2020年10月16日

宇佐見りん「かか」

2020.10.16 金

CIMG3585.JPG 93・かか

p55「うーちゃんはにくいのです。ととみたいな男も、そいを受け入れてしまう女も、あかんぼうもにくいんです。そいして自分がにくいんでした。自分が女であり、孕まされて産むことを決めつけられるこの得体のしれん性別であることが、いっとうがまんならんかった。男のことで一喜一憂したり泣き叫んだりするような女にはなりたくない、誰かのお嫁にも、かかにもなりたない。女に生まれついたこのくやしさが、かなしっみが、おまいにはわからんのよ」

★★★

ひらがな多用の物語はとっても読みづらいしくたびれる。けれど、主人公うーちゃん19才の過酷な生活とつらい苦しい感情を表すには平仮名多用がぴったりだったのかなと思う。うーちゃんはかか(母)になることが夢だった。かかが大好きだった。成長につれかかを憎むようになるが・・
。かかへのぐちゃぐちゃな気持ちと決別するために、うーちゃんはかかの手術の前日に旅に出る。・・母と娘の物語は数多くあって、辛さ苦しみ生きづらさを延々と述べた後、どうやってそこから抜けていくかという展開になる。うーちゃんの物語は・・すさまじかった。という感想。SNSコミュニティでなんとか生きながらえているという様子もよくわかった。10か月の妊娠期間中、母と子はべったりくっいている。お互いになくてはならない存在、分身のような存在になってしまうのも理解できなくはないなあとこういう話を読むたびに考える。
posted by りょうまま at 05:21| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする