2020年11月29日

「犯罪小説集」「恋愛」吉田修一コレクション

2020.11.29 日

CIMG3674.JPG114.犯罪小説集

p5〜 青田Y字路

p95〜 曼珠姫午睡

p165〜 百家楽餓鬼

p233〜 万屋善次郎

p299〜 白球白蛇伝




CIMG3561.JPG  吉田修一コレクション「恋愛


2020.10.20〜

1・最後の息子 p7〜47 1997年

p11愛されるのは簡単、愛され続けるのが至難の業なのだ

僕は閻魔ちゃん(美容師)を愛していない

閻魔ちゃんは毎日酔っている、そして宣言する「私たちは私たちの国をつくるのよ、戦いのない国」

p23僕が付き合った彼女佐和子の話「僕がエンストした車だとしたら佐和子はブレーキが壊れた車」、、次へ次へ上へ上へと目を向けている

僕は長崎出身、右近にだけ言っていたけど詩を書いていた

p25憧れだった右近「神秘的で鍵穴から覗く部屋の印象」退廃的雰囲気、執着心のなさ。朋子はつかみどころのない右近を愛していた・・・退廃はセックスに溺れていた結果だし、執着心の無さももう一つの世界では愛されようとしていたわけで神秘性などひとつもなかった

p28父はただ強く母はただ美しいだけ。結局ぼくは、そんな古臭い家庭に育った息子なのだ (泣きたくなった・・)

p30閻魔ちゃんは試そうとしているのはなく裏切られてみたいのだ。ドラマチックな出来事に飢えている。そう思い当たると自分が情けないジゴロのように思えた。「あなたは役割を果たしていないのよ」と言われている気がした。愛人の裏切りを克服することで愛の確証を得ている。・・寂しがりやの閻魔ちゃん

p32閻魔ちゃんに嫌われたいのなら「ぼくは詩をかいています」といえばいい、嫌われたくないからこそ「邪魔だどけ」と叫ばなければならない。閻魔ちゃんのような人が縋り付くのは探偵小説を読む僕であって(社会とのつながり)詩集を読む僕ではない

p33自分たちを馬鹿にしているのが自分たちなのだ

※※

2.グリーンピース p48〜85 1998年

僕・・・失業中 寝たきり入院中の祖父がいる。
千里・・プロジェクトの責任者を任されるようなバリバリ

鷹野さん
椿さん

千里が用意してくれたグリーンピースを壁になげつけ喧嘩がはじまり、千里は出ていく・・鷹野さんはじめ僕の友人たちと寝ようとしている
僕は椿さんを誘うが椿さんは応じない。僕千里鷹野さん椿さんの4人で食事をしようと計画する。千里の家で料理を作る僕。出来上がりが遅いので帰宅する椿さん鷹野さん。僕と千里は大量の酢豚を食らう・・

意味不明、わけわからない・・のが恋愛なんだな。相手のことを思っているようでして、実は自分中心の思考と行動・・恋愛なのだ


2020.10.21

3.日々の春 P88〜P94 2001年 
新入社員の立野くんは酔うと昔の彼女の話をする。。。

4.24Pieces P96〜p98

5.春、バーニーズで p100 〜 p108
筒井は息子文樹の入園式用に切る服を購入するため妻に連れられて新宿に来た。そこで10年近く前に一緒に暮らしていた人を見かける。・・p106「うんざりするほど誰かに愛されたことのある人間は。うんざりするほど誰かを愛するすべを身に着けるのかもしれない」

5-1.パパが電車を降りる頃 9109〜P110
筒井と息子文樹(は妻瞳の連れ子)

5-2.夫婦の悪戯 p120〜p130
筒井と妻瞳の物語
筒井は瞳に昔オカマバーのママと暮らして食わせてもらっていた時期があるといい、瞳はオジサンに体を売ったことがあるという

5-3.パーキングエリア p131〜140
高校生2年生の筒井。修学旅行先の日光で高校入学祝いに買ってもらった腕時計を置き忘れてきた。
ある日、筒井は会社に行くことをやめて東北自動車道にのった。

最後、日光のホテルから妻に電話して戻ることを伝える・・妻は黙ったホテルの部屋をとり、初老のボーイに筒井を部屋へ案内する・・

※つまらん!!妻できすぎ、嫌み、へどがでる・・とまず思う。・・筒井も幼稚、会社さぼるな・・そういう気持ちはわかるけど。

5-4楽園 p141〜P145
p145 彼女が僕と違う時間を生きるようになって2年。僕の時間が打ち寄せる波だとすれば、彼女の時間は遠く水平線へ消えてゆく白いヨットだ

6.愛のある場所 p148〜p156

私、就職して5年目、サトルに振られた時期、閻魔ちゃんと出会った。そして閻魔ちゃんの店でケンジと出会った。3か月後同棲、ケンジは実家のガソリンスタンドを閉めてほしくないと送金を続けている。・・サトシからやり直したいと連絡があった。身勝手な男、愛を忘れられない私。閻魔ちゃんが言っていた「悔しさと恋愛しているときの気持ちは似ている。キーっとなっているところ」私は全然違うと思いたかった。愛あるところは穏やかな場所であると。

7.愛を誓う P158〜p166

閻魔ちゃんと知り合って20年の時が流れていた。閻魔ちゃんの店で筒井は同じ年の真希と会い一夜を過ごした。
ハイヒールを履く瞳に筒井は手を差し出した。
p160「文樹が2歳のとき瞳と結婚した。文樹を自分の息子だと思って育ててきた。しかしそれが口先だけのことだったのだと、この入院で気づかされた。なぜならこの時筒井は、文樹の代わりになら自分は死ねるといとも簡単に思えたのだ

2015年、真奈美と優菜の結婚式の話・・P166「する、しない」の立場にいる人は「できる、できない」の立場にいる人の哀しみなど想像しないのだ。

7.六丁目の角で p168〜P174 雅司「なんだよ、つまんねえ話ばっか」 かつてイケメンだった雅司は3年前に広告代理店営業職を辞めてからツイてない42才。閻魔ちゃんはいう p170「あんた更年期よ、女とおかまは、昔私モテたのよ。ノンケの男は 昔悪だったんだよって話を始めるのよ」。。ついてないなあと考えていると閻魔ちゃんの話を思い出す
p173「嘘ってさ、人を遠ざけるのよ。あんたがこっちの世界で嘘つかなかったら大丈夫よ。こっちでも嘘つき始めたら・・誰もいなくなる、寂しいどん底へ逆戻り」

8.「愛住町の女」p176〜P185

律子
夫博司・・小野構造株式会社社長

一人娘千鶴が社員の相楽に恋をしている。千鶴は大学卒業後、広告代理店に就職、1年で辞めて2年ロンドン留学ののち、父親の会社を手伝っている。相楽には妻子がいる。
律子は仕事帰りに一杯飲みに行く。。。閻魔ちゃんとの出会いがある・・

9.「女たちは二度遊ぶ」p188〜

どしゃぶりの女」ユカは炊事洗濯掃除なにもしない女だった・
殺したい女」「自己破産の女」「泣かない女」「平日公休の女」他etc

10.「ひなた」p282〜p411


※※※

閻魔ちゃんが経営している新宿2丁目のバーでのいろいろな愛のお話と愛についての考察。
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2020年11月28日

「吾輩は猫である」

CIMG3654.JPG113.吾輩は猫である

2020.11.28 土

p81 人間というものは時間をつぶすために強いて口を運動させて可笑しくもないことを笑ったり面白くもないことをうれしがったりするほかに能もないものだと思った。

p97 (3) 三毛子は死ぬ、黒は相手にならず、寂寞の感あるが、幸い人間に知己ができたためさほど退屈とは思わぬ。

ジャムをなめるのが好きなようだが、胃に悪いようで大根おろしを引き続きなめる


2020.11.26金

p5〜 吾輩は猫である、名前はまだない(この世に存在し始めたときからの様子から書いている。書生の手の上から書生の顔をみたとき、妙なものだと思った・・・「まるで薬缶だ」・・毛がなくてつるつるしている、真ん中に突起物がある、そうしてその穴から煙をぷうぷう吹く。咽てしまうのにはまいったとある、これが煙草であるということは後から知る。




p32〜
猫はいう「わが主人は、世の中を冷笑したいのか混ざりたいのか・・さっぱりわからぬ。猫は、食いたければ食い、寝たければ寝る、怒るときは一生懸命怒り、泣くときは絶体絶命に鳴く、日記などという無用なものはつける必要もない。主人のように裏表のある人間は日記でも書いて自己の面目を保たねばならぬらしい。猫は日記をつけるひまがあるならば縁側にねているさ」。。「そうだよねえ」と笑いが止まらない・・猫の主人(夏目漱石さんかしら)の描写を読んでいると、「むっつりスケベ」という言葉が浮かんできてこれまた笑える。

p35
「主人の心は吾輩の目玉のように間断なく変化している。何をやっても永持しない男である。そのうえ日記の上で胃病をこんなにしんぱいしている癖に表向きは大にやせ我慢をするから可笑しい。
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2020年11月27日

歌集「滑走路」

2020.11.22

CIMG3657.JPG114・歌集「滑走路

映画の原作になったという短歌集。映画。。というワードに興味を惹かれて、ポチっと購入。2017年刊行の短歌集ということ、作者萩原氏は2歳という若さで亡くなってしまったこと、中学生のころのいじめの後遺症で苦しんでいた ということを知って読み始めた・・
全体を通して感じるのは、「優しさ」・・けど「つらい」「力強い」・・けど「つらい」・・。鼻をぐずぐずいわせ、目じりをティッシュでぬぐいつつ読んだ


2020.11.27 金

最初のページに書かれているのは p13 @「いろいろ書いてあるのだ 看護師のあなたの腕はメモ帳なのだ」。。季節はいつだろう、6月ころだろうか。白い半そでの制服を着ている、そうだなあ・・看護師2年目くらいだろうか・・中肉中背かな。おひさまの加減で顔はよく見えない・・できぱきと点滴の残量を確認したり体温を測っている様子、寝ているベッドからその動き回る姿を目で追っているときにふと目にとまった腕の文字・・「いろいろ書いてあるのだ・・」と詠んでいる。荻原氏は、この短歌集の編纂をするにあたって、「さあ、私の短歌の世界へようこそ、じっくりごらんくださいね」といった気持ちで、最初のページにこの句を持ってきてくれたのかな。

p14A「抑圧されたままでいるなよ 僕らは31文字で鳥になるのだ」・・力強く美しい。。青い空を飛んでいく渡り鳥の群れが浮かぶ。「抑圧」に怒りを感じるが、荻原さんはこの句を詠んだとき、「怒り」感情は過去のものだったように思う。けれど「怒り」があった今もあるんだということを自分に言い聞かせるために使っているようにも思う。「怒り」「悔しさ」を昇華する方法の一つとして、31文字で様々なことを表現してひろい大空を駈け廻ろうよ、仲間よ!!と語りかけているのだろうか・・

B「路上音楽家の叫び・・」 作者は路上音楽家の真正面に立っているような気がする。時間は。。21時ころ人口100万人都市の駅前・・金曜日


p15C「挫折などしたくはないが・・・」東京という都会は・・表向きは華やかでキラキラしている、若い子はおおむね東京に憧れを抱く。その実像はいかがなものか。。東京へのあこがれを抱くのは大いに結構、だけどこういう詩から、東京で生きていくことの厳しさを想像することも必要かもしれない・・想像が難しいならば頭の片隅に置いていてもらいたい・・とまもなく高校を卒業する彼を思い浮かべる














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2020年11月24日

河合隼雄「いじめと不登校」


CIMG3663.JPG2020.11.24 火 チャへ行く前に読んでみた

2019.5.14 「いじめと不登校」(1997)CIMG2460.JPG
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2020年11月22日

村上春樹「猫を捨てる」「品川猿の告白」「風の歌を聴け」「アフターダーク」「騎士団長殺し」「IQ84(再読)」「海辺のカフカ」「約束された地で」「ねじまき鳥クロニクル」「国堺の南、太陽の西」

2020.11.22 日

CIMG3641.JPG109.猫を捨てる

小学生のとき父親と海に猫をすてに行ったエピソードから始まる(・・捨てたはずの猫は、家に戻っていた!!)2008年に90歳で亡くなった父・・父の体験を会話の中にせよ受け取ったものは、それを引きうけ引き継がねばならない・・エピソードが傷として心の奥にしまっておきたいものだとしても。そんな気持ちから出来上がった本のようだ。さらに大事なことは戦争が個人にもたらす影響の大きさを知らせたい・・真摯に受け取りたいと思う



2020.10.17 土 文学界2019.12より

謝肉祭」「1人称単数」に収められているらしい。僕が出合って一時期親しく音楽の話をして音信不通になった容姿の美しくない女性とのお話。。僕は今は中年なのだけれど、音楽の話をした美しくない(醜い女性)が詐欺犯罪者だったというニュースを見て、大学時代に一度だけダブルデートした容姿の美しくない女子を思い出したという・・「だから何??」とも言えるんだけど、似たようなエピソードなかったかなあとつらつら思う、「容姿は整ってないから一歩引いてしまうけど、話をしてみると魅力的な人っていたなあ、うんいたいた」とか「村上春樹さんは何を言いたいのか、言いたくないのか??」とか、ついつい読み返してしまうとか・・飽きないんだなあ。「謝肉祭」とは僕と美しくない彼女が大好きな曲に挙げたというシューマンの楽曲。「作家生活40周年」という特集記事を読むのも楽しみ

2020.9.29 火 文学界2020.2より

品川猿の告白」「1人称単数」に収められているらしい。大学教授の家で育ち、言葉を話せる猿の話。。どっかで読んだことあるような気もするけど。。まあいいや・・とにかく「あぁ、これこれ!!いいなあほっとする」に尽きる。朝井リョウ「どうしても生きてる」を読んで気分が落ちたあとだったのでほんとーにホッと救われた気分・・お猿さんは「愛が欠かせ燃料」という、そうねその通りだと思うけど、愛が見つからない人見つけられない人はどうしたらいいのと聞きたい



2020.9.4金

81「風の歌を聴け」1979年7月CIMG3489.JPG1970年夏、あの日の風はものうくほろ苦く通り過ぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない・・群像新人賞を受賞したデビュー作(帯より)

wired、ニムロッドと現代感満載の本を読んでぐったりしたので、ぼーっとしたいなと本棚を眺めて昔の本を再読。「風の歌を聴け」1979年村上春樹デビュー作・・上田岳博弘さんが影響を受けたらしい本で、ぼーっとしたいけどニムロッドから離れてない( ;∀;) 21歳の主人公たち、夏休みの終わりの物語、帯には1970年、ものうくほろにがい夏の出来事・・とある。今の季節に読むのにぴったり!!1970年ってすごく大昔なのに、2020年の今もどこかで、こんな会話がかわされるかもしれないなあ、そうだといいなあ・・と思えるお話・・「人生に絶望する」「人生は空っぽ」等感覚を味わうのはキツイ・・若ければ若いほど苦しいことになるだろうな。私が20代のころは退屈はしたし悩みもしたけどそれを忘れるように大騒ぎしていたなと振り返り、それはそれでそのつけは大きかったりする( `ー´)「人生は空っぽ」いまは「そうね」って思う

p119で大きな古墳を眺めながら、すべてがのみこまれて一体化する感覚を鼠が味わったとはなす下りがあるけれど、これってニムロッドの情報化社会のなれのはて個が溶けて全体に飲み込まれると同じじゃんと発見。「あ、見つけた!!共通点」と面白く感じていた

p125「我々は時の間をさまよう・・風さ」

p135「なぜ人は死ぬの?」「進化してるからさ。個体は進化のエネルギーに耐えることができないから世代交代する。もちろんこれはひとつの説にすぎないけれどね」「今でも進化してるの」「少しづつね」「なぜ進化するの」「・・宇宙全体が進化してるってことなんだ・・結局のところ僕たちはその一部にすぎないんだ・・」「そのエネルギーがどこからきているかは誰にもわからない」・・こんな記述があったんだという驚き

デレク・ハートフィールド出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(Derek Heartfield 1909年-1938年)は、村上春樹の小説『風の歌を聴け』の中に登場する架空の人物。主人公の「僕」が最も影響を受けた作家として登場する。

言葉に「文章をかくという作業は、とりもなおさず自分と自分をとりまく事物との距離を確認することである。必要なものは感性ではなく、ものさしだ。」「私はこの部屋にある最も神聖な書物、すなわちアルファベット順電話帳に誓って真実のみを述べる。人生は空っぽである、と。」「誰もが知っていることを小説に書いて、いったい何の意味がある?」「宇宙の複雑さに比べればこの世界などミミズの脳味噌のようなものだ。」「私の天気予報が外れると、次の日、隣家の鶏は1オクターブ低く鳴く。」などがある。

p159 「ハイヒールの踵くらいの小さな墓」



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E6%AD%8C%E3%82%92%E8%81%B4%E3%81%91より
1979年4月発表の第22回群像新人文学賞受賞を受けて、同年5月発売の『群像』6月号に掲載された。同年7月23日、講談社より単行本化された。表紙の絵は佐々木マキ。本文挿絵は村上自身が描いた。1982年7月12日、講談社文庫として文庫化された[3]。2004年9月9日、文庫の新装版が出版された。

タイトルは、トルーマン・カポーティの短編小説 "Shut a Final Door" (「最後のドアを閉じろ」)の最後の一行「Think of nothing things, think of wind」から取られた。なお、群像新人文学賞応募時のタイトルは「Happy Birthday and White Christmas」あった。この言葉は表紙の上部に小さく書かれている。

当時の村上春樹と同じく1978年に29歳になった「僕」が、1970年8月8日から8月26日までの18日間の物語を記す、という形をとり、40の断章と、虚構を含むあとがきから成る。「鼠三部作」の1作目[注 3]。

2005年時点で、単行本・文庫本を合わせて180万部以上が発行されている。


p13〜「虫唾が走る」「金持ちなんて・皆・糞くらえさ」。。自宅がかなり金持ちの鼠は言う。(鼠)「僕のせいじゃないさ」(僕)「いやお前のせいさ」鼠の言い分にも一理あるのだから「お前のせいさ」と言った僕は嫌な気分になる。
僕と鼠が出会ったのは3年前、大学に入ったころ



★★

2019.2.4〜 18・「アフターダーク」(2004)CIMG2263.JPG

アフターダーク出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


2004年9月7日、講談社より刊行された[1]。装丁は和田誠。写真は稲越功一。表紙と扉には「afterdark」という英題が記されている。2006年9月15日、講談社文庫として文庫化された。
村上は執筆のきっかけのひとつとして、ロベール・アンリコ監督のフランス映画『若草の萌えるころ』(1968年)を挙げている[注 1]。
作中には村上が表現する、深夜の都会という「一種の異界」が描かれている[注 2]。全18章において、具体的に23時56分から6時52分まで、一夜の不可逆的な時間軸の出来事として(各章、および物語の中にアナログ時計が描かれ、それぞれの物語の開始の時間を示している)、三人称形式と共に、「私たち」という一人称複数の視点から複数の場面(マリ、エリ、高橋、白川、カオルなどの様子)を捉えつつ物語は進む。しばしばその「私たち」は自意識を持つ語り手となるのが特徴である。
『ニューヨーク・タイムズ』のブック・レビューにおける「2007年注目の本」の小説部門ベスト100に、本書の英訳版が選出された[4

時刻は真夜中近く。彼女はずいぶん熱心に本を読んでいる。様々な種類の人間が深夜の「デニーズ」で食事をとり、コーヒーを飲んでいるが、女性の一人客は彼女だけだ。
入り口の自動ドアが開き、大きな黒い楽器ケースを肩にかけた若い男が中に入ってくる。「君は浅井エリの妹じゃない?」 彼女は無言だ。男は続ける。「君の名前はたしかユリちゃん」 彼女は簡潔に訂正する。「マリ」
部屋の中は暗い。しかし私たちの目は少しずつ暗さに慣れていく。美しい女がベッドに眠っている。マリの姉のエリだ。部屋のほぼ中央に椅子がひとつだけ置かれている。椅子に腰かけているのはおそらく男だ。
マリに話しかけた男が立ち去ると、金髪の大柄な女が店内に入ってくる。女はマリの向かいのシートに腰を下ろす。「タカハシに聞いたんだけど、あんた中国語がべらべらにしゃべれるんだって?」
女の名はカオルといい、ラブホテル「アルファヴィル」[注 3]のマネージャーをやっている。カオルはマリに通訳を頼みたいという。「アルファヴィル」の部屋では、客に殴られ身ぐるみはがれた中国人の娼婦が声を出さずに泣いている。娼婦の名は郭冬莉(グオ・ドンリ)。マリと同じ19歳だ。
カオルは従業員のコオロギとコムギとともに防犯カメラのDVDを調べ、殴った男の映像を見つけ出す。
「アルファヴィル」の防犯カメラに映っていた男は、同僚たちがみんな帰ってしまったあとのオフィスでコンピュータの画面に向かって仕事をしている。
午前3時。「すかいらーく」でマリが一人で本を読んでいると、高橋が店に現れる。
エリはまだ眠り続けている。




2017.12.25(火)「女のいない男たち」再読

2017.10.10
村上春樹氏のノーベル文学賞遠のいた? 文芸評論家・川村湊氏「少なくとも7、8年後」
スポーツ報知
日系の英国人作家カズオ・イシグロ氏(62)が今年のノーベル文学賞受賞者に決定してから一夜明けた6日、受賞には至らなかった日本の作家・村上春樹氏(68)について、文芸評論家の川村湊氏は「村上さんの受賞は遠のいたと思います。少なくとも7、8年後でしょう」と分析した。
 昨年の著書「村上春樹はノーベル賞をとれるのか?」でイシグロ氏受賞の可能性を明記していた川村氏は「驚きはないですね」と感想を述べながら「村上さんも受賞を争ったと思いますけど、スウェーデン・アカデミーは昨年、ボブ・ディランを選んで一部で批判されたので、今回は文学の王道たるイシグロさんを選ぼうと思ったのではないでしょうか。世界的には村上さんはエンターテインメント作家と見られています」と選考経過を読む。
 ノーベル文学賞は、国籍や言語によって「持ち回り」の周期があるとされる。川村氏は「続くことは過去に一度もありません。今回、23年ぶりの日本出身作家ですから、日本人作家は当分ないでしょう」とみている。アジア人としても、直近の受賞は2012年の中国・莫言氏。その前は00年の高行健氏(中国)。昨年のディランは米国人として23年ぶりの受賞だった。
 イシグロ氏は、ロンドンの出版社で2度目の会見に臨んだ。親友でもある村上氏の名前を挙げて「他の偉大な作家が受賞していないのは少し罪悪感を覚える」と複雑な胸中を吐露しながら「ディラン、私となったので、次は春樹さんに取ってほしい」と期待を口にした。
 三浦春馬(俳優。イシグロ氏原作のドラマ「わたしを離さないで」に出演)「独自の世界観の中で命の煌(きら)めき、希望を持つことのかけがえのなさを学ばせていただいたことを懐かしく、そしてあらためて光栄に感じます。これからも作品たちが、世界中の人々に愛され続けることを願っています」

★★★★


2017.7.3 112.「ノルウェーの森」(1987年)再読・・
p85・・「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」
p385・・・「・・・放っておいても物事は流れるべき方向に流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。人生とはそういうものです・・

2017.6.21 106「国境の西、太陽の南」(再読)

2017.6.6〜2017.6.20.。「ねじまき鳥クロニクル」(再読)

2017.5.5 86.「約束された地で」

2017.5.1〜5/4 85.「海辺のカフカ」再読・・・『海辺のカフカ』(うみべのカフカ)は、村上春樹の10作目の長編小説。 ギリシア悲劇と日本の古典文学を下敷きにした長編小説であり、フランツ・カフカの思想的影響のもと[注 1]ギリシア悲劇のエディプス王の物語と、『源氏物語』や『雨月物語』などの日本の古典小説が物語の各所で用いられている。20代後半から30代前半の主人公が多い村上小説にしては珍しく、15歳の少年「僕」が主人公で、不思議な世界を自ら行き来しながら、心の成長を遂げていく物語である。また本作は『ねじまき鳥クロニクル』からの暴力、戦争といったテーマが引き継がれており、生々しい残虐なシーンも同様に登場する。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E8%BE%BA%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB

2017.3.23(木)

昨日から61「海辺のカフカ」を読んでいる(^^)/・・CIMG1498.JPG

2017.3.20(月)
IQ84を再読書中・・最終章(10月〜12月)へ来た・・

「牛河」氏は嫌悪する以外の感想を持てない。吐き気がするほど嫌いだ( ;∀;)

2017.3.13(月)〜

IQ84を再読書中

◆新潮文庫 BOOk1-前編
p205・・「常識を働かせ、しっかり目をあけていれば、どこが最後かはおのずと明らかになる」

p294・・・「深田」について・・能弁すぎて自分の言葉に酔ってしまう傾向があり、深いレベルでの内省と実      証に欠けるところも見受けられた。

p299・・・「・・じきに世界が終わるというのは、睾丸を思い切りけられた時のようなものなのかしら」
      「・・・そこにはただ深い無力感しかないんだ。暗くて切なくて救いがない・・」

p307・・・「歳の問題ではありません。これは生き方そのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が
      大事なのです。攻撃を受けることだけに甘んじていてはどこにもいけません。慢性的な無力感は人      を蝕み損ないます。」

◆新潮文庫 BOOk1-後編(4月〜6月)

P93・・・「一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある。たとえその人と一      緒になることができなくても」
CIMG1495.JPG


★★★

2017.3.1〜3/9・・・1週間もかかってしまった・・1000ページ2冊!!!長っつ。村上春樹さまだから許される出版ではないだろーか!!!絶対売れるぜって前提の企画だ

騎士団長殺し
posted by りょうまま at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月20日

大島真寿美「ふじこさん」「モモコとうさぎ」「空に牡丹」「ワンナイト」「あなたのほんとうの人生は」「それでも彼女は歩き続ける」「やがて目覚めない朝がくる」「三月」「ゼラニウムの庭」

2020.11.18 水 〜11/20 金

CIMG3647.JPG 111ふじこさん 2007.6 3つの家族、子供の視点から物語。子供は居場所を選べない。一見平和でにこにこして暮らしているように見える家庭の怪しさ。居心地が悪くても、そこに居るしかない、おまけに幸せの象徴としての役割を与えられたりもする。・・子供はもうくたくた。死にたくさえなる・・そんな子供の前にキセキのように登場する大人がいてくれるのは本当に尊いことだ・・3つめの「春の手品師」は1992年デビュー作のようだがそんな昔に書かれたお話とは思えずそこここで今来る広げられている風景に見える。じわりと泣けた

ふじこさん

絶望していた小学生の私(リサ)の前に現れたふじこさん(ふじこさんは父の仕事仲間で恋人、家無し)
ふじこさんは私をのびのびさせてくれた・・ふじこさんはわたしが関わってきた人たちとはちがった。ふじこさんのような人がこの世にたくさんいるならば・・楽しいかもしれない。ささやかな希望の種となった。
ふじこさんとの別れは唐突にやってきた。大人たどりついたリサのもとに届いたもの、それは・・・。

※親になるとどうして子供にあれこれ指示してしまうんだろう、勉強しなさいとか・・。そりゃあ子供はくたびれるはずだ。・・ふじこさんみたいな大人がたくさんいるといいんだけど。そして子供のそばにいてほしい

夕暮れカメラ


2018.8.27〜9/3(月)読了・・私は私として生きる!!・・ビックリマークはいらないんだけど・・( ^^) _U~~・・


90・ モモコとうさぎ 2018.2 ★★★★!(^^)!

現代を生きる若者の不安と憂鬱と活路を見事に描きだした青春放浪記!
モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、誰からも必要とされてない――!?
そんなやり場のなさから、ひたすら、ちくちくと縫い物に没頭する日々。ここに籠もって、暗い現実を、なんとかやり過ごせたら。でもそうは問屋が卸さない。家を出る羽目になったモモコは知り合いの下宿を転々とし、3Kの肉体労働にも黙々と従事し、明日をも知れぬその日暮らしを続けるうちに、肌身離さず持ち歩いていたぬいぐるみのうさぎに導かれるように、いつしか自分のルーツともいうべき場所に漂着していて――。
外国人労働者、格差社会、限界集落、地方の共同体、超長寿社会……
のっぴきならない現実をつぶさに目の当たりにし、いかに自分が非力かを痛感するたび、自分が傷だらけになって崩壊していきそうで、とにかく怖くて。それでもその場その場で、野草のように地面に根を張ろうとするかそけき女子の意外にタフな生命力。
就職とはなんぞや。働くとは、生きるとは――。
寄るべない気持ちで、たゆたうように現代を生きるすべての若者の、云うに云われぬ不安と憂鬱と活路を余すところなく描き出した人生応援歌!



2017.1.18

14「空に牡丹」(2015.9)時は明治。花火に心奪われた男の生涯!
私のご先祖様には、花火に魅せられて生きた静助さんという人がいる。
親族みんなが語りたくなる静助さんのことを、私は物語にすることにした――。
時は明治。江戸からそれほど遠くない丹賀宇多村の大地主の次男坊として生まれた静助は、村人から頼られる庄左衛門、母親の粂、腹違いの兄・欣市と暮らしていた。ある日、新し物好きの粂と出かけた両国・隅田川で、打ち上げ花火を見物した静助は、夜空に咲いては散る花火にひと目で魅了される。江戸の有名な花火屋たちは、より鮮やかな花火を上げるため競って研究をしているという。
静助は花火職人だった杢を口説き落とし、潤沢な資金を元手に花火作りに夢中になるが、次第に時代の波が静助の一族を呑み込んでいく−−。https://www.shogakukan.co.jp/books/09386419





大島真寿美・・・1962年名古屋生まれ。一言では表現しきれない淡い関係性を丁寧な筆致で描き出す

70.2015.7.7〜 2015.8.4〜「ワンナイト」(2014.3)・・・2015.8.11(火)ようやく読了・・なんじゃ

人生は、たった一晩で動き出すーー。
「ピエタ」で本屋大賞3位の著者が描く、人生を大きく変える小さな物語。

♀1住井瀬利「バツイチにだって、恋の一つや二つあってもいいじゃない」
♀2佐藤歩「この私が、合コンなどに付き合わされてたまるか」
♀3宮本さなえ「早く私をたべてくれればいいのに」

♂1戸倉佑一郎「結婚が薔薇色なら、なんでこんなに離婚が多いのだ」
♂2米山正勝「おれ結婚してるんだ、なんて、とても言い出せない」
♂3小野利也「結婚って、こんなに難しいものだったのか?」

小さなステーキハウスを営む鏡子と夫の義弘。
店も家族の関係もそれなりに順調だが、頭を悩ませるのは、義妹の歩。
ラノベ小説家としてなんとか生活しているものの、男の影もなく、姑を心配させるばかり。
ある日、常連の瀬利の提案で、合コンが行われることに。参加者は結婚観も恋愛観もバラバラの6名。
何も起きなかったように見えたその晩、それぞれの人生は大きく動いていた……。
『ピエタ』で話題の俊英が、一晩の出来事の顛末を通して人生の転機を鮮やかに描き出す、傑作長編小説。

内容(「BOOK」データベースより)

ステーキハウスのオーナー夫妻が、独身でオタクの妹を心配するあまり開いた合コン。そこに集まった、奇妙な縁の男女6名。結婚したかったり、したくなかったり、隠していたり、バツイチだったり…。彼らのさざ波のような思惑はやがて大きなうねりとなり、それぞれの人生をかき回していく―。ままならないけれども愉しい人生を、合コンをモチーフに軽妙な筆致で描く、かつてない読後感を約束する傑作長編!
Amazon.co.jp: ワンナイト: 大島 真寿美: 本

傑作??かなあ


67.2015.6.29(月)から66「あなたの本当の人生は」(2014.10)7/4(土)読了・・

この小説を書いたのはわたし?それともあなた?あなたはだあれ?わたしはだあれ?
だれかおしえてくれないかしら?(巻頭)

・ホリー先生・・浮世離れした・・魅力的な??
・宇城さん・・・「もうねすべて適当よ、適当でいいの、人生なんてそんなものよ」
「書く」ことに囚われた三人の女性たちの本当の運命は……
新人作家の國崎真美は、担当編集者・鏡味のすすめで、敬愛するファンタジー作家・森和木ホリーに弟子入り――という名の住み込みお手伝いとなる。ホリー先生の広大で風変わりなお屋敷では、秘書の宇城圭子が日常を取り仕切り、しょっぱなホリー先生は、真美のことを自身の大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる両性具有の黒猫〈チャーチル〉と呼ぶことを勝手に決めつける。編集者の鏡味も何を考えているのか分からず、秘書の宇城は何も教えてくれない。何につけても戸惑い、さらにホリー先生が実は何も書けなくなっているという事実を知った真美は屋敷を飛び出してしまう。
一方、真美の出現によって、ホリー先生は自らの過去を、自身の紡いできた物語を振り返ることになる。両親を失った子供時代、デビューを支えた夫・箕島のこと、さらに人気作家となった後、箕島と離婚し彼は家を出て行った。宇城を秘書としてスカウトし書き続けたが、徐々に創作意欲自体が失われ……時に視点は、宇城へと移り、鏡味の莫大な借金や箕島のその後、そして宇城自身の捨ててきた過去と、密かに森和木ホリーとして原稿執筆をしていることも明かされていく。
やがて友人の下宿にいた真美は、鏡味と宇城の迎えによって屋敷へと戻る。そしてなぜか、敢然とホリー先生と元夫の箕島にとって思い出の味を再現するため、キッチンでひたすらコロッケを作りはじめた。小説をどう書いていいのかは分からないけれど、「コロッケの声はきこえる」という真美のコロッケは、周囲の人々にも大評判。箕島へも届けられるが、同行した宇城はホリー先生の代筆を箕島に言い当てられ動転する。真美、ホリー先生、宇城、三人の時間がそれぞれに進んだその先に〈本当の運命〉は待ち受けるのか?
Amazon.co.jp: あなたの本当の人生は: 大島 真寿美: 本

将来に不安を抱える真実、執筆から遠ざかったままのホリー、これが本当の人生かと悩む宇城。果たして、それぞれ納得のいく人生を見つけられるのだろうか。3人の間で自在に語り手が入れ替わり、物語は進んでゆく。・・・・

★コロッケが無性に作りたくなって・・作った・・



◆2014.12.14(日)〜「ゼラニウムの庭」・・・これも絶対前に読んでいると思う。再読ぅーー12/21(日)読了・・

。『ゼラニウムの庭』 (大島真寿美 著) | 著者は語る - 週刊文春WEB

祖母が語り、孫が書き残した家の秘密・・・『ゼラニウムの庭』 (大島真寿美 著)
2012.10.28 07:00
明治が終わる1年と少し前に生まれた双子・豊世と嘉栄。妹の嘉栄は身体の成長が遅く、豊世が高等女学校に上がる時にまだ幼児の姿だった。心配した父親は、家と縁の深い医師・桂重一に嘉栄を託し、治療のためイギリスへ送りだすが――豊世の孫であり、小説家のるみ子が書き残した、嘉栄という“家の秘密”の記録。 ポプラ社 1575円(税込)
 18世紀の作曲家ヴィヴァルディが音楽を指導した慈善院の女性たちに材をとった『ピエタ』が本屋大賞3位となり、注目を集めた大島真寿美さん。最新作『ゼラニウムの庭』は、明治末期から100年以上に亘る、ある一族の物語だ。
 小説家のるみ子は祖母・豊世(とよせ)に家の“秘密”を書いてほしいと頼まれる。その秘密とは、年をとる速度が異様に遅く、そのため人目を避けてきた豊世の双子の妹・嘉栄(かえい)のことだった。
「書くということに対しての距離感を変えてみたかったんです。そんなことを考えていたら連載を始める段階でこの双子がふと浮かびました。自分でもとんでもない設定になってしまったなと思いましたね(笑)」
 家の者は嘉栄を世間から隠すように扱い、るみ子は真実を知らされるまで彼女を「親戚のおばさん」だと思っていた。ファンタジーのような設定だが、「こういうこともありえるのではと思ってしまった」といった感想が多く寄せられているという。
「親戚の中に自分との関係がよくわからない人がいたり、家に特殊な事情があったりって、現実にもありますよね。そういうものと地続きな小説にしたかったんです。ファンタジーにするのではなく、今まで知らなかっただけで、実はこういうこともあるかも、というリアリティを大切にしました」
 治療のため渡英した嘉栄だが、成長が遅れる原因はわからぬまま敗戦直前の日本に戻り、その後はひっそりと暮らすようになる。その間に周囲の人々は年老い、死を迎え、嘉栄は1人残される。
「時間の感じ方って人それぞれ違うと思うんです。他の人たちと違う時間を生きる人物を描くことで、時間の肌触りの違いを出したかった。ですから、複数の人々の、異なる時間の流れを丸ごと受け取っていただけるよう書いたつもりです。人はこういう異質な時間の感触を感じることができるはずと、その感覚を信頼して書いたように思います」
 この小説は、るみ子が公表しないつもりで書いた記録という形をとっている。嘉栄のことを書こうとするうちに小説家になったるみ子にとって、この記録はいつか書かねばならないものだった。
「最近、自分にとって書くとはどういうことなのかが大きなテーマになっていたので、小説を通して一度よく考えてみたかったんでしょうね。これは、次の小説のテーマにもなる予定です」

おおしまますみ/1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文學界新人賞を受賞しデビュー。『虹色天気雨』『やがて目覚めない朝が来る』『三人姉妹』『戦友の恋』『羽の音』『ビターシュガー』ほか著書多数。『ピエタ』は2012年本屋大賞第3位に
。『ゼラニウムの庭』 (大島真寿美 著) | 著者は語る - 週刊文春WEB

◆2014.8.20(水)「三月」(2013.9)・・神戸と東北の震災、さらにはニューヨーク9.11を織り交ぜながら、短大卒業後の20年の歩みを振り返る女性たちの物語・・・再読なんだけど、一度目の記録なし・・・・やっぱりなきながら読んでしまう・・

20年ぶりに明らかになる事実。6人が抱えてきたそれぞれの思いとは――

「彼は、自殺なんかじゃない」短大を卒業してから約20年。
当時、亡くなった男子学生の死に疑問を持ったノンは、かつての仲間に連絡を取る。
それぞれの道を歩んできた彼女たち6人を待ち構えていたものは――。
注目の著者が贈る人生の“応援歌"。

内容(「BOOK」データベースより)

短大を卒業してからおよそ20年。同窓会の案内を受けとって以来、ノンは学生時代に亡くなった男友達のことが気になりはじめる。彼は自殺ではなかったのではないか?ノンは仲のよかった友人に連絡を取ると―。仕事や家庭、それぞれの20年の時を歩んできた女性6人。学生時代の男友達の死を通じて明らかになる「過去」。その時、彼女たちが選ぶ道は―。未来に語り継ぎたい物語。
Amazon.co.jp: 三月: 大島 真寿美: 本


◆2013.8.25「3人姉妹」(2012.9)

大島真寿美/著

失恋!? そんなもん私たちだってさんざんしてきたわよ。姉がいる人は大いに共感、妹がいる人はくすくす笑い、三姉妹の物語。

末っ子は損だ。いつまでも姉にいたぶられ、ホントに腹立たしい──。元は貧乏男大好きの長女・亜矢は見合いの果てに玉の輿婚、転んでもただでは起きない毒舌家の次女・真矢は奇病を克服して、華麗に転職。三女の水絵は大学を出たものの、フリーターの実家暮らしで、新しい恋に一喜一憂の日々。それぞれの恋愛、人間関係を時に優しく、時に厳しく見守る家族の日常を描く長編小説大島真寿美『三人姉妹』|新潮社

◆2013.7.1「それでも彼女は歩き続ける」(2011.10)

映画監督をしている柚木真喜子が海外で章を受賞。

真喜子に関わる人々の悲喜こもごもは・・

●事務所。社長の登志子・・(真喜子は)芸術家タイプではないが、どうにもつかみどころがなくて茫洋としている。欲などなさそうなのに、映画のこととなると欲の鬼のようにも見え、かといって我がままであるとか、女王気質とかいうのでもなく、妙に謙虚でいじましいくらいくよくよしてみたり、そうかと思うと、のほほんと仕事もないのに海外に出かけてしまったりする。どうやら貧乏もいとわない様子。今後のし上がる気もなさそうだ・・

◆2012.2.7かなしみの場所」(H16・5)離婚して実家に戻り、雑貨を作りながら静かな生活を送る果那。夫と別れるきっかけになったある出来事のせいで、自分の家では眠れないのになぜか雑貨の卸し先「梅屋」の奥の小部屋では熟睡することができる。
梅屋で働くみなみちゃんとどこか浮世離れした両親、賑やかな親戚、そしてずっと昔、私を誘拐したらし「天使のおじさん」・・さまざまな人のさまざまな人生。生きていくことのいとおしさが旨にこみ上げる

★★★

2012.2.3ふじこさん」生きることをやめたかった子ども時代、ふじこさんがわたしを救ってくれた・・記憶の中できらきら輝く運命の出会いの物語

「ある日、出会うの。リサはリサの宝物に」・・この世にはまだ見ぬステキなことがきっとある

離婚寸前の父と母にはさまれ、なにも楽しいことのない毎日を送るリサの前に現れたふじこさんは乱暴でキレイであっけらかんとしてこれまで見たことのない、へんな大人だった・・

・夕暮れカメラ
・春の手品師

★★★

2011.9.18/31大島真寿美やがて目覚めない朝がくる」2007年11月

やさしく、うつくしい時間を私たちはともにしている。

少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す。

・のぶちゃんは、小さい頃からいつも上機嫌な女の子だったね。太陽みたいな子供だった。いつも大きな光を放っているみたい。のぶちゃんが来ると、そこたじゅうが明るくなった。。

・満ち足りた時間。ほしいものがみな揃っているから満ち足りるんじゃない。なにかがほしいと思う必要がない、そういう欲望とは無縁でいられる、ゆらゆらと時間の中に漂っているかのような、時間さえ消失してしまったかのような、エアポケットの中にいたかのような日々。胎内にいた十ヶ月を憶えていたら、あんな感じだったのではないだろうか・・21n

・殺すと憎くなくなるの?おれが今まで一度も考えたことのない質問だった。殺すと、そいつがいなくなる。それでめでたしめでたし・・だと思ってた。単純だろう。ガキだったんだ、オレは。どこかで成長を止めていたんだ・・69n

・嫉妬なんて、たいしたものじゃないの。だって肝心の舟ちゃんはいないんだし。そんなものがすっぱり消えてなくなった後にあたしの中に残っていたのは、舟ちゃんとの楽しい思い出だったの。舟ちゃんと夫婦になって、有加が生まれて家族になって。舟ちゃんが働いて、アタシが子育てをして、つつましい生活をして。あたしがお母さんで、舟ちゃんがお父さんで。おままごとみたいだった。10年に亘る壮大なおままごと。122n

・「眠りにつくときによくそう思った。やがてこのまま目覚めない朝が来る。それは明日の朝かもしれない・・・薔薇の咲く季節は、薔薇を切って、寝室に一輪活けておいた。そうすると眠りにつくまで、その匂いに包まれて、それはそれはいい気持になるからね。この世にはなんと美しいものがあふれていたことだろうと夢見心地になれる。錯覚だったおしてもここにいたことが素晴らしいことだったように感じられる・・160n

大島真寿美(おおしま ますみ、1962年 - )は、日本の小説家。愛知県出身。南山短期大学卒業。1992年、「春の手品師」で第74回文學界新人賞受賞。『宙の家』で単行本デビュー。

作品リスト
宙の家(1992年11月、集英社/2006年12月22日、角川文庫)
宙の家(第15回すばる文学賞候補作)
空気(『すばる』1992年9月号)
ぼくらのバス(1997年3月、偕成社/2007年5月、ピュアフル文庫)
ココナッツ(1999年7月、偕成社)
羽の音(2001年5月、理論社/2009年12月、ポプラ文庫)
水の繭(2002年7月、角川書店/2005年12月、角川文庫)
チョコリエッタ(2003年3月、角川書店/2009年3月、角川文庫)
かなしみの場所(2004年6月、角川書店)
ちなつのハワイ(2004年7月、教育画劇/2010年2月ポプラ文庫ピュアフル)
空はきんいろ フレンズ(2004年9月、偕成社/2008年5月、ピュアフル文庫)
香港の甘い豆腐(2004年10月、理論社/2011年6月、小学館文庫)
ほどけるとける(2006年7月、角川書店)
虹色天気雨(2006年10月、小学館/2009年1月、小学館文庫)
青いリボン(2006年11月、理論社)
ふじこさん(2007年6月、講談社)
ふじこさん(書き下ろし)
夕暮れカメラ(『小説現代』2005年7月号)
春の手品師(『文學界』1992年6月号)
やがて目覚めない朝が来る(2007年11月、ポプラ社)
すりばちの底にあるというボタン(2009年2月、講談社)
三人姉妹(2009年4月、新潮社)
戦友の恋(2009年11月、角川書店)
ビターシュガー(2010年6月、小学館)
ピエタ (2011年2月、ポプラ社)

  大島真寿美 - Wikipedia

作家の読書道 第106回:大島真寿美さん - 作家の読書道

posted by りょうまま at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 大島真寿美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

井上荒野「よその島」「それを愛と間違えるから」「ほろびぬ姫」

2020.11.20〜11/21読了

112よその島 2020.3

蕗子は70才、夫芳郎、ミステリー作家野呂晴夫とともに島に移住した。住み込み家政婦は 30才前後くらいの仙崎みゆき、小1の息子宙太がいる。p50〜 島へ移り住んでから10日・・日常をたんたんと描いているようなのに、なにかが起こりそうでわくわくしてきて、ページをめくるのが早くなってきた・・少々ドキドキ感もある。・・・でたくさんの怪しいエピソードが出てきてミステリー感を感じつつわけわからなくなっていたところですべてが美しく集約されてエンドロールだった。蕗子はここではないどこかへ行きたいとおもうけれど、結局は芳朗と生きていく愛しているから。こうやってまとめると・・蕗子がうらやましいように思う、読んでるときは登場人物はみな好きになれなかったしいらついていたのだけれどな。


★★★

p3〜 蕗子は70才、夫芳郎、ミステリー作家野呂晴夫とともに島に移住した。住み込み家政婦は 30才前後くらいの仙崎みゆき

居間の窓からは5月の海が見える・・色は「p5黄色っぽい青」だ 

3人の共通点は「食」への並々ならぬ情熱だ。みゆきはレストランのシェフだったらしい

p50〜 島へ移り住んでから10日・・日常をたんたんと描いているよう
なのに、なにかが起こりそうでわくわくしてきて、ページをめくるのが早くなってきた・・少々ドキドキ感もある。

芳朗は41才から43才までテレビ出演をしていた。人生に退屈していたから。その時期に知り合ったヘアメイク担当女性(浅江という苗字しか覚えていない)と1年つきあい最後は蕗子がその女性を殺した・・その後30年近く何事もなかったように暮らしている芳郎と蕗子・・怖すぎるではないか。

p82 芳郎は蕗子に言う「みゆかの結婚前の名前は浅江みゆかだ。あの女の娘なんだよ。・・復讐だ」

2014.6.24

それを愛と間違えるから」(2013.1)

微笑みが苛立ちに、楽しみが義務になりかわったのはいつ? テーマはずばり「セックスレス」。夫婦の普遍の(!)難題に直木賞作家が挑む――切実ゆえに笑いを誘う大人の辛口コメディ。

それを愛とまちがえるから|単行本|中央公論新社

◆そっか!!コメディなのね😃・・とも思えないけど・・
コメディといわれるとなんか不愉快。。なのはなぜだろう

◆「布川、涙の“条件”提示「再婚しないで」 つちやは晴れやか笑顔で会見」・・離婚もまた良し・・

H2014.01.21〜

井上荒野
ほろびぬ姫

あなたはあなたが連れてきた──サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。

嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」──幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。

井上荒野『ほろびぬ姫』|新潮社
評・松山 巖(評論家・作家)「愛」めぐる巧妙な仕掛け

 「あなたはあなたが連れてきた。嵐の日だった。(略)稲妻が光って雷鳴がとどろき、一瞬後に、マンションの私たちの部屋のドアをあなたが開けた。勿論(もちろん)、あなたの鍵で。あなたたちは早々に罠(わな)を仕掛けていた」

 「あなた」が繰り返されるのは妙だが、これが本篇(ほんぺん)の冒頭。少し読み進めれば、主人公みさきの夫が一卵性双生児の弟を家に突然連れ帰ったとわかる。でも義弟を「あなた」と呼ぶのは不自然だし、仕掛けた罠とは単に妻を驚かすだけか。とまれ物語は嵐の夜にそっくりな男二人の登場という謎めいた場面から始まる。

 やがて夫は不治の病だと判明するが、義弟はみさきに「グヤグヤナンジヲ」と呪文めいた言葉を呟(つぶや)く。実はこの言葉は、四面楚歌(しめんそか)に陥った項羽が虞(ぐ)美人に詠(うた)った漢詩の「虞や虞やなんじをいかんせん」。夫は自分の死を悟り、若い妻の行く末を案ずるという含意だ。夫はそっくりな弟に妻を託し、そこで弟はみさきに近づくのだが、訳のわからぬ彼女は混乱する。

 作者は巧みだ。みさきに夫と弟を一貫して「あなた」と呼ばせ、「あなた」が夫を指すのか、弟を指すのか、読者に判断を常に強いる。この手法は彼女の困惑を直(じか)に伝えるばかりか、読者に細かい心理描写まで注視させる。そこでみさきが愛する夫のため二人の計画に入り込むと、次第に心理サスペンスの様相を帯びる。

 そして最後、みさきの行動と結果に、読者は二重の驚きを覚えるだろう。いや、それ以前に、なぜ彼女はそんな行動を選んだのか、夫の罠は果たして愛なのか、義弟の姉への思いはと、つまり愛とは何かと考えさせる。これこそ作者の読者に仕掛けた大きなテーマなのだ。

 また題名「ほろびぬ姫」は愛そのものを指すのかとか、愛に囚(とら)われた美女の話だから下敷きの古典はあるのかとか、あれこれ思案してしまうのも本篇の面白さ故だろう。ともかくも作者の挑発的で果敢な手練手管の妙を堪能した。

 ◇いのうえ・あれの=1961年、東京生まれ。『切羽へ』で直木賞、『そこへ行くな』で中央公論文芸賞。

 新潮社 1400円(2013年12月16日 読売新聞



posted by りょうまま at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 井上荒野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月18日

群よう子「ネコと昼寝」「パンとスープとネコ日和 優しい言葉」「それなりに生きている」「散歩する猫」「しっぽちゃん」「うちのご近所さん」」「挑む女」「作家ソノミの甘くない生活」「贅沢貧乏のマリア」

2020.11.18 水

CIMG3645.JPG109 ネコと昼寝 2017年

キョウコは「P30世の中の本流からはずれることを選んだ中年女」無職、古いアパートで貯金を取り崩しながら生活している。3万円のやちんと7万円の生活費、もちろん貯金は減る一方だけれど「まあ、そのときはその時だな(p18)」と暮らしている。

キョウコは仕事のできる女性であったが、男たちの嫉妬からの嫌がらせに心底うんざりして会社を辞めたのだった。

クマガイさんの助言「陰気なおばあちゃんになるな」

クマガイさんの助言「陰気なおばあちゃんになるな」

他コマツさんやチユキさんや近所の猫ちゃんの話が展開され・・最後・・実家の母が倒れたところで唐突に終わった!!このあとどうなるんだろう

CIMG3646.JPG 110.「パンとスープとネコ日和 優しい言葉」2015年

再読、アキコさんシリーズ本は大好きだ。Amazonでドラマもちゃんと2回は見ている
母が亡くなったあと実家を改装し、サンドイッチとスープの店を始めたアキコと従業員シマちゃんとネコ兄弟のたいちゃん、ろんちゃんの物語。ネコたちの描写が事細かで、その辺で動き回ってる様子が目に浮かぶ。デブ猫二匹はじゃまだよなあとツッコミをいれつつ楽しんでいる


すぐ近くにアキコの店をまねた店ができた。しまちゃんは憤慨するが、アキコは「p53とにかく私たちは周囲に惑わされずに、自分たちのやるべきことをやりましょう」という


しまちゃんの彼のシオちゃんは3才年上で以前勤めていたIT企業の同僚2人会社を経営している



2020.8.29

CIMG3471.JPG77・それなりに生きている 2010.3  表紙イラストがかわいい

p7四天王寺の亀 飼っている猫はお留守番が全くできないので9年間東京を離れていない。たまには息抜きをと日帰りで大阪対談旅行に出かけた

p47美人とは何だ


2020.7.7 火

CIMG3350.JPG アキコのサンドイッチとスープの店は順調に営業を続けてる。。二匹の猫やシマちゃん、向かいの喫茶店のママ、との生活の日々・・

同級生やお客様の死亡が続いて、お寺を訪問したアキコさん。住職(異母弟)の奥様と語らいあいながら。。p128・・「どうして人は死ぬんでしょうか」・・住職の奥様は「そうですねぇ。。生きてるからなんでしょうけど・・ウフフ・・」


2019.4.30 月

54・散歩するネコ 2019.1  CIMG2429.JPG

長年のOL生活を卒業したキョウコさんはたぶん55歳から60歳の間。蓄えから月10万円で生活する日々。住まいは築50年?れんげ荘、家賃は月3万円

p86 コナツさんは文句もいわずに一生懸命に仕事をしたことがあるのだろうかと考えた。ちょっだけ嫌なことがあるともうすべてが嫌になる。自分の心の持ち方や相手へのやり過ごし方で状況がましになる場合も多いのにそれをせずにただ嫌だというだけでそこから逃れようとする

P90 歳をとると変えなくても美しいものを見ると心の安らぎになるとよくわかった


2019.4.1

42「しっぽちゃん」(2011.3)


2019.1.15

8「うちのご近所さん」



2019.1.8

3・挑む女1997年


2014.11.10(月)

作家ソノミの甘くない生活
(2012.10)

物書き専業30年、還暦まで3年のソノミの日常・・

可笑しくて可笑しくてたまらない・・・・ソノミだけでなくほかの登場人物も・・

たとえば・・

外出さきで再開した元同僚・・父母舅姑4名を看取った感想・・P28・・実家の父を看取ったときは真夏。・火葬場が混んでいたらしい・・で・・「・・ドライアイスを追加しながらまだかまだかって言ってたの・・生きているときは人間だけど死んだとたん生ゴミみたいなもの。。あれは早く焼かないと面倒なのよ・・」
申し訳ないと思いつつ笑いが止まらない・・



10/3群ようこ「贅沢貧乏のマリア」平成8年4月

贅沢とは贅沢な精神を持つことである。父・森鴎外に愛されたご令嬢がアパート住まいの贅沢貧乏暮らしへ。永遠に夢見る作家・森マ莉の想像を絶する超耽美的生き方を憧れとため息とともにたどった趣深く斬新な全くあたらしい人物評伝

群ようこ(むれ ようこ、本名:木原ひろみ 1954年12月5日 - )は、日本の作家、エッセイスト。独身。軽妙な語り口の文体で、主に女性からの支持を受けている。

日本大学藝術学部文芸学科卒業。1年先輩に林真理子がいる。
1984年7月、在社中に単行本『午前零時の玄米パン』(本の雑誌社刊) を発表し、本格的に作家デビュー。なお、ペンネームの「群」は、後述する目黒考二の使用していたペンネーム「群一郎」をのれん分けで譲り受けたものである。(「ようこ」は目黒氏の初恋の女性の名前)
同年12月に本の雑誌社を退職し、以後多くのエッセイ・小説・評伝・対談等を発表、現在に至る。

大学卒業後、広告代理店に勤めるも半年で退職。その後転々と職を変えた後、椎名誠や目黒考二の本の雑誌社に事務職として入社。社員は群一人で、椎名や目黒はたまにしか事務所に顔を出さず、たまにかかってくる電話注文に応対するのが彼女の仕事であった。やがて知人の勧めもあり、本名で『本の雑誌』にコラム(書評)を書き始める。[1][2]。
父は売れない絵描きであり、昼間でも自宅にいることが多かった。幼い頃の群と弟に花札を教え込み、小遣いを巻き上げるような一面もあったという。また大の引越し魔でもあり、風呂を薪で沸かすような家から、洋風の広いリビングのある家まで、様々な家に移り住んだ。
家計は母が担っており、夫婦仲は悪かった。群は家に帰りたくないために、学校の図書室で下校時間ぎりぎりまで本を読むようになったという。
林真理子とは、大学在学当時は互いに面識がなかったが、後に群がエッセイストとしてデビューする際、「先輩」的存在として既に林がデビューしていたことが心強かったという。
20歳の時、「アメリカに行けば何かがある」と、アルバイトで貯めたお金でアメリカに旅行したが、特に劇的なことは起きなかった。
彼女の最初の読書エッセイ集『鞄に本だけつめこんで』(1982年刊)では、28歳の若さでありながら、作品の選択眼は非常に渋く(森田たまや、尾崎翠の作品等)、またそれぞれの内容を自分の人生と比較しながら、独自の感性でユーモアたっぷりに紹介する手法は、それまでの読書エッセイにはない新鮮なものであった。なお、森田たまの「もめん随筆」は中学1年の時の担任の数学教師に薦められ、読もうとしたが絶版で、25歳の時に、ようやく古本屋で入手したという。
1994年に新潮文庫から刊行した『亜細亜ふむふむ紀行』以降、海外旅行が好きになり、『またたび東方見聞録』(1996)、『雀の猫まくら』(1998/ ハワイ旅行記)、『東洋ごろごろ膝栗毛』(1997)と、旅行記ものを続けて刊行した。

小説
無印シリーズ
無印良女
無印OL物語
無印結婚物語
無印失恋物語
無印不倫物語
無印親子物語
無印おまじない物語
その他
でも女
ひとりの女
おやじ丼
ねこと海鞘
アメリカ居すわり一人旅
人生勉強
挑む女
小美代姐さん花乱万丈 (名取裕子主演で舞台化)
かもめ食堂(同名タイトルの映画のために書き下ろした作品。2006年出版)

群ようこ - Wikipedia
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2020年11月16日

凪良ゆう「流浪の月」

CIMG3639.JPG105.凪良るう「流浪の月


2020.11.16

更紗 9歳小4.佐伯文19歳大学生。・・6月から8月2か月間ともに過ごした。15年ぶりに再会した二人は・・と
面白く夢中で読んでいたのだけど、ちょうど半分のところで、物語の背景には育児放棄性暴力DVストーカーなど。。があるのだが、これらを小道具にして、おとぎ話とも感じられるような物語が作られていることにすごく嫌な気分になってしまった・・後半は更紗の骨太な部分も出てきて成長物語としても読めるけど、なんだかもやっとしたまま読了

◆「事実と真実は同じではない。ひとつの物ごとに対する主観と客観は大きく違うことがある。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ」

◆「私はひとりになったけどそれが何ほどのことか。誰かと一緒にいてもわたしはずっとひとりだったじゃないか」

家内更紗 9歳小4.佐伯文19歳。・・6月から8月、ともに過ごした・・結果は誘拐事件となり、更紗は児童養護施設で高校卒業まで過ごし、24歳に今、恋人の亮くんと暮らしている。更紗は文のことを忘れたことはない。「優しい人、教科書みたいに全部がきちんとした人、細くて長くて白いカラーの花みたいな人(p84)」「おばさんの家に帰るくらいなら、死んだほうがマシだった。文のうちはとても安全で居心地が良かった p86」  15年たって  「ねえ文、あなたは今どうしてる?」

p97「



凪良 ゆう(なぎら ゆう)は、日本の小説家。滋賀県生まれ。もともとは漫画家志望だったが[1]、「銀河英雄伝説」の二次創作にはまった[2]。執筆活動に入ってからは、ボーイズラブを10年以上書き続ける一方で、ボーイズラブ以外の作品も執筆している。一貫しているのは「どこまでも世間と相いれない人たち」を書いてきたことだという[3]。

2006年、「小説花丸」に掲載された中篇「恋するエゴイスト」でデビュー[4]。2007年、『花嫁はマリッジブルー』が初著書となる。2020年、『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞[5]

作家の読書道 第214回:凪良ゆうさん
引き離された男女のその後の時間を丁寧に描く『流浪の月』が大評判の凪良ゆうさん。もともとボーイズラブ小説で人気を博し、『神さまのビオトープ』で広い読者を獲得、新作『わたしの美しい庭』も好評と、いま一番勢いのある彼女ですが、幼い頃は漫画家志望だったのだとか。好きだった作品は、そして小説を書くようになった経緯とは。率直に語ってくださっています。
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2020年11月15日

田丸雅智「夢巻」

CIMG3640.JPG106「夢巻
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おれの中の殺し屋

CIMG3642.JPG108.ジムトンプソン「おれの中の殺し屋
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2020年11月14日

ジェーンスー「女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり」「生きるとか死ぬとか父親とか」

2020.11.13

CIMG3638.JPG104「女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり」

長い題名だ( ;∀;) 43才、女性。ファッション食生活趣味仕事恋愛etc。。年を重ね経験を積むにしたがって、価値観や考え方嗜好などの変化するするもの、したもの、やっぱり43才現在では受け入れられないものなどついて、誠実に丁寧に書かれている。赤い口紅白シャツ、レギンス、TRFと10代20代には??だらけの話で大笑いさせつつ・・後半は少し難しめの考察話が続くけどといちょい笑いも含む。飽きずに読了。加齢は数字が増えていくことで誰にでも平等だけど、経験の積み重ねで、加齢の結果は一人ひとり違ってくる、スーさん言うところの「理想と現実との今日の落とし前の付け方」の参考書になるんじゃないかな。


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2020.11.11

ここ2ヶ月くらいラジコでジェーンスーさんパーソナリティの番組を聞いている。あら面白いと聞いているうちに習慣になった感じ。

父の住まいの賃貸料1年分支払いのために「父のことを書くよ」と了承を取って書いたというところに興味を惹かれて読んでみた

●2016年、父77才、娘42才 正月は18年前に鬼籍へ入った母の墓参りと決まっている・・ところからはじまる。

スーさんは一人娘で経済的に大変裕福な環境の中、両親の愛情もたっぷり受けて成長した。そうすると、世間知らずのおっとりとしたお嬢様にもなりえたはずだけど、スーさんは違った。父は大変モテた男性のようで愛人もいたようだし、母はスーさんが24才のときに、ガンでなくなってしまう。父の事業の失敗で、思い出がいっぱいつまった実家は売却することにもなる・・と他多分数々の荒波にもまれた結果、自己中で高慢ちきのお嬢様にはならずに、ラジオから流れる声はさばさばしてるけど、温かみを感じるスーさんとなって、毎日リスナーを楽しませてくれるんだなと思う。

エッセイ集「生きるとか死ぬとか・・」は大変読み応えありで、父のことのみならず、母の体調悪化〜手術入院〜が克明に描かれている。同時に父親の入院等、当時のスーさんの行動、他ケアハウスで晩年を過ごしていた叔母との交流〜死他親族の話も盛りだくさん。
「生きて死ぬということは一大事業なんだ」とつくづく思う。

父の子供時代の戦争経験が父の人生観に影響を与えていて、さらに古い時代の男尊女卑の考えも浸透している等々、今後の時代においては絶滅危惧種ではないかと思うような父。だから記録しておくことはとても貴重で、何年かのち「昔はこんな人間たちがいたんだよ」歴史書としても読めるんじゃないかしらとまで思った次第(ちょっと大げさかな)。


2020.11

えっつ読んでたんだ・・( ;∀;)・・購入してしまった CIMG3625.JPG







2019.4.29 月

53.「生きるとか死ぬとか父親とか」(2018.5)野心家で女性好きで商売を成功させた父と美人で雑誌編集者だった母のもとで、ジェーンスーが出来上がっていったようだ・・なかなか大変だったなあと想像する。・・前半は面白く読み、後半は飽きちゃった( ^^) _U~~

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2020年11月11日

「鍋の中」

CIMG3634.JPG 102.鍋の中

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2020年11月09日

サキ短編集

CIMG3623.JPG サキ短編集
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遠野遥「破局」

破局』芥川賞受賞インタビュー

遠野遥「破局」書評 自分をも突き放す虚無の奥には 評者: 武田砂鉄 / 朝⽇新聞掲載:2020年08月01日

 他人がよろしくない出来事を起こすと、あんなことをする人だとは思わなかったなどと言う人がいるが、他人がどんな人かを把握しているという認識に驚く。人格なるものは常に不安定で、瞬間ごとに変化していくはず。つまり、自分でさえ、自分のことを把握することなんてできやしない。
 第一六三回芥川賞を受賞した本書は、母校の高校ラグビー部でコーチをしつつ、公務員試験の準備に励む大学四年生・陽介の一人語りで進む。政治家を目指す彼女の麻衣子と、お笑いライブで出会った灯(あかり)との間で気持ちが揺れるが、その波動は曖昧で捉えにくい。
 吐き出した言葉を、次の瞬間に疑い始めるような思索が反復するが、それが物語の凹凸を作り出すことはなく、むしろ平坦に続く。
 「私はもともと、セックスをするのが好きだ。なぜなら、セックスをすると気持ちがいいからだ」
 性欲だけでなく、欲に動かされる自分を客観視し、今の時代ってこんな感じでしょ、と言わんばかりに社会の規範を自らにぶつけ、言動を具体的に制御する。正しい人間と査定されることを望んでいるわけではないが、その手の査定に率先して理解を示していく。
 「私は、チーズバーガーを食べるはずだった。ところが、急に魚のバーガーが私の心を捉えた」
 この一文だけを引くと、あたかも英語の教科書の例文を訳したかのようだが、こういったスムーズな思考の連結に、細かなヒビが入っている。砂利のような思考の粒が挟まり咀嚼(そしゃく)を拒むが、いつしか、その砂利ごと味わえるようになる。
 陽介は、やたらと肉を食らう。突き放すように食う。他人に対しても、そして自分に対してもそんな態度だ。引き寄せては放り出す。価値を固定しようとする動きから、逃れようとする。どことなく虚無感に貫かれており、その虚無の中で何かしらが蠢(うごめ)いていることはわかるのだが、その正体をいつまでも発見させない。
    ◇
とおの・はるか 1991年生まれ。女装を始めた青年が主人公の『改良』で2019年に文芸賞。本作品で芥川賞。



2020.11.7〜11/9

101「破局」2020年上期163回芥川賞

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公務員志望で着々と準備を進めている「いい私立大学」に通う陽介の就活終盤に起こった出来事・・p105「〜悲しむ理由がなかった・・」というくだりが印象的。不気味だけど物悲しい。太陽がさんさんと降り注ぐ白い箱の中に4人の男女がポツンポツンと離れてただ立っているような絵柄が浮かぶ。

p105「私は自分で稼いだわけではない金で私立のいい大学に通い、健全な肉体を持っていた・・悲しむ理由がなかった・・つまり悲しくないということだ

★★★

私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。

【第163回芥川賞受賞作】
選考委員絶賛!
スポーツによって他者を滅ぼし、同時にセックスによって他者から滅ぼされてゆく展開は見事。新しい才能に目を瞠らされた。――平野啓一郎
ほとんどゾンビ化している人間たちによる群像劇。この作者は、きっと、手練(てだれ)に見えない手練になる。――山田詠美
「私」は嫌味な男だ。にもかかわらず、見捨てることができない。社会に対して彼が味わっている違和感に、いつの間にか共感している。もしかしたら、恐ろしいほどに普遍的な小説なのかもしれない――小川洋子

著者
遠野 遥 (トオノ ハルカ)
1991年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。東京都在住。2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。2020年『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309029054/

★★★


候補者 遠野遥 男28歳
選考委員 評価 行数 評言
平野啓一郎 男45歳 ◎ 28 「私が推したのは『破局』だった。爽快な小説ではないが、他者への共感能力を欠き、肉体的な欲望(スポーツとセックス)以外は、完全に“自律的に他律的”とも言うべき主人公の造形は、一個の現代的な典型たり得ている。」「主人公が例外的に“自律的に自律的”であったスポーツによって他者を滅ぼし、同時にセックスによって他者から滅ぼされてゆく展開は見事で、「かくれんぼ」の効果的な使用など、各部が緊密に結び合って全体を形作っている。」
吉田修一 男51歳 △ 21 「わりとよくある就活ものの青春小説だと思うのですが、そこはかとなく新しい時代の香りが漂っていて、定型的な物語が逆に新鮮に感じられたような気がします。」「個人的には本作を「若い依存症患者たちの物語」として読みました。(引用者中略)いろいろな依存が出てくるなか、主人公が抱えた「常識・マナー依存」が一番恐ろしい。」
松浦寿輝 男66歳 ■ 36 「カミュの『異邦人』や丸山健二氏の初期作品を思い出させる、乾いたハードボイルドな文体が堂に入っており、抑制された心理描写がかえってこの主人公の不穏な内面をなまなましく暗示する。」「底流しつづけていた「不穏」が最後に暴発するが、この「破局」にはしかし意外に衝撃がない。取り返しのつかないカタストロフというより、若さの無思慮ゆえのちょっとした失態といった程度にしか読めない。」
小川洋子 女58歳 ◎ 31 「二重丸をつけて臨んだ。正しさからはみ出した奇妙な邪悪を描く小説は珍しくないが、『破局』は正しさへの執着が主人公を破綻させる点において、特異だった。」「彼は嫌味な男だ。にもかかわらず、見捨てることができない。社会に対して彼が味わっている違和感に、いつの間にか共感している。もしかしたら、恐ろしいほどに普遍的な小説なのかもしれない。」
島田雅彦 男59歳 △ 16 「「ラガーマンがストーカーやファシスト、ゾンビ、自粛警察になったら」という設定で読むと、不愉快極まりない。おそらくこの不愉快な読後感は、無知とゆがんだ正義感と過剰な体力でスクラムを組まれたら、絶対押し切られるという不安とセットになっている。」
山田詠美 女61歳 ◎ 14 「ほとんどゾンビ化している人間たちによる群像劇、と読んだのは、私だけだったようだ(ほら、走ってタックルするのは、ラグビーかアメフトかゾンビだし)。そんな勝手な読み方をしたせいか、私にとって一番おもしろかったのが、これ。」「この作者は、きっと、手練に見えない手練になる。」
川上弘美 女62歳 △ 11 「表現しようとしていることと、言葉の間に、美しい相関関係があり、その相関関係は一つの完成した数式で表せる、そんなふうに感じました。その意味で、この小説も検算ができるのかと、二度三度読んでいったのですが、いつの間にか検算ができなくなっていた。興味深いです。」
奥泉光 男64歳 ■ 13 「主人公は「欠落」を抱えた人間である。だからこそかれは世間の通念に過剰に従おうとするので、そのアイロニーが笑いを生んでおもしろい。が、かれの「欠落」とは、しかしいったい何なのかと、思考を誘う力が弱い感じがした。」
堀江敏幸 男56歳 ○ 24 「ゴールまでの距離感がしっかりしている作品だった。終着点の不意打ちを活かす加速にも無理はない。」「トライを決めない無意識の節度と、見えない楕円球を手放したまま警官の頭越しに見える空の抜け具合に、敵と味方の言葉の呼吸がうまくかみ合っていた。」https://prizesworld.com/akutagawa/jugun/jugun163TOH.htm続きを読む
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2020年11月08日

川上未映子「ウィステリアと3人の女たち」「夏物語」「愛の夢とか」「あこがれ」「真夜中の恋人たち」

2020.11.7〜

CIMG3622.JPG100.ウィステリアと三人の女たち 2018年刊 再読

Cウィステリアと3人の女たち

「ウィステリア」 は 隣家に住んでいた女性の別名、

「私」38歳、29歳で3歳年上の男性と結婚し、3年後自宅購入、妊娠しないことに気づき、不妊治療を始めたいと希望するが夫に拒否される。「私」は365日同じ暮らしをしている。。隣家が解体されることになり、「私」はある夜、無人になって解体途中の隣家に忍び込む・・
真っ暗な家の中は。。「私」の心だ、窓はあるけれど光がないから役に立たない・・「私」は「ウィテリア」の生涯を感じる、ウィステリアも子供が欲しいと願った季節があった。それは「私」が子供を欲しいと思う動機とは全く違う・・「私」も「ウィステリア」もめちゃめちゃ孤独だ。寂しいしつらいetc・・でもその「孤独」の質は全く違う・・さて。これから「私」はどうするだろう

@彼女と彼女の記憶について・・少し人気に陰りが出始めた女優が、中学校時代の同窓会に行った。ほとんど記憶の無い時代。同窓会の時間を過ごすうちに記憶が少しづつよみがえる。。

記憶・・過去に体験したことや覚えたことを、忘れずに心にとめておくこと。また、その内容。https://dictionary.goo.ne.jp/word/記憶

※私が黒沢ともこに行った行為はいけないことだった。性的興味を満たすことだから。黒沢ともこは困惑しただろう。不登校やのちの自殺につながることだったかもしれない・・性的興味を持つなとはいわないが、性のことについて語り合うということは幼少期から必要なことなのだと思った次第

Aシャンデリア・・・思いがけなく金持ちになった「私」は、毎日、デパートに行って過ごしている。・・コインの裏表のように人生が変わってしまったときのとまどい

Bマリー愛の証明・・マリーは8年前に1歳に満たない娘を亡くした・・死にたいとは思わないし、幸福に生きたいと思えるまでにはなったが、8年前以前のマリーには戻れない。「愛」とはなんだろう・・



2020.10.28〜11/2

CIMG3608.JPG 97.「夏物語」2019年夏の出版。出版された時は読めなかったのに(面白いと思えなかった??)なぜ今??と自分でも1000でもわからない。1000ページの長編をほぼ土日で読み切った。。。休憩や散歩をはさみつつも読み進めることをやめられなかった。読み終わった脱力感が一夜明けた後も続いている、できるなら布団にくるまってぼーっとテレビでも眺めていたいといったところ・・生きること死ぬことを考え続けてきた夏目夏子は、産むこと生まれることへの思索も深めていく・・中で「会いたい」という気持ちが芽生える。夏子は性行為に違和感を感じていて性行為なしに子供を産む方法はないのだろうかと模索し、AID非配偶者間人工授精を知る・・夏子は姉の巻子、姪の緑子をはじめ様々な人に会い会話をし考え悩み苦しみ絶望し、高熱にくるしみ・・最後は決断する。500ページ分くらいは鼻をすすり涙を流しティッシュ1/2箱を使った。。あぁ私もつらかった。最後の数ページは圧巻・・今朝読んでまた泣いてきた。この物語をピラミッドで表現するとてっぺんにいるのは逢沢の育ての父だ。彼のことについて書かれているのはほんの数ページなのだけれどここがキモだと泣きながらガッツポーズをした。逢沢と夏子のことをよんでいるとき、「1Q84」の天吾と青豆を思い出した
いっぱい感想や考えるところはあるのだけれど。。一つが、姉の巻子が豊胸手術を受けたいと騒いで東京にすむ夏子のところに来るのが39才、夏子がAIDについて知り考え始めるのが38才。。40才手前は変化を求める時期なのかなと興味深くよんでいた


2015.12.13(日)2019.9.16 月 再読(2019.121冊目)

あこがれ」(2015.10)小学生の
「麦くん」と「ヘガティ」、他、周辺の子供たち大人たちの物語・・(2015年126冊目・・2015年一番のお気に入り・・)




2016.7.2(土)

62.愛の夢とか2016.4.25刊講談社文庫、谷崎潤一郎賞受賞作・・うち最後の短編「十三月怪談」を読書中・・p165〜・・「春のせいでぜんぶの時刻が結う津で。なんだかだるくて・・」・・時子、夫の寿潤一。時子は。。「何かそれっぽいことがあると自分の能力の及ぶかぎりの最悪なシチュエーションを想定してそこからとめどもなく想像をふくらましてゆく」・・2012.6月発表・・東日本大震災でだけではなく、人は、いつか死んでゆく。死ぬとはどういうことなんだろう、残された人はどう生きていくんだろう・・というお話・・「ひらがな」を多く使って書いている部分は死者の世界を現していると思う

2016.6.29(水)

62.愛の夢とか2016.4.25刊講談社文庫

再読・・以前読んだときよりも感動している・・
2011年震災を扱っているなあとか出産予定前の苦しさをテーマにしている話とか様々な短編・・
発表しているのは2011年秋ころから・・ということで・・震災を扱っている最初のほうの作家になるのではないかと考えた・・


★★★

結婚を発表した川上未映子さん、最新作で「恋愛の究極」を投げかける2011年12月01日(木)23時12分配信 WEB本の雑誌

 芥川賞作家の川上未映子さんが、同じく同賞を受賞している阿部和重さんと結婚していたことが、今日発売の『週刊新潮』で公表されました。芥川賞作家同士の結婚は、初めてのことです。2人は2008年に知り合い、今年1月から交際をはじめました。入籍には否定的だった川上さんでしたが、阿部さんの「求婚の舞」に心が動き、結婚を決意したそうです。川上さんは現在妊娠中で、来年初夏に出産を予定しています。

 阿部さんは43歳で、川上さんは今年8月に35歳を迎えました。奇しくも、川上さんが10月に発表した初の長編小説『すべて真夜中の恋人たち』の女性主人公は34歳でした。

 同作の主人公・冬子は、人づき合いが苦手な34歳。人間関係に疲れてしまった彼女は、会社を辞めてフリーランスの校閲者に。もともと静かに生活を送ることを好んでいた彼女が、カルチャーセンターで58歳の男性・三束さんと出会ったことで、物語が動きだします。


 「わたしは三束さんのことを思い出して息を止め、ふたりで話したことを思いだし、とてもすきだったことを思いだし、ときどき泣き、また思いだし、それから、ゆっくりと忘れていった。」

 人生にちりばめられた儚いけれど、それだけあれば生きていける光を同作で表現。年上男性に出会う34歳の冬子に、川上さんが自分を重ねたのかは定かではありませんが、恋愛の究極を投げかけた渾身の長編作です。

幸せの形決まってない 川上未映子新刊

「今回は描写を徹底した」という川上

 人と人がふれあったときに発生する熱を言葉にしてきた作家川上未映子が『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)を刊行した。2年ぶりの長編で、初めての恋愛小説だ。「30代女性のリアリティーを書きたかった」という言葉通り、甘くはないが、人生の輝きを切り取った作品だ。

 「ヒロインは普通、美しいとか病弱とか、特殊能力があるとか母になるといったような条件が必要なんでしょうが、そのどれでもない人にある豊かなものを書きたかった」

 本作の主人公は、自分の意思で何かを選んだことがないという入江冬子。34歳のフリー校閲者で仕事は着実、友人なし、恋人なし。楽しみは一年に一度、誕生日の真夜中に散歩に出ること。地味ながら充足した毎日だったが、仕事相手である同い年の女性のバイタリティーに触れ心のバランスを崩していく。カルチャー教室に申し込もうとして失敗するが、そこで定年近い物理教師という三束(みつつか)と出会う。

 無口な2人は、光の話をきっかけに心を通わせていく。無数の色が混じり合っている光は手に触れることができない。「光は何かに反射してはじめて視覚できるものです」と三束。冬子は、見えている色は「残りの色なんですね」と返す。

 川上は「光の構造って、人間の生そのものだと思いませんか」という。

 いわゆるハッピーエンドではない。「幸せの形は決まったものではない。昔を振り返った時にあったなと眺められるような、今この瞬間はあるなと思えるような、点のようなきらめきでもいいのでは」

 三束の誕生祝いの後、冬子は「わたしたち、ちっとも同士なんですね」とつぶやく。この「ちっとも」は、川上のキーワードだという。「どんな強い人にも『ちっとも』な弱い部分があると思う。その人間の弱い部分をメーンにして、恋愛のダイナミズムを書きたかった」。創作の動機について、「満足している人により満足し楽しんでもらうより、弱い人の弱い部分を半分にできればいいなという思い。世界にはつらく悲しい人の方が多いから」とも。

 詩人でシンガー・ソングライターでもある川上。「小説は豊かな言葉の世界に気付かせてくれる。言葉の恩恵にあずかり、遊ばせてもらっている感じ」と話す。詩も長編小説も、選び抜いた言葉のゆるみのない連なりだ。「言葉で戦う覚悟は出来ています」と、背筋を伸ばした。(吉村千彰)


川上未映子:「1Q84」との比較も 掲載誌完売の話題作・小説「ヘヴン」発売続きを読む
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2020年11月04日

又吉直樹[「人間」「火花」

https://prizesworld.com/akutagawa/jugun/jugun153MN.htm 芥川賞選評


又吉直樹はなぜ小説を書くのか、小説は世界を変えられるのか?



2020.11.2 月〜11/4


99.人間 2019.10出版

2020.11.6 金

なにを書きたいのかわからず、何度も読み続けるのが嫌になったが、どうにか最後まで読んで、やれやれ面白かった・・といったところ。
途中、永山=影島=又吉さん。。じゃないかと思うことから逃れられず、今もそう思っている。

主人公永山は、漫画と文章を書いて生計をたてている(ようだ)。気難しい人間だと言われている。永山は絵を描くことが大好きだったが、小学校低学年時の教師の一言(奇をてらうな、普通に描け等・・)傷つき、自由に絵が描けなくなった。(どんなにかつらかったろう)。絵を描くことは恥ずかしいけど、漫画ならいけるかもしれないと、漫画を描き始め、高校卒業後、表現者たちのたまり場となったハウスで生活し、デビュー作となった作品は、酔っぱらって寝ている間に飯島先輩とめぐみによってまとめられた作品だった。その事実を知らされ傷つき・・かもやもやしたまま38才となる。・・そのころ、芸人影島が作家としても活躍しはじめ、彼が昔のハウス仲間だったと気づき、永山の停滞していた生活は動き始める・・。

才能=生まれ持った、優れた能力・・永山や影島たち若者はハウス(=井戸)から宇宙をみて、宇宙にでると、ボコボコにされうちのめされ傷つけられる。。ぼこぼこにされた人間は、さて、どうする、どうすればいい、どうすればよかったか・・と逡巡する・・(読んでいてくたびれるはずだ)・・

影山は永山の「罪状=凡人Aの才能を信じていること」という言葉について、逆説的に「自分は才能がある」と言っていることだという。「自分の描きたいこと(表現したいこと)を描けば(表現すれば)いいじゃないか」という励ましのように感じる。

又吉さんの小説には本当にへんてこな人たちがいっぱい出てくる。北海道育ち、東北地方暮らしの私には新鮮だ。けれど、こんな人間がいっぱいいるとこで生きていけないとつくづく思う。ともあれ、又吉さんがまた小説を書いたら、また「理解できない」と言いながら読むことは間違いない

★★★

読了後、新聞をめくっていたら、「人生案内」が目に留まった。この日のお悩みは20代女性からで「趣味で表現しているものをツイッターであげているが、あまり評価されないこと(いいね!の数のことかなと想像)が哀しいし、憤りも感じる」・・その回答は「評価より前に、自分を主語にして、目標を決め、少しづつ進んでいきましょう・・・他人が何を求めているかがわかるようになり求めている内容を相手に提供できてはじめて評価してくれるようになるのです」だった・・・今までになく納得感が大きかった。これって、「人間」を読了した影響に違いないと思ったし、回答に納得できたことが嬉しかった。読書っていいな。

★★★★

仲野太一(イラストレーター)はぼく(永山)に「お前は絶対になにもなしとげられない」といった(呪いの言葉だ。仲野くんはなぜこんなことを永山にいうのだろう)

ぼくは 38才の誕生日に「自分が生きてきた38年間は嘘ばっかりで、からっぽだったのかもしれない」と思う (直前まで「夏物語」を読んでいたせいで、だからなんだよ!!と悪態をつきたくなる・・('ω'))

しかし・・p5「踏むことのなかった犬のクソみたいな人生(笑)」という言葉は、芸人さんならではの言葉ではないかと思い、続きを読もうと思う。・・95「吐くことのなかったゲロの名残りみたいな人生」「踏んだけど気づかなかった手製の詩集みたいな人生」

永山と仲野の出会いは19才、永山は一人欠員がでたという飯島仲野田村がすむハウスに住むことになった。永山は家賃が3万円と安かったのが魅力ではあるが、それ以上に刺激がほしかったのだと回想している・・p14「東京に行けば新しくて楽しい日々が待っているという考えは幻想にすぎず、代わり映えのしない毎日は確実に自分を疲弊させた。そんな日常に変化をもたらしたかった」

絵本作家を志している名古屋出身のめぐみに会った

p23仲野が世間から評価されても自分にとってはどうでもいいことだった

ハウスの住人やそこに出入りするひとのほとんどが上京者で創作を通して何者かになろうとしていた。

p26 飯島や作業員への後ろめたい気持ち

p47「不気味、そういうはみ出した感覚がないと創作するのって難しい。常識があってさらに面白い人なんてただのすごい人。永山くんてそう見せようとする潔癖さはあるけどできとらんのよ」とめぐみは言う








2020.9.25 金

3回目は129ページでダウン・・ますますつらい話に展開していくから。・・芸人の話とあって理解できない箇所や疑問も多々あるのだけれど、売れない芸人・神谷徳永大林山下と神谷さんを好きだった真樹さんの・・苦しみくやしさ悲しみがみっちりつまった話。p120の「俺達がやってきた100本近い漫才を富谷は生まれた瞬間に超えた」なってセリフには叫びだしたい気持ちとなる(徳永も叫びたいと書いてある)今のページで神谷は32歳徳永28歳、出会ってから8年がたち伝記ノートは10冊以上になった。。時は流れ環境も変わる、いつまでも20歳のままではいられないのだ。。130ページ以降斜め読みになってしまいそうだけど、きっとまた再読すると思う。

2020.9.24 木

3回目くらいかな89.「火花」2015年 153回芥川賞受賞作

神谷さんは徳永に「お前は静かに観察する目を持っている」といい「俺の伝記を書け」という。

漫才とはなにか。。二人で究極の面白い話をして、お客さんを笑わすこと(笑われることではない)。強烈な個性が立つことでもなく話芸がすぐれていることでもない・・と書いてある
「究極の面白い話」をするためにどうしたらいいかを考え試行錯誤ているのが神谷さんや徳永のような芸人さんたちということか。
徳永は他者とうまくつきあうことが苦手だ(そもそもうまくつきあうってどういうことなんだろ)ぶっきらぼうで斜に構えてる付き合いづらい奴とか退屈で面倒な奴とみられがち。神谷さんはそんな徳永を面白い奴と思ってくれた。そこに徳永は、依存してしまった、神谷は自分と同じタイプの人間だと思っていた・・しかし徳永は気が付く、神谷さんは人とうまくつきあえる人だけど、うまく付き合えない人というキャラを選択しているのだと。・・絶望する。私だったらここで付き合いをやめてしまう・・しかし徳永は神谷さんとつきあうことをやめない。。ここで二人のつきあいが終われば神谷さんのその後はちがっていたんじゃないかと思った・・どうかな。続きを読もう・・

相方の山下は中学の同級生。「漫才をやるために上京してきた俺たちに、漫才より優先すべきことなどない」という徳永との間に温度差がある。p71山下は3つあやまることがあるといったが2つしか出てこなかった。3つ目は「やめたい」だったのではないか。

なぜ神谷さんはお金もないのに徳永に飯をおごるんだろう。
なぜ徳永はいちいち自分の行動や考えを間違ってるんじゃないかとか軽い人間だとか否定形で表すのだろう

p96「気づいているかいないかだけで、人間はみんな漫才師である」 神谷理論

徳永、神谷さんにあいたくなるのは概ね自分を見失いかけた夜だった

神谷さんは32歳、徳永は28歳、伝記ノートは10冊以上になった
p123「神谷さんは徳永をキャンパスにして自分の理論を塗り続けているのかもしれない」
神谷さんは、師匠としたってくれる徳永のおかげで、理想は高いままで生き難くなるほど幻想が巨大化している
負けを負けと認められなくなっている

真樹さんとのエピソードのシーンはジーンとする。。真樹さんと最後にあって10年後、真樹さんは幸せそうに微笑んでいたというシーン。

★★★


『火花』(ひばな)は、お笑いタレントの又吉直樹が書いた初の中編小説。

初出は『文學界』2015年2月号(文藝春秋)。掲載時より現役人気お笑いタレントの手がけた純文学小説として話題を呼び、文芸誌である同誌が増刷されるヒットとなったほか、第28回三島由紀夫賞候補作[1]、第153回芥川龍之介賞受賞作。

2016年にNetflixと吉本興業によってネット配信ドラマとして映像化され[2]、翌2017年にはNHK総合にて、前年にNetflixにてネット配信されたものの再編集版が放送開始(後述)。

2017年2月14日、板尾創路監督により映画化されることが発表された。同年11月に公開[3](後述)。

2018年、観月ありさの主演で舞台化[4]。

出版の経緯
文藝春秋発行の『別册文藝春秋』編集者であった浅井茉莉子が2011年に、プライベートで文学フリマを訪れていた又吉と出会ったことで小説を依頼するようになり、短編小説を2作発表。浅井が2013年に『文學界』編集部へ異動したのに伴い新作の執筆を依頼し[5]、2015年2月号に掲載された[6]。発売前から「タレントが純文学作品で主要文芸誌デビュー」と話題になっていたが[7]、発売初日の1月7日にインターネット各書店では軒並み品切れ状態となり、8日に7000部、9日にはさらに2万3000部の再増刷が決定し[8]、累計は4万部に達した[9]。『文學界』の増刷は1933年の創刊以来、資料に残る範囲で初めてである[10]。又吉自身は文芸誌での連載作品がここまでの注目を集めるとは思っておらず、作品の反響に戸惑ったという[11]。

2015年3月11日に同社から単行本として発刊された[12]。装画は西川美穂で、彼女の2011年の絵画作品『イマスカ』が又吉自身の即決により採用された[13]。装丁は大久保明子。

2015年8月時点で、単行本の累計発行部数は239万部を突破した[14]。村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を抜き、芥川賞受賞作品として歴代第1位[15]、文藝春秋刊行物として歴代第2位の単行本部数となった[16]。また、電子書籍版は10万ダウンロードを突破し、文藝春秋刊行物として歴代第1位となった[17]。2017年2月時点では、累計発行部数は単行本が253万部、文庫本が30万部[18]。

芥川賞受賞作2作品を全文掲載し、受賞者インタビューや選考委員の選評も掲載される『文藝春秋』9月特別号(8月7日発売)は110万3000部と「異例」の発行部数となった[19][20]。同誌の歴代第2位の記録となる(第1位は、綿矢りさ『蹴りたい背中』、金原ひとみ『蛇にピアス』の掲載された2004年3月号の118万5000部)[21]。

2015年8月21日に芥川賞贈呈式が開催され、又吉はあいさつで、執筆活動と芸人の両立について「どっちが上ではなく両方必要」と述べた[22]。

又吉は、出身校の関大北陽高校(大阪市)のサッカー部に、芥川賞の賞金100万円で製作したユニホームを寄贈した[23]。

2016年6月3日、台湾の出版社の三采文化(さんさいぶんか)社より、台湾での翻訳版の発売を開始[24]。

2017年5月、中国の人民文学出版社より中国での翻訳版を発行。翻訳者は神戸国際大学の毛丹青教授。同年6月に上海で行われた記念イベントに又吉本人が出席。[25]

あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権を侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2018年12月)(使い方)
売れない芸人・徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人・神谷と電撃的な出会いを果たす。徳永は神谷の弟子になることを志願すると、「俺の伝記を書く」という条件で受け入れられた。奇想の天才でありながら、人間味に溢れる神谷に徳永は惹かれていき、神谷もまた徳永に心を開き、神谷は徳永に笑いの哲学を伝授しようとする。

登場人物
徳永(とくなが)
本作の主人公。お笑いコンビ・スパークスのメンバー。
熱海の花火大会で、神谷と出会い、弟子入りを志願する。
神谷(かみや)
お笑いコンビ・あほんだらのメンバー。
天才肌で奇抜な発想を持ちながら、人間味に溢れているが、人付き合いが悪いため、他の芸人の間では悪名高い。
山下(やました)
徳永の相方。徳永とは、中学時代からの友人。
大林(おおばやし)
神谷の相方。
喧嘩っ早く、かつては地元で不良と恐れられ、徳永が住む隣町でも有名な存在で、神谷共々芸人の間で悪名高いが、情に篤い。
真樹(まき)
神谷と同棲している女性。
徳永からは、恋人だと思われていたが神谷は否定している。
夢路いとし・喜味こいしの漫才との類似
本作には主人公の徳永と神谷が鍋をめぐって会話するシーンがあるが[26]、その内容が夢路いとし・喜味こいしの漫才「ジンギスカン料理」に酷似していると指摘されている。

友人からこの話を聞いた編集者の元木昌彦は、こいしらが編纂した書籍[27]に収録された「ジンギスカン料理」を確認しネタ元であると判断し、この件を記事としてインターネット上で公表したため[28]、広く知られるようになった。なお、元木は『火花』の中で大師匠の訃報が報じられるシーンがあることに着目し、これは2011年に亡くなった喜味こいしのことを指しており、オマージュであった可能性もあると指摘している[29]。しかし、仮にオマージュであったとしても、巻末などでいとし・こいしの漫才を元ネタにしたと明かすべきだと元木は主張し、出典を明記すべきと指摘している[29]。

雑誌『サイゾー』は、『火花』の発行元である文藝春秋に対して質問状を送付し、又吉がいとし・こいしのネタを知っていたのか、知っていたなら当該ネタを使用した意図は何か、本件について文藝春秋としてどう考えているかを質している[29]。これに対し、文藝春秋の法務・広報部は「この記述は、この場面の直前に『大師匠の訃報』とありますように、先輩芸人であるいとしこいし師匠に敬意を表して書かれたものです」[29]と回答しており、いとし・こいしを念頭においた記述だったことを認めている。

なお、ドラマ版では大師匠が夢路いとし本人の訃報に変更されており、劇中内のニュースでは実際の漫才映像が使用されたほか、出演者クレジットにも「いとし・こいし」両名の表記が見られる。

評価
第28回三島由紀夫賞候補(2015年)[1]
受賞
第153回芥川龍之介賞(2015年)
第28回小学館・DIMEトレンド大賞「レジャー・エンターテインメント部門」(2015年)[30]
Yahoo!検索大賞 2015・小説部門賞(2015年)[31]
posted by りょうまま at 06:45| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする