2020年12月31日

川上弘美「某」他

文春オンライン 1分書評 尾崎世界観

又吉直樹の正体 『人間』の中にいる、ということ

第56回文藝賞受賞記念対談 村田沙耶香×宇佐見りん 中上健次を愛読し熊野へーー母と娘という普遍的なテーマに新たな視線を注ぐ20歳の才器
2019.11.15

芥川賞受賞・高橋弘希インタビュー「小説と将棋は似ているかもしれない」鮮やかな描写を支える「見える」力 2018.11

芥川賞のすべてのようなもの


CIMG3368.JPG2020.7.15 63「光ってみえるものあれは」2003年 帯より・・「ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい・・普通で不自由な16歳の夏・・」

CIMG3364.JPG2020.7.14 62「ゆっくりさよならをとなえる」(2004年)62.「ゆっくりさよならをとなえる」(2004年)帯より「道草したい日もあるさ」おおどか(性質がこせこせしないでおっとりしているさま、おうよう、おうらか)につづる深呼吸のようなエッセイ集


2020.7.13 月 61・物語が始まる 1999年 4短編集

1.物語が始まる・・「雛型を手に入れた。なんの雛型かというと、いろいろ言い方はあるが簡単に言ってしまえば、男の雛型である。生きている」

裏表紙より・・いつもの暮らしそこそこにひっそりと開いた異世界への扉ーー公園の砂場で拾った「雛型」との不思議なラブストーリー・・奇妙でユーモラスでどこか悲しい、四つの幻想譯(げんそうやく・・幻想をあらわしたもの?)芥川賞作家のはじめての短編集

2020.7.6 〜 7/13 「大きな鳥にさらわれないようにCIMG3351.JPG 2016年。泉鏡花賞

解説より P410〜 湯浴みから立ち上がった物語は・・数千年のスパンで人類の過去と未来を描き、人間とはなにか、生命とはなにかを問い直す壮大なガチSF。
「・・人間はほんとうに変なものだよ」・・なぜ人間は、愛し憎み争うことをやめられないのか、なぜ、自分とは異なる存在を受け入れることができなのか・・(あげく自分で自分を滅ぼしてしまう)・・だからこそ、かわいくいとおしくもある・・


2020.6 「センセイの鞄

2020.7.1 「」・・素晴らしい

★★★


2015.11.8

はづきさんのこと」(再読・・)




2015.11.4

なんとなくな日々

きゅうううう。春の夜更け、冷蔵庫は鳴く。さもかなしそうに。じんわり広がるおかしみと、豊かな味わい。気持ちほとびる傑作エッセイ集。

春の宵には、誰もいない台所で冷蔵庫の小さな鳴き声に耳を澄まし、あたたかな冬の日には、暮れに買い置いた蜜柑の「ゆるみ」に気づく。読書、おしゃべり、たまの遠出。日々流れゆく出来事の断片に、思わぬふくよかさを探りあてるやわらかいことばの連なりに、読む歓びが満ちあふれます。ゆるやかにめぐる四季のなか、じんわりしみるおかしみとゆたかに広がる思いを綴る傑作エッセイ集。川上弘美『なんとなくな日々』|新潮社


2015.8.18(火)

87.「風花」(2008.4)

風花(かざはな、かざばな)は、晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降ること。あるいは山などに降り積もった雪が風によって飛ばされ、小雪がちらつく現象のこと。からっ風で有名な静岡県や群馬県でよく見られる。風花 - Wikipedia

日下のゆりは33歳。システムエンジニアの夫の卓哉と結婚して7年。平穏な日々が、夫に恋人がいるという一本の電話で破られる・・・。何気ない日常の中で、色あせてゆく愛を描く長編恋愛小説。Amazon.co.jp: 風花: 川上 弘美: 本

『風花』川上弘美

定価:1,400円(本体)+税 4月4日発売


「風花」は、結婚している一組の夫婦だけに焦点を当てて書かれた
川上弘美さんの初めての「結婚小説」です。

今の五十代半ば以上の世代は、「結婚とはこういうもの、もしくはこうあるべき」というのが共通の認識としてあったのに、 今は結婚観が多様になってきていて、カップルによっていろいろなスタイルが選択できる時代です。 自由な反面、「結婚」をどうかたち造っていくのかがとても難しくなってきています。
平穏な時間がずっと続くなら問題はないかもしれませんが、ひとたび「こと」が起こると、解決の仕方が解らなくて、壊れやすい。この小説の主人公、のゆりと卓哉の夫婦もそうです。
結婚して七年、夫の浮気によって結婚を一から考えざるを得なくなります。
何げない日常の中に積み重なる小さな気持ちのすれ違い。
一緒に暮らしながらも相手のことを知らない人と気づく瞬間。
愛とはなにか。結婚とはなにか。愛はいかにして色あせていくのか。
川上ワールドにひろがる、恋愛小説の刹那を堪能してほしいと思っています。
カバーの作品は有元利夫さんの陶芸で、タイトルは「未完」。
この結婚小説を象徴させたくて使用しました。見返しは表がピンクで裏が淡いグリーン。
「ゆるやかに推移する愛」のイメージです。
(編集M)『風花』川上弘美|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー



2015.6.20(土)

59.「天頂より少し下って」(2011.5)

奇妙な味とやわらかな幸福感の恋愛小説集・・・どれもこれも少しづつ泣けてくる味わい

<収録作品>
☆「一実ちゃんのこと」一実ちゃんは、「私、クローンだから」と言う。父がクローン研究に携わっていて、19年前亡くなった母を「母株」にして一実ちゃんは誕生したらしい。
☆「ユモレスク」17歳のハナのイイダアユムに対するコイゴコロは見事に破れた。「私、玉砕?」。
☆「エイコちゃんのしっぽ」「しっぽがあるんだ」とエイコちゃんは言った。エイコちゃんは女だけのガソリンスタンド、あたしは市場調査の会社で働いている。
☆「壁を登る」母はときどき「妙なもの」を連れてくる。最初はおばさんとその息子。次におじいさん。三番目に五朗が来た。「何者?」と聞いたら「わたしの弟」と母は言う。
☆「金と銀」治樹さんは泣き虫でのんびりしていた。彼とばったり出くわしたのは大学生のときだ。治樹さんは絵描きになっていた。
☆「夜のドライブ」40歳のわたしは、ある日、母を誘って車で温泉に出かけた。旅館に泊り、真夜中、母がわたしを呼んだ。「ねえ、夜のドライブに行きたいの」。
☆「天頂より少し下って」45歳の今まで、真琴は何人かの男と恋をした。今つきあっている10歳年下の涼は柔らかげな子だ。涼は真琴のことを「猛々しい」と言う。
Amazon.co.jp: 天頂より少し下って: 川上 弘美: 本


2015.1.18(日)~

13.なめらかで熱くて甘苦しくて(2013.2.15)

なつかしいのは、男たちの弱さだ――。(ignis)/「それ」は、人生のさまざまな瞬間にあらわれては「子供」を誘い、きらきらと光った――。(mundus)……年齢も男女の別も超越し、生と死の交差する場所からあらわれては消えてゆく何ものか。いやおうなく人を動かす性の力をさまざまなスタイルで描きあげた魅惑的な作品集。全五篇。

川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』刊行記念インタビュー】
生きること、死ぬこと、セックスのこと  川上弘美


最初から、こんなふうなものだと知っていたような気がする――。ひとを突きうごかす性の力を描くうち、生と死の深淵までおりてゆく、瑞々しく荒々しい作品集。五年にわたって書きつがれた、全五篇。

――『なめらかで熱くて甘苦しくて』には、世界を構成する四大元素、aqua(水)、terra(土)、aer(空気)、ignis(火)、そしてmundus(世界)と名づけられた五つの短篇がおさめられています。小学生の女の子からおばあさんまで、人生のさまざまな時期を生きる女の人たちが出てきますが、この連作をつなぐものはなんでしょう。
川上 最初は「性欲」について書こうと思っていたんです。でも書きはじめてすぐ、それだけ取りだすことはできないとわかった。生きること、死ぬこと、セックスのこと、それらは一人の人間のなかでいつもまじりあっている。どんなふうにまじりあっているのか、それを考えながら書きました。
――巻頭におかれた「aqua」には、水面と汀という小学三年生の女の子が出てきます。
川上 五篇のうち最初の話なので、まだ性欲という言葉を頭の中心において書こうとしたものですね。子どもにも、当然女の子にも性欲はある。あまりに淡くて言及されにくいけれど、その芽生えを書きたかった。
――汀と水面は、近づいたり遠ざかったりしながら成長し、高校生になると同じ男の子とつきあったりする。ちょっと特別な、つかず離れずの関係がつづいてゆきます。
川上 同い年の女の子たちって、みんな似ているようで、じつはずいぶん違いましたよね。シャンプーの匂いひとつとっても、ぜんぜん違っていた。生々しいものでした。ほかの子との差異を感じることで、女という性があることを知ったような気がします。水面にとっての汀もそういう存在かな。
 むつかしい時期ですよね。よくあそこをみんな通りぬけたなと思います。世界からいろんなノイズが届くけれど、それを全部受けとめる容量はなくて、でも聞こえてきてしまう。そこをどう凌いでいくか。すごく大変だけれど、おもしろい時期でもある。

  セックスの地位のアップダウン

――「aqua」には、セックスってどんなものだろうと想像する水面が、「想像力の限界だな」と嘆息するところがありました。つぎの「terra」はその先の話ですね。
川上 セックスをしてみたい年頃の人たちが、してみたらどうなったか。実際はそれほどのものではないわけなんですけれど、でもかなり打ち込める一分野ではあるわけです(笑)。
 自分のからだが存在していることを実感するのは、病気になったとき、子どもを産むとき、いろいろあると思うけれど、セックスをとおして自分の身体を意識する機会を得て、そしてそれがまだ新鮮な体験である時期のことを書きたかったんだと思います。
――事故で死んでしまった大学生の「わたし」が「あなた」に語りかける、濃密な性の匂いを感じさせる部分と、沢田と加賀美という同級生の男女のあっけらかんとした日常会話の部分と、トーンがまったく違う文章が交互にあらわれるのが面白いですね。セックスというのは、ひとりの人間のなかにある非日常でもあるんだなと感じます。
川上 若いときはとくにそうですね。科学的にいっても動物としての必要性から大量に性ホルモンが分泌されているわけで。意志だけでは扱いかねる時期の話です。
――つぎの「aer」では出産が描かれます。「しろもの」とよばれるものを妊娠し、出産し、育ててゆく。
川上 わたしとしては初めての、そして唯一の出産小説です。実感をこめて書きました。あと、わたしが出産したころは「母性神話」みたいなものがまだ幅をきかせていて、それがすごくいやだった。この小説を書いてすっきりしました(笑)。
――面白いフレーズがありますね。「こうなったらセックスだ。困った時のセックスだのみ。逃避したい時のセックスだのみ」。セックスの地位、下がりましたね。
川上 下がりましたね、ほんとうに。
――「セックスはごく平常なよろこびになってしまっている。からすみを食べる、とか。車庫入れがとても上手にできる、とか。可憐な犬をなでる、とか」
川上 けっこういいことだけど、まあそのぐらいっていう。大人になると楽ですね。
――子どもをもったばかりの男の人が疑心暗鬼になってくよくよ考えるところがありますね。さまざまな不安と疑いがパーセントであらわされているのがほんとうらしい。
川上 で、足すと一〇〇パーセントを超えてしまう。ふふふ。男の人ってそういうところがあるのではないでしょうか。

  昔、男がいた

――つぎの「ignis」は一組の男女の三十年におよぶ時間を描いたものです。「なつかしいのは、男たちの弱さだ」という印象深い一節がありますね。
川上 男とは、とかいうのは嫌いなんですけど、でも男の人って根本的に弱いところがあるような気がします。たまたま自分の知ってる人だけがそうなのか? という心配はあるけれど(笑)。でもその弱いところがまたいいところでもある。
――その「弱さ」というのは、若いときにもわかりましたか。
川上 全然わからなかった。なにか夢を抱いてました(笑)。
――(笑)「ignis」は、「伊勢物語」を下敷きになさっているんですね。
川上 「伊勢物語」には男女の原型があると思います。「源氏物語」がそばでじっと眺めて描写しているとしたら、「伊勢物語」は俯瞰している感じでしょうか。特殊にみえても普遍的で、現代の男女そのものです。本当におもしろい。
――「昔、男がいた」のまえに、「なつかしい」という言葉がリフレインされています。「なつかしく思うことがある」とか。自分が生きてきた時間のなかでの懐かしさと同時に、自分ではない、これまで無数の男女が過ごしてきた時間への懐かしさもまじっているようです。たくさんの人がここを歩いていったみたい、と。
川上 自分はその道は歩かなかったけれど、ちょっと見たことがあるかもしれない、ということですね。なんだか年寄りくさいですね(笑)。達観しているわけでもないんですが。

  混沌を混沌のままに

――最後が「mundus」です。この話には、「子供」とだけよばれる一人の人間の一生、その長い時間が入っています。生涯をつうじて、「それ」というなにかとらえがたいものが、あらわれては消える。
川上 性欲だけを取りだして書くことなどできないということはすぐにわかったんだけれど、最終的に、「それ」はいったいなんなんだろうと。わたしにもまだわからないんですけれど、混沌とした感じを保ったままでどうにか描いてみたかった。
――ときどき段落の頭に「/」がついていますね。この小さい記号にはふしぎな効果があります。
川上 ひとつずつ、川端の「掌の小説」のように独立しても読め、一篇の話としてつながっても読めるものにしたかったんですね。それでなんとなく「/」を使ってみました。
――水が印象的ですね。くりかえし洪水が起こります。
川上 たしかに水がいっぱい出てきますね。ほかの小説でもどうやらそうなんですが、じつは実家の裏を神田川が流れていて、子どものころは大雨が降るとしょっちゅうあふれて、橋が流されたりしてたんです。しょうがないから向こうの橋まで遠回りしたり、架けられた板きれをこわごわ渡ったり。
――そうですか。抽象的なものではなかったんですね。
川上 いまの東京からは考えられないような風景ですが、昭和三十年代の杉並でのわたしの原体験なんです。水がつねにそばにあって、どこかで意識しつづけていました。
――思いっきり抽象的であると同時に、体感できるように書かれた小説ですね。たとえば、湖にいる怪魚に「子供」の兄が引きずりこまれたり、翌日になるとその兄がぽっかり浮かんできたり、草原を走る列車に女がぎゅうづめになっていて、その中に「子供」の母がまぎれこんでいたり。
川上 はい。この小説には、自分のなかにあるごったなイメージを投げ込んでみました。
――タイトルの「なめらかで熱くて甘苦しくて」という一節はこの「mundus」からとられています。
川上 そういうものに突き動かされてきた人生であるなあ、ということですね。
――これからどうなるのでしょう。
川上 そこはまだ書けませんでした。男女が出会ってから三十年後までしか書けなかった。その先を書くには、もっともっと長く生きなくちゃですね。(かわかみ・ひろみ 作家)
川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』|書評/対談|新潮社

2015.1.1〜2

1.パスタマシーンの幽霊(2010.4)

あたし、この恋の出口を見失いました。恋の深みに足をとられた女たちをあたたかに慈しむ22情景。雑誌「クウネル」の人気連載小説。

恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。川上弘美『パスタマシーンの幽霊』|新潮社

2.これでよろしくて(2009年)

主婦の菜月は女たちの奇妙な会合に誘われて......夫婦、嫁姑、同僚。人との関わりに戸惑いを覚える貴女に好適。コミカルで奥深いガールズトーク小説。これでよろしくて?|文庫|中央公論新社


川上弘美 カワカミ・ヒロミ

1958(昭和33)年、東京都生れ。1994(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞、1999年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、2007年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。その他の作品に『椰子・椰子』『おめでとう』『龍宮』『光ってみえるもの、あれは』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『古道具 中野商店』『夜の公園』『ざらざら』『ハヅキさんのこと』『どこから行っても遠い町』『パスタマシーンの幽霊』『機嫌のいい犬』『なめらかで熱くて甘苦しくて』などがある。
川上弘美|新潮社


川上弘美(かわかみ ひろみ、旧姓・山田、1958年4月1日 - )は、日本の小説家。東京都生まれ。大学在学中よりSF雑誌に短編を寄稿、編集にもたずさわる。高校の生物科教員などを経て、1994年、短編「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞受賞。

幻想的な世界と日常が織り交ざった描写を得意とする。作品のおりなす世界観は「空気感」と呼ばれ、内田百閧フ影響を受けた独特のものである。その他の主な作品に『溺レる』、『センセイの鞄』、『真鶴』など。

俳人でもあり、小澤實主宰の『澤』に投句しているほか、長嶋有らとともに句誌『恒信風』で句作活動をしている

東京都に生れる。5歳から7歳までをアメリカ合衆国で過ごす。小学3年生のときに1学期間を休む病気にかかり、このときに家で児童文学を読み始めたことから読書家になる。雙葉中学校・高等学校を卒業後、お茶の水女子大学理学部生物学科に入学し、SF研究会に所属、のちの漫画家湯田伸子がメンバーにいた。

1980年、大学在学中に山野浩一発行・山田和子編集のニュー・ウェーブSF雑誌『季刊NW-SF』第15号にて、「小川項」名義の短編「累累」を掲載。次号第16号で旧姓「山田弘美」名義の短編「双翅目」を発表、また「女は自ら女を語る」という座談会にも参加し編集者として加わっていた。

1980年に大学を卒業し、NW-SF社で働くが1982年『季刊NW-SF』が第18号で休刊。そのため、同1982年に田園調布雙葉中学校・高等学校で生物の教員となる。1986年までの4年間を勤め、退職。結婚・出産ののち主婦を経て、1994年に「神様」でパソコン通信を利用したASAHIネット主催の第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。この回の選考委員は、井上ひさし、小林恭二、筒井康隆。

次いで1995年に「婆」が第113回芥川龍之介賞候補作品となり、翌1996年に「蛇を踏む」で第115回芥川龍之介賞を受賞。1999年、『神様』で第9回紫式部文学賞、第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(審査員久世光彦)。2000年、『溺レる』で第11回伊藤整文学賞、第39回女流文学賞を受賞。

2001年に第37回谷崎潤一郎賞を受賞した『センセイの鞄』では、中年女性と初老の男性との淡い恋愛を描きベストセラーとなった。同作品はWOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクト「ドラマW」により、久世光彦監督の演出、小泉今日子・柄本明の共演でテレビドラマ化されている[1]。2007年、『真鶴(まなづる)』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

2013年発表の2012年マン・アジア文学賞(Man Asian Literary Prize)において『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)が、ノーベル文学賞受賞者のオルハン・パムクのSilent Houseなど4作品と共に最終候補に残ったが、受賞は逃した。[1][2]

2007年の第137回芥川賞選考会から、選考委員として参加。2011年現在は谷崎潤一郎賞と三島由紀夫賞の選考委員も務めている。川上弘美 - Wikipedia
posted by りょうまま at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 川上弘美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする