2020年08月31日

上田岳弘「ニムロッド」2019年第160回芥川賞


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2020.8.31〜9/3木読了・・

坂本哲史。。ビットコイン創設者名ナカモトサトシと同じ名前、システムメンテナンスの仕事の傍ら社長の命令でコインビットの採掘作業もしている・・時々、左目からのみ水のような涙をながす

ニムロット(荷室仁)・・坂本哲史の同僚で1歳上の先輩。小説家を志していたが3回新人賞に落選したあとうつ病になって休職〜復帰、中本哲史にだけ書いた小説を見せるようになる

田久保紀子・・出自生育環境良好学歴完璧一流外資系証券会社勤務、結婚〜離婚、一見華やかな人生を過ごしている


仮想通貨コインビットを主素材として情報化社会の住み心地の悪さ、不快感、息苦しさを表現〜「寿命の廃止」でも幸福を感じられない「最後の人間」の在り方

「僕はニムロット、人間の王」という記述が出始めて、「うわぁ、狂ってる!!」と思ったり「私は不老不死なんてまっぴらだわ」とおもったり・・。読了後はふうーーとふかーい溜息。芥川賞受賞作はどれも難しいけど、読み切ってみるとすべて「面白かった」と思う。(2016年受賞作「コンビニ人間」は大好きだ。

ニムロットと田久保紀子は、哲史との交流を断つけれど、人生に絶望しているけれど、どこかでたくましく生きていると思う。「トーホーヨージョー」氏のように。坂本哲史はどうだろう・・二人とは違うたくましさで、一見何気に生き続けて行く・・ってなてほしい

演劇になったところを見てみたい、面白いんじゃないか??映画はイヤだな。と思う


2019.3.15


2019年第160回芥川賞

上田岳弘「ニムロッド」

第160回芥川賞受賞作。それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。 あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。 やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 … …


第160回芥川賞受賞作。

それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。
あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。
新時代の仮想通貨小説。

仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……


著:上田 岳弘(ウエダ タカヒロ)
1979年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞受賞。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞受賞。2016年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。2018年、『塔と重力』で平成29年度芸術選奨新人賞を受賞。著書に『太陽・惑星』『私の恋人』『異郷の友人』『塔と重力』(以上、新潮社)がある。


上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。
兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て[1]、早稲田大学法学部卒業[2]。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる[3]。
2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー[4]。
第28回三島由紀夫賞の選考において、又吉直樹著『火花』(第153回芥川龍之介賞受賞作)との決選投票の末に、「私の恋人」への授賞が決定[5]。
朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした[6]。
2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される[7][8]。
2017年、小説「キュー」を、雑誌「新潮」とYahoo! JAPANスマートフォン向けサイトで同時連載開始[9][10]。
2018年、第68回芸術選奨新人賞受賞作『塔と重力』を原作として、オフィス3〇〇40周年記念公演『肉の海』(脚本・演出:渡辺えり)が本多劇場で上演される[11]。
2019年、「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞。
人物[編集]
人生で影響を受けた本として、村上春樹『風の歌を聴け』、ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』、カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』を挙げている[12]。
同じように経営者と作家の二足のわらじを履く加藤秀行、小佐野彈とは交友がある。


上田岳弘さんインタビュー
『私の恋人』上田岳弘(新潮社 2015年6月30日)
旧石器時代の洞窟で、ナチスの収容所で、東京のアパートで、私は想う。この旅の果てに待つ私の恋人のことを――。アフリカで誕生した人類はやがて世界を埋め尽くし「偉大なる旅(グレートジャーニー)」一周目を終える。大航海時代を経て侵略戦争に明け暮れた二周目の旅。Windows95の登場とともに始まった三周目の旅の途上で、私は彼女に出会った。

新刊『私の恋人』拝読させていただきました。まずは物語の語り手について質問させてください。この作品は、クロマニョン人、第二次世界大戦下のユダヤ人、現代の日本人という三人の“私たち”の視点で語られる物語です。前作の「太陽」、「惑星」もまた、「かつてトマス・フランクリンであった私」、「最終結論である私」という特徴的な語り手でした。別のインタビューではそれを、「一人称・神視点」と表現しておられましたが、このような視点はどうやって生まれたのでしょうか。
 もともと僕がデビューに向けて書いていた2011〜12年頃、純文学のなかでいわゆる人称の問題、「一人称の限界をどう越えていくのか。」ということがホットなトピックでした。それで、どうしてみんなそういうことに挑戦するのかと考えた時に、これは僕の持論ですけど、純文学が取り組む課題というのは、なにがしか社会の今持っている課題、あるいは人類全体の課題とリンクしているのではないかと思ったんです。だから、じゃあ一人称の限界を超えるんだったら、そういった課題に食らいつくためにそうしよう、と突き詰めていきました。その結果として、「太陽」や「惑星」のように全てを知る者が語ったり、『私の恋人』のように過去を全て記憶していて時間軸を飛び越えるという視点を試してみたというのが率直なところですね。
─高橋陽平による「行き止まりの人類の旅」の分類がとても興味深かったです。人類が地球上に伝播し、現生人類に絞り込まれていくまでの過程が一周目、二周目はイデオロギー間の闘争が第二次世界大戦の原爆投下によって決着するまで、そして、IT技術の進歩によって生まれる人工知能に思考や感情に至るまで侵食され、全方向において優位に立たれるまでが三周目。“私たち”であるクロマニョン人、ハインリヒ・ケプラー、井上由祐はそれぞれの周期を生きていますが、人類の歴史をこの三つで区切った理由をお伺いできますでしょうか。
 明確にプロットを立てて書いたものではありませんが、技術的、物理的な転換点を意識していたかもしれません。例えば一周目の、人類が地表全部に行き渡ったというのは物理的な話ですよね。まあ海を渡ったとすれば、技術的な到達があったと言うべきかもしれませんが。それで、二周目の終わりに原爆が落ちた。つまり、技術的には地球そのものを破壊できる程のものが実現したということです。そして、三周目の“彼ら”という存在も明確に技術的な転換点です。そういうテクニカルなトピックを拾っているんだと思います。
─その分け方は最初から決めていたのでしょうか。
 書きながらですね。もともと序文に続いて、原爆が落とされたという事実から書き始めていまして、世界において同じくらいインパクトのあるメルクマールは何だろう、と考えを紡いでいきました。すでに技術的には、その気になれば個人の意思によって地球を滅ぼすことができるという状態にある。小学生のときに広島・長崎について学ぶ僕らは、以降頭のどこかに、原爆投下の衝撃がずっと残っているというのが普通なのかもしれません。「太陽」でも、最後の大錬金の起爆装置のスイッチは原爆から始まります。「惑星」では、オリンピックの花火と水爆の実験を重ね合わせて書いたりもしています。
─エピグラフで引用されている『宇宙戦争』のGoogle翻訳は不完全な日本語でしたが、それは現在が三周目の途中であることの象徴のように感じました。
 その通りです。今はまだこの程度で、そこまで恐るるに足らないのかもしれないよ、と。でも逆に言うと、現状ここまでは来てしまっている。そういう物差しを最初に提示しておいたら面白いかなと思ったんです。“彼ら”は、今はまだこういうレベルだけど、今後、人間よりも精密な翻訳ができるようになってくるかもしれません。
─上田さんは別のインタビューで、「予知や予言が文学の果たすべき役割。純文学は、新しい物を提示する使命もあると思う。できなければ消化試合。いや、負けた気がする。」と語っておられました。上田さんが未来を描く上で、拠り所となるものを教えてください。
 やはり現在がベースになっていると思います。今あるものがどうであるのかを見つめて、これまでどう動いてきたのかという加速度や方向性を観察したり、今後どうなっていくのかを考えたりします。逆に言うと、今どうなのかということを把握し表現するために過去や未来を書いているんですよね。それでもし、読者にリアリティを感じてもらえない荒唐無稽な作品になってしまったとしたら、それは作家の視点があまり良くない、認識の仕方が間違っているということだと思います。
─捕鯨反対運動に参加するキャロライン・ホプキンスが語った「ロブスターより鶏かわいそう、鶏より豚かわいそう、豚より鯨かわいそう、鯨よりイノウエかわいそう。ゆっくり広げていって、かわいそう広げていくの」という言葉が印象的でした。「太陽」では ドンゴ・ディオムが「自分たち」の範囲について、「人間というカテゴリで絞るなら、(中略)余裕があれば俺を含めた黒人も「自分たち」という範疇に入れてもらえるというものだ。しかし、余裕がなくなれば「自分たち」の範囲はどんどん狭まっていき、自分の人種、自分の国、自分の家族、自分、という具合に限定されるのではないか?」と同じ意味のことを語っています。この考え方について詳しくお聞かせください。
 僕は、「自分が自分である」ということが偶然のような気がしているんです。たまたま先進国に生まれ、たまたま男性で、たまたま五体満足で、という全てが「まぐれ」だと感じます。そうすると、カテゴライズというのは居心地が悪く、すごく苦手なものに感じられます。そういう僕の違和感は身勝手なものかもしれませんが、皆さんにも味わってほしくて、そのような表現をしたのではないかと思いますね。
─自分は偶然、今の自分であるということですね。
 区別や差別というものは、自分が他者より少しでも優位に立つため、本来の生存欲求に由来するのではないかとは思うんですけど、自分がそのどちら側で生まれてくるのかというのは、たまたまですよね。もしかしたら迫害される側に生まれたかもしれないし、もっと言うと人間でない動物に生まれた可能性だってあります。そう考えたときに、何かで区別して、より優位な方はこちら側だと主張しようとしても、全体で見ると自分にとっても都合が悪くなってしまうんですよね。
─なるほど。
 それで僕の精神衛生上のことですが、安楽な境遇に生まれたのであれば、その有利な立場を使って何か義務を果たすというか、難しいことに挑戦することが救いになるように思うんです。そのために僕は純文学というなんでも扱える、ノンカテゴリ、無差別級な感じがする表現を好んでいます。そして僕の作品は、SF的であると言われることもありつつ、純文学として受け止められている。やっぱりカテゴライズってわかんないなと(笑)。ともかく、自分が好き放題に書いたものを読んでいただけ、好き勝手に受け取っていただけるのは、非常に幸せなことだと思っています。
─上田さんの作品の、「グジャラート指数」、「基礎パラメータ」など数値や分類を使った明快な論理は、まるで、論文を読んでいるかのように感じる時があります。そのあたりは何か意識されていることはありますでしょうか。
 一般に、文学は論文に比べて、割り切れないものをそのまま描いてよいとされていると思うんですけど、それなら逆に、どこまで割り切れるのかを試していきたいと思って。心情的な違和感を強引に割っていく内に、学術的に証明されていることや、数値への置き換えが関連していきます。それでも割り切れないで残るものは何なんだろうと。僕にとっては、その割り切れない固いものが現時点の文学なのかなと思うんです。
─「太陽」に出てくる“高レベルの幸福や不幸に対しての許容度を表す数値”というグジャラート指数は、本当に存在するものだと信じてしまいました。
 そう思っていただけたのは、おそらく腑に落ちたからだと思います。なんかありそうだなと。そういうリアリティが達成できたのは嬉しいですね。グジャラート指数のような指標は、もちろん学術的には証明されていないでしょうけど、そういうものを勝手に作っていいのが小説ですから。「惑星」でも、“法整備レベルと技術レベルがAのカテゴライズの国に関しては、中央集権タイプの国家で人口上限が1億2千万人、連邦制タイプで3億6千万人”という嘘をついています(笑)。学術的な証明はできないだろうけど、真実っぽいものを作るのが好きなんです。そこにリアリティを感じられる時は書いていて本当楽しいですね。それに対して、読んでくださった方が色々な考えや知識を返してくださるのは、作家としてありがたいです。
─話題が変わりますが、私たちブックショートは、「おとぎ話や昔話、民話、小説などをもとに創作したショートストーリー(1,000〜10,000文字)」を公募する企画です。
上田さんの著書『惑星』は、別のインタビューでお答えになっていたように、「惑星ソラリス自体の内面描写」と言える作品ですし、『私の恋人』にも『宇宙戦争』のGoogle翻訳されたテキストが登場します。先行する作品をもとに新しい作品を作り出すことについてのお考えを教えてください。

 僕にとって、先行テキストを使わせてもらうということは結構緊張することなんですよね。その内側にあるものしか書けていないとしたら、引用させてもらう意味がありませんから。例えばH・Gウェルズやスタニスワフ・レムの作品を使わせてもらうのであれば、どの方向でもいいから1ミリでもはみ出すということを目指すべきだと思っています。『宇宙戦争』では火星人が突然地球に攻めてきましたが、今書くなら内側から人間を超えにくるAI、人類はその台頭を志向しているかもしれないということだったり、『ソラリス』であれば、それが遠い異星に最初からあるのではなく、この地球で出来ていく過程を書く、ということだったり。それはアレンジなのかもしれないですけど、そういう風に少しでもどの方向でもいいから動かすということをやりたいし、やるべきなのではないかなと思います。
─単なる置き換えではなく、そこから新しいものを生み出すことが必要なんですね。
 あくまでも引用としての話なので、ブックショートの趣旨には合わないかもしれないんですけど、順序としては自分の表現に必要だからどこかから引っ張ってくるという方が正しいと思うんですよね。僕は『宇宙戦争』をそれまで読んだことがありませんでしたが、必要だから引っ張ってきました。そういうやり方がならば、単なる置き換えにはならないのかなと思います。
─今のお話と真逆になるかもしれませんが、特定の先行作品ありきで書きたいという気持ちはありますか?
 具体的に書こうと思っている作品があります。それが何なのか今はまだ言えないですね。かなり先の話になると思いますが、そういう作品の構想はあります。
─それは楽しみです。では最後に、ブックショートに応募しようと思っている方、小説家を目指している方にアドバイスをいただけますでしょうか。
 先行する作品をよく読み、その仕組みを理解した上で、自分の気持ちや思いを込めるべきだと思います。気持ちだけで作品を書くのは難しいので、まず技術的な部分や演出法をよく学ぶこと。それで、最後に自分の気持ちを入れるというステップでやるとうまくいくのではないでしょうか。
─ありがとうございました。

posted by りょうまま at 15:46| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月29日

中山七里「護られなかった」「嗤う淑女」「ヒポクラテスの誓い」

2020.7.6

CIMG3343.JPG  映画かされると知り、読んでみた・・読まないで映画をみればよかった( ;∀;)


2020.3.27 金

31.「嗤う淑女」(2015)・・・「胸の裡にくすぶっている感情が言葉や仕草で表明したとたんに顕在化することがある・・」

谷原店長のオススメ】嗤いながら不幸の種をまくヒロインに魅了される、中山七里『ふたたび嗤う淑女』

2020.8.29(土)

CIMG3472.JPG78.ヒポクラテスの誓い 

「あなた死体は好き?」という問いかけから始まる、法医学研修生真琴と准教授、教授ほか短編を集めた物語・・・なんかテレビドラマで似たようなのがあるよね??と思いつつ。「「護られなかった」(映画化されるらしい絶対観に行く)がとても読み応えあったので、借りてみたけどずいぶん印象が違う。軽くて読みやすい・・けど、実は内容は重たくてつらいことばかり・・「母と娘」が印象的


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「あなた死体は好き?」初対面の挨拶はこれ・・研修医真琴は返事に窮した。担当准教授シャシーベントルトンは意思の強そうな繭とエラの張った頬の持ち主で、指先だけは美しいという人だった、さらに上の 法医学教授は「光崎藤次郎」で、実は世界的権威で法医学の天才と言われている人物だった。光崎は言うp15「・・医者が病気を選ぶのではない、病気が医者を選ぶのだ」短躯

他登場人物

◎埼玉県警 古手川
◎国木田検視官(警部補)
◎渡瀬班長(警部)検挙率トップ


p19 私たちが相手にする死体はまさに腐敗が進行中のもの

p19 真琴はあまり戦災ではなさそうです、生きたしたいにもいち早く順応できそうな気がします

真琴は教授に死体は好きかと質問する。教授は「死体は文句も言わんし嘘もつかん」

@生者と死者  さいたま市の河川敷 事故死(酔っぱらって河川敷で眠り込み寒空の下で凍死した)にしか見えない死体 外見50代中背、白髪、やや肥満 被害者は峰岸透54歳・・・

※飽きた・・

C母と娘 柏木裕子 真琴の高校のクラスメート。。裕子は肺炎を患っていた。裕子は母寿美礼と二人暮らし。裕子の父は5歳のときに死亡。母寿美礼はパートをふたつかけもちして生活費を稼いでいる。裕子は肺炎をこじらせて死亡。

ヒポクラテスの誓い・・・ヒポクラテスは韓じゃの身分や出自で分け隔てすることをよしとしなかった。患者が聖者であろうと咎人であろうと区別することがあってはならない。

教授とキャシーは裕子の解剖をよしとしない真琴を法医学者失格だと決める

真琴は母親に娘は死んだとき解剖をよしとするかと聞いてみた‥母親は「自分の感情は切り離して裕子さんがどう思うかを考えればいい」とアドバイスをくれた

母寿美礼は代理ミュンヒハウゼン症候群の疑いがでてきた。そうすると裕子の死因は病死ではなく殺人になる

母は殺人を認めた・・娘の看病をしている間は充実した気分でいられたからこれがつづけばいいと思ったと。

posted by りょうまま at 15:11| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「まだ温かい鍋を抱いておやすみ」  .彩瀬まる「不在」「やがて海へと届く」

2020.8.28〜

79.「まだ温かい鍋を抱いておやすみCIMG3468.JPG

@「ひとさじの羽ばたき」(〜p42) のじま沙彩は小中高大と順調に歩み、一流企業に就職したが、会社になじめず半年で退社、ひきこもり生活を1年続けた後、叔父のレストランでバイトをしている。週一くらいでやってくる清水さんは百貨店の化粧品ショップで働いている。清水さんがくると大きな鳥の羽にかかえこまれたような幸福感が店の中に漂う・・清水さんがそんな雰囲気をまとう女性になったのは理由があった・・p28「嫌われることが一番こわかったけれど、今は自分のことを自分で決められなくなることのほうがずっと怖い」

※ 理由や背景は違うけれど、周囲とうまく交われないことに傷つき悩む二人の女性が、一歩さきへ歩みだそうとする物語

A「かなしい食べ物」 詳細は不明だがつらいことの象徴のような「枝豆パン」を作ってくれとねだる灯。透は一度は嫌な気持ちになったものの、灯がリクエストするたびに黙って作り続ける。「あなたほどまじめに誰かの話を聞く人に会ったことがない」と灯はいう。2人はゆるゆると同居生活を続けている。灯はその生活で少しづつ癒されているように見える

Bミックスミックスピザ 夫の晴仁さんが体調をくずし休職。妻の小百合さんは、自分が家計を支えなければばらないなど様々考える。そしてある日曜日、晴仁さんをピクニックに誘い「二人で歩き続けたい・・」という。耳元には「なかったことになると思うなよ」という部下の弦巻くんの声もかんじながら。 ※。泣きたくなる。。小百合さんの背中を「頑張ろうね」とポンポンしたい

C ポタージュスープの海を越えて p130「家族には手間と時間をかけた料理を出して当然、って平成を飛び越えて昭和じゃない?」朱里

子育て中の保育士 珠理とスポーツ販売店OL 素子 はたまった疲れを癒すべく、ランチつきで日帰り温泉にやってきた。食事にまつわる母親とのの思い出の話

Dシュークリームタワーで待ち合わせ ポテトサラダを盛りつけようと思ったのだ・・料理家の夜子は、元恋人の陶芸家雄牙に、器の注文の電話をする。日曜日の夕方、家族とくつろいでいる雄牙に。

4歳の息子将太くんをなくした幸 幸とは、世界を共に面白がっていた仲間、結婚して子供ができてすっかり疎遠になってしまっていた。夜子は「家族向け、イコールステップアップってなんだ・・」

p166〜「食べるってすごいね、すごくてこわいね、生きたくなっちゃう・・」子を失った親というのは生きるとか生きないとかそんな根本的なところまでゆらぐものなんだろうか。
 
p171「  雄牙てほんと、陶芸の腕以外はクズだよね、男尊女卑だしことなかれ主義だし豪快っぽく見せようとするくせに執念深いし。・・」自尊心がある男と勘違い男を見間違えた「子供って親からすれば体の外側にある急所なんだよ、内臓みたいなもん・・」「家族は異世界だよ、社会とは違う、ちょっとずついろんなものがずれる 磁場が狂う   幸はオットとの離婚を決める。

p182 毎日毎日生きたいと消えたいの協会をさまよいながら箸を使う友人の口を食の誘惑でこじ開ける・・これであなたは明日も死ねない・・多少の罪悪では折れないくらい、貪欲に、傲慢になってほしかった。生きると決めた以上、この人はこれからも苦しくて痛みを伴う日々を淡々と歩き続けるのだ。強いほうがいい、濁っていたほうがいい。・・私はたぶん今後も満ち足りた人を祝福する一皿は作らないのだろう。そういう食卓を心の底では信じていない 苦しい時間を耐えていく人の食卓に豊かさを作りたい。※。号泣、作家さんに泣かされたぜ 

E大きな鍋の家 和食店で板前をしている俺、大学受験を控えた娘がいる、娘が幼いとき離婚し、保育園やベビーシッターさん等助けてもらいながら二人で生きてきた。専門学校時代からの友人、万田はファミレスの商品開発の仕事をしている、今は入院中。万田が亡くなるまでの期間の物語。万田は俺に「お前は無神経で人の心がわからない(離婚や娘との軋轢の原因)。。でもそういう人も必要なんだよ」という会話部分が印象に残る・・最後ほろりと泣けた。。

読み終えた感想。。@ABあたりは、傷ついた心は丁寧でまじめな生活をすることで癒しされるよ・・という物語かと思っていたが、後半、だんだんきつくなってきて、Cではぽろぽろと泣き、Dでは号泣、Eでは心当たりあるなとか怒りとかを感じ、最後はほろりとなる、涙は堪えよう・・といったところ

Eで・・俺のお母さんが77歳で体を壊して入院したとき、夫の思いやりのなさ横暴さに苦しんだ、親戚付き合いがいやだったとかの下りがでてきたが。。私も子供のころは田舎の親戚づきあいで楽しいこともあるけど女性ばかり食事の支度やらで忙しくしているのに違和感を感じ、成長してからは手伝わされるのが面倒に思い、20歳のころからは、大っ嫌いになった、もちろん公言したし足も遠のいた。。この77歳のおかあさんもそう思っていたのかと驚いた、なぜなら自分の母親たちから面倒だとかの愚痴を聞いたことはなかったから。。私は田舎の親戚付き合いや風習のようなものを嫌うことが我儘だと思ったし責められもしたけど、なーーに、私たちの上の世代でも嫌だったと思う人はいたのかと目をぱちくりさせた・・いやだったらいやってもっと早く言ってよ・・と本を読みながら突っ込んでいた。。ちなみに「俺」はそんな話聞きたくない今さら愚痴を言う母親は見たくない愚痴は墓場まで持っていけというスタンスだった。最低だけどそんなもんよね、うちの夫もたぶんそうだ。


2019.2.12 火

20.不在(2018.6)

漫画家のアスカ。子供のころ、離婚し疎遠になっていた父が亡くなり、実家だった屋敷を相続する。
両親に愛されていなかったという気持ちをもち続けている・・

https://www.kadokawa.co.jp/product/321606000527/
愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。野心的長篇小説!

長らく疎遠だった父が、死んだ。「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」。不可解な遺言に、娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決めた。25年ぶりに足を踏み入れた錦野医院には、自分の知らない父の痕跡が鏤められていた。恋人の冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むに連れ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。次々現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて――。愛情のなくなった家族や恋人、その次に訪れる関係性とは。気鋭の著者が、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。喪失と再生、野心的長篇小説!




2016.9.10(日)

87.彩瀬まる「やがて海へと届く」(2016.2)

彩瀬 まる(あやせ まる、女性、1986年 - )は、日本の小説家。
千葉県千葉市生まれ。上智大学文学部卒業。小売会社勤務を経て、2010年「花に眩む」で第9回女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞 彩瀬まる - Wikipedia
posted by りょうまま at 10:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

群よう子「それなりに生きている」「散歩する猫」「しっぽちゃん」「うちのご近所さん」」「挑む女」「作家ソノミの甘くない生活」「贅沢貧乏のマリア」

2020.8.29

CIMG3471.JPG77・それなりに生きている 2010.3  表紙イラストがかわいい

p7四天王寺の亀 飼っている猫はお留守番が全くできないので9年間東京を離れていない。たまには息抜きをと日帰りで大阪対談旅行に出かけた

p47美人とは何だ


2020.7.7 火

CIMG3350.JPG アキコのサンドイッチとスープの店は順調に営業を続けてる。。二匹の猫やシマちゃん、向かいの喫茶店のママ、との生活の日々・・

同級生やお客様の死亡が続いて、お寺を訪問したアキコさん。住職(異母弟)の奥様と語らいあいながら。。p128・・「どうして人は死ぬんでしょうか」・・住職の奥様は「そうですねぇ。。生きてるからなんでしょうけど・・ウフフ・・」


2019.4.30 月

54・散歩するネコ 2019.1  CIMG2429.JPG

長年のOL生活を卒業したキョウコさんはたぶん55歳から60歳の間。蓄えから月10万円で生活する日々。住まいは築50年?れんげ荘、家賃は月3万円

p86 コナツさんは文句もいわずに一生懸命に仕事をしたことがあるのだろうかと考えた。ちょっだけ嫌なことがあるともうすべてが嫌になる。自分の心の持ち方や相手へのやり過ごし方で状況がましになる場合も多いのにそれをせずにただ嫌だというだけでそこから逃れようとする

P90 歳をとると変えなくても美しいものを見ると心の安らぎになるとよくわかった


2019.4.1

42「しっぽちゃん」(2011.3)


2019.1.15

8「うちのご近所さん」



2019.1.8

3・挑む女1997年


2014.11.10(月)

作家ソノミの甘くない生活
(2012.10)

物書き専業30年、還暦まで3年のソノミの日常・・

可笑しくて可笑しくてたまらない・・・・ソノミだけでなくほかの登場人物も・・

たとえば・・

外出さきで再開した元同僚・・父母舅姑4名を看取った感想・・P28・・実家の父を看取ったときは真夏。・火葬場が混んでいたらしい・・で・・「・・ドライアイスを追加しながらまだかまだかって言ってたの・・生きているときは人間だけど死んだとたん生ゴミみたいなもの。。あれは早く焼かないと面倒なのよ・・」
申し訳ないと思いつつ笑いが止まらない・・



10/3群ようこ「贅沢貧乏のマリア」平成8年4月

贅沢とは贅沢な精神を持つことである。父・森鴎外に愛されたご令嬢がアパート住まいの贅沢貧乏暮らしへ。永遠に夢見る作家・森マ莉の想像を絶する超耽美的生き方を憧れとため息とともにたどった趣深く斬新な全くあたらしい人物評伝

群ようこ(むれ ようこ、本名:木原ひろみ 1954年12月5日 - )は、日本の作家、エッセイスト。独身。軽妙な語り口の文体で、主に女性からの支持を受けている。

日本大学藝術学部文芸学科卒業。1年先輩に林真理子がいる。
1984年7月、在社中に単行本『午前零時の玄米パン』(本の雑誌社刊) を発表し、本格的に作家デビュー。なお、ペンネームの「群」は、後述する目黒考二の使用していたペンネーム「群一郎」をのれん分けで譲り受けたものである。(「ようこ」は目黒氏の初恋の女性の名前)
同年12月に本の雑誌社を退職し、以後多くのエッセイ・小説・評伝・対談等を発表、現在に至る。

大学卒業後、広告代理店に勤めるも半年で退職。その後転々と職を変えた後、椎名誠や目黒考二の本の雑誌社に事務職として入社。社員は群一人で、椎名や目黒はたまにしか事務所に顔を出さず、たまにかかってくる電話注文に応対するのが彼女の仕事であった。やがて知人の勧めもあり、本名で『本の雑誌』にコラム(書評)を書き始める。[1][2]。
父は売れない絵描きであり、昼間でも自宅にいることが多かった。幼い頃の群と弟に花札を教え込み、小遣いを巻き上げるような一面もあったという。また大の引越し魔でもあり、風呂を薪で沸かすような家から、洋風の広いリビングのある家まで、様々な家に移り住んだ。
家計は母が担っており、夫婦仲は悪かった。群は家に帰りたくないために、学校の図書室で下校時間ぎりぎりまで本を読むようになったという。
林真理子とは、大学在学当時は互いに面識がなかったが、後に群がエッセイストとしてデビューする際、「先輩」的存在として既に林がデビューしていたことが心強かったという。
20歳の時、「アメリカに行けば何かがある」と、アルバイトで貯めたお金でアメリカに旅行したが、特に劇的なことは起きなかった。
彼女の最初の読書エッセイ集『鞄に本だけつめこんで』(1982年刊)では、28歳の若さでありながら、作品の選択眼は非常に渋く(森田たまや、尾崎翠の作品等)、またそれぞれの内容を自分の人生と比較しながら、独自の感性でユーモアたっぷりに紹介する手法は、それまでの読書エッセイにはない新鮮なものであった。なお、森田たまの「もめん随筆」は中学1年の時の担任の数学教師に薦められ、読もうとしたが絶版で、25歳の時に、ようやく古本屋で入手したという。
1994年に新潮文庫から刊行した『亜細亜ふむふむ紀行』以降、海外旅行が好きになり、『またたび東方見聞録』(1996)、『雀の猫まくら』(1998/ ハワイ旅行記)、『東洋ごろごろ膝栗毛』(1997)と、旅行記ものを続けて刊行した。

小説
無印シリーズ
無印良女
無印OL物語
無印結婚物語
無印失恋物語
無印不倫物語
無印親子物語
無印おまじない物語
その他
でも女
ひとりの女
おやじ丼
ねこと海鞘
アメリカ居すわり一人旅
人生勉強
挑む女
小美代姐さん花乱万丈 (名取裕子主演で舞台化)
かもめ食堂(同名タイトルの映画のために書き下ろした作品。2006年出版)

群ようこ - Wikipedia
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2020年08月26日

WIRED  SFがプロトタイプする未来

2020.8.25 火 CIMG3454.JPG

WIRED  SFがプロトタイプする未来  プロトタイプって何??から始まり、もう読み進めるのが大変・・
コロナ終息・・するか不明・・だけど、コロナ渦で 今までの概念や行動がもはや通用しない、見通しのきかない新しい世界がやってきた・・これからの世界はどのようになっていくんだろうと、SF作家の方々に執筆してもらったという7編の短編が納められた雑誌

ありうる未來を準備(=プロトタイピング)した7編

プロトタイピング・・実働するモデル(=プロトタイプ)を早期に製作する手法及び過程

SFは読んだことがほぼないのでまあ大変(言葉をしらべつつ読んでいる)だけどとても興味深く面白く読み進めている

@p24〜 藤井太洋さん 「滝がながれゆく」 2030年代新しい感染症出現のたびに封じ込めのための外出制限がかかる東京から父の故郷の奄美大島に移住したVR作家・・・

藤井太陽さんというのは 2019年に吉川英治文学新人賞を受賞しているSF作家 

さて続きを読もう・・主人公は斯波紫音 2020年私立大学入学、2030年奄美大島在住、腕には抗体ワクチンのタトゥがある、コロナ三種、ライノウィルス3124抗体 HFMD30

2020年、急性呼吸器症候群COVID-19 大隔離とワクチンのおかげで収束後は 主要な交通手段が 船になった。
飛行機は世界各地で大小さまざまな伝染病が発生するたびに運航を停止する。2020年 感染初期は、感染者を運んでくるのは船だと悪者にされたが、手の付けられない速度で感染を広げたのは空路による移動だとされていた

◎ワクチン開発のために急速に発達した遺伝子編集技術 仮想空間イベント VRステージ設計

◎p24◎コンビニで刻印してきた抗原抗体反応証明書=抗体タトゥ

◎p25 ウィルスの遺伝情報から抗原タンパク質を読み取って無毒化されたアデノウィルスに移植してワクチンを開発する

世界中で使われるようになった中国風挨拶・・・拱手

斯波さんは仕事に行き詰まると、森に入る。現実を実感するために。

p27 隔離のおかげでインターネット配信が増え過去の名作が人気

遺伝子編集企業(ペンジェン)

(あらすじ)2030年、マスクは欠かせない、3蜜を避けるのもごく当たり前の日常。新しい感染症の流行には新しい交代ワクチンを投与しタトウとなってワクチンを持っていうというサインになる。斯波紫音、2020年私立大学入学し、ほとんどをオンライン授業で楽しいことも少ないまま卒業し、VR作家となった。新しい感染症出現のたびに封じ込めのための外出制限がかかる東京での生活に嫌気がさし、父の故郷の奄美大島に移住してきた。仕事に生き詰まったりしたときはキャンプ道具をかついで森へでかける。斯波紫音が1週間仕事をしようとやってきたキャンプ地には先客がいた。夫婦と5歳の子供のユアン一家・・彼らには奇妙な点があるように感じられた・・

(感想)
。単一作物植民地やら遺伝子編集技術やら。。もう言葉のわからなさにしんどさを感じながらも辛抱強く読んだ先は・・びっくりすることばかりだが嫌な読後感はなかった。。リチャードとメアリー夫妻には幸せに暮らし続けてほしいと思うのみ・・最後の文章は「ここから始まる」・・

コロナ禍前の世界には戻れないことを受け入れ、マスクをいつもつけ手指消毒を徹底し3蜜を避ける生活を主体的に続けていこう、そこから新しい世界をどう生きていくか、見えてくる気がする



★★★

Ap43〜「RNAサバイバー」 柞刈湯葉 

RNA・・リボ核酸ウィルス サバイバー・・生き残った人、生存者、逆境に泣けない人


いすかり ゆば)は、日本のSF作家、生物学研究者[1]。福島県出身[2]。2016年、イスカリオテの湯葉名義で小説投稿サイト「カクヨム」に連載した「横浜駅SF」が、第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門で〈大賞〉を受賞し、同作がKADOKAWAより書籍化され、作家デビューした[3]。大学勤務の任期あり生物学研究者で大学教員のため、休日に小説を書く兼業作家であった[4]が、任期切れのため専業作家となった
https://yubais.net/

柞刈湯葉@yubais


(あらすじなど)p45〜

世界中のひとがマスクをつけている、SNSアイコンも顔写真の使用率が徐々に減っている。顔を見えなくても、個人認証がデジタル化されているので顔が見える必要性は減っている、文化というものは思ったより簡単に変わる、握手、ハグはしない・・火葬OKなど西洋社会の伝統もバタバタと切り替わっている、自宅で靴を脱ぐ習慣も現れてきているらしい
外国人との会話での英訳などは、翻訳サーバーを経由して、イヤホンから流れてくる

すでにDNAに駆逐されたといわれているRNAワールドの生き残りを確認するために、アルゼンチンペタニア島にきたRNAウィルス研究者の安藤さん(女)

p43〜A柞刈湯葉さん作「RNA生存者(サバイバー)」RNA研究者安藤さん、アルゼンチンでの学会帰りニューヨーク空港が封鎖されて足止めされたので暇つぶしにRNAワールドの生き残りがいるかもと言われているアルゼンチンペタニア島で過ごした2日間に感じたことは??・・最後の文章は「変化しないと世の中はわたっていけないのだ」

Bp55〜 上田岳弘さん(おおお知ってる!!ニムロットで芥川賞とった人、読んでみたけどよく理解できなかった・・('ω')・・「愛について

上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て[1]、早稲田大学法学部卒業[2]。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる[3]。
2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー[4]。
第28回三島由紀夫賞の選考において、又吉直樹著『火花』(第153回芥川龍之介賞受賞作)との決選投票の末に、「私の恋人」への授賞が決定[

朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした。

2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される[7][8]。

2017年、小説「キュー」を、雑誌「新潮」とYahoo! JAPANスマートフォン向けサイトで同時連載開始[9][10]。

2018年、第68回芸術選奨新人賞受賞作『塔と重力』を原作として、オフィス3〇〇40周年記念公演『肉の海』(脚本・演出:渡辺えり)が本多劇場で上演される[11]。

2019年、「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞。

人生で影響を受けた本として、村上春樹『風の歌を聴け』、ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』、カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』を挙げている[12]。
同じように経営者と作家の二足のわらじを履く加藤秀行、小佐野彈とは交友がある。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%94%B0%E5%B2%B3%E5%BC%98

上田岳弘 前編「有無を言わせぬ一貫した法則のもとに」
太陽・惑星 上田岳弘著 多様な人間関係を描く2014/12/19付
純文学とSFの衝突から生まれた超新星――上田岳弘『太陽・惑星』大森望
上田岳弘さんインタビュー

さて・・p54前書きより。。「VRによる世界の再現度が物理世界を超えた時代に人はいかにして愛を選ぶのか」

上田岳弘 芥川賞受賞作『ニムロッド』を語る

あらすじ

テレワークがすっかり浸透した世界。僕はミニマリストの愛との結婚を来月に控えていた。3年ぶりのロックダウンが起こり僕は非物理世界へ移動する。食事のためにはいった中華料理店で管理エージェントに話かけられる。「愛さんはあなたとの人生に何が必要かを考えた結果、物理世界を捨てたいと考えている。愛を最大化するために・・あなたにも決断してもらえないでしょうか」と。さ僕はどうする??



Cp67〜樋口恭介「踊ってばかりの国」 前書きより・・電子通貨に依拠した独立国家の設立は1990年代から繰り返し提唱されてきたアイデアだ。日本政府のパンデミックへの杜撰な対応が明らかになるなか、独立国家をつくるための想像力がいまこそ更新されるべきかもしれない。SF作家樋口恭介が電子国家(郡上八幡国)の未来をプロトタイプする

樋口 恭介(ひぐち きょうすけ、1989年 - )は、日本のSF作家。岐阜県出身、愛知県在住[ 早稲田大学文学部卒[1]。ITコンサルタントとして外資系企業に勤務。
2017年、投稿作「構造素子」が第5回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞し、作家デビューした。2018年、「構造素子」で言及したワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのアルバム『Age Of』では歌詞監訳を担当している[2]。2020年、エッセイ集『すべて名もなき未来』を晶文社より刊行。また、同年よりスタートアップ企業「Anon Inc.」のCSFO(Chief Science Fiction Officer)を務める。 

樋口恭介 (@rrr_kgknk) - Twitter

すべて名もなき未来

ありうべき未来をめぐる評論集

令和。二〇一〇年代の終わり、二〇二〇年代の始まり。インターネット・ミームに覆われ、フィリップ・K・ディックが描いた悪夢にも似た、出来の悪いフィクションのように戯画化された現実を生きるわたしたち。だが、本を読むこと、物語を生きることは、未来を創ることと今も同義である。未来は無数にあり、認識可能な選択肢はつねに複数存在する。だからこそ、わたしたちは書物を読み、物語を生き、未来を創造せねばならない。ディストピア/ポストアポカリプス世代の先鋭的SF作家・批評家が、無数の失われた未来の可能性を探索する評論集。社会もまた夢を見る。帯文:若林恵(元ワイアード編集長、『さよなら未来』著者)

【目次】

序 失われた未来を求めて

Side A【未来】

A1・音楽・SF・未来ーー若林恵『さよなら未来』を読みながら
A2・ディストピア/ポストアポカリプスの想像力
A3・生きること、その不可避な売春性に対する抵抗ーーマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』
A4・The System of Hyper-Hype Theory-Fictions
A5・暗号化された世界で私たちにできることーー木澤佐登志『ダークウェブ・アンダーグラウンド』
A6・分岐と再帰ーーケヴィン・ケリー『テクニウム』
A7・断片的な世界で断片的なまま生きることーー鈴木健『なめらかな社会とその敵』
A8・亡霊の場所ーー大垣駅と失われた未来
A9・中国日記 2019年7月15日ー7月21日
A10・生起する図書館ーーケヴィン・ケリー『〈インターネット〉の次に来るもの』
A11・宇宙・数学・言葉、語り得ぬ実在のためのいくつかの覚え書きーーマックス・テグマーク『数学的な宇宙』

Side B【物語】

B1・生まれなおす奇跡ーーテッド・チャン『息吹』の読解を通して
B2・物語の愛、物語の贖罪ーーイアン・マキューアン『贖罪』
B3・未完の青春ーー佐川恭一『受賞第一作』解説
B4・明晰な虚構の語り、文学だけが持ちうる倫理ーー阿部和重『Orga(ni)sm』
B5・オブジェクトたちの戯れーー筒井康隆『虚航船団』
B6・苦しみが喜びに転化する場所としての〈マネジメント〉–新庄耕『地面師たち』
B7・批評家は何の役に立つのか?
B8・ホワイト・ピルと、愛の消滅ーーミシェル・ウエルベック『セロトニン』
B9・あいまいな全知の神々、未来の思い出とのたわむれーー神林長平『先をゆくもの達』
B10・エメーリャエンコ・モロゾフーー稀代の無国籍多言語作家
B11・忘却の記憶ーー言葉の壺に纏わる、九つの断章



◇樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)
SF作家、会社員。2017年、投稿作「構造素子」が第5回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。本書『すべて名もなき未来』が二冊目の著書となる。

C p66〜 樋口恭介「踊ってばかりの国」 p75「人というのは大きなエネルギーを必要とするとき踊りのようなものを必要とする傾向があるようです」・・独立国家・群上八幡国の首相ヨウコ・ミキモトは群上八幡政策
金融公団に勤める会社員でサイバー群上八幡国の開発者でもある

D5 p79〜 津久井五月「地下に吹く風 屋上の土」2038年冬、ある恋の物語「クラブに行きたい」付き合い始めて1か月の恋人が言った。感染症の警戒支持がいくつもでてるし位置情報ログは国が管理している。ログ派の僕は「そんなあぶないことはやめてほしい」と僕は言った。感染症抵抗力を自分で管理するスコア派の彼女に嫌われたくない思いから僕は自己改造に取り組みながらクラブに通うようになる・・幼少時から家の中でのみの生活で完結させてきた僕にとって、クラブで様々な人と交わるのは新鮮な体験だった・・
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2020年08月24日

古市憲寿「奈落」「僕たちの前途」「社会の抜け道」


2020.8.22

71「奈落

いっち
主人公は人気絶頂の歌姫。ライブ中にステージから転落し、身体が動かなくなった。植物状態。だが意識はある。家を飛び出して歌手になったので、家族と仲が良くなかった。母は、親戚や町内会といった狭い世界でマウントを取りたがる。姉は、依存体質で頼れる存在にすがりつく。父は、意見を言えば母や姉に黙殺か反論される。その家族から、主人公は回復を望まれない。リハビリに消極的な母。印税でブランド品を買いあさる姉。身体を触りだす父。主人公の語りが垂れ流される。被害者ぶっているがそう扱われる背景には主人公の責任もあったはず。傑作。
https://bookmeter.com/users/135529

https://bookmeter.com/users/1089515
ネタバレもう、救いようがない話。歌手として活躍していた香織は、ステージから落ち、寝たきり状態になってしまう。意識はあるのに、体は全くも動かない。声も出ない。意思表示ができない。そんな香織を搾取し続ける家族の物語。主人公が女性ということで、過去2作にあった「古市さんそのもの」の風味は抑えめ。ちょいちょい入る固有名詞・東京愛には名残りを感じるけど。とにかくひたすら負の方向に堕ちていく展開にドンヨリ。しかし文章は過去作に比べどんどん洗練されてきているような気がする。それでも私は『平成くん、さようなら』の方が好きだ。https://bookmeter.com/users/1089515

ウッディhttps://bookmeter.com/users/27586
歌手として人気絶頂にあった香織は、ステージから転落して大怪我を負い生死をさまよう。目覚めた時、意識はあるのに身体が動かず、意思表示もできないことに気付く。反りの合わない家族の元を出て、ミュージシャンとしての地位を確立し、自分の世界を作り上げたという意識のまま、それを食い荒らす姉と自分の思い通りにしようとする母、そして身体をまさぐってくる父。死にたいという意思表示もできず、まさに奈落の底の葛藤を描いた一冊。10年以上の長きにわたり、ただ無意味な数字を数えることしかできない絶望、やりきれない思いで読みました。https://bookmeter.com/users/27586

2017.2.6(月)

「社会の抜け道」(2013)

2017.1.23

25「僕たちの前途」(2014)

古市憲寿(ふるいち のりとし、1985年1月14日 -)は、作家、社会学者[1]。現代日本の若者をテーマにした著作を発表している。朝日新聞信頼回復と再生のための委員会外部委員[2]。日本学術振興会育志賞受賞[3] 。東京都出身。
若者の社会貢献志向、他者志向が強いことを肯定的に評価しながらも、彼らがコンサマトリーと呼ばれる世界のなかで生きていると主張する。その上で、社会を変えたいならば、「自己中」になることが時には必要だと提言した。「人権ってのはわがままのことなんです」という言葉を引用しながら、それを調整する政治の可能性を語る。そのうえで現代の若者にはむしろ「自己中」であることが必要だと示唆している]。
テレビ朝日『朝まで生テレビ』が実施する靖国神社参拝の支持に関して支持率が高かったことが発表された視聴者アンケートの結果について、結果発表後に統計的に意味のない数字であると主張している。
2014年朝日新聞が従軍慰安婦捏造問題や福島第一原発の吉田所長発言の捏造を理由として失われた信頼を回復するため発足させた「信頼回復と再生のための委員会」の外部委員として選出された。その問題に関して朝日新聞との読者とのズレであるとして、世の中には多様な言論が必要でありせめて20年は存続してもらわないと困るという立場を取っている。
著書
単著
『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』(解説本田由紀)(光文社新書、2010年)- 2011年新書大賞7位
『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社、2011年) - 第11回新潮ドキュメント賞候補
『僕たちの前途』(講談社、2012年)
改題『働き方は「自分」で決める』(講談社文庫、2014年)
『誰も戦争を教えてくれなかった』(講談社、2013年)
『だから日本はズレている』(新潮新書、2014年) - 発行部数10万部 
『保育園義務教育化』(小学館、2015年)
共著
(中沢明子)『遠足型消費の時代』(朝日新書、2011年)
(上野千鶴子)『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります! 僕らの介護不安に答えてください』(光文社新書、2011年)
(加藤嘉一)『頼れない国でどう生きようか』PHP新書、2012年 
(藤村龍至、西田亮介、山崎亮、開沼博、藤沢烈、河村和徳他)『ニッポンのジレンマ ぼくらの日本改造論』朝日新書、2013年
(國分功一郎)『社会の抜け道』小学館、2013年 
(トゥッカ・トイボーネン)『国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』マガジンハウス、2015年
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天童荒太「迷子のままで」「ペイントレス」「ムーンナイトダイバー」「歓喜の仔」

2020.8.23〜

73.迷子のままで (2020.5)

【迷子のままで】

p10. 優輔は衝動的に手近にあるものを何でも壁になげつけたくなった・・ぶつけてその音や散らばった破片でこちらの怒りを伝え、相手が委縮し、彼に謝ることによって荒れた勘定を解消したくなる。・・


(あらすじ) 

子どものころ、実父から捨てられるという恐怖を味わった勇輔、子供のころ母親の再婚相手からセクハラ行為を受けたシングルマザーの奈緒は結婚し、奈緒の息子晴馬と家族となるものの、ぎくしゃくして「もうだめかも」と思い始めたころ、勇輔のもとに高校時代の同級生から「お前の子供が殺されたぞ」が殺されたという知らせが入る  お前の子供というのは晴馬ではなく、5年前に別れた(逃げた)元妻瑛理との子ども達海5歳・・(勇輔は20歳の瑛理に子供を押し付けてにげたのに、シングルマザーの奈緒を結婚したという・・あきれる・・)

勇輔は、この世に生きていることになじめなさそうどうやって生きていけばいいかと途方に暮れているように見える瑛理に自分と同じ感覚の持ち主だと感じたらしい

瑛理は母子家庭、勇輔の母も4才のときに離婚した、勇輔は父のもとで育った。勇輔には当時2歳の妹がいたが妹は母が引き取った。勇輔は自分は人を愛することができない人間だと思っていた。。(ではなぜ奈緒と結婚したのか???)

勇輔は、テレビ局の人間に達海のことをいろいろ聞かされ案内されるがなにも思うところはない。。記憶から消すようにいきてきたから・・
・・奈緒の住む街に戻った勇輔は、勇輔と晴馬に別れを言い、絵をもらう。。絵を眺めているうちに駆け寄ってきてくれる子供はもういないのだと腑に落ちる。。

おしまい

迷子のまま大人になってしまうという悲しさ
自分はここにいてはいけない、いる場所はない という心細さ


【いまからかえります】

2018.7.29〜

CIMG1967.JPGペイントレス」2018.4  
テロで体に痛みを感じなくなった青年。それは若き美貌の女医にとって舌なめずりの出る実験台だった。生来心に痛みを覚えたことのない彼女は、快楽の在処を求めてセックスし、解析する。この世が痛みと愛から成り立っているなら、私たちはその向う側を目指すべきじゃないかしら? 愛のモンスターは一体どこまで進化するのか。http://www.shinchosha.co.jp/book/395703/


http://www.shinchosha.co.jp/painless/ ペインレス特設サイト

今回の作品のモチーフは「痛み」です。トライしようと思ったきっかけは何ですか。

天童 最初は、肉体的に痛みを感じない人に対しての興味が強くあって、それもやはりこの世界に対する異議申し立てになる存在だと思ったんですね。現代人は痛みに対してすごく敏感だけど、それを感じない人がこの世界をどう見るだろうかということに興味があった。『家族狩り』を書き終えて、痛みとはそもそも何だろうと思いを巡らせているとき、ふと気づいたんです。我々が本当に痛みに対して敏感な部分、それは実は心なのではないかと。精神的な痛みや怯えが引き起こしている社会的な問題のほうが、より大きいのではないか。そう考えてくると、体に痛みを感じない人間ではなくて、心に痛みを感じない人間を主人公にしたほうが、より力のあるものになるんじゃないかと考え始めたわけです。


編集 主人公・万浬にも、当然ながらいろいろな人々との歴史がありますね。成長期には、教育実習中の女性教師や、妹を精神的限界まで追い詰めたり、サイコパスの殺人犯に接近したりする。しかしここには背景としての虐待といったものは決して描かれないですね。トラウマを抱えた末に彼女が出来上がったわけではない……。

天童 彼女とその一族の歴史に、日本が経験した戦争をも含めて筆を割いたのは、痛みとか怯えとかいった人間が抱えている限界をより浮き彫りにするためです。我々が知性や理性によらず感情のみを優先させ、臆病に生きてきたことによって、世界がもう少しで滅びるかもしれないところまで来てしまった。彼女がトラウマによって存在しているのであればそこが表現できなくなりますから。そしてもう一つのモチーフである「進化」というものにつながらなくなる。

編集 トラウマとは無縁、というところが新鮮ですね。

天童 成長プロセスの彼女は、他者との関係において、自分が痛みを感じないことが、いかに他人に作用し得るかをどんどん試していくだろう。何において試すかというと、やはりセックスだろうと思ったんです。その相手に教育実習生をあえて選ぶ。彼女はそうやって一皮ずつ剥けてゆく。モンスターが少しずつ餌を取り込んで大きくなっていくようなイメージですかね。


童 人の痛みが見えない、わからない、今のこの社会がそんなふうになったのはなぜだろうと。その疑問が頭を去らなくなった。現代では自分の痛みにすごく敏感になった反面、彼も痛い、彼女も痛いという他者の痛み、これを知的に、理性的に捉えて、思いやりの声をかけようというふうに行動するんじゃなくて、むしろ痛みを訴えて立ち上がった人たちに対して差別的になったり責めたりする。例えば沖縄の基地に反対している人に対して、すごく反感を持ってしまう。こうした状況にセンシティヴにならないと、もっと怖い時代が訪れるだろうという意識はありますね。







2017.5.6〜5.7

歓喜の仔」誠、正二、香の兄妹は、東京の古いアパートで身を寄せあって暮らしている。父は失踪し、母は寝たきりの状態だ。多額の借金を返し、家族を養うため、兄妹はある犯罪に手を染める。やがて世界の紛争地に生きる少年たちの日々が、兄妹たちの生と響き合う…。愛も夢も奪われた仔らが運命に立ち向かう、究極の希望の物語。第67回毎日出版文化賞受賞作。 (2013)



ほぼ日刊イトイ新聞 - 天童荒太さんの見た光。

2016.5.18(水)

天童荒太「ムーンナイトダイバー」(2016.1)

ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが… 311後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。

内容(「BOOK」データベースより)

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。3・11から五年目となるフクシマ。非合法のダイバーは人と町をさらった立入禁止の海に潜降する。慟哭の夜から圧倒的救済の光さす海へ。鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たムーンナイト・ダイバー | 天童 荒太 | 本 | Amazon.co.jpな代表作誕生。

「ムーンナイト・ダイバー」天童荒太さん 震災5年…鎮魂と生への物語
「ムーンナイト・ダイバー」天童荒太さん ...- 産経ニュース
www.sankei.com/life/news/160120/lif1601200033-n1.html

・・・
テーマに据えたのは、大勢が亡くなった災害などで生き残った人々がかかえる罪悪感「サバイバーズギルト」。「苦しみは、死者の数では計れない。行方不明者家族の苦しみを描くことで、今のわれわれが抱える問題や人間が生きる意味を探り当てられないか」と考えたという。

 ▼復興していない

 執筆開始前の昨年4月には、福島県いわき市から車で国道6号を北上した。広野、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江町…。古ぼけた車の部品や基礎だけを残して消えた家々、積み上げられた廃棄物など、ひとつひとつが胸に突き刺さった。

 「復興なんか全然していない」。町を歩き浜に出た。死者の亡くなった場所を尋ね歩く『悼む人』の主人公のように片膝を付き、亡くなった人を悼んだ・・・・


▼社会への苦言も

 天童さんは、児童虐待をテーマにした『永遠の仔』、1人暮らしの女性を狙うサイコスリラー『孤独の歌声』などで、密室化し孤立化する社会のあり方に警鐘を鳴らしてきた。東日本大震災は、そうした“今までのあり方”をふり返り、より温かい社会へと変わる契機になると思った。

 しかし、現実は異なる。若者を使い捨てにするブラック企業や目先の利益を求めた不正会計、広がる経済的格差…。小説には、都合が悪いことは忘れて前進しようとする日本社会への苦言も込めた。

「ムーンナイト・ダイバー」天童荒太さん ...- 産経ニュース
www.sankei.com/life/news/160120/lif1601200033-n1.html
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