反応することができるようになった。しかも、それらの過程をすべてその目で見ることができるのである。ネットの大海のなかでは不謹慎な欲望も簡単にかない、不注意な一言でそれまで築き上げてきた信頼が一瞬にして失われる。ネットを流れていくのはイメージも含めてすべてが「記号」、すなわち「言葉」である。時間や空間の壁を乗り越えて、あらゆる人があらゆる人とつながり合うことが可能になった。

「言葉」を使うこと、あるいは「言葉」の変容に対してきわめて鋭敏な感覚をもっている長嶋有は、無数の短い「つぶやき」が積み重ねられ、その度ごとにさまざまな関係が構築されては消滅してゆくツイッターを舞台に新たな小説を書いた。特にこの日本で、ツイッターの功罪が大きく論じられるようになったのは、2011年3月11日の東日本大震災以降のことであろう。携帯電話網が役に立たず、テレビや新聞の報道が行き届かないなか、かろうじて「つながり」が保たれていたのがツイッターだった。人々は他のメディアが機能不全に陥るなか、ツイッターを通じて多くの貴重な情報を得、多くの貴重な「言葉」を得た。もちろんそれとともに、同じくらいの、あるいはそれ以上の、根本的に誤った情報や聞くに堪えない罵詈雑言や中傷の「つぶやき」にも埋め尽くされていたのではあったが……。

長嶋が新たな小説のスタートラインを引くのは、震災の直後からである。いくぶんかは現実の作者のイメージが投影された物語のなかの登場人物、作家のネムオはツイッターを通じた「言葉遊び」を始める――「地震のあった三日後、ネムオは仲間と『それはなんでしょう』という言葉遊びを始めた。よく分からない質問に、無理矢理回答する遊びだった」。たとえば、「どうしますか?」という質問が提出される。なにがどうしたのかはいまだ分からない。分からないまま、それぞれが答えを出していく。答えがほぼ出揃ったころで質問の全体が明かされる。1つの質問に無数の回答が与えられる。そこには思いもかけなかった「言葉」と「言葉」の出会いが実現されている。 まさに「問いのない答え」が連鎖していくことで、さまざまな人と人の出会いも「つぶやき」を介して、その「つぶやき」の積み重ねのなかで実現していくのである。
震災による荒廃に抗するために長嶋が選んだのは、震災をリアルに描くことでもなく、寓意的に描くことでもなく、誰にでも容易に実現可能な他愛もない「言葉遊び」を通じて、その後の変化を、多くの視点の分岐と総合によって実験的に記録していくことだった。そうした主題と手法こそ、長嶋が選んだ作家としての倫理であったはずだ。ネムオが始めた「言葉遊び」について、長嶋は、別の登場人物にこう述懐させている――「余震に脅えていたときにこの言葉遊びが始まった。気晴らしの必要な人だけ参加してくださいとネムオは呼びかけていた。ツイッターに熱心な友人に誘われて参加してみて、その友人よりも耽溺した。真っ黒い波がひいて大きな漁船が畑に横たわる、言語がおかしくなったような状況で、言語を無茶苦茶にする遊びに気晴らしどころか全力で取り組んだ」。

「言葉」が人を集め、「言葉」が人を別れさせる。ネットではその出会いと別れが同時に重なり合う。『問いのない答え』という小説もまた、はじめは固定されていた物語の視点がその進行とともに多様化され、重層化されていく。新たな「言葉」の環境を探るためには小説もまた新たなスタイルを取らなければならないのだ。「言葉」は現実の被災地に届くとともに虚構の「個性」をも発生させる。そしてそこには肯定的な側面ばかりでなく、否定的な側面ももちろん存在している。長嶋は、ネットの掲示板で「問いのない答え」を出し続けた挙げ句、無差別殺人事件を引き起こした現実の人間、加藤智大の「言葉」を繊細にトレースしてゆく。そして登場人物にこう呟かせる――

「言葉遊びという平和そうな無邪気な行為に、急にグロテスクなものを感じ取ったのだ」、あるいは「今、加藤の掲示板とほとんど同じ手段で、大量の言葉で、我々は必死に遊んでいる」とも。

リーダブルで微笑みを誘う物語でありながら、「言葉」の新たな状況に鋭く切り込み、その可能性と不可能性、喜劇と悲劇を浮き彫りにした意欲的な作品である。
『問いのない答え』長嶋 有 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS

2014.1.3〜

Bパラレル・・・妻の浮気が先か、それとも僕の失職が原因か?
ともかく僕は会社を辞め離婚した。複数の女性と付き合う友人・津田、別れてもなお連絡が来る元妻との関係を軽妙に描いた著者初の長篇amazonn

2013.9.25

夕子ちゃんの近道」2006.4

「そんなことしてどうするのって問いかけてくる世界からはみだしたいんだよ・・」(p61)

長嶋有(ながしま ゆう、1972年9月30日 - )は日本の小説家である。ネット・コラムニスト「ブルボン小林」、俳人「長嶋肩甲」[1]としても活動している。俳誌「恒信風」所属。
埼玉県草加市生まれ、北海道登別市・室蘭市育ち。登別市立幌別西小学校、室蘭市立港南中学校、北海道室蘭清水丘高等学校普通科を経て、東洋大学2部文学部国文学科を卒業。

1990年代半ばからASAHIネットのパソコン通信に出入りし、「パスカル短篇文学新人賞」に応募するなどしていた。1997年にシヤチハタに就職し、結婚。ネットで知り合った仲間と俳句の同人に参加するようになり、その中の一人には川上弘美がいた。1998年に「ブルボン小林のインテリ大作戦」というウェブサイトを立ち上げる。投稿作品が予選通過や佳作を取るようになったため1999年にシヤチハタを退職、作品執筆に専念する。2000年にASAHIネット時代からの友人が立ち上げたメールマガジンにコラムを連載し、フリーライターとして活動を開始。

2001年に5つの文芸誌に同時に応募、このうち『文學界』に送った『サイドカーに犬』が第92回文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。同作で第125回芥川賞候補となる。2002年、『猛スピードで母は』で第126回芥川賞受賞。

2003年、『タンノイのエジンバラ』で第29回川端康成文学賞候補。2004年、『夕子ちゃんの近道』で第30回川端康成文学賞候補。2007年、『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞受賞。同年『サイドカーに犬』が根岸吉太郎監督により映画化。また2008年に『ジャージの二人』が中村義洋監督により映画化された。

2006年に柴崎友香、名久井直子、福永信、法貫信也とともに同人誌『メルボルン1』を刊行、2008年にも第2弾『イルクーツク2』を刊行している。

2011年からは漫画制作ソフト「コミPo!」を使用し、ウェブコミック配信サイト『ぽこぽこ』(太田出版)にて漫画作品『フキンシンちゃん』の連載を開始する。この『フキンシンちゃん』は2012年に加筆修正の上、ウェブコミック配信サイト『WEBコミック EDEN』(マッグガーデン)へと移籍し第1話より再掲載されており、単行本も同社より発売されている。

漫画好きであり漫画への言及も多い。著書のいくつかの表紙絵も漫画家に依頼している。14歳のとき室蘭市まで講演にやってきた手塚治虫と握手してもらったという。ブルボン小林名義で、手塚治虫文化賞選考委員を務める。
父・長嶋康郎は『古道具ニコニコ堂です』(河出書房新社)などの著書のある国分寺市の古道具店「ニコニコ堂」の店主。同店の常連であった関係から、佐野洋子が『猛スピードで母は』の装画を手がけている。伯父・長嶋善郎は言語学者で学習院大学名誉教授。
自身がPHS(ウィルコム)ユーザーであることを公表している。「まだ(使ってるの)?」と聞かれることが多いため、PHS使いとして、その気持ちを察してほしいとコラムにも書いたほどである[2]。
「ブルボン小林」というペンネームは、ASAHIネット時代にブルボンと小林製薬のコマーシャルのセンスについて熱弁したところ名付けられた。
作品一覧[編集]
小説
猛スピードで母は 2002年1月、文藝春秋 2005年、文春文庫(解説:井坂洋子)
 サイドカーに犬(『文學界』2001年6月号)
 猛スピードで母は(『文學界』2001年11月号)
タンノイのエジンバラ 2002年12月、文藝春秋、2006年、文春文庫(解説:福永信)
 タンノイのエジンバラ(『文學界』2002年2月号)
 夜のあぐら(『文學界』2002年5月号)
 バルセロナの印象(『文學界』2002年10月号)
 三十歳(『新潮』2002年10月号)
ジャージの二人 2003年12月、集英社、2007年、集英社文庫(解説:柴崎友香)
 ジャージの二人(『すばる』2003年3月号)
 ジャージの三人(『すばる』2003年11月号)
パラレル 2004年6月、文藝春秋、2007年、文春文庫(解説:米光一成)
 初出:『文學界』2004年2月号
泣かない女はいない 2005年3月、河出書房新社、2007年、河出文庫(解説:加藤陽子)
 泣かない女はいない(『文藝』2004年秋号)
 センスなし(『文藝』2003年夏号)
 二人のデート(書き下ろし)
夕子ちゃんの近道 2006年4月、新潮社、講談社文庫(解説:大江健三郎) 
 瑞枝さんの原付(『新潮』2003年4月号)
 夕子ちゃんの近道(『新潮』2003年7月号)
 幹夫さんの前カノ(『新潮』2004年1月号)
 朝子さんの箱(『新潮』2004年3月号)
 フランソワーズのフランス(『新潮』2004年7月号)
 僕の顔(『新潮』2004年12月号)
 パリの全員 (書き下ろし)
エロマンガ島の三人―長嶋有異色作品集 2007年6月、エンターブレイン、文春文庫(解説:バカタール加藤) 
 エロマンガ島の三人(『オトナファミ』2006年夏号 - 冬号)
 女神の石(Webマガジン『アニマソラリス』・2001年)
 アルバトロスの夜(Webマガジン『アニマソラリス』20号・2002年)
 ケージ、アンプル、箱(『小説現代』2004年4月号)
 青色LED(書き下ろし)
ぼくは落ち着きがない 2008年6月、光文社、ISBN 978-4334926113、光文社文庫(解説:堺雅人)
 ぼくは落ち着きがない(『本が好き!』連載、2007年2月号 - 2008年1月号)
ねたあとに 2009年2月、朝日新聞出版 ISBN 978-4022505316、朝日文庫(解説:長嶋康郎)
 『朝日新聞』夕刊連載(2007年11月20日 -2008年7月26日 、挿画・高野文子)
祝福 河出書房新社 2010.12
 マラソンをさぼる(『ダ・ヴィンチ』2003年11月号)
 海の男(『新潮』2005年11月号)
 ファットスプレッド(『小説すばる』2006年5月号)
 十時間(『すばる』2010年10月)
 祝福(『文藝』2010年)
佐渡の三人 講談社 2012.9
 佐渡の三人(『文學界』2007年1月号)
 戒名(『群像』2009年3月)
 スリーナインで大往生(『群像』2011年11月号)
 旅人(『群像』2012年6月号)

単行本未収録作品[編集]
オールマイティのよろめき(『文學界』2005年1月号)
邦夫のイメージ(『読売新聞』夕刊、2006年5月10日)

随筆[編集]
いろんな気持ちが本当の気持ち 2005年7月、筑摩書房、ちくま文庫(解説:しまおまほ)
電化製品列伝 講談社、2008→電化文学列伝 講談社文庫(解説:豊崎由美)
安全な妄想 2011年9月、平凡社

長嶋有 - Wikipedia

長嶋有公式サイト
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2020年12月09日

歌集「滑走路」

2020.11.22

CIMG3657.JPG114・歌集「滑走路

映画の原作になったという短歌集。映画。。というワードに興味を惹かれて、ポチっと購入。2017年刊行の短歌集ということ、作者萩原氏は2歳という若さで亡くなってしまったこと、中学生のころのいじめの後遺症で苦しんでいた ということを知って読み始めた・・
全体を通して感じるのは、「優しさ」・・けど「つらい」「力強い」・・けど「つらい」・・。鼻をぐずぐずいわせ、目じりをティッシュでぬぐいつつ読んだ


2020.11.27 金

最初のページに書かれているのは p13 @「いろいろ書いてあるのだ 看護師のあなたの腕はメモ帳なのだ」。。季節はいつだろう、6月ころだろうか。白い半そでの制服を着ている、そうだなあ・・看護師2年目くらいだろうか・・中肉中背かな。おひさまの加減で顔はよく見えない・・できぱきと点滴の残量を確認したり体温を測っている様子、寝ているベッドからその動き回る姿を目で追っているときにふと目にとまった腕の文字・・「いろいろ書いてあるのだ・・」と詠んでいる。荻原氏は、この短歌集の編纂をするにあたって、「さあ、私の短歌の世界へようこそ、じっくりごらんくださいね」といった気持ちで、最初のページにこの句を持ってきてくれたのかな。

p14A「抑圧されたままでいるなよ 僕らは31文字で鳥になるのだ」・・力強く美しい。。青い空を飛んでいく渡り鳥の群れが浮かぶ。「抑圧」に怒りを感じるが、荻原さんはこの句を詠んだとき、「怒り」感情は過去のものだったように思う。けれど「怒り」があった今もあるんだということを自分に言い聞かせるために使っているようにも思う。「怒り」「悔しさ」を昇華する方法の一つとして、31文字で様々なことを表現してひろい大空を駈け廻ろうよ、仲間よ!!と語りかけているのだろうか・・

B「路上音楽家の叫び・・」 作者は路上音楽家の真正面に立っているような気がする。時間は。。21時ころ人口100万人都市の駅前・・金曜日


p15C「挫折などしたくはないが・・・」東京という都会は・・表向きは華やかでキラキラしている、若い子はおおむね東京に憧れを抱く。その実像はいかがなものか。。東京へのあこがれを抱くのは大いに結構、だけどこういう詩から、東京で生きていくことの厳しさを想像することも必要かもしれない・・想像が難しいならば頭の片隅に置いていてもらいたい・・とまもなく高校を卒業する彼を思い浮かべる


2020.12.2

p15D「破滅するその前にさえ美はあるぞ・・ 」太陽が沈む=破滅としてとらえることに驚きを感じるとともに悲しい気持ちになる。私は、夕方の真っ赤な太陽に何度も心を揺さぶられているから。圧倒的な迫力と美しさを感じる。・・破滅ととらえる作者の気持ち・・どんなにか嫌な屈辱的に感じるような出来事があった1日だったのかもしれない。

p15E「ぼくにとってのあなたのごとく黄金に光る太陽夕空にあり」こちらはD句とは違い、沈む太陽を、明るく輝く笑顔のようにとらえている。とてもほっとするし私も笑顔になる。好きな誰かを思って詠んだのだとしたらとても素敵だ。

2020.12.9

p16F「自由な空よ・・」 「あなた」=「自由」 「自由な空」==空を眺めていると時間を忘れる。いつまでも飽きずに眺めていられる。空の様子は刻々と変化する。雲が出ていればなおさらだ(形状は一瞬も同じではない)運転中に空を見上げるのは厳禁だ。せいぜい雨が降りだしたとか確認するくらい。。ぼーっと空を見上げてたらあっという間に追突事故だ。・・私たちはいつもなんやかんや忙しい。だから空を見上げる時間は貴重だ。空をみるとほっとする・・しばしほっとした気分を味わったあとは、「広いなあ」とか「綺麗だなあ」とか「なーんかどっかに行きたくなってきた・・」と想像妄想は果てしなく広がる、夢も広がるかもしれない・・のびのびした自分になっていく。そして自分がいかに窮屈に生きているかを再確認するのだ。「自由な空」「あなた」というのは、私には、様々な夢を持ち、生き生きと笑顔満開で生きていきたいのだという自分の姿だ。

p16G「更新を続けろ、更新を ぼくはまだあきらめきれぬ夢があるのだ」・・萩原さんはたくさんの夢があったのだろう。この短歌集を出すことも夢の一つだったと思う。不自由な日常生活が続くと、疲弊ばかりを感じ、夢なんて忘れてしまう。「駄目だよ、頑張ろうぜ」と萩原さん自身に、またそれを見た読者に「更新を続けろ・・」という短歌にしてエールを送っている。声に出してよむと、力が湧いてくる












posted by りょうまま at 05:45| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月08日

江國香織「去年の雪」「旅ドロップ」「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」「なかなか暮れない夏の夕暮れ」「犬とハモニカ」「ちょうちんそで」「真昼なのに昏い部屋」「金平糖の降るところ」「赤い長靴」

2020.12.5 〜 12/8

CIMG3688.JPG115・去年の雪 2020.2

様々な人物が登場し(100名はいたはず)短いエピソードとともに消えていく。幼い子供小学生高校生若者女性男性中年老年・・死者もいたしクロネコもいた。舞台もほとんどは東京のどこかのようであるが、わずかではあるが、北海道でのエピソードもあったし、死者のいる場所もあった。時代も現在と昭和の初めころとおおわれるエピソードもあった。。車窓から眺める風景のように次々短い話が展開していくだけなのだが、だんだん楽しい気分になる。世の中にはこんなにもたくさんの人々がいるのだ、自分は一人じゃないんだみたいな。たしか高校生のころすごく孤独で寂しい気分のとき、暇つぶしの読書で、外国を旅したような晴れ晴れとした気持ちに変化したときを思いだした。


★★★

市岡謙人は事故で息をひきとった。

※1ページ目から、登場人物がいっぱいで。。メモ必要( ^^) _U~~

★★★

p10 日にあたためられた砂はもっさりして歩きにくい。ざばん、と打ち寄せた波がひくときの、ぷちぷちと泡が弾ける音にみずきは、耳を澄ます。



2020.1.11 土 CIMG2976.JPG  江國香織「旅ドロップ」p52「私たち、東京ガールなのよ?東京のあの複雑な地下鉄を日々乗りこなしていrんだから、パリのこんな地下鉄くらいへっちゃらよ。お茶の子さいさいだわ、恐るるに足りない」

2018.7.25

73.「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」(2014.10)・・再読




2017.10.29〜11/3  2020.1.2〜

163.「なかなか暮れない夏の夕暮れ」(2017.2)

CIMG1749.JPG

50歳、消極的なのに女の出入りが激しいなんて
江國香織の新作長篇『なかなか暮れない夏の夕暮れ』を読む
source : 週刊文春 2017年3月2日号
genre : エンタメ, 読書, ライフスタイルhttp://bunshun.jp/articles/-/1516
孤独で不思議な魅力を持つ男性と、彼をとりまく女性たち。江國ワールドと称される世界観で読者をとりこにする江國香織さんが新作長篇『なかなか暮れない夏の夕暮れ』を上梓した。書店員からライターへ転進した石井千湖さんはどう読んだ?
◆◆◆
 日が暮れるころのことを夕暮れというのだから〈なかなか暮れない〉というのは不思議なタイトルだ。けれども、主人公の稔について知れば知るほどぴったりに思えてくる。彼は親の遺産で暮らし、子供のような服を着て、本ばかり読んでいる。行動範囲は狭く、女性に対して消極的なのに、なぜか女の出入りが激しい。五十という年齢を考えれば人生の黄昏時にさしかかっているはずだが、なかなか暮れない男なのだ。
 稔の日常とともに、ドイツと日本を往復する姉、一緒に住んではいないが読書好きという共通点がある娘、稔と親族の顧問税理士を務める友人、道楽で開いたソフトクリーム屋の従業員など、周囲の人々の日常が描かれる。同じ夏の夕暮れに、それぞれ異なる不安を抱え、異なる景色を見ている人たちの時間が重なり合うところがいい

 例えば稔とデートする同級生は、夕風の渡るビアガーデンで初めてホテルに行った日のことを甘やかな気持ちで思い出す。ところが、自分と寝ても彼の態度が以前と全く変わらないことに気づく。また、籍を入れないまま稔の子を産んだ元恋人は、別の男と結婚し、望んでいた普通の家族を手に入れたにもかかわらず、ガラス越しに夕空を眺めながら逃げだしたい衝動にかられてしまう。

 稔は近づいた人に物寂しさを感じさせる。夕暮れみたいに。彼はみんなに優しく親切だが、友情と恋愛の区別をつけない。意図しているわけではなく、区別をつける発想がない。この世でいちばん好きなのは姉だが、彼女が遠くへ行っても引き止めることはない。誰も縛らず、誰にも縛られない彼は、自由な代わりに独りだ。ただ、不幸ではない。きっとそばにいつも本があるからだろう。

 作中には稔が読んでいる小説の文章がそのまま挿入されている。一冊は北欧ミステリーで、もう一冊はカリブ海に浮かぶ島が舞台の恋愛小説だ。どちらも血なまぐさい物語だが、彼は世界に入り込み、登場人物のことを親しい友人のように話す。読書は現実から逃避するためのものではなく、何かの代償行為でもない。本のなかで過ごす時間は、彼にとって人生と不可分の一部だからだ。

 本で出会った人たちの言葉は、稔に静かに寄り添う。大好きな姉と同じ場所で違う本を読むシーンは美しく、小説に出てきた珍しい料理を作ってみるくだりは愉しい。孤独と幸福は両立するということを教えてくれる本だ。できるだけ長くこの夏の夕暮れのなかにいたくて、なかなかページを繰れない。

えくにかおり/1964年東京生まれ。87年「草之丞の話」で小さな童話大賞を受賞し、デビュー。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。

いしいちこ/1973年佐賀県生まれ。早稲田大学卒業後、書店員を経てライターに。読売新聞ほか新聞、雑誌で多数書評を手がける。

2017.6.8(木)

犬とハモニカ

2016.9.25〜再読「赤い長靴

夫の背中に向かってひとり微笑む日和子。危ういけれどかけがえのない、夫婦というもの。江國ワールドが新展開する注目の連作短篇 --
内容(「BOOK」データベースより)
「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景―幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。 赤い長靴 (文春文庫) 江國 香織 本 Amazon.co.jp


2015.1.12・・再読
2014.2.5〜

ちょうちんそで」2013.1月

取り戻そうと思えば、いつでも取り返せる――闇の扉を開く新しい長編。いい匂い。あの街の夕方の匂い――人生の黄昏時を迎え、一人で暮らす雛子の元を訪れる様々な人々。息子たちと幸福な家族、怪しげな隣室の男と友人たち、そして誰よりも言葉を交わすある大切な人。人々の秘密が解かれる時、雛子の謎も解かれてゆく。人と人との関わりの不思議さ、切なさと歓びを芳しく描き上げる長編。記憶と愛を巡る物語。
Amazon.co.jp: ちょうちんそで: 江國 香織: 本

余生を送るにはまだ早いであろう54歳の雛子は、高齢者向けマンションに暮らす。一人暮らしの雛子だが、長い間疎遠で、目の前に存在しないはずの妹・飴子と幻のおしゃべりを楽しんで過ごすことが多い。古い思い出話や、マンションに住む人々のうわさ話など、二人の対話は尽きることがない。
 章が切り替わるごとに、若夫婦や大学生カップル、同じマンションに住む老夫婦たち、カナダの日本人学校に通う少女と先生といった異なる人々が現れ、各々の生活が描かれる。断片的な描写が、緩やかに全体像を見せたかと思えば、逆に謎が深まることもある。
 
表面的には穏やかでも、人は多かれ少なかれ、過去の記憶や秘密、様々な思いを抱えて生きる。雛子もまた同じだ。日常にさざ波が立ち、誰かの波のあおりを受けることもある。音、匂い、味といった五感を絡めて丹念に描かれた文章を追うことは、他者の内面を覗き見しているかのようでもある。その中に、人とのつながりの妙や、人生の先を見通すことの困難さなども見えてくる。静かで趣深い物語。

ちょうちんそで [著]江國香織 - 吉川明子 - 話題の新刊(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

★★★

2013.9.16(月)

真昼なのに昏い部屋」(2010.3)

社長業の夫、浩さんに守られて日々の生活を送っている美弥小さん
夏のある日、アメリカ人のジョーンズさんと知り合い。。

美弥子さんは掃除好き、料理好き、じっとしていてはいけないとおしゃべりの合間にも手仕事を欠かさない
ジョーンズさんは来日して18年、15年別居中の奥さんと娘と息子がアメリカにいる
小鳥のような美弥子さんと来いに落ち。。美弥子さんは、「世界の外」(対岸)にでてしまったと気づき、驚愕。。ラストは弘さんと別居、ジョーンズさんは美弥子さんを「小鳥には見えなくなった」と思う

一気読み・・大人のための童話・・という宣伝文句があったような・・そのとおりだと思
様々な恋愛小説を読んでいると・・
今回ふと・・「なぜ人は恋愛するんだろう・・」と思ってしまった😵
恋愛は必ず冷めるのだなあ。。

ジョーンズさんといると、世の中にはいろいろな人がいること、色が溢れ音が溢れ匂いが溢れていること、すべて変化すること、すべての瞬間が唯一無二であること、でもだからこそ惜しまなくてもいいことなどが、こわいくらい鮮烈に感じられます・・

自分のまわりに確固たる世界があると思いこむのは錯覚にすぎません・・


内容紹介
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私は転落したのかしら。でも、どこから?
恋愛とは。結婚とは。不倫とは。
かつてない文体で本質を描き出す中央公論文芸賞受賞作。

軍艦のような広い家に夫・浩さんと暮らす美弥子さんは、「きちんとしていると思えることが好き」な主婦。アメリカ人のジョーンズさんは、純粋な彼女に惹かれ、近所の散歩に誘う。気づくと美弥子さんはジョーンズさんのことばかり考えていた――。恋愛のあらゆる局面を描いた中央公論文芸賞受賞作。
解説・奥泉光
真昼なのに昏い部屋 江國香織 講談社

2013.7.14〜

江國香織金平糖の降るところ」2011.9

プエノスアイレス近郊の日系人の町で育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃からボーイフレンドを共有することをルールにしてきた。
留学のため来日した二人は誰からも慕われる笑顔の男・達哉に好意を抱く。達哉は佐和子との交際を望み、佐和子は姉妹のルールを破り達哉と結婚。ミカエラは新しい命を宿してアルゼンチンに帰国する。
20年後、佐和子は突然、達哉に離婚届を残して不倫の恋人とともにブエノスアイレスに戻る。
ミカエラは多感な娘に成長したアジェレンと暮らしていたが達哉が佐和子を追いかけアルゼンチンにやってくると・・・

『金平糖の降るところ』江國香織 | 小学館

抱擁、あるいはライスに塩を(2010.11)
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2020年12月04日

12/3に借りてきたもの

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2020年12月02日

三島由紀夫「命売ります」

2020.12.2 水 12/5読了

CIMG3682.JPG115「命売ります」


コピーライター羽仁男27才、睡眠薬自殺に失敗。会社をやめ、失敗はこりごりだけど死にたい気持ちは変わらないので「命売ります」と新聞広告をだした。訪れる依頼人たちの要求に淡々と応じていく。結果、依頼人は救われ、羽仁男は生き続け、おまけに金持ちになる。・・・「人生は無意味だ」と言いながら、飄々と生き続けていく。羽仁男はサラリーマンとして働いている時のほうが死んでいた。。と思う「物事をあんまり複雑に考えるのはよしなさい、いつでも死ぬ気でいると、人生は単純浅薄です(p159)」と依頼人に話してみたり・・・・「僕は君になんか命を売った覚えはないよ、僕の命はぼくのものだよ」と共に死のうという女性に言うようにもなる・・・緊張感をもって読んでたのに・・最後の羽仁男の有様は・・「こうなるのか」と膝から崩れ落ちる感じで、苦笑とともにおしまい。「死ぬ」という単語が何度も繰り返される割に、じめっとしてた気分にならないなあと思っていたけど最後まで読んで納得。羽仁男がその後どうなるかはわからないけれど、「死にたくない」という気持ちに変化していく過程を面白く読んだ。文庫本の帯は「こんな面白い作品、ほっといていいわけない」。

★★★

コピーライター羽仁男27才、睡眠薬自殺に失敗したのち、会社をやめ「命売ります」と新聞広告をだした。

p11. 「自殺をしそこなった羽仁男の前にはなんだかからっぽな素晴らしい世界がひらけた」

(からっぽ=素晴らしい  ふむ・・)

p12 「それにしても、新しい人生というのはなんとがらんとしているのだろう、まるで家具のない部屋のように」

1.やってきたのは「舌をシューシュー言わせる」老人。外をほっつき歩く3度目の妻岸るり子23才を殺してほしいというもの。


p47 「彼は一度死んだ人間だった。だからこの世になんの責任もなければ執着もないはずだった。彼にとって、世界とは、ゴキブリの活字で埋まった新聞紙に過ぎなかった。

P54 2. 「ひっつめ髪の中年の一向にぱっとしない女が立っていた」  図書館勤務。

P73「50万円で薬の実験うけあう。但し男性」

40万円で命をうり、薬を飲んだ羽仁男は、もうろうとした状態でピストルで頭を打ちぬこうとした瞬間、命を買った図書館勤めの女がピストルをうばい自分の頭を打ちぬいて、男の身代わりになって死んだ。なにもピストルを奪うだけでよかったのに、なぜ自殺したのか。それは図書館女が羽仁男を愛し始めてしたから。。。。(全く理解できない・・本気で作者がそう思う女がいると考えているとしたら、女性を馬鹿にしてる、下等なものとみなしているのかなと思う)

p76「世界が意味があるものに変われば、死んでも悔いないという気持ちと、世界が無意味だから死んでもかまわないという気持ちとはどこで折れ合うのだろうか・」
posted by りょうまま at 06:37| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジェーンスー「相談は踊る」「女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり」「生きるとか死ぬとか父親とか」

2020.11.30〜

116.相談は踊る(2015年)相談者の横に座って「どした?」から始まって、少しづつ深堀していって、一緒に考えつつ、最後、ずばっと結論を言われたときには・・・気持ちいいぃと思わず声をあげる。誰にでもできることじゃない。スーさんは、愛と好奇心にあふれてる人なんだなあ。相談04は私的には受け入れがたいけど、そーかそういう手もあるのかと唸ってみたり・・最後までいろいろ楽しめた。

2020.11.13

CIMG3638.JPG104「女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり」

長い題名だ( ;∀;) 43才、女性。ファッション食生活趣味仕事恋愛etc。。年を重ね経験を積むにしたがって、価値観や考え方嗜好などの変化するするもの、したもの、やっぱり43才現在では受け入れられないものなどついて、誠実に丁寧に書かれている。赤い口紅白シャツ、レギンス、TRFと10代20代には??だらけの話で大笑いさせつつ・・後半は少し難しめの考察話が続くけどといちょい笑いも含む。飽きずに読了。加齢は数字が増えていくことで誰にでも平等だけど、経験の積み重ねで、加齢の結果は一人ひとり違ってくる、スーさん言うところの「理想と現実との今日の落とし前の付け方」の参考書になるんじゃないかな。


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2020.11.11

ここ2ヶ月くらいラジコでジェーンスーさんパーソナリティの番組を聞いている。あら面白いと聞いているうちに習慣になった感じ。

父の住まいの賃貸料1年分支払いのために「父のことを書くよ」と了承を取って書いたというところに興味を惹かれて読んでみた

●2016年、父77才、娘42才 正月は18年前に鬼籍へ入った母の墓参りと決まっている・・ところからはじまる。

スーさんは一人娘で経済的に大変裕福な環境の中、両親の愛情もたっぷり受けて成長した。そうすると、世間知らずのおっとりとしたお嬢様にもなりえたはずだけど、スーさんは違った。父は大変モテた男性のようで愛人もいたようだし、母はスーさんが24才のときに、ガンでなくなってしまう。父の事業の失敗で、思い出がいっぱいつまった実家は売却することにもなる・・と他多分数々の荒波にもまれた結果、自己中で高慢ちきのお嬢様にはならずに、ラジオから流れる声はさばさばしてるけど、温かみを感じるスーさんとなって、毎日リスナーを楽しませてくれるんだなと思う。

エッセイ集「生きるとか死ぬとか・・」は大変読み応えありで、父のことのみならず、母の体調悪化〜手術入院〜が克明に描かれている。同時に父親の入院等、当時のスーさんの行動、他ケアハウスで晩年を過ごしていた叔母との交流〜死他親族の話も盛りだくさん。
「生きて死ぬということは一大事業なんだ」とつくづく思う。

父の子供時代の戦争経験が父の人生観に影響を与えていて、さらに古い時代の男尊女卑の考えも浸透している等々、今後の時代においては絶滅危惧種ではないかと思うような父。だから記録しておくことはとても貴重で、何年かのち「昔はこんな人間たちがいたんだよ」歴史書としても読めるんじゃないかしらとまで思った次第(ちょっと大げさかな)。


2020.11

えっつ読んでたんだ・・( ;∀;)・・購入してしまった CIMG3625.JPG







2019.4.29 月

53.「生きるとか死ぬとか父親とか」(2018.5)野心家で女性好きで商売を成功させた父と美人で雑誌編集者だった母のもとで、ジェーンスーが出来上がっていったようだ・・なかなか大変だったなあと想像する。・・前半は面白く読み、後半は飽きちゃった( ^^) _U~~

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posted by りょうまま at 06:28| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする